MD&M West · アナハイム

MD&M West 2027完全ガイド:日本の医療機器・製造業が出展する価値はあるか

Last updated: August 6, 2026

MD&M West 2027は、2027年2月9日〜11日にカリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Centerで開催される、米国最大級の医療機器製造・先端製造の展示会です。結論から言えば、医療機器向けの素材・精密部品・計測・受託加工を手がける日本企業にとっては、渡航費以外ほぼゼロ円で1,800社規模の商談フロアを歩ける、費用対効果の最も高い米国展示会の一つです。一方、完成品の医療機器そのものを売りたい企業には、想定と違う顔ぶれが待っています。この記事では、旧IME West(ATX West・Plastec West)との統合、2026年に日本親会社73社が出展した実績、県と大学の共同ブースという中小企業向けの出展ルートまで、判断に必要な材料を提示します。

13,800人超

来場者(2026年実績・全セクター)

1,876社

出展社(2026年実績・全セクター)

73社

日本親会社の出展社(2026年)

無料〜$199

展示会場パス

MD&M Westとは何のカンファレンスか

MD&M Westは、Informa Marketsが主催する医療機器の設計・製造に特化した米国最大級のBtoB展示会です。医療機器メーカーの購買・開発・品質の担当者が、部品、素材、受託製造、検査装置、規制対応サービスを買いに来るフロアであり、完成した医療機器を医療機関に見せる場ではありません。この一点が、このイベントの性格をほぼすべて説明します。

最初に押さえるべき構造変化があります。 かつてこの展示会は「IME West(Informa Markets Engineering West)」という傘の下に、MD&M West、ATX West、D&M West、Plastec West、WestPackの5ブランドが並ぶ形で開催されていました。Informaはこの傘をたたみ、MD&M Westを唯一のブランドに統合しました。旧ブランドは会場内のセクター名として残っているだけです。

証拠は明確です。atxwest.comとplastecwest.comは、いずれもmdmwest.comへ301リダイレクトされ、独自のウェブサイトを持ちません。旧称IME Westのドメインであるimengineeringwest.comも同じ挙動です。公式サイトのトップページには5つのセクター名が並び、「ATX West」「Plastec West」という文字列はどこにも出てきません。出展社リストも「MDM West 2027 Company Listing」の1本だけで、セクター別の分割はありません。

2025年に出展した株式会社RICOSの代表取締役、井原遊氏の記録が、日本語での最も明快な確認です。

本イベントは、かつては MD&M、ATX、D&M、Plastec West として開催されていた展示会の垣根を取り払い、1 つの MD&M Westというイベントで開催されました。

つまり、ATX West 2027やPlastec West 2027を探して来られた方が向かうべき展示会は、このMD&M Westです。バッジは1枚、出展社リストは1つ、フロアも1つで、オートメーションもプラスチックも医療機器も同じ登録で回れます。別々に申し込む必要はありません。

会場内は5つのセクターに分かれています。

セクター主な内容
MedTech循環器、医療機器製造、ヘルスケア全般
Automationロボティクス、センサー、モーションコントロール、自動化システム(旧ATX West)
Design and Manufacturing3Dプリンティング、CAD/CAMソフトウェア、試験・測定装置
Plastics射出成形、コーティング、生体適合性ポリマー(旧Plastec West)
Packagingフォームフィルシール、ラベリング、バーコード、保護材

いつ・どこで開催されるのか

2027年2月9日(火)〜11日(木)の3日間、カリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Centerで開催されます。展示フロアの開場は9日と10日が10時から17時、最終日の11日が10時から16時です。Hall Eだけは毎日30分早い9時半に開きます。

開催日は毎年動きます。 2025年は2月4日〜6日、2026年は2月3日〜5日、2027年は2月9日〜11日です。2月上旬という枠は変わりませんが、前年の日程感覚のまま航空券を押さえると1週間ずれます。

日本からのアクセスは、空港を2つから選ぶことになります。

空港会場までの距離所要時間日本からの直行便
LAX(ロサンゼルス国際空港)34〜40マイル45〜90分(渋滞次第)あり。ANA、JAL、ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空が羽田・成田から運航
SNA(ジョン・ウェイン空港、オレンジカウンティ)14マイル20〜30分なし

推奨はLAXです。 羽田からの直行便に60分前後のドライブを足すほうが、LAXやSFOで乗り継いでSNAに入り25分走るより、荷物とサンプルを抱えた移動としては確実です。SNAが有利なのは、米国内の別都市から乗り継いで入る場合に限られます。

2月のアナハイムは、1年で最も雨が多い月です。 平均最高気温は20°C前後、平均最低気温は9〜10°C、降水量は月2.2〜3.1インチ(約56〜79mm)。気温だけ見れば東京の3月に近い過ごしやすさですが、南カリフォルニアはいつも晴れているという前提で行くと外します。2015年に視察したイワキの報告では、3日間のうち最初の2日が雨で、晴れたのは最終日だけでした。日中と夜の寒暖差も10°C以上あります。上着と折りたたみ傘を必ず入れてください。

See itineraries

誰が主催しているのか

主催はInforma Markets、ロンドン証券取引所上場のInforma PLCの一部門です。運営はその中のInforma Markets Engineeringが担当しています。同部門は、世界12カ国で50を超えるイベントを手がけ、130万件規模の製造業データベースを保有していると自社で説明しています。

5ブランドを1つに畳んだ判断は、事業として読めば分かりやすいものです。5ブランドは、5つのウェブサイト、5つの販促予算、隣り合うブースを別々に売る5つの営業チーム、そして自分が買ったのは小さい展示会だと思う5組の来場者を意味します。1ブランド5セクターにすれば、バッジも出展社名簿もフロアプランも1つになり、スポンサーに提示できる数字は来場者を1人も増やさずに大きくなります。

代償はブランド資産です。ATX Westはオートメーション分野で、Plastec Westはプラスチック分野で、それぞれ数十年の認知を持っていました。Informaはそれを、1つの大きな数字と引き換えに使いました。その是非をここで論じるつもりはありませんが、旧名で検索してリダイレクト先に飛ばされ、展示会そのものがなくなったと誤解する必要はありません。

収益構造も知っておくと、この展示会が誰のためのものか分かります。稼ぎ頭はブース代とスポンサー費、そして有料カンファレンスとワークショップです。展示フロアだけを見るExpo Passは、2026年は早期登録期間中は無料、直前で$50、当日$199でした。入場料では稼いでいません。Informaが売っているのは、数十年かけて集め、入口で資格審査した買い手層へのアクセスです。出展社向けページの文言も「Over 14,100+ Buyers on The Show Floor」であり、attendeesではありません。

業界団体との関係も厚みがあります。SPE(米国プラスチック技術者協会)は会場内で有料のSPE MiniTechを運営し、ほかにAMBA(米国金型工業会)、AMGTA、IoPP(包装専門家協会)、Flexible Packaging Association、MedTech Women、Nelson Labsがパートナーに名を連ねます。商業展示会の中に学会運営の技術カンファレンスが入っているのは、内容の質に対する一つの担保です。

どんな企業が出展しているのか

2026年版は1,876社が出展し、うち73社が日本に親会社を持つ企業でした。比率にして3.9%です。2027年版は2026年8月5日時点の公式出展社リストで1,345社が確定し、うち日本企業は48社です。リストは会期6カ月前で目標1,800社の約75%が埋まった状態なので、日本企業も最終的には2026年並みの70社前後に達する見込みです。

規模の推移は次のとおりです。すべて統合後のMD&M West全体、つまり旧ATX WestとPlastec Westのセクターを含む数字であり、MD&M単独の数字ではありません。

会期来場者出展社出典
20232月14,366人1,612社信州メディカル産業振興会が引用した公式数値
20252月4日〜6日約13,000人1,400社超日本人参加者の現地レポート
20262月3日〜5日13,800人超1,876社(実数)公式サイトおよび公式出展社リスト
20272月9日〜11日14,100人超(目標)1,800社超(目標)、1,345社が確定公式サイトおよび公式出展社リスト

Informaの数字の癖も書いておきます。2026年の公式表記は「1,700社超」でしたが、出展社リストを実際に数えると1,876社ありました。この主催者は控えめに出す傾向があり、水増しの方向ではありません。

日本勢の主力は、素材、計測、精密部品、そして大手計測機器メーカーの米国法人です。2027年に出展が確定している企業を分野別に挙げます。括弧内はブース番号です。

  • 計測・検査:Nikon Metrology(2549/2555)、Mitutoyo America(2582)、Shimadzu Scientific Instruments(2283)、Keyence Corporation of America(4121)
  • 素材・樹脂:SEKISUI KYDEX(3633)、SEKISUI Kasei(2194)、Sekisui Voltek(1963)、KUREHA、中興化成工業(2898)、Shin-Etsu Polymer America(1271)、Shin-Etsu Silicones of America(1247)、古河テクノマテリアル(2991)
  • 精密部品・駆動:Harmonic Drive(5225)、MinebeaMitsumi(1370)、US Tsubaki(5245)、Nitto Kohki USA(2596)、SEMITEC USA(1865)、日本特殊管製作所(3458)
  • オートメーション:DENSO Robotics(4901)、SMC Corporation of America(2475)、Hitachi Industrial Equipment & Solutions America(5520)
  • 加工・成形装置:AMADA WELD TECH(2855)、Sodick by Plustech(3945)、Sumitomo (SHI) Demag(4345)、Canon U.S.A.(510)、Canon Virginia(4201)
  • 電子部品・機能材料:TDK SensEI(3877)、TDK-Lambda Americas(813)、Murata Electronics(611)、Maxell(447)、Dexerials America(645)、田中貴金属インターナショナル(2468)、NGK Insulators(831)、京セラインターナショナル(3293)、TOPPAN(2339)、出光(4389)

期待しないほうがよい名前も、正直に書いておきます。 ミスミ、THK、IAI、日精樹脂工業、日本製鋼所、オリンパス、テルモ、ニプロ、朝日インテック、東レ、帝人、クラレ、安川電機、NSK、NTN、牧野フライス、オークマは、2027年のリストにありません。2025年にはFANUC、エプソン、デンソーがブースを構えていたと現地参加者が報告していますが、2027年に名前があるのはデンソーだけです。日本企業の出展は年ごとに入れ替わります。特定の1社に会うことを目的に渡航を決めるのは危険です。

国別に見ると、日本は社数で最大の外国勢です。2023年にはドイツ、スイス、シンガポールが国別パビリオンを構えましたが、社数でこれを上回るのは日本でした。国のパビリオンを持たないまま最大の外国勢になっている、というのがこの展示会での日本の立ち位置です。

出展した側の実感として、井原氏の一文が最も具体的です。

国内のイベントではなかなかお話しできないような、様々な企業がブースに訪れてくださり

同氏が具体的に挙げたのは、普段はなかなか接点のない医療機器備品を扱うメーカーでした。国内の展示会では会えない相手が向こうから来る、というのが出展の実質的な価値です。

会場では実際に何が起きるのか

3日間の中身は、1,800社規模の展示フロア、有料のカンファレンスとワークショップ、そして基調講演の3層です。価値の大半は展示フロアにあります。

フロアは1日では回り切れません。 この展示会に複数回参加している日本人の報告が、規模感を最も正確に伝えています。

会場となったアナハイムコンベンションセンターは西海岸最大級のコンベンション施設で、広大な展示エリアに無数のブースがひしめき合っていました。私は以前、シカゴで開催される別のイベント(全米最大規模と言われる会場)に行ったことがあるのですが、そこまでの大きさではないものの、一日かけても全てを回り切るのは困難なほどでした。

シカゴの最大級会場ほどではないが、1日では足りない。フロアに丸2日を充てる前提で日程を組んでください。

通路にいる人の顔ぶれも、同じ報告が押さえています。

来場者の年齢層はやや高めながらも、皆さん非常に熱心にブースの担当者と意見交換をしており、改めて製造業は経験が物を言う世界だという印象を受けました。ただ同時に、若いエンジニアの方も目立っており、特にAIやIoT分野に関心を持つ参加者が多かったように思います。

冷やかしの来場者が少ないのは、Expo Passに資格審査があるためです。会社名と職種の申告を求められる仕組みで、Informaが出展社に売っているのはまさにこの「審査済みの買い手」です。

有料プログラムは、MedTech Conference、Sustainable Manufacturing Conference、SPE MiniTech、MD&M Leadership Summitの4本と、滅菌、リーン・スマート製造、製造業向けサイバーセキュリティ、リスクマネジメントの各ワークショップです(2026年の構成であり、2027年も同様の見込みです)。技術的な深さはここと展示フロアにあり、基調講演にはありません。

2025年の基調講演は、初日がNicholas Webb氏(医療機器におけるイノベーション、AI、RPA、BIによるコスト削減と人手不足)、2日目がDr Shawn DuBravac氏(AIと製造業の未来、生産現場の事例)でした。いずれもビジネス系・未来予測系の内容です。営業や事業開発の目的なら無料のExpo Passだけで十分に元が取れます。エンジニアリングチームで技術を深掘りするなら、カンファレンスパスを予算に入れてください。2027年の登壇者は2026年8月6日時点で未発表で、講演の公募が開いています。話す側に回りたい企業にとっては、ここが入口です。

技術トレンドとしては、2025年の時点で日本人参加者が最も強い印象を受けたのは自律化でした。

今回最も目を引いたのは、AIとロボットの融合による自律的な生産システムです。タスクの記述や人間の指示をもとに、ロボットが自らプログラミングを行うデモを実際に観ることができました。

ただし、期待値の調整も必要です。2026年版を現地で見た米Consilien社CEOのEric Kong氏の一文が、このフロアの最も正直な温度計です。

Everyone is talking about AI. Very few manufacturers are producing more units because of it.

AIの話は誰もがしている、しかしそれによって生産量を増やせている製造業者はごくわずかだ、という指摘です。同氏は2026年のフロアを、新規性ではなく成熟の年だったと総括しています。自動化は実験段階から運用段階へ移り、投資はパイロットではなく、接続性・センシング・リアルタイムの可視化を規模で入れる方向に動いていた、という見立てです。サイバーセキュリティが製造業の展示会に入り込んでいる理由についても、同氏は端的です。

Downtime isn't an IT inconvenience anymore. It's a manufacturing event.

停止時間はもはやIT部門の不都合ではなく、製造そのものの事象だ、という意味です。この視点は、日本の製造業の展示会ではまだあまり前面に出てきません。

参加・出展にいくらかかるのか

展示フロアを歩くだけなら、早めに登録すれば無料です。 2027年の価格は2026年8月6日時点で未発表ですが、2026年のExpo Passは早期登録期間中は無料、直前登録で$50、当日$199でした。1,800社のフロアを実質ゼロ円で見られるので、かかる費用は航空券とホテルだけです。米国製造業の視察としては、おそらく最も安い部類に入ります。

2026年の価格ラダーは以下のとおりです。2027年版は例年秋に公開されるため、現時点ではこれが最良の目安です。

パス超早期早期事前当日
Expo Pass(展示フロアのみ)無料無料$50$199
Sustainable Manufacturing Conference$329$379$379$449
SPE MiniTech$604$714$714$879
MD&M Leadership Summit$325$325$325$325
Future of Sterilization Workshop$649$649$649$649
Lean and Smart Manufacturing Synergies Workshop$325$325$325$325
Cybersecurity for Manufacturing Workshop$325$325$325$325
Risk Management Toolbox Workshop$325$325$325$325

2027年の参考レンジとしては、MedTech Conference Passが$494〜$994、Sustainable Manufacturing Conference Passが$379〜$449、ワークショップバンドルが$149〜$649という数字も出ています。

登録には資格審査があります。公式の文言は「$50 Expo Pass Pricing is for Qualified Attendees Only Up Until the Event, Then $199 On-Site」で、会社名と職種の申告を求められます。個人の見学者向けの展示会ではありません。登録の問い合わせ窓口は310-445-4273、registration.ime@informa.comです。

ブース出展の価格は、どこにも公開されていません。 公式の出展案内は、2027年のフロアプランを見る、ブースサイズと希望位置を決める、営業に連絡する、という3ステップを示すだけで、平米単価も最小区画も含まれるものも締切も書かれていません。窓口は1-844-826-9378です。ただし日本の中小企業にとっては、Informaと直接契約するより先に検討すべき、県や大学の共同ブースというルートがあります。

渡航費、宿泊費、出展費を合わせた出張総額は、為替と人数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで試算できます。

Calculate your costs

日本の中小企業はどうやって出展するのか

自社でブースを買わず、県や大学の共同ブースに一員として乗るルートが確立しています。募集の締切は会期の3カ月半以上前、県の予算措置を含めればさらに前倒しです。このガイドで最も実用的な情報がこれです。

2026年版のフロアでは、ブース番号3170から3180のブロックが事実上の日本ゾーンになっていました。

ブース出展者
3170F福島県
3171F茨城県(2027年も3171を予約済み)
3180BJapan Manufacturing Solutions(2027年は3174)
3187信州大学、NafiaS、SKINOS、Takano of Americaの4者共同
3170A-E、3171A-E ほかTOKO、KANEKO Manufacturing、E.S.Q.、KUREHA、AIR WATER REALIZE、西野精器、BETHEL、TNK Sanwa Precision、M.TECH、橋本刷子工業

具体的なルートは3つあります。

  1. 県の産業振興部門を通す。 茨城県と福島県はいずれも自前で区画を取り、県内企業を同居させています。BETHELは自社の告知で、Ibaraki Prefecture Pavilionである3171Bに一員として出展したと記録しています。東京都産業労働局も、医療機器分野の中小企業向けに東京パビリオンの参加企業を募集しています。
  2. 信州メディカル産業振興会(SMIA)の信州大学ブース。 信州大学に事務局を置くSMIAが、Informa Marketsと組んで会員企業の出展支援を行っています。2026年版の申込締切は2025年10月20日、窓口はsmia@shinshu-u.ac.jpでした。活動記録にはMD&M WEST 2020の出展報告も残っており、少なくとも数年続いているプログラムです。
  3. JETROのジャパン・パビリオンは、現時点では当てにしないでください。 JETROは2010年にこの展示会で7社のジャパン・パビリオンを運営し、2015年の視察報告にもJETROパビリオン経由の日本企業参加が記録されています。しかし2026年と2027年の公式出展社リストに、JETROのパビリオンは見当たりません。制度が止まっている可能性があるため、この経路を前提に計画する場合は事前にJETROへ確認してください。

締切から逆算してください。 信州大学ブースの2026年版締切は2025年10月20日、会期の約3カ月半前でした。2027年2月の展示会に向けた同種の募集は、2026年の秋に締め切られる計算になります。この記事を2026年内に読んでいる企業には、まだ十分に間に合う時間軸です。

視察だけが目的なら、日本の旅行会社のパッケージもあります。ハルカゼ旅行社がMD&M West 2027の視察モデルプランを公開しており、空港と会場の専用車送迎、通訳、初日午前の日本語ガイド、参加登録とチケット購入の代行を含みます。例示ホテルはStanford Inn & Suites Anaheimです。こうしたパッケージが商品として成立していること自体が、日本からの視察需要が定着している証拠です。

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は一つです。貴社が売っているものが、医療機器メーカーの購買・開発部門が買う「中身」かどうかです。

行くべき企業。 医療機器向けの素材、樹脂、精密部品、医療用チューブ、計測・検査機器、受託加工を手がける企業です。このフロアの日本勢73社(2026年)は、まさにこの構成です。加えて見落とされがちですが、米国のFDA申請代行やレギュラトリー・コンサルタントもフロアに出展しています。米国市場への参入を検討している医療機器メーカーにとっては、この一点だけで渡航費に見合う可能性があります。日本の展示会でこれらの事業者に一度に会える場所はありません。

出展を検討すべき企業。 上記に該当し、かつ米国に販路を作りたい中小企業です。理由は費用の安さではなく、確度の高さです。井原氏が書いたとおり、価値は国内の展示会では会えない企業が向こうからブースに来ることにあります。資格審査を通った買い手が3日間歩いているフロアです。県や信州大学の共同ブースを使えば、自社で区画を買うより桁違いに安く試せます。

行かなくてよい企業。 完成品の医療機器そのものを医療機関に売りたい企業です。ここは部品と製造工程を買いに来るフロアで、病院の購買担当が歩く場所ではありません。産業用ロボットや工作機械の日本大手と商談したい企業も、目的の相手がそもそも出展していない年があります。そして、AIを製造現場にどう入れるかを聞きに行くだけであれば、Kong氏の観察のとおり、話の量と実装の量はまだ一致していません。

判断を保留してよい企業。 2027年の登録価格、ブース価格、登壇者は、2026年8月6日時点でいずれも未発表です。価格ラダーは例年秋に出ます。展示フロアだけなら早期登録が無料なので、登録が開いた時点でまず無料枠を押さえ、渡航の可否は後で決める、という順番が合理的です。無料の枠を確保するのに、渡航の稟議を先に通す必要はありません。

最後に、規模ではなく傾きの話を一つ。2023年にJETROが数えた日本企業は、MD&M West本体で20社超、5つの展示会合計で40社超でした。それが2026年には73社です。3年でおよそ2倍になっています。日本の医療機器サプライヤーがこのフロアを本気で使い始めていることを、この曲線が示しています。同業がすでに来ている場所に行かない判断には、来る判断と同じだけの根拠が要ります。

貴社の製品構成と予算での参加・出展判断は、下記からご相談ください。

Talk to us

FAQ

MD&M West 2027の参加費はいくらですか?
展示フロアだけを見るExpo Passは、早期登録期間中は無料です。2026年は直前登録で$50、当日$199でした。2027年の価格は2026年8月6日時点で未発表です。有料のカンファレンスとワークショップは$325〜$994の範囲です。
ATX WestやPlastec Westは別の展示会ですか?
別ではありません。InformaがIME Westの5ブランドをMD&M Westに統合し、ATX WestとPlastec Westは会場内のセクター名になりました。atxwest.comとplastecwest.comはmdmwest.comへリダイレクトされます。バッジ1枚、出展社リスト1つで全セクターを回れます。
日本企業も出展していますか?
しています。2026年は出展1,876社のうち73社が日本に親会社を持つ企業で、全体の3.9%でした。2027年は2026年8月5日時点で48社が確定しています。素材、計測、精密部品、医療用チューブが中心で、社数では最大の外国勢です。
日本からアナハイムへはどう行きますか?
LAXが便利です。羽田・成田からANA、JAL、ユナイテッド航空などが直行便を運航し、LAXから会場までは車で45〜90分です。SNA(ジョン・ウェイン空港)は会場から14マイルと近いものの、日本からの直行便はありません。
中小企業でも出展できますか?
できます。自社でブースを買わず、茨城県や福島県のパビリオン、または信州メディカル産業振興会が運営する信州大学の共同ブースに参加する方法があります。2026年版の信州大学ブースは4者が同居しました。募集は会期の3カ月半以上前に締め切られます。
ブース出展の費用はいくらですか?
公開されていません。公式サイトは平米単価も最小区画も締切も示さず、営業窓口(1-844-826-9378)への問い合わせを求めています。日本の中小企業は、直接契約より県や大学の共同ブースのほうが安く始められます。
MD&M West 2027完全ガイド:日本の医療機器・製造業が出展する価値はあるか