Design & Manufacturing West · アナハイム

Design & Manufacturing West 2027完全ガイド:日本企業のための参加・出展判断

最終更新:2026年8月7日

噴水とヤシ並木の向こうに立つアナハイム・コンベンションセンターのガラス張りの正面と、正面上部の館名サイン
会場のAnaheim Convention Center正面。会期外の平常時の様子です(2021年5月撮影)。写真:Troutfarm27(CC BY-SA 4.0)

Design & Manufacturing West(D&M West)2027は、2027年2月9日〜11日にカリフォルニア州アナハイムで開かれる、設計・試作・計測・エンジニアリングソフトウェアの展示ゾーンです。結論から言えば、試作や受託加工、精密部品、センサ・計測機器を米国の設計技術者に売りたい日本企業には行く価値があり、CAD・CAEやエンジニアリング向けAIを持つ日本のソフトウェア企業にとっては、競合が1社もいない珍しい場所です。逆に、工作機械や生産設備そのものを売りたい企業には向いていません。

最初に構造を整理します。D&M Westは単独の展示会ではなくなりました。今はMD&M Westという1つの展示会の「設計・製造セクター」で、バッジも出展社リストも登録も1本化されています。この記事では、この変更が実務にどう効くのか、フロアのどこを歩けばよいのか、そして日本企業の存在感がこのセクターで最も薄いという事実まで、出典付きで並べます。

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2027年2月9日〜11日

会期

1.38万人超

来場者(2026年実績・5セクター合計)

約155社

設計・製造ゾーンの出展社(当社集計)

無料〜$199

展示フロア入場(2026年実績)

D&M West 2027は開催されるのか

開催されます。2027年2月9日〜11日、会場はこれまでと同じAnaheim Convention Centerです。ただし探し方を変える必要があります。

旧ドメインのdmwest.comはmdmwest.comへ301リダイレクトされ、D&M Westという名前の展示会はもう存在しません。Informa Marketsは、かつてIME Westという傘の下に並べていた5ブランド(MD&M West、ATX West、D&M West、Plastec West、WestPack)を1つの展示会に統合し、ブランド名をセクター名に降格させました。この統合は日本の出展社も現地で確認しています。RICOSの代表取締役・井原遊氏は出展報告にこう書いています。

本イベントは、かつては MD&M、ATX、D&M、Plastec West として開催されていた展示会の垣根を取り払い、1 つの MD&M Westというイベントで開催されました。

ここからがD&M West固有の問題です。旧ブランドページのimengineeringwest.com/en/show/show-brands/dm-west.htmlは301を返しますが、そのLocationヘッダのURLが壊れています。httpsのあとのコロンが1つ欠けているため相対パス扱いになり、ブラウザは存在しないURLへ飛んで403または404を表示します。2026年8月9日時点で実際にそうなることを確認しました。ATX WestとPlastec Westの旧ブランドページは正しく転送されるのに、D&M Westだけが壊れています。

つまり、IME West時代にD&M Westのページをブックマークした方が今それを開くと、エラー画面が出ます。展示会が消えたのではなく、リダイレクトが壊れているだけです。正しい現在地はMD&M Westの設計・製造セクターページです。

D&M Westとは何の展示会か

D&M Westは、製品を設計し検証するための「道具」を売る展示ゾーンです。部品でも素材でもありません。CAD/CAMソフトウェア、3Dプリンター、試作サービス、測定・検査機器、電子部品、そして最近ではエンジニアリング向けAIツールが並びます。

Informaが公式サイトで掲げるテーマは3つです。

テーマ中身
Product Design & PrototypingCAD/CAMソフトウェア、3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング
Testing & Validation設計初期から量産までの性能・信頼性・適合性を確認する試験計測機器
Software & Hardware Solutionsソフトウェア開発ツール、コンピュータハードウェア、電子部品

製品カテゴリは8つ、3Dプリンティング/積層造形、設計受託サービス、CAD/CAMソフトウェア、設計ツール、ケーブル・コネクタ、電子部品、ディスプレイ・ハードウェア、研究開発です。対象産業は航空宇宙・防衛、自動車、建設、ロボティクス、民生電子機器、電子部品、産業機械、大学・研究機関、医療機器製造、消費財の10分野とされています。

この区分は、貴社がこのセクターに合うかどうかを決める線引きそのものです。同じフロアの他セクターは、MedTechが医療機器に入る素材と部品、Plasticsが成形機と樹脂、Automationがロボットとモーション制御を扱います。D&Mが扱うのは、技術者が設計し検証するときに使う側の製品です。

このブランドの位置づけは統合前から変わっていません。2024年版のD&M Westブランドページ(アーカイブ)には、こう書かれていました。

Advancing Manufacturing Excellence Through Design. D&M West is where design ideas are brought to life.

歴史はさらに古く、2014年のUBM Canonのプレスリリースでは、アナハイムで同時開催されていた7ブランドの1つが Pacific Design & Manufacturing でした。これがD&M Westの前身です。長年通っている米国の出展社は、2026年の参加記でこう書いています。

I'm old, so I still call it the Pacific Design Show.

(引用者訳:私はもう年寄りなので、いまだにPacific Design Showと呼んでいます)

PADTのEric Miller氏のこの一文が、名称変更の回数を何より正確に伝えています。

いつ・どこで開催されるのか

2027年2月9日(火)〜11日(木)の3日間、Anaheim Convention Center(800 W Katella Ave, Anaheim, CA 92802)で開催されます。主催はInforma Marketsです。

項目内容
展示時間2月9日・10日は10:00〜17:00、11日は10:00〜16:00
Hall E毎日30分早い9:30に開場します
バッジExpo Passが1枚で5セクターすべてをカバーします
規模(2026年実績)来場者13,800人超、43か国、展示床319,000平方フィート超
規模(2027年目標)バイヤー14,100人超、出展社1,800社超、54か国、334,000平方フィート超

規模の数字はすべて5セクター合計です。Informaは設計・製造セクター単独の来場者数も出展社数も公表しておらず、どこにも存在しません。「13,800人が設計・製造の展示会に来た」と読み替えないでください。

会期の日付は毎年動きます。2025年は2月4日〜6日、2026年は2月3日〜5日、2027年は2月9日〜11日です。昨年の旅程をそのまま流用すると1週間ずれます。

誰が主催しているのか

主催はInforma Marketsです。ロンドン上場のInforma PLC(LSE: INF)の展示会部門で、この展示会自体は1985年にCanon Communicationsがディズニーランド・ホテルで始めたものです。

時期運営出来事
1985年Canon CommunicationsMD&M Westを創設
2000年代前半United Business MediaCanon Communicationsを買収し、UBM Canonへ
2014年頃UBM Canonアナハイムで7ブランド同時開催。Pacific Design & Manufacturingを含む
2018年Informa MarketsUBMを買収
2019〜2024年頃Informa Markets傘をIME Westに集約。5ブランドの1つがD&M West
2025年〜Informa Markets1展示会5セクターへ統合

収益構造は、ブース販売、スポンサーシップ、有料会議のチケットです。展示フロアそのものは有資格来場者に無料または$50で開放されています。これは慈善ではなく、来場者を出展社に売るという展示会の標準的な経済です。出展を検討する側は、フロアが安い理由がそこにあることを踏まえて商談に臨んでください。

このセクターに関わるメディア・業界パートナーは、Informaの自社媒体Design News、Machine Design、Tech Briefs、Electronic Design、Quality、そしてSMEです。2027年版では AMGTA(Additive Manufacturer Green Trade Association、積層造形の環境団体)がパートナーの列に加わりました。積層造形をこのセクターの看板に押し出す意図が読み取れます。

どんな企業が出展しているのか

設計・製造セクターの出展社は、ブース番号 3800〜4200番台 に固まっています。

これは公式には一切公開されていない情報です。当社が2027年と2026年の公式出展社リスト(MapYourShowのエクスポート、2026年8月9日時点)を解析し、社名とブース番号を突き合わせて特定しました。Informaが自社サイトに載せている「設計・製造セクターの主要出展社」16社は、1社の例外もなくこの範囲に入っています。

企業ブース扱うもの
Onshape(PTC)3801クラウドCAD/PLM
ViscoTec America3811ディスペンシング装置
Caplugs3839保護部品
Protolabs3901オンデマンド試作・少量生産
ソディック(Sodick by Plustech)3945放電加工機、射出成形機
Hexagon Manufacturing Intelligence4001計測・CAE
Formlabs40103Dプリンター
igus4101樹脂軸受、ケーブルベア
キーエンス(Keyence Corporation of America)4121センサ、画像処理、測定
bananaz.ai4239設計向けAIアシスタント

当社の集計では、この3800〜4199番の区画に入っている出展社は 2027年で約155社、2026年の最終実績で 約195社 です。2027年のリストは2026年8月9日時点で約1,300社、目標1,800社に対しておよそ7割強が埋まった状態なので、最終的には2026年と同水準に届く見込みです。セクター単位の出展社数は、これ以外に存在しません。当社の推計値としてお使いください。

通路の中身は3つに割れています。

  • 積層造形:Formlabs 4010、Stratasys Direct 3821、MatterHackers 3825、Raise 3D 3826、Xact Metal 3814、PADT 3842、Protolabs 3901、UpNano 4149、Mantle 4255
  • CAD/CAE/ソフトウェア:Onshape(PTC)3801、GoEngineer 4067、VKS Visual Knowledge Share 4080、Verisurf Software 4120、Epicor 4250、bananaz.ai 4239
  • 試験・計測:Hexagon 4001、Bruker Alicona 3812、Werth 4015、キーエンス4121、LPMS USA 4129、Vitrek 4147

日本企業はこのゾーンのどこにいるのか

2027年の設計・製造ゾーンに入っている日本企業は7社です。

企業ブース扱うもの
スガツネ工業(Sugatsune America)3807建具金物、可動部品
鹿児島精機(Kagoshima Seiki)3810精密加工
TDK SensEI(USA)3877センシング、エッジAI
ソディック(Sodick by Plustech)3945放電加工機、射出成形機
三ツ矢(Mitsuya)3994精密加工、表面処理
沖電線(Oki Electric Cable)4025ケーブル、ハーネス
キーエンス(Keyence Corporation of America)4121センサ、画像処理、測定

スガツネ工業、鹿児島精機、三ツ矢の3社は2026年もまったく同じブース番号を押さえていました。一過性ではなく、定着した常連です。

ここで最も実務的な事実を1つ。日本の計測メーカーは、このゾーンにいません。2027年の配置は、島津製作所が2283、ニコンメトロロジーが2549と2555、ミツトヨが2582で、いずれも2200〜2600番台です。設計・製造の通路とは、フロアを3分の1ほど横断する距離があります。キーエンスだけが例外的に設計側の通路に立っています。

このずれは両方向に効きます。日本の計測3社に会いに行くつもりなら、設計の通路を歩く「ついで」では回れません。逆に、貴社が計測機器メーカーとして出展を考えているなら、同じカテゴリの日本の先行企業は設計技術者の動線上にいない、ということです。

日本勢の存在感は、3セクターの中でこのセクターが最も薄い

Informaが各セクターページに載せている「主要出展社16社」で、日本資本の企業を数えました。

セクター16社中の日本資本
Plastics(樹脂)4社(Maruka USA、Sumitomo (SHI) Demag、Canon Virginia、ユーシン精機)
Design & Manufacturing(設計・製造)2社(キーエンス、ソディック)
Automation(自動化)1社(DENSO Robotics)

樹脂セクターでは、成形機からロボット、金型部品まで日本勢がフロア上に1つの産業構造を作っています。設計・製造セクターにいるのは、部品とセンサのメーカーが数社と、工作機械ブランドが1社です。そしてCAD、CAE、PLM、MESの日本製ソフトウェアは、2027年のリストに1社も載っていません。このセクターのソフトウェア層は、完全に米国と欧州のものです。

例外は2社あります。どちらも東京のスタートアップで、どちらも2025年にD&Mの名前で出展しました。物理シミュレーションとAIのRICOSと、視触覚センサを積んだロボットハンドのFingerVisionです。FingerVisionのブースは 4086番、ロボット企業でありながら自動化ゾーンではなく設計・製造ゾーンでした。

会場では実際に何が起きるのか

3日間、朝10時から夕方5時まで、1,800社規模の展示フロアが開いています。設計・製造セクターには専用のステージが2つあり、どちらも展示フロアの無料パスで聞けます。

  • Advanced Manufacturing Stage(Center Stage):CAD/CAMソフトウェア、3Dプリンティング、試作、試験、デジタル設計ツール
  • Design Alley:設計者・技術者・R&D責任者向けに、試作、ソフトウェア、試験計測を扱う専用ステージ

Design Alleyは2027年の新設ではありません。2024年のD&M Westブランドページにすでに載っていた、このセクター固有の常設ステージです。

有料側では、CAD/CAMワークフローと産業制御システムの防御を扱うCybersecurity for Manufacturing Workshopと、設計から製造までのリスク評価を扱うRisk Management Toolbox Workshopがこのセクターに紐づいています。

ガラス張りの壁面に沿って続く広いコンコース。奥に受付カウンターと来場者、右手にロープパーティションが並ぶ
Anaheim Convention Centerのコンコース。写っているのはMD&M Westではなく、2015年のNAMM Show開催時の様子です。展示ホールに入る前の動線の広さがわかります。写真:Pete Brown(CC BY 2.0)

ブースに来る人は何を聞きに来るのか

このセクターに出展した企業が、来場者との会話の中身を公開しています。PADTのEric Miller氏による2026年の記録です。

About half of the people stopped by to talk about simulation, and the rest were split pretty evenly between design and 3D Printing.

(引用者訳:立ち寄った方のおよそ半分はシミュレーションの話をしに来ていて、残りは設計と3Dプリンティングにほぼ半々でした)

設計・製造セクターの来場者の関心配分について、公開されている情報はこれだけです。シミュレーションが半分という比率は、CAEを持つ企業には強い示唆になります。

来場者の質については、デクセリアルズが2026年の出展報告で主催者発表の数字を引いています。来場者の74%が購買判断または仕様策定に関与し、10人中7人が1年以内に立ち上がるプロジェクトに従事し、67%が技術者・経営層・事業開発の職種です。あくまで主催者の自己申告であり、第三者による監査ではありません。

2026年のフロアで実際に起きていたこと

Miller氏は3つの観察を残しています。1つ目は、エンジニアリング向けAIが実用段階に入ったこと。彼が最も評価したのは、2027年に4239番へ入るbananaz.aiの設計向けAIアシスタントで、図面チェック、公差設定、アイデア出しをこなすものでした。

AI is not on its way for simulation, design, and manufacturing. Useful tools are here now.

(引用者訳:シミュレーション、設計、製造にとってAIはこれから来るものではありません。使える道具はもう手元にあります)

2つ目は、欧州勢の不在です。空きブースの多くに欧州企業の名前が入っていた、と彼は書いています。本人が非科学的だと断ったうえでの観察ですが、関税、提携のしにくさ、欧州企業の内製化のいずれかを理由に挙げています。3つ目は景況感で、「調子はどうか」への最も多い答えが2026年は「上向いてきた」だったこと。2024年から2025年にかけて顧客が判断を止めていた反動だと説明しています。

一方で、AIの話量と実装量は一致していません。2026年に参加したConsilienのEric Kong氏の観察が、この点では最も正直です。

Everyone is talking about AI. Very few manufacturers are producing more units because of it.

(引用者訳:誰もがAIの話をしています。それによって生産数量が増えたメーカーは、ごくわずかです)

1日では回りきれません

2日は見てください。2025年に参加した日本人の記録が、規模感を正確に伝えています。

会場となったアナハイムコンベンションセンターは西海岸最大級のコンベンション施設で、広大な展示エリアに無数のブースがひしめき合っていました。(中略)一日かけても全てを回り切るのは困難なほどでした。

設計・製造だけが目的なら、3800番から4200番の通路を先に歩いてください。ここに155社前後が固まっています。日本の計測メーカーに会うなら、そのあと2200〜2600番台へ移動する時間を別に確保してください。

参加・出展にいくらかかるのか

展示フロアを歩くだけなら、実質的に無料です。2026年実績で、Expo Passは早期登録の2つの期間を通じて無料、直前登録で$50、当日で$199でした。有資格来場者のみが対象で、登録時に会社名と職種の申告を求められます。

2027年の価格は2026年8月9日時点で未発表です。公式の料金ページは今も2026年の期間(Super Early Birdが2025年12月7日締切、Early Birdが2026年1月4日締切、Advanceが2026年2月2日締切)を表示しています。例年どおりなら2026年秋に2027年版が出ます。

現在ページに掲示されているパスの価格帯は次のとおりです。

パス価格
Standard Expo Pass直前$50、当日$199(有資格来場者のみ)
MedTech Conference Pass$494〜$994
Sustainable Manufacturing Conference Pass$379〜$449
Workshop Bundle Pass$149〜$649

設計・製造セクター専用の有料パスは存在しません。このセクターの中心コンテンツであるAdvanced Manufacturing StageとDesign Alleyは、無料のExpo Passで聞けます。一方で、このセクターの看板技術である積層造形の最も深い内容は、Sustainable Manufacturing Conferenceという有料の持続可能性会議の中に入っています。2026年版は26本の講演で構成され、事前セッションはAMGTAのSherri Monroe氏が司会でした。3Dプリンティングの話を聞きに行くつもりの方が、料金表からその会議に行き着ける導線にはなっていません。名前で探さず、中身で選んでください。

見落とされがちな割引が1つあります。料金ページは団体割引を明記しており、3〜5名で10%、6〜9名で20%、10名以上で25%です。有料会議に複数名で行くなら、個別ではなくまとめて登録してください。

ブース価格は非公開です。出展社向けページには3ステップの手順と電話番号(1-844-826-9378)しか書かれておらず、平方フィート単価も最小区画も含まれるものも締切も公表されていません。当社データベースのブース価格帯も空欄です。金額を知る方法は、現時点では営業への直接連絡しかありません。

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日本から行くとどうなるか

ロサンゼルス(LAX)に直行便で入り、陸路で会場へ向かうのが基本形です。

空港会場までの距離所要日本からの直行便
LAX34〜40マイル45〜90分(渋滞次第)あり。ANA、JAL、ユナイテッド、デルタ、アメリカンが羽田・成田から運航
SNA(ジョン・ウェイン)14マイル20〜30分なし

SNAのほうが会場には圧倒的に近いのですが、日本からの直行便がありません。羽田発の直行便と60分の陸路のほうが、乗り継ぎ1回と25分の陸路より確実です。サンプルや什器を運ぶなら特にそうです。米国内線に乗り継ぐ予定がすでにある場合だけ、SNAが有利になります。

2月はアナハイムで1年のうち最も雨の多い月です。平均最高気温は68〜69°F(約20℃)、最低は47〜50°F(9〜10℃)、月間降水量は2.2〜3.1インチ。数字だけ見れば東京の3月に近い穏やかな気候ですが、南カリフォルニアは常に晴れているという先入観で来ると外します。2015年に視察した日本企業の記録では、3日間のうち2日が雨で、晴れたのは最終日だけでした。自動化分野の米国企業も2024年の参加記で、例年は晴天のアナハイムが会期中ほぼ雨だったと書いています。会場とホテルは近いものの、屋根のない区間を歩きます。

コンベンションセンターのガラス張りの側面に沿って、ヤシ並木の続く広い歩行者用の通路
コンベンションセンター沿いの歩行者動線。ホテル街から会場までは歩ける距離ですが、屋根はありません(2021年4月撮影、会期外)。写真:Troutfarm27(CC BY-SA 4.0)

出展を検討する日本の中小企業向けには、県や大学の共同ブースという経路があります。ただし その全てが医療機器向けのプログラムです。茨城県と福島県の県ブース、信州メディカル産業振興会が運営する信州大学ブース、東京都の東京パビリオンは、いずれも医療機器分野の中小企業を対象にしています。設計・製造やソフトウェアに特化した日本の共同出展枠は、調べた範囲では存在しません。視察だけが目的であれば、日本の旅行会社がMD&M West 2027の視察モデルプランを商品化しており、送迎、通訳、登録代行まで含みます。

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日本企業にとって行く価値はあるか

判断軸は1つです。貴社が売っているものを買うのは、製品を作る人ではなく、設計し検証する人かどうか。これがD&Mセクターと他4セクターを分ける線です。

行くべき企業。試作、受託加工、精密加工、センサ、測定・検査機器を米国の設計技術者と品質部門に売りたい企業です。来場者の74%が購買判断か仕様策定に関与し、10人中7人が1年以内に立ち上がるプロジェクトを抱えているという主催者の数字が正しければ、仕様がまだ固まっていない段階の技術者に会える場所ということになります。仕様が決まったあとの相見積もりより、はるかに手前の局面です。しかも展示フロアだけなら早期登録で無料です。米国の製造業の展示会としては、最も安い偵察になります。樹脂と成形が主戦場であれば、同じバッジで回れるPlastec Westが隣の区画です。

最も面白い立場にいるのは、CAD・CAE・シミュレーション・エンジニアリング向けAIを持つ日本のソフトウェア企業です。このセクターのソフトウェア層には、2027年時点で日本企業が1社もいません。PTC、Hexagon、Verisurf、GoEngineer、Epicor、そして米国のAIスタートアップが並ぶ通路に、日本の技術を置いた企業は直近ではRICOSとFingerVisionの2社だけです。来場者の半分がシミュレーションの話をしに来るという実測がある通路で、競合が1社もいないという状況は、そう頻繁には起きません。ブースを買う前に、まず無料パスで1日歩いて確かめる価値があります。

行かなくてよい企業。工作機械、生産設備、産業用ロボットそのものを売りたい企業です。ここは設計と検証の道具を買いに来るフロアで、量産設備の商談フロアではありません。同じ理由で、完成品としての医療機器を医療機関に売りたい企業も対象外です。また、3Dプリンティングの技術動向を聞きに行くだけであれば、渡航費に見合いません。最も深い積層造形の内容は有料の持続可能性会議の中にあり、しかもその大半は米国内の事例です。量産設備を売るなら、同じ会場の自動化区画であるATX Westではなく、5月ラスベガスのAutomateや偶数年シカゴのIMTSが商談フロアです。

判断を保留してよい企業。2027年の登録価格もブース価格も登壇者も未発表です。展示フロアだけなら早期登録が無料なので、登録が開いた時点でまず枠を押さえ、渡航の可否は後から決めるのが合理的です。無料の枠を取るために稟議を先に通す必要はありません。

最後に、率直な注意を1つ。このセクターには、日本企業がすでに来ているという安心材料がありません。樹脂セクターなら、成形機からロボット、金型部品まで日本の同業がフロア上にそろっています。設計・製造セクターにいる日本企業は7社で、そのうち計測の主力3社は別のゾーンです。同業のいないフロアに出るというのは、目立てるということでもあり、そこに市場がないということでもあります。どちらなのかは、貴社の製品が米国の設計技術者の課題に当たっているかどうかでしか決まりません。1日歩けば分かることです。無料で歩けるうちに歩いてください。

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よくある質問

D&M West 2027は中止になったのですか?
中止ではありません。2027年2月9日〜11日にアナハイムで開催されます。ただしD&M Westという単独ブランドは消滅し、現在はMD&M Westの「設計・製造セクター」です。旧ブランドページdm-west.htmlはリダイレクト設定が壊れており、ブックマークから開くとエラー画面が出ます。会場も会期も従来どおりです。
Design & Manufacturing Westの参加費はいくらですか?
展示フロアだけなら2026年実績で早期登録が無料、直前登録が$50、当日が$199でした。有資格来場者のみが対象です。2027年の価格は2026年8月時点で未発表です。有料の会議は別料金で、積層造形の内容が入るSustainable Manufacturing Conferenceが$379〜$449でした。
設計・製造セクターの出展社はどこにいますか?
ブース番号3800〜4200番台です。Onshape(PTC)3801、Protolabs 3901、Hexagon 4001、Formlabs 4010、Keyence 4121、bananaz.ai 4239などが並びます。公式には公開されていない情報で、当社が2027年の公式出展社リストを解析して特定しました。2日しかない場合はこの通路から歩いてください。
日本企業もD&M Westに出展していますか?
出展していますが、他セクターより少数です。2027年の設計・製造ゾーンにはスガツネ工業3807、鹿児島精機3810、TDK SensEI 3877、ソディック3945、三ツ矢3994、沖電線4025、キーエンス4121が入っています。CAD・CAE・PLMの日本製ソフトウェアは1社も出展していません。
ミツトヨやニコンにも会えますか?
会えますが、設計・製造ゾーンにはいません。2027年の配置はミツトヨ2582、ニコンメトロロジー2549・2555、島津製作所2283で、いずれも2200〜2600番台です。設計・製造の通路からはフロアを3分の1ほど横断する必要があります。ついでに立ち寄れる距離ではありません。
出展費用の補助を受けられる制度はありますか?
同じフロアに公的な共同出展枠はありますが、いずれも医療機器向けです。茨城県といばらき中小企業グローバル推進機構の県ブース、福島県の県ブース、信州メディカル産業振興会が運営する信州大学ブース、東京都の東京パビリオンが該当し、たとえば茨城県の制度は小間料と装飾費、通訳、製品輸送費、販促物の制作費を負担し、渡航費は各社負担です。設計・製造やソフトウェアに特化した日本の共同出展枠は、調べた範囲では存在しません。
アナハイムへはどう行くのがよいですか?
羽田・成田から直行便のあるロサンゼルス(LAX)を使い、陸路で45〜90分が基本です。ジョン・ウェイン空港(SNA)は会場から14マイルと近いものの、日本からの直行便がありません。2月はアナハイムで最も雨の多い月です。折りたたみ傘を1本入れてください。

渡航するかどうか、まだ迷われていますか?

派遣される人数とご予算をお知らせください。実際にかかる費用、現地での行程、そして社内稟議に使える資料をまとめてお返しします。

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