AI DevWorld · サンタクララ

AI DevWorld 2027完全ガイド:米国サンタクララ開催、日本企業のための参加判断

最終更新:2026年8月6日

AI DevWorld 2027は、2027年2月9日〜11日にカリフォルニア州サンタクララのSanta Clara Convention Centerで開かれるAI開発者向けカンファレンスです。単独のイベントではありません。DeveloperWeek 2027を構成する5つの併催カンファレンスの1つがAI DevWorldであり、1枚のパスで5つすべてに出入りできます。結論から言えば、米国のAI開発ツールの現在地を安く一度に見渡したいエンジニアリング組織と、米国市場への足がかりとして小さく登壇・出展を試したいAIスタートアップには行く価値があります。逆に、商談件数や全米への露出を期待する企業には向きません。来場者の86%は西海岸、79%はカリフォルニア在住という、密度は高いが商圏の狭い地域イベントだからです(主催者公表値)。この記事では、「世界最大のAI開発者カンファレンス」という主催者の看板と、2,000人規模という実態を分けたうえで、費用、会場、そして2026年と2027年で開催市が違うという実務上の注意まで、出典付きで並べます。

2,500〜3,000人

現地来場者(併催全体・主催者公表)

100社+

出展社(併催全体)

86%

来場者の西海岸在住比率

$785

PROパス最安値(10月8日まで)

ピラミッド型の青いガラス屋根が並ぶSanta Clara Convention Centerの正面外観。手前にヤシの木と噴水
会場のSanta Clara Convention Center(2013年撮影・会期外)。ピラミッド型のガラス屋根が目印で、隣にLevi's Stadiumがあります。写真:Bohao Zhao(CC BY 3.0、Wikimedia Commons)CC BY 3.0

AI DevWorldとは何のカンファレンスか

AI DevWorldは、独立系イベント会社DevNetworkが主催するAI開発者向けカンファレンスです。研究発表の場ではなく、AIを実装する開発者のための商業イベントで、対象は主催者の言葉を借りれば「AIへの入門を探すソフトウェアエンジニアとデータサイエンティスト、そして最新AI技術の全体像を見たいAI開発のプロ」です。2027年のトラックは8本で、Agentic AI、AI & ML Engineering、AI-Augmented Software Development、AIデータ基盤、AI Executive Summit、AI in the Enterprise、AI Ops, Infrastructure & MCP、AI Securityが並びます。MCP(Model Context Protocol)やRAG、AIエージェントの本番運用といった、2027年の実務の論点がそのままトラック名になっています。

押さえるべき構造は1つです。AI DevWorldはDeveloperWeek 2027の一部です。公式サイトのトップに「PART OF DeveloperWeek」と明記されており、DeveloperWeek、AI DevWorld、ProductWorld、OpsWorld、DevExec Worldの5つが同じ会場・同じ日程・同じ登録システムで動きます。パスは共通で、参加者は日中でも自由に行き来できます。つまり「AI DevWorldに行くか」という問いは、実際には「DeveloperWeek 2027に行くか」という問いです。DeveloperWeek側の全体像は別のガイドにまとめています。

歴史も1つだけ押さえてください。AI DevWorldはもともと10月にサンノゼで開かれるAPI Worldの併催イベントでした(2019年開催をはじめ、2022年にはHugging FaceのChief EvangelistだったJulien Simon氏が登壇しています)。2025年から2月のDeveloperWeek側へ移り、いまの形になりました。ウェブ上に残る「10月開催」の古い情報は誤りではなく、カレンダーが変わったのです。

規模については正直に書きます。主催者は「世界最大のAI・機械学習開発者カンファレンス」を名乗りますが、同じ主催者がスポンサー向けページで公表するAI DevWorld 2026の実績は総来場2,000人以上です。併催のDeveloperWeek全体でも現地2,500〜3,000人で、数万人規模の米国大型イベントとは1〜2桁違います。看板は割り引いて読み、代わりに後述の来場者の質と費用の安さで判断してください。

いつ・どこで開催されるのか

2027年2月9日(火)〜11日(木)の3日間、カリフォルニア州サンタクララのSanta Clara Convention Center(5001 Great America Pkwy)で開催されます。

最初に前回との違いを正します。2026年の前回はサンノゼのSan Jose Convention Center開催でした。公式サイトに残る前回のスケジュールは全会場が「San Jose Convention Center」表記で、2027年はサンタクララに移ります(2025年もサンタクララでした)。サンノゼとサンタクララは約6マイル離れた別の市です。2026年の記事や参加情報を基にホテルと移動を手配すると、市を間違えます。

3日間は等価ではありません。公式アジェンダの時間割はこうなっています。

内容
2月9日(火)受付11:00〜、PROワークショップ12:00〜18:00、DEVIES Awards授賞式18:30〜、VIPレセプション19:00〜。展示はまだ開いていません
2月10日(水)展示9:00〜18:00、セッション9:30〜16:30、ハッカソン9:00〜18:00、Expo Block Party 16:00〜18:00、Dev AfterHours 18:00〜20:00
2月11日(木)展示9:00〜16:00、セッション9:30〜16:00、ハッカソン上位5チームのデモ14:30〜15:00で閉幕

展示フロアが開くのは2日目と3日目の2日間で、終日開いています。展示目当てなら必要なのは2月10日と11日で、初日のワークショップは予算次第で落とせます。閉幕は基調講演ではなくハッカソン決勝です。

日本からの移動条件は、米国カンファレンスの中で最良の部類です。

項目内容
直行便ZIPAIRが成田〜サンノゼ(SJC)を週3便運航。NRT〜SJCの直行便は同社のみで、所要約10時間45分
空港から会場SJCから6マイル、公共交通で$6程度。SFOは31マイル、オークランド(OAK)は32マイル
代替ルートSFOへANA・日本航空・ユナイテッド航空の直行便、そこから南へ車かCaltrainで約1時間
ホテルHyatt Regency Santa Claraが会場と直結(5101 Great America Pkwy)。隣はLevi's Stadiumです
2月の気候サウスベイは1年で最も涼しく雨の多い時期。暖かい上着と雨具が必要で、「カリフォルニアだから暖かい」は成り立ちません
緑のロゴをまとったZIPAIRのボーイング787-8が着陸態勢で飛行している
ZIPAIRのボーイング787-8(成田空港付近、2026年6月撮影)。成田〜サンノゼ線を単独で運航しており、写真は同型機です。写真:S5A-0043(CC BY 4.0、Wikimedia Commons)CC BY 4.0
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誰が主催しているのか

主催はDevNetworkです。共同創業者兼CEOのGeoff Domoracki氏(シカゴのTechweek共同創業者)と、共同創業者で弁理士のJonathan Pasky氏が2014年からイベント事業を運営しており、DeveloperWeek、API World、CloudX、ProductWorldと年間の開発者カンファレンス群を束ねています。ベンダーでも業界団体でもない、小規模で専業の商業イベント会社です。

収益はパスとスポンサーシップです。パスの価格は4か月で倍になる階段設計で、早い意思決定に強く報います。スポンサー料金は非公開の交渉制で、複数イベントをまとめると5〜15%引きになる設計から、DevNetworkが「年間ポートフォリオ」として売っていることが分かります。同じ会場に年2回(2月のDeveloperWeek群と9月のAPI World + CloudX)イベントを置いているのも同じ理由です。

日本の読者に効く実務的な特徴は認定バッジ制度です。PROパスには認定バッジが1つ、PREMIUMには無制限に付きます。出張の社内報告に「認定を取得した」と書けるのは、印象の報告より通りやすい、というのは前回調査したDeveloperWeek側と同じ利点です。

どんな企業・人が参加しているのか

主催者がスポンサー向けに公表する来場者データは次のとおりです(未監査の主催者発表であることを踏まえて読んでください)。

区分割合
役員級(Executive/VP/Director)41%
開発者・エンジニア42%
プロダクト・プラットフォームマネージャー11%
スタートアップ/市場参入初期38%(中堅34%、大企業28%)
西海岸在住86%(うちカリフォルニア79%)

この最後の行が、このイベントの性格を決めています。国別では31か国と国際色をうたいますが、実態はシリコンバレーの地元イベントです。売り手として考えるなら、ここで会えるのはベイエリアの開発者と技術役員であって、全米の買い手ではありません。逆に偵察として考えるなら、ベイエリアのAI開発の空気をそのまま吸える場だ、ということでもあります。

登壇者の顔ぶれは実務家中心です。2026年(前回)の目玉登壇者は、DatabricksのBryan Clark氏(基調講演「Lakebase: OLTP on the lake」)、Stack OverflowのCPTOであるJody Bailey氏、OneTrustのChief Innovation OfficerであるBlake Brannon氏、AWSのVinicius Senger氏らで、Red Hat、IBM、Oracle、CloudBees、Yahoo Mailの実務家が続きます。研究の第一人者を呼ぶイベントではなく、ベンダーの製品責任者と開発現場の人が話すイベントです。2027年の登壇者は2026年8月時点で未発表で、公式サイトの登壇者欄は「LAST YEAR'S(昨年の)」と明記されています。

スポンサーは2026年実績でDatabricksとOracleがパートナー枠、ほかにElevenLabs、Qodo、Galileo、You.com、Leasewebなど16社が並びました。そのなかに日本企業が1社います。AI・LLM最適化やGPU、FPGAを手がける東京のフィックスターズです。同社は2027年のDeveloperWeekでもスポンサーに名を連ねており、この会場の来場者層(インフラとパフォーマンスに関心のある西海岸の開発者)が同社の顧客像と重なることを示す先例です。

一方で、日本語の参加レポートはどの年についても1本も存在しません。日本語でこのイベントに触れた文章は、DeveloperWeek 2026の紹介記事にある「AIの進化を探求するAI DevWorld」という一節だけです。日本人にとって、情報がないという意味でも競合がいないという意味でも、未開拓のイベントです。

会場では実際に何が起きるのか

中身は4つに分かれます。8トラックのセッション、終日の展示フロア、ハッカソン、そして夕方のネットワーキングです。

セッションの傾向は前回(2026年)のプログラムがよく示しています。基調講演はDatabricksのlakehouse上のOLTP、Kiroのエージェント型AI開発、OneTrustのAIエージェントとプライバシー管理、Stack OverflowのAI駆動開発のROIでした。PROワークショップには「マルチエージェントシステムの評価をどう測るか」「企業内MCPの可観測性・ガバナンス・安全な自動化」「Strands AgentsとAgentCoreとMCPで本番運用に耐えるAIエージェントを作る」が並びます。流行語ではなく、エージェントを本番に入れる話とそれを統治する話が中心です。

第一次情報は薄いものの、存在します。2026年に参加したエンジニアのRajasekar Munuswamy氏はLinkedInでこう書いています。

Today I had the chance to attend AI DevWorld 2026, and it was an energizing reminder of how fast the AI ecosystem is evolving.

同氏が印象に残った4ブースとして挙げたのは、エンジニアリング分析のAppfire Flow、IaaSのLeaseweb、コンテナセキュリティのChainguard、そして社内データとLLMをつなぐMarcoPoloでした。AIカンファレンスの参加記の目玉が、モデルのデモではなくインフラ2社とセキュリティ1社とデータ接続1社である点は、このイベントの実務寄りの空気をよく表しています。

海外スタートアップの使い方の先例もあります。ソウル発のAlign AI(Coxwave)は、米国進出の一環としてAI DevWorld 2023で登壇し、自社ブログにこう書いています。

We even had the opportunity to share our story and vision at AI DevWorld 2023, building lifelong friendships in the process!

登壇の経済性を示す事実も1つ。2025年の登壇者が公開しているとおり、スピーカー特典は$195のOPENパス1枚です。登壇者を厚遇する大型イベントではなく、登壇はあくまで露出の機会と割り切る設計です。講演公募(CFP)はSessionizeで受付中で、締切は公表されていません。

正直に書いておくべきことも1つあります。どの年についても、セッションの質を独立に評価した参加記は英語にも日本語にも見つかりませんでした。本記事の会場描写は、公表された時間割と上記の数少ない一次情報だけから組み立てており、雰囲気の創作はしていません。

参加・出展にいくらかかるのか

参加費は公開されており、答えは「買うなら早く」です。PROパスは4か月で価格がほぼ倍になります。1枚のパスでDeveloperWeek全体(5カンファレンス)に入れます。

購入期限PROパスPREMIUMパス
2026年10月8日$785$1,120
2026年12月3日$940$1,345
2027年1月7日$1,175$1,680
2027年1月28日$1,250$1,790
2027年2月8日$1,410$2,015
2027年2月11日$1,565$2,240

このほかに階段に載らないOPENパスが$195あります。展示会、基調講演、OPEN指定セッション、コミュニティイベントに入れて、教育セッションと認定は含まれません。割引は3名以上のグループで25%、学生と行政関係者で30%が公表されています。PROには認定バッジ1つ、PREMIUMには無制限の認定バッジとVIP特典が付きます。

出張総額の面では、このイベントは本調査で扱った米国カンファレンスの中で最も安く組める部類です。成田から直行便のある空港が会場から6マイル、会場直結ホテルがあり、サンフランシスコ中心部のような会期中の宿泊費高騰が起きにくいサンタクララ郊外だからです。

出展・スポンサー費用は非公開の交渉制です。料金表は存在せず、Presenting、Partner、Official・Basicという枠の名称と、複数イベント割引(2イベントで5%、3で10%、4以上で15%)だけが公表されています。ブースを検討するなら sponsor@devnetwork.com への問い合わせから始まり、これは登録開始を待つ話ではありません。

貴社の人数と日程での出張総額は、下のツールで試算できます。

費用を試算する

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は1つです。貴社がこのイベントに求めるのがベイエリアのAI開発の現在地なのか、それとも全米市場への露出なのか。前者なら費用対効果は高く、後者なら会場を間違えています。

行くべき企業。 第一に、AI開発ツールと開発プロセスの導入判断を控えたエンジニアリング組織です。$785のPROパス1枚でAI DevWorldを含む5カンファレンスを見渡せて、MCP、エージェント運用、AIセキュリティの実務セッションが8トラックに整理されています。渡航も米国イベントで最も楽な部類です。第二に、米国市場への最初の足がかりを安く試したいAIスタートアップです。ソウルのAlign AIが2023年に登壇でやったように、CFPは開いていて枠の競争は大型イベントより緩く、展示も交渉次第の小口から入れます。フィックスターズという日本企業のスポンサー先例もあります。会うべき相手(西海岸の開発者と技術役員、来場者の41%が役員級)がはっきりしている企業には、2,000人という規模はむしろ密度です。

行かなくてよい企業。 まず、AI研究の最先端を見に行きたい企業です。ここで話すのはベンダーの製品責任者と実務家で、研究者ではありません。次に、商談件数や全米露出を求める企業です。来場者の86%が西海岸在住という数字が示すとおり、ここは全国区の展示会ではなく地域イベントです。そして、日本語の支援や公的な出展枠を前提にする企業です。ジャパンパビリオンもJETROの枠も日本語対応もなく、日本語の参加報告すら存在しません。最初の1人になる覚悟がないなら、実績のあるイベントを選ぶべきです。

最後に、判断の実務的な整理を1つ。AI DevWorld単体のチケットは存在せず、パスはDeveloperWeek共通です。したがってこの判断は「AI DevWorldに行くか」ではなく「2月のサンタクララに行くか」です。AI以外の4カンファレンス、ハッカソン、認定制度まで含めた全体像はDeveloperWeek 2027のガイドに書きました。AIトラックだけでは渡航を正当化しにくくても、クラスター全体でなら正当化できる、というのが本調査の結論です。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。

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よくある質問

AI DevWorld 2027はいつ・どこで開催されますか?
2027年2月9日〜11日、カリフォルニア州サンタクララのSanta Clara Convention Centerで開催されます。注意点が1つあります。2026年の前回はサンノゼのSan Jose Convention Center開催だったため、前回の情報を基にホテルや移動を手配すると市を間違えます。2027年はサンタクララです。
AI DevWorldとDeveloperWeekはどういう関係ですか?
AI DevWorldはDeveloperWeek 2027を構成する5つの併催カンファレンスの1つで、AI領域を担当します。会場も日程も登録システムも共通で、1枚のパスで5つすべてに出入りできます。AI DevWorldだけのチケットは存在せず、参加判断は実質的に「DeveloperWeekに行くか」の判断になります。
参加費はいくらですか?
全セッションに出られるPROパスは2026年10月8日までなら$785で、その後段階的に上がり会期中は$1,565です。上位のPREMIUMは$1,120〜$2,240、展示会中心のOPENパスは$195です。3名以上のグループは25%引き、学生と行政関係者は30%引きが公表されています。
日本から会場へはどう行きますか?
成田からサンノゼ空港(SJC)へZIPAIRが直行便を運航しており、SJCから会場までは6マイル、公共交通で$6程度です。ZIPAIRは週3便のため、合わなければサンフランシスコ空港(SFO)行きの直行便を使い、南へ約1時間移動します。会場直結のHyatt Regency Santa Claraに宿泊できます。
来場者は何人ですか?
主催者はAI DevWorld 2026単体で「2,000人以上」、併催のDeveloperWeek全体で現地2,500〜3,000人と公表しています。いずれも監査されていない主催者発表です。「世界最大のAI開発者カンファレンス」を名乗りますが、規模としては小型で、代わりに来場者の41%が役員級という密度があります。
日本企業も参加していますか?
スポンサーとしては、AI・GPU最適化のフィックスターズが2026年のAI DevWorldに名を連ね、2027年もDeveloperWeekのスポンサーです。一方、日本語の参加レポートはどの年についても存在せず、ジャパンパビリオンもJETROの支援枠もありません。日本人にとってほぼ未開拓のイベントです。
AI DevWorld 2027完全ガイド:米国サンタクララ開催、日本企業のための参加判断