Design & Manufacturing West · アナハイム

D&M West 2027とRAPID+TCT:3Dプリンティングが目的ならどちらへ行くべきか

最終更新:2026年9月15日

噴水とヤシ並木の向こうに立つアナハイム・コンベンションセンターのガラス張りの正面と、正面上部の館名サイン
会場のAnaheim Convention Center正面。会期外の平常時の様子です(2021年5月撮影)。写真:Troutfarm27(CC BY-SA 4.0)

積層造形・産業用3Dプリンティングが渡航の目的であれば、行くべきはRAPID+TCTです。D&M Westの積層造形は、5つのセクターで1枚のバッジを共有するMD&M Westの中の1ゾーンに並ぶ十数社で、最も内容の深い講演は展示フロアではなく$379〜$449の別会議の中にあります(2026年実績)。RAPID+TCTは、フロアも会議も全部が積層造形という単独開催の専門展です。逆に、試作、精密加工、センサ、計測をアナハイムの設計技術者に売ることが目的であれば、D&M Westのままで正解です。この記事は積層造形の一点だけに絞った比較で、それ以外の分野には当てはまりません。

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4月13日〜15日

RAPID+TCT 2027の展示会期

1万人超

RAPID+TCT 2026の来場者

470社超

RAPID+TCT 2026の出展社

12社

D&M West内の積層造形出展社(当社集計・2027年)

2027年の会期と規模はどう違うのか

項目D&M West 2027RAPID+TCT 2027
会期2月9日〜11日会議4月12日〜15日、展示4月13日〜15日
会場アナハイム/Anaheim Convention Centerデトロイト/Huntington Place
主催Informa MarketsSME(The TCT Groupと共同)
位置づけMD&M West(5セクター)の1ゾーン単独開催の専門展
直近の実績来場13,800人超、出展1,876社(2026年・5セクター合計)来場1万人超、出展470社超(2026年・全体が積層造形)
積層造形の出展社12社(当社集計・2027年リスト)実質的に全社

13,800人と1万人を並べて「アナハイムのほうが大きい」と読むと、判断を間違えます。アナハイムの13,800人は医療機器、自動化、樹脂、包装を含む5セクターの合計です。積層造形を見に来た人が何人いたのかは、Informaも公表していませんし、どこにも存在しません。デトロイトの1万人は、全員が積層造形を見に来た1万人です。

D&M Westのバッジで積層造形はどこまで見られるのか

展示フロアのブースは回れます。2026年実績で早期登録が無料のExpo Passでブース番号3800〜4200番台の設計・製造ゾーンに入れ、Formlabs 4010、Stratasys Direct 3821、MatterHackers 3825、Raise 3D 3826、Xact Metal 3814、PADT 3842、Protolabs 3901、UpNano 4149、Mantle 4255などが並びます。当社が2027年の公式出展社リストを解析した集計で、このゾーンは約155社、うち積層造形系は12社です。同じ無料パスでAdvanced Manufacturing StageとDesign Alleyの講演も聞けます。

問題は、いちばん深い積層造形の内容が展示フロアの外にあることです。2026年版でその位置にあったのはSustainable Manufacturing Conferenceで、26本の講演で構成され、前日にはAMGTA(Additive Manufacturer Green Trade Association)のSherri Monroe氏が司会を務める「Smart 3D-printing」のセッションが置かれていました。料金は$379〜$449です(2026年実績)。名称に3DもAdditiveも入っていませんので、料金表を上から読んでも辿り着けません。

登録の段取りとパスの階梯そのものは、バッジを共有するMD&M West 2027の完全ガイドにまとめています。D&M West側だけを別に登録する方法はありません。

RAPID+TCTは何が違うのか

主催がSMEで、Informaのバッジとも登録システムとも関係がありません。2027年はデトロイトのHuntington Place(1 Washington Blvd)で、会議が4月12日〜15日、展示フロアが4月13日〜15日です。

規模の中身は2026年のボストン開催が示しています。来場者1万人超、講演者260人超、教育コンテンツ125時間超、会議は9トラック(Essential AM、航空宇宙、防衛、エネルギー、ヘルスケア、民生品ほか)、AeroDef・ヘルスケア・スタートアップの3つのショーケースという構成でした。出展社数だけは主催者の表記が割れており、開催報告の記事が470社超、2026年の総括ページが500社超、来場案内のページが400社超と書いています。同じ主催者の同じサイト内で3つの数字が並んでいますので、稟議に使う際は自己申告値として扱ってください。

規模の小さい企業に向けた枠も用意されています。3つのショーケースは区画にブースを集めるだけでなく、専用のKnowledge Barで講演を行う形式で、2026年はボストン小児病院(ヘルスケア)やRhode Island APEX Accelerator(AeroDef)が登壇しました。スタートアップ向けにはPitchfestという登壇コンペもあり、2026年は5社が決勝に進み、発表5分と質疑4分という形式でした。

分類の粒度の差が、いちばん分かりやすい指標かもしれません。D&M Westの製品カテゴリは8つで、そのうち積層造形は1つです。RAPID+TCTの出展社ディレクトリは77カテゴリあり、そのほぼ全部が積層造形の細目です。DED、EBM、金属レーザー焼結、マイクロ造形、バイオプリンティング、後処理、造形材料がそれぞれ独立した検索軸になっています。貴社の技術が「3Dプリンティング」というひと言では説明できない位置にあるほど、この差は効きます。

同じ会社が両方に出ている例も、深さの違いを示します。Formlabsはアナハイムでは4010番の1ブースですが、ボストンでは義手のデモを置いたブースに加え、創業者のMax Lobovsky氏がSME AM Industry Achievement Awardを受賞し、MITのNeil Gershenfeld教授との対談に登壇しました。

日本から行くとどちらが楽か

移動だけを見ると、意外にもデトロイトのほうが短くて済みます。

項目アナハイムデトロイト
最寄り空港LAXDTW
日本からの直行便あり(羽田・成田)あり(羽田、デルタ航空が週7便、A350-900)
空港から会場34〜40マイル、45〜90分約23マイル、車で30分弱

ただし会期が2月と4月で2か月離れていますので、1回の渡航にまとめることはできません。両方を見るなら、渡航も予算も2本必要です。

実務上の注意が2つあります。1つ目は、RAPID+TCTが招聘状を発行しないことです。米国務省が「招へい状は査証発給の判断材料ではない」としていることを根拠に、公式サイトが明記しています。ビザ面接が必要な場合は、面接枠の混雑を見込んで早めに動いてください。2つ目は、開催都市が毎年動くことです。2026年はボストン、2027年はデトロイトでした。前年の旅程はそのまま使えません。

目的別の結論

貴社の目的行くべき展示会
3Dプリンターや造形装置そのものを売るRAPID+TCT
造形材料(金属粉末、樹脂)を売るRAPID+TCT
積層造形の技術動向を1回の渡航で把握するRAPID+TCT
造形受託・試作サービスを米国で売るRAPID+TCTが本命。D&M Westは設計段階の技術者に近い
精密加工、センサ、計測を設計・品質部門に売るD&M West
医療機器向けの部材を売るD&M West(同じバッジでMedTechセクターも回れます)

D&M Westが不要になるわけではありません。このガイドが扱う設計・検証の道具という範囲では、アナハイムは今も正しい行き先です。無料で歩ける展示フロアに1,800社規模が集まる場所は、米国でもそう多くありません。積層造形という1つのスライスについてだけ、専門展のほうが深い、という話です。

最後に、比較できていない項目を明示しておきます。出展料はどちらも非公開です。RAPID+TCTは主催者の窓口(rapid.tct@sme.org、800-733-4763)のみ、D&M Westは営業窓口(1-844-826-9378)のみで、平方フィート単価も最小区画も公表されていません。2027年の来場者登録料も、2026年9月15日時点でどちらも未発表です。この記事が並べられるのは、規模と客層と動線までです。

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よくある質問

積層造形が目的なら、D&M WestとRAPID+TCTのどちらに行くべきですか?
RAPID+TCTです。フロアも会議もすべてが積層造形の専門展で、2026年は来場1万人超、出展470社超でした。D&M Westの積層造形は当社集計で12社のゾーンにとどまります。
RAPID+TCT 2027はいつどこで開かれますか?
2027年4月12日〜15日、ミシガン州デトロイトのHuntington Placeです。展示フロアは4月13日〜15日の3日間で、初日と2日目が10時〜17時、最終日が10時〜15時です。主催はSMEで、Informaのバッジとは無関係です。
D&M WestのバッジでRAPID+TCTにも入れますか?
入れません。D&M WestはInforma MarketsのMD&M Westバッジ、RAPID+TCTはSMEの別登録です。会期も2027年2月と4月で2か月離れており、1回の渡航にまとめることはできません。
D&M Westの無料パスで3Dプリンティングはどこまで見られますか?
展示フロアのブースは回れます。Advanced Manufacturing StageとDesign Alleyも無料パスの範囲です。ただし最も内容の深い積層造形の講演はSustainable Manufacturing Conferenceの中にあり、2026年実績で$379〜$449の別料金でした。
日本からはどちらが行きやすいですか?
移動だけならデトロイトです。羽田からデトロイト(DTW)へデルタ航空が週7便の直行便を運航しており、DTWから会場までは約23マイル、車で30分弱です。アナハイムはLAXから34〜40マイル、渋滞次第で45〜90分かかります。
RAPID+TCTの出展料はいくらですか?
公開されていません。主催者のSMEは問い合わせ窓口(rapid.tct@sme.org、800-733-4763)への連絡を求めています。D&M West側も同じく非公開で、営業窓口への電話のみです。2027年の登録料も両方とも2026年9月15日時点で未発表です。

このカンファレンスの完全ガイド

Design & Manufacturing West 2027完全ガイド:日本企業のための参加・出展判断

D&M West 2027(2月9日〜11日、アナハイム)は今もMD&M Westの設計・製造セクターとして開催されます。展示フロアは早期登録で無料、ブース番号3800〜4200番台が設計・製造ゾーンです。

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