IMTS · シカゴ

IMTS 2026完全ガイド:日本企業のための参加・出展判断

Last updated: August 6, 2026

IMTS 2026(国際製造技術展)は、2026年9月14日〜19日にシカゴのMcCormick Placeで開催される、北米最大の工作機械・製造技術の展示会です。日本企業にとって、この展示会は他の米国カンファレンスと真逆の性質を持っています。海外からの参加登録は無料、JETROがジャパンパビリオンを設置し、日本工作機械工業会が視察団を出しています。見に行くだけなら、これほど障壁の低い米国の展示会はありません。ただし同時に、正直に書いておくべきことがあります。来場者は2018年の129,415人から2024年の89,020人へ31%減っており、2026年の主催者予測も約90,000人で、回復は織り込まれていません。DMG森精機は2022年の出展を見送りました。この記事では、ほぼ無料で入れるという事実と、展示会そのものがピークを過ぎているという事実の両方を、出典付きで並べます。

8.9万人

来場者(2024年実績)

31%減

2018年比

無料

海外からの参加登録

$29/sq ft

出展料(AMT会員)

IMTSとは何の展示会か

IMTS(International Manufacturing Technology Show)は、米国の業界団体AMTが2年に1度、偶数年にシカゴで開催する工作機械・製造技術の展示会です。1927年にオハイオ州クリーブランドで National Machine Tool Builders' Exposition として始まり、2026年で100年目を迎えます。1990年に現在の名称へ改称し、対象を工作機械から溶接、潤滑、材料工学まで広げました。

日本の業界では、JIMTOF(東京)、EMO(欧州)と並ぶ「世界3大工作機械見本市」の1つとして知られています。中国のCIMTを加えて世界4大と呼ぶ見方もあります。いずれにせよ日本の工作機械関係者にとっては既知のカテゴリーで、比較すべき相手は一般的な米国の展示会ではなくJIMTOFです。

IMTSが偶数年に開かれるのは偶然ではありません。欧州の工作機械工業会CECIMOとの長年の調整により、EMOが奇数年、IMTSが偶数年と決まっています。つまりIMTSとJIMTOFは同じ年に貴社の予算を奪い合いません。業界は、本気の機械メーカーが3つとも順番に回ることを前提に設計されています。

製品分野は10に分かれます。研削・切断・仕上げ、アディティブマニュファクチャリング、オートメーション、板金加工とレーザー、歯車加工、コンポーネント・洗浄・環境、金属除去加工、品質保証、ソフトウェア、工具・ワークホールディングです。2004年から続く Emerging Technology Center では、まだ商用化されていない産業界と大学の研究が展示されます。

規模については、公表値をそのまま信じるのではなく推移で見てください。

登録来場者出展社展示面積
2018129,415人2,563社1,424,232平方フィート
2020中止(コロナ)--
202286,307人(うち学生11,715人)1,815社1,211,206平方フィート
202489,020人(うち学生14,713人)1,737社1,226,523平方フィート
2026約90,000人(予測)1,800〜2,000社(主催者発表)120万平方フィート超

この表の正直な読み方は、IMTSはコロナ前に戻っていない、です。2018年の129,415人に対して2024年は89,020人で、6年で31%減っています。出展社も2,563社から1,737社へ減りました。2026年の主催者自身の予測が約90,000人であることは、この周期での回復を見込んでいないことを意味します。

数字の出し方には注意が要ります。AMTは2024年の実績を、出展社3%増、面積4%増、登録者5%増と発表しました。3つとも2022年比では正しく、3つとも2018年比では実態を伝えません。一方で日本工作機械工業会は、出展社は2022年比で4.4%減と独立に数えています。AMTがブース数を、工業会が社数を数えているためで、どちらも妥当です。平均してはいけません。JETROも自らの報告で、2022年比では微増だが2018年の水準には戻っていないと明記しています。批判者ではなく日本の政府機関がそう書いている点に、重みがあります。

2026年はいつ・どこで開催されるのか

2026年9月14日(月)〜19日(土)の6日間、シカゴのMcCormick Placeで開催されます。会場は North、South、East(3階)、West の4棟すべてを使います。

開場時間が棟によって違います。これは1日の組み立てに直接効くので先に書きます。East(3階)とWestは展示が9:00〜17:00、North と South は10:00〜18:00で、登録受付はどちらも8:00からです。Smartforce Student Summit(North 2階)は平日9:00〜15:00、土曜は9:00〜13:00です。

項目内容
直行便羽田からシカゴ・オヘア(ORD)へANA、ユナイテッド航空、日本航空が直行便を運航。ORDから成田へはユナイテッド航空も運航
所要時間約11時間55分〜13時間40分(方向と航空会社による)。距離は6,326マイル(10,179km)
米国内の乗り継ぎ不要
空港から会場Metra Electric線がMcCormick Place館内に停車。ダウンタウンのMillennium駅から約15分で、シャトルより速い
ほかの交通CTAグリーンライン Cermak-McCormick Place駅
9月中旬の気候日中24°C前後、朝晩14°C前後。降水は各日0.1インチ程度

気候は、この展示会の隠れた利点です。9月中旬のシカゴは日中24°C前後で、東京の同時期と日中の気温はほぼ同じですが湿度がはるかに低く、夜は8°Cほど涼しくなります。夜用の薄い上着が1枚あれば足ります。

See itineraries

誰が主催しているのか

主催はAMT(The Association For Manufacturing Technology)です。1902年に National Machine Tool Builders' Association として設立された米国の業界団体で、本部はバージニア州マクリーンにあります。1927年に第1回の展示会を開き、以来IMTSを自ら所有・運営しています。

主催者が誰かという問いは、この展示会では特に重要です。AMTの会員は工作機械メーカーそのもので、IMTSは会員のショーウィンドウです。だからこの展示会は、来場者から収益を上げる設計になっていません。海外からの参加登録が無料なのも、出展スペースの単価が公開されているのも、同じ理由から出てきています。AMTは、入ってくる人から儲けようとしていません。

同じ構造上の理由が、もう1つの特徴も説明します。South Buildingの最前列は買えません。最前列は5枠しかなく、割り当ては金額ではなくAMTへの参画度と米国製造業への貢献度で決まります。日経クロステックの取材によれば、こうです。

5つしかない最前列の座は、単にお金を払えば取れるわけではない

その権利を得るには企業の収益のみならず、AMTへの積極的な参画など米製造業界への貢献度が測られる

金は面積を買いますが、位置は買いません。商業運営の展示会ではまず見られない仕組みで、会員組織が主催しているからこそ成立しています。

AMTはIMTS以外にも、MFG Meeting と MTForecast Conference を毎年開き、製造設備の通信規格 MTConnect を策定・維持し、NFPA 79 や ANSI B11 の安全規格委員会にも参加しています。中国、インド、ポーランド、メキシコ、ブラジルに技術センターと駐在事務所を置いており、海外の出展者と来場者を積極的に集めています。海外登録が無料であることと、この足回りは一貫しています。

経営体制については、確認できた範囲を書きます。Douglas K. Woods 氏は2022年11月のプレスリリースと2026年4月2日の公式記事の両方で president と紹介されており、在任中とみられます。ただしAMT自身の役員紹介ページが読み取れず、第三者の情報源は肩書が食い違うため、現職CEOとしては未確認です。Peter Eelman 氏が Chief Experience Officer であることは確認できています。出展スペースの窓口は Mark Kennedy 氏(mkennedy@amtonline.org)です。

どんな人が来場しているのか

買う権限を持った人が来ます。2024年の公式来場者報告によれば、81%が購買に何らかの役割を持ち、46%は決裁するか共同で決裁します

購買における役割割合
最終決定を行う22%
他者と共同で購買を決定する24%
評価のための情報を集める14%
新しい製品の必要性を提起する11%
購入の正当化やブランド選定を行う10%
購買に関与しない19%

職種は、経営層・役員が25%、エンジニアリングが24%、生産・品質が21%、営業が13%、設計・研究開発が9%です。署名する人と仕様を決める人が、ほぼ半々でフロアにいます。年齢構成は40代が26%、30代が25%、50代が22%、20代が15%、60代以上が12%で、資本財の展示会としては若く、40歳未満が4割を占めます。これは学生向けプログラムが供給している層です。

産業分野の上位は、機械加工・受託製造、航空宇宙、自動車・輸送機器、金属加工機械、流通です。米国内の来場者が多い州は、イリノイ、ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン、インディアナで、中西部の製造業ベルトそのものです。買い手の商圏がどこかを、この5州が正確に示しています。

海外からの来場者が多い国は、上位からカナダ、メキシコ、中国、台湾、そして日本です。北米以外では中国と台湾に次ぐ3番目で、日本はこの展示会にとって主要な来場国の1つです。

関心のある製品カテゴリーの順位が、この展示会の現在地を最もよく表しています。1位が General Automation、以下 Tools & Tooling、Turning & Lathes、Machining Centers、Additive Manufacturing と続きます。工作機械の展示会で、自動化が工作機械そのものより上位に来ています。日本側の観察記録もすべて同じ方向を指しています。

日本企業はどう関わっているのか

この展示会には、他の米国カンファレンスにはない日本の公式ルートが3つあります。JETROのジャパンパビリオン、日本工作機械工業会の視察団、そして50社規模とみられる日本企業の出展です。

JETROはIMTS 2026にジャパンパビリオンを設置しました。100平方メートル、約10社の規模で、出品料は無料、ブーススペースと施工が提供され、2026年6月から7月にかけてオンラインで商談セミナーが4回行われました。対象製品はオートメーション、機械部品、精密加工、アディティブマニュファクチャリング、ソフトウェアと関連機械です。企業側の負担は、製品の輸送費、来場者と要員のバッジ、渡航・宿泊費、通信費、個別の通訳です。中止・延期時の免責も明記されています。

イベント等が中止または延期になった場合においても、参加のために参加企業が支出した費用や関連する一切の損害について、ジェトロはこれを負担しません。

2026年の募集は2026年4月27日に締め切られ、ページは現在「募集は締め切りました」と表示されています。2028年を検討する場合の窓口は、JETROの海外展開支援部 機械・環境産業課(mono@jetro.go.jp)です。パビリオン外で出展する企業への支援もあり、IMTS 2024ではJETROが日本の中小企業5社に現地でのバイヤー商談を手配しています。

日本工作機械工業会は、2024年に会員48社が出展したと報告しています。同工業会は会長を稲葉善治氏(ファナック)が務め、東武トップツアーズと組んで正式な視察団を運営し、帰国後の月例記者会見で所見を公表しています。2024年の報告は9月26日に行われました。

2026年の出展者リストから確認できた日系企業は次のとおりです。

企業ブース
Mazak(ヤマザキマザック)338300(South)、236700(North 3階)の2か所
Okuma America(オークマ)338500。11機種を展示、うち4機種が米州初公開
Makino(牧野フライス製作所)338519
Matsuura Machinery(松浦機械製作所)338630
JTEKT(ジェイテクト)338700
Marubeni Citizen-Cincom339419。シチズンのCincomとミヤノの旋盤
Tsugami America(ツガミ)339410
Sugino(スギノマシン)339430
Yamazen(山善)338536

このほか出展者リストに、FANUC(Emerging Technology Center でのライブデモも実施)、三菱電機系のMC Machinery Systems、アマダマシナリーアメリカ、ソディック、ミツトヨアメリカ、不二越ロボティクス、芝浦機械アメリカ、キタムラ機械USA、BIG DAISHOWA、沖電線、Japan Machine Tools Corp が確認できます。

ただしこの20社は、公式ディレクトリの一部しか読み取れなかった結果であり、下限です。工業会が2024年に数えた会員48社のほうが実態に近く、非会員企業や商社を含めればさらに増えます。この一連の調査の中で、IMTSは日本企業の密度が最も高い米国展示会です

ブースの通行量に頼らない使い方の実例もあります。キャディは2024年、初出展(ブース#135454)と同時に、シカゴで「モノづくり未来会議」という自社イベントを開きました。日米の製造業幹部およそ100名を招いた会で、デンソーの伊藤崇博取締役、安川アメリカの原秀憲VP、キャディの加藤勇志郎CEOが登壇し、在シカゴ日本国総領事の柳淳氏が開会の挨拶を行っています。その週にシカゴに集まっている日米製造業のネットワークを、自分で招集するという進め方です。最前列を買えない企業にとっては、こちらのほうが現実的な戦術かもしれません。

会場では実際に何が起きるのか

基調講演はありません。IMTSは、会議が付いたフロアショーであって、展示が付いた基調講演イベントではありません。誰もステージのために来ていません。AMTの Chief Experience Officer である Peter Eelman 氏は、この設計を率直に説明しています。

our conferences are more theoretical

会議は理論寄りなので、教育はブースに寄せる。歩いて一周できる機械のほうがスライドよりよく教える、という考え方です。IMTS Conference 自体は3,000人以上が登録する別枠として存在し、登録すると展示会場にも入れます。

フロアの物量は本物です。IMTS 2024には4,000万ポンドを超える機械が運び込まれ、これは記録でした。

2024年のフロアで何が売られていたかについては、日本工作機械工業会の視察報告が最も的確です。

多品種少量に訴求した展示が比較的多いように感じられた

医療機器や航空宇宙の部品加工に向けた高混合少量生産が中心で、米国の人手不足に対する答えは自動化でした。

ロボットが一部加工や洗浄・測定を担う

JETROの報告も同じ方向で、デジタルツイン、AI、スマートマニュファクチャリングを扱うソフトウェア系の出展が以前より明確に増えたとし、Emerging Technology Center ではハイブリッド生産セルとヒューマノイドロボットを挙げています。現地を見たHACHIXの報告も具体的です。

Universal Robotのブースでは、ロボットのシミュレーションが展示され、3Dカメラを使用して物体を検出し、ピック&プレースを行っていました。

デジタルツイン技術を用いた工場管理ソリューション。シミュレーションとリアルタイムデータを統合

工作機械のフロアにソフトウェアとクラウドの企業が並んでいることが、2026年の姿を一言で表しています。出展者リストには Autodesk、Microsoft、Google Cloud、Epicor、Infor、SolidCAM に加え、Alphabet傘下のロボティクスソフト企業 Intrinsic Innovation、Standard Bots、そして SpaceX が入っています。

そして、工業会が「見られなかった」と書いたものが2つあります。これは出展を考える企業にとって、空いている土俵の指摘です。

IoTプラットフォームについて前面に押し出した展示は見られなかった

EVシフトへの対応や省エネルギーを謳った展示はあまり見られない

クラウド事業者が出ているにもかかわらずIoTプラットフォームを正面から打ち出す展示はなく、EV転換や省エネルギーを掲げる展示もほとんどなかった、という観察です。省エネルギーやEV関連の工程能力で差別化している日本企業にとっては、2024年時点の米国のフロアがその領域を争っていなかったことを意味します。

会期中の主なプログラムは、Smartforce Student Summit(2024年は学生・教育関係者およそ20,000人が来場)、2004年から続く Emerging Technology Center、そしてフロア上の収録スタジオ IMTS+ Creators Lounge です。Creators Lounge は2024年に65本のインタビューを収録し、170,000のオーガニックインプレッションを生みました。編集作業を囲わずに見せる作りにしたと Eelman 氏は説明しています。

参加・出展にいくらかかるのか

海外からの参加登録は無料です。日本から飛んでいく来場者は、バッジに1円も払いません。この記事で最も実用的な事実です。

区分料金
海外からの参加無料
個人(米国内)$85。2026年9月3日まで、以降値上げ
団体(5名以上)1人$50。2026年8月1日まで
学生・教育関係者無料
軍関係(現役・退役)50%割引
報道関係無料
出展社スタッフ$60。2026年9月3日まで

比較すると位置づけがはっきりします。AWS re:Inventは$1,299〜$2,499、RSA Conferenceは$2,195〜$2,995、PACK EXPO Internationalでも$30〜$130です。IMTSは来場者ではなくフロアで稼ぐ設計で、無料の海外登録はその設計から素直に出てきています。事前に申し込んだバッジは2026年8月から発送が始まります。早期割引は2026年8月1日に終了済みです。

出展料もこの研究の中で最も透明です。AMTが料金表を公開しています。

区分AMT会員非会員
スペース単価1平方フィートあたり$291平方フィートあたり$37
素地スペース 10'×10'$2,900$3,700
素地スペース 10'×20'$5,800$7,400
パッケージA(10'×10')$6,000$7,000
パッケージB(10'×20')$11,000$13,000
パッケージD(10'×10')$12,000$13,000
パッケージE(10'×20')$16,000$18,000

どのブースにも、スペース、出展社向けワークショップへの参加、広報物への掲載、カーテン式のバックドロップ、社名サインが含まれます。上位パッケージでは電気、リード獲得、カーペット、夜間清掃、資材搬入、販促ツールが加わります。AMT会員であることは単価で約22%効きます。この研究で扱った展示会の中で、会員価格の差が最もはっきりしています。出展社パスポートは早期割引が$3,250(2026年4月30日まで)、以降はAMT会員$5,500、非会員$7,500です。

McCormick Placeの労働組合ルールは、機械の出展者にとって決定的な意味を持ちます。出展者従業員、つまり開幕日の6か月以上前からその企業にフルタイムで雇用されている人は、ブースの大きさを問わず設営と撤去を行え、機械を組み立て、看板やグラフィックを設置し、電気機器やAV機器を接続して操作でき、自社の非電動のハンドトラックや台車で資材を動かせます。自社の脚立、手工具、電動工具も使えます。

一方で、フォークリフト、パレットジャッキ、シザーリフト、ジェニーリフト、足場、電動台車といった動力・油圧を使う機器には、いかなる場合も触れられません。雇用の証明は求められれば24時間以内に提出する必要があり、この権利を協力会社の要員に移すこともできません。

工作機械の出展者にとって、ここが最大の制約です。自社のエンジニアが機械を組んで立ち上げられるのは、実演ラインを作るうえで望ましい形です。しかし工作機械は数トンあり、重量物は組合の作業員なしには1ミリも動きません。2024年には4,000万ポンド超の機械が搬入されています。見積もるべきは組立ではなく、吊り込みと搬送です。

渡航費と宿泊費を含む出張総額は、人数と日程で変わります。バッジが無料でも、飛行機とホテルと人件費は無料ではありません。貴社の条件での概算は、下のツールで試算できます。

Calculate your costs

日本企業にとって行く価値はあるか

判断は、見に行くことと出展することで完全に分かれます。前者はほぼ全員に勧められますが、後者は自動的な「はい」ではありません。

見に行くべき企業。 工作機械と製造技術に関わるほぼすべての日本企業です。海外からの参加登録が無料で、羽田から直行便が飛び、会場に電車が乗り入れていて、9月中旬のシカゴは日中24°Cです。この一連の調査で扱った展示会の中で、行くことの障壁が最も低いのがIMTSです。単独で行きづらければ、日本工作機械工業会の視察団という選択肢もあります。見るべき対象は工作機械そのものより自動化です。来場者の関心カテゴリー1位が General Automation であり、日本側の観察記録もすべて自動化とロボット、ソフトウェアを挙げています。工業会が指摘した2つの空白、つまりIoTプラットフォームとEV・省エネルギーは、自社の立ち位置を測る物差しとして使えます。

出展は、慎重に決めるべきです。 ここは正直に書きます。来場者は2018年の129,415人から2024年の89,020人へ31%減り、2026年の主催者予測も約90,000人で回復を見込んでいません。出展社も2,563社から1,737社へ減っています。そのうえで、日経クロステックの2022年の取材が伝えているのは、日本を代表する2社の判断です。DMG森精機はIMTS 2022に出展せず、牧野フライス製作所は最前列から3列目へ下がり、実機ではなく映像と加工サンプルの展示に切り替えました。しかも牧野フライス製作所は、AMTから最前列への出展を打診されたうえでそうしています。

「最前列に出展しないか」とAMTから打診があった

同誌の結論はこうです。

展示会に対する価値観が大きく変わったのだ

世界でも指折りの日本の工作機械メーカー2社が、同じ判断を前にして距離を置きました。出展するなという意味ではありません。答えが自動的には決まらない、という意味です

それでも出展を検討すべき企業。 北米に販売・サービス網を持っているか、これから作る意思がある企業です。理由は3つあります。第一に、来場者の81%が購買に関与し、46%が決裁または共同決裁で、上位産業は機械加工・受託製造、航空宇宙、自動車です。買い手がその場にいます。第二に、JETROのジャパンパビリオンが実在し、2026年は出品料無料でブースと施工まで提供されました。2026年の募集は終わっていますが、2028年に向けた前例としては十分です。第三に、AMT会員なら単価が22%下がります。ただし、最前列は買えません。位置はAMTへの参画と米国製造業への貢献度で決まるため、初出展の企業がいきなり最前列に立つことはありません。

行かなくてよい企業。 北米に顧客も販売網もなく、作る予定もない企業です。バッジが無料でも、渡航と宿泊と人件費は無料ではありません。そして基調講演や講演プログラムを目当てにする企業。ここに基調講演はありません。

最後に、無料であることの裏側を書いておきます。ハルカゼ旅行社の指摘です。

視察の成否は、日本を出発する前の準備段階で大部分が決まると言っても過言ではありません。

無料で入れるということは、何も準備しなくても入れるということでもあります。4棟を1日10km歩いて、何も決まらないまま帰国することは十分に可能です。My Show Planner で回る順番と会う相手を決めてから飛んでください。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。

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FAQ

IMTS 2026はいつ・どこで開催されますか?
2026年9月14日〜19日の6日間、シカゴのMcCormick Placeで開催されます。月曜に開幕し土曜に閉幕する会期で、McCormick Placeの4棟すべてを使います。開場時間は棟によって異なり、East・Westは9時から17時、North・Southは10時から18時です。
日本から参加する場合、参加費はいくらですか?
無料です。IMTSは海外からの参加登録を無料にしています。米国内の個人登録は$85、5名以上の団体は1人$50ですが、日本から行く来場者はバッジに費用がかかりません。学生・教育関係者と報道関係者も無料です。
IMTSに出展するといくらかかりますか?
スペース単価はAMT会員が1平方フィートあたり$29、非会員が$37です。10フィート四方の素地スペースなら会員$2,900、非会員$3,700です。電気や資材搬入を含むパッケージは10フィート四方で$6,000から用意されています。
日本企業はどれくらい出展していますか?
多数出展しています。2026年の出展者リストからMazak、Okuma、Makino、FANUC、Matsuura、JTEKT、Tsugami、Sugino など20社の日系企業を確認しました。日本工作機械工業会は2024年に会員48社が出展したと報告しており、実数はさらに多いとみられます。
JETROのジャパンパビリオンはありますか?
2026年はありました。JETROが100平方メートル、約10社規模のジャパンパビリオンを設置し、出品料は無料でブーススペースと施工が提供されました。応募は2026年4月27日に締め切られています。2028年の検討は機械・環境産業課へ問い合わせてください。
IMTSとJIMTOF、EMOはどう違いますか?
開催地と開催年が違います。この3つは世界3大工作機械見本市と呼ばれ、IMTSはシカゴで偶数年、EMOは欧州で奇数年、JIMTOFは東京で偶数年に開かれます。IMTSが偶数年なのは、欧州のCECIMOとの調整でEMOと年をずらしているためです。
IMTS 2026完全ガイド:日本企業のための参加・出展判断