CES · ラスベガス
CES 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断
最終更新:2026年8月6日
CES 2027は、2027年1月6日〜9日にラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー見本市です。結論から言えば、視察と出展で答えが分かれます。米国市場と技術トレンドを1年単位で読む必要がある企業にとって、視察の費用対効果は米国カンファレンスの中でも最高水準です。早割$149のStandard Passで4,100社超の展示フロアに入れて、AI・モビリティ・ヘルスの1年の方向性が4日で見えるからです。一方、出展は条件付きです。CES 2026で日本からの出展は105社と初めて100社を超えましたが、単独出展の実例は渡航費込みで総額約300万円かかっており、4,100社の中で埋もれない設計が別途必要になります。この記事では、主催団体CTAの監査済みの数字と日本企業の一次レポートだけを使って、参加費、出展ルート、そして「どういう会社なら行くべきか」まで並べます。
14.8万人
来場者(2026年監査値)
4,100社超
出展社(2026年実績)
105社
日本からの出展(2026年)
$149〜$1,750
参加パス(2027年公表値)

CESとは何のカンファレンスか
CESは、米国の業界団体CTA(Consumer Technology Association)が主催する年次テクノロジー見本市です。もともとConsumer Electronics Show、つまり家電見本市でしたが、現在はAI、モビリティ、デジタルヘルス、ロボティクスまで覆う「テクノロジー産業全体の年初の定点観測」に変わっています。毎年1月の第1週に開かれるため、世界のテック業界がその年最初に一堂に会する場がCESです。
第1回は1967年6月のニューヨークで、来場17,500人、出展100社超でした。1978年から1994年までは冬のラスベガスと夏のシカゴの年2回開催、1998年からラスベガスでの年1回開催に一本化されています。来場者のピークはコロナ前の2019年の18.2万人で、その後は2025年に142,465人、2026年に148,392人(前年比4%増)と回復途上にあります。
ここで1つ、数字の扱いについて押さえておくべきことがあります。CTAは閉幕後に第三者監査済みの来場者数を公表しており、本記事の数字はすべてこの監査値です。日本語の解説記事にしばしば残っている「CESには18万人が来る」という数字はコロナ前のものです。現在の実勢は約14.8万人で、そのうち52%がシニアレベル、37.6%が米国外からの参加です(いずれもCES 2026監査値)。
規模の中身も家電の展示会ではなくなっています。現地で111社を取材した日本のリンカーズの分析によれば、CES 2026ではAIを掲げる出展社が全体の35%と、2023年の18%からほぼ倍増しました。
AI は単独の技術というより、センサーやスマートホーム、モビリティなど幅広い領域の土台として組み込まれており
AIというカテゴリーがあるのではなく、AIが全カテゴリーの前提になった、という整理です。
2027年はいつ・どこで開催されるのか
2027年1月6日(水)〜9日(土)の4日間、ラスベガスで開催されます。会場はLVCC(Las Vegas Convention Center)を中心に、スタートアップエリアEureka Parkを抱えるVenetianなど市内の複数会場に分かれます。以降の日程も発表済みで、CES 2028は2028年1月11日〜14日、CES 2029は2029年1月9日〜12日です。
日本からの渡航には、他の米国カンファレンスにない制約が1つあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | ありません。2006年秋のJAL成田便廃止以降、日本〜ラスベガス間の直行便は運航されていません |
| 経由地 | ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルが一般的。ソウル(仁川)経由も選択肢 |
| 所要時間 | 乗り継ぎ込みで約14〜16時間 |
| 1月上旬の気候 | ラスベガスは1月が年間で最も寒く、日中最高約14°C、朝晩は3〜4°C。砂漠気候で寒暖差が大きい |
| 入国 | ESTAが必要です。料金は$40(2025年9月30日に$21から引き上げ)。パスポートを更新すると無効になります |
会場に着いてからも距離との戦いが続きます。CES 2026に参加したクラスメソッドの記録はこう書いています。
ラスベガスは建物が大きく、すぐそこに見えても非常に距離があります
会場間の移動には、主要会場を結ぶシャトルのTech Express、LVCC内なら無料のVegas Loop(地下トンネルをテスラ車で移動)、Las Vegas Monorailが使えます。訪問したいブースを公式マップで事前に特定しておくのが、4日間を溶かさない最低条件です。

誰が主催しているのか
主催はCTA(Consumer Technology Association)、米国の民生テクノロジー業界団体です。CESはCTAの旗艦事業で、収益源はブース販売(2026年は延べ260万平方フィート超、約24万平方メートル)、参加パス、スポンサーシップです。AWS re:Inventのような一社が自社ロードマップを発表する場ではなく、業界団体が市場全体を舞台に載せるイベントであり、開幕前のCTAアナリストによる「Tech Trends to Watch」がその年のテック業界の口火として扱われます。
CTAの運営で特筆すべきは監査文化です。来場者数は第三者監査を経て公表され、CTA自身が展示会業界の国際団体UFIの基準を上回る水準だとしています。誇張された動員数がまかり通る業界で、閉幕後に監査サマリーをPDFで公開する主催者は多くありません。この記事が2026年の数字を安心して使えるのはそのためです。
日本企業にとってもう1つ重要なのは、CESには公的な出展支援ルートが存在することです。JETROは2019年からJapanパビリオンを運営しており、CES 2026では31社を出展させました。CES 2027では東京都が初めて東京パビリオンを設置し、都内中小企業約10社の小間料・設営・商談通訳・PRツールを都が負担します。大阪商工会議所も過去に共同出展エリアを運営してきました。同じ米国の大型イベントでも、公的支援が皆無のRSA Conferenceなどとは対照的です。
どんな企業が参加・出展しているのか
CES 2026の出展は4,100社超(現地集計では4,184組織)でした。国別の内訳が、いま貴社が知るべき競争環境をそのまま示しています。
| 国・地域 | 出展社数(CES 2026) | 前年からの動き |
|---|---|---|
| 米国 | 1,319社 | 過去5年で最多 |
| 中国 | 935社 | 約300社減 |
| 韓国 | 791社 | 約150社減 |
| 日本 | 105社 | 初の3桁到達 |
出典はリンカーズの現地分析です。「日本は今年 105 社で初めて3桁に到達しました。」と明記されています。ただし社数の伸びと存在感は別の話です。現地で調査したIntralinkの評価は率直です。
日本はモビリティ領域を中心に大手のイノベーション活動の取り組みは評価できるものの、CES全体での存在感は相対的に低下傾向にあり
フロアの主役は中国勢(Hisense、TCL、Lenovo、Roborock、Ecovacs)で、SamsungはWynnでの招待制形式に移行しました。一方の日本勢で名前が挙がるのは、自動運転のTIER IV(連続出展)、液浸冷却を展示したENEOS、JETROパビリオンの31社、JAPAN TECHパビリオンに出たシンカ、Eureka Parkに単独出展したKikuviなどです。JETROの31社のうち4社がCES Innovation Awardsを受賞しており(多視点映像のAMATELUS、AI運動指導のSHOSABI、転倒リスク評価のUNTRACKEDほか)、選ばれた日本のプロダクトが評価されない場ではありません。
来場者の構成は、CES 2026の監査値で次のとおりです。
| 区分 | 数値(CES 2026監査値) |
|---|---|
| シニアレベルの来場者 | 52% |
| 購買決定に影響力を持つ来場者 | 65%(CTA公表値) |
| 米国外からの参加 | 55,841人(37.6%、141の国・地域) |
| Fortune 500企業の参加 | 307社 |
| 投資家 | 2,162人 |
| メディア・クリエイター・アナリスト | 7,037人 |
この表の読み方には注意が要ります。65%が購買に影響力を持つとはいえ、日本企業の出展レポートで成果として語られるのはメディア露出、パートナー探索、投資家接点であり、その場の受注ではありません。CESは商談即決の展示会ではなく、市場とメディアと資本が一度に集まる場です。
会場では実際に何が起きるのか
4日間の中身は、基調講演、展示フロア、Eureka Park、そしてメディアイベントと夜の会合の4つに分かれます。2026年実績でセッションは400本超、スピーカーは1,400人超でした。
基調講演は市場の号砲として機能します。2026年はNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが「フィジカル AI にも ChatGPT モーメント」が来ると宣言し、これがそのまま会場全体のロボット・ヒューマノイド展示の増加と重なりました。ただし席の確保は甘くありません。クラスメソッドの参加者はこう記録しています。
18:30開始で17:00から並びましたが、1.5h前に並んでもとんでもない行列
展示フロアの迫力は、日本の展示会の延長では測れません。LVCCとVenetianを回ったDMMのエンジニアは、Boston Dynamicsのロボット実演についてこう書いています。
このロボットになら仕事を任せられそうな、そんな雰囲気を感じさせられる自然な動きで感動しました。
同じ記録は、EVよりも自動運転技術の展示が目立ったこと、NVIDIAがフロア丸ごとの規模で出展していたことも伝えています。監査値でも来場者の関心はAIが39,929人(前年比22%増)、ロボティクスが19,605人(同26%増)と、この2領域に集中しています。
Eureka Parkは、Venetianに置かれた約1,200社のスタートアップ専用エリアです。投資家2,162人の主戦場であり、国別パビリオンの構造がはっきりしています。リンカーズの分析は韓国勢についてこう書いています。
韓国はユーレカ・パーク全体でも出展数が多く、政府機関、地方自治体、大学なども組織として出展しており、国を挙げた強力な支援体制が見て取れます。
JETROのJapanパビリオンはCES 2026からEureka Park内ではなくメインストリート沿いへ昇格し、1日3回のステージイベントと5つのサイドイベントを実施しました。台湾、フランス、イスラエルも国として戦略的に場所を取っています。個社ではなく国どうしの陣取りが起きている、というのがEureka Parkの実態です。
そして夜です。Eureka Parkに単独出展したKikuviの総括は、ブースに金をかけるより「ブース自体にお金をかけすぎるより、ブースで出会ったキーマンをその日の夜の食事やサイドイベントに誘い出し、深い話をする」ほうが圧倒的に費用対効果が高かった、というものでした。同社は成果の大半が渡航前の準備で決まっていたとも振り返っています。JAPAN TECHパビリオンに出たシンカも、来場者の約4割が海外からで、コンセプト展示への反応をこう記録しています。
『人が忘れてしまうことを、テクノロジーが自然に補う体験』に対し、強い関心と共感の声が寄せられました

参加・出展にいくらかかるのか
参加費は、CES 2027の価格がすでに公表されています。米国大型カンファレンスとしては珍しく、展示フロア中心なら3桁ドルで収まります。
| パス | 早割(2026年11月30日まで) | 通常(12月1日〜1月9日) | 含まれるもの |
|---|---|---|---|
| Standard Pass | $149 | $349 | 展示フロア、基調講演、Great Minds、一部セッション |
| Premium Pass | $1,450 | $1,750 | Standardの内容+全カンファレンストラック、パートナープログラム |
個別トラックや業界サミットの追加は選択制の別料金です。登録の開始日は未発表で、公式サイトで開始通知の登録ができます。視察目的であれば、基調講演も入れるStandard Passの早割$149で十分です。11月30日の早割期限が実質の社内締切になります。
出展費用は事情が違います。公式のブース料金は公開されておらず、営業担当への問い合わせ制です。参考として、2017年の日本語ブログには10フィート×10フィートのブース代35〜50万円という記録がありますが、9年前の水準であり、現在の見積もりには使えません。いま確度を持って言える実例は、CES 2026のEureka Parkに単独出展したKikuvi(創業約半年のスタートアップ)が公表した総額です。
| 費目(Kikuvi、CES 2026実績) | 金額 |
|---|---|
| 渡航費(日本から2名+米国在住2名) | 約130〜140万円 |
| 出展・PR(出展料、家具レンタル、Web、CES Unveiled参加費) | 約150万円 |
| 宿泊・食費(構成を工夫して圧縮) | 約30万円強 |
| 総額 | 約300万円 |
これが単独出展の下限に近い数字だと考えてください。宿泊を圧縮せず、ブースを作り込み、人数を増やせば素直に膨らみます。
費用を大きく下げるのがパビリオンルートです。JETROのJapanパビリオンは採択されればブース関連費をJETROが負担します(2026年は31社)。CES 2027の東京パビリオンは約10社の小間料・設営・通訳・PRツールを東京都が負担します(2027年分の募集は2026年7月3日で終了)。民間のJAPAN TECHパビリオンは幅約1.5m×奥行約1mのユニット単位で、展示台・電源・バッジ5枚・ピッチステージ利用が含まれます(料金は非公開)。いずれも募集は開催前年の春〜夏に動くため、CES 2028を狙うなら2027年の初夏が仕込みの時期です。
宿泊は開催週のラスベガス全体が高騰します。onPeakでの早期確保が唯一の対策です。貴社の人数と日程での出張総額は、下のツールで試算してください。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断軸は2つです。視察か出展か。そして貴社の事業がCESの文脈(コンシューマー、ハードウェア、モビリティ、フィジカルAI)に乗るかどうかです。
視察は、テクノロジーに関わるほぼすべての日本企業にとって割に合います。理由は3つあります。第一に、早割$149で4,100社超のフロアと基調講演に入れる価格設定です。第二に、AIが出展の35%を占め、来場者の関心がAIとロボティクスに2桁成長で集中している現在、1年の技術投資の方向を4日で確かめられる場は他にありません。第三に、日本語の一次レポートが豊富で、予習の材料に困らないことです。ただし、テーマと訪問先を決めずに行くと、巨大な会場と行列に4日を溶かします。成果の大半は渡航前に決まる、という出展経験者の総括は視察にもそのまま当てはまります。
出展は、文脈が合う企業に絞るべきです。コンシューマー向けプロダクト、ハードウェア、モビリティ、フィジカルAIの文脈がある企業、特にスタートアップには、JETRO・東京都・JAPAN TECHというパビリオンの入口があり、費用リスクを大きく下げられます。競争環境も見どころがあります。日本の出展105社に対して中国は935社であり、存在感で劣勢なのは事実ですが、JETROパビリオン31社中4社がInnovation Awardsを受賞したように、選考を通った日本のプロダクトはむしろ目立ちます。
出展を勧めないのは次の3タイプです。国内向けのB2B業務ソフトをそのまま持ち込もうとする企業(CESの来場者はそれを買いに来ていません。シンカのように海外来場者向けのコンセプト展示へ振り切るなら別です)。パビリオン枠なしの初出展に300万円級の予算と英語で立ち回れる人員を割けない企業。そして成果指標を「その場の受注」に置く企業です。CESで起きるのはメディア露出、パートナー探索、投資家接点であり、それを社内で成果として説明できないなら、出展の稟議は通しても後悔します。
まとめれば、CES 2027は「まず視察、出展はパビリオンから」が日本企業の定石です。直行便がなく往復で丸2日を使う渡航ですから、行くと決めたら早割と宿の確保、アポの仕込みまでを一気に済ませてください。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- CES 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年1月6日〜9日の4日間、ラスベガスで開催されます。会場はLas Vegas Convention Center(LVCC)を中心に、スタートアップエリアEureka Parkを抱えるVenetianなど複数会場に分かれます。以降の日程も発表済みで、CES 2028は2028年1月11日〜14日、CES 2029は2029年1月9日〜12日です。
- CES 2027の参加費はいくらですか?
- 公表済みです。展示フロア中心のStandard Passが早割$149(2026年11月30日まで)、それ以降は$349です。全カンファレンスに出られるPremium Passは早割$1,450、以降$1,750です。登録の開始日は未発表で、公式サイトで開始通知の登録ができます。
- 日本からラスベガスへの直行便はありますか?
- ありません。2006年秋のJAL成田便の廃止以降、日本とラスベガスを結ぶ直行便は運航されていません。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなどで1回乗り継ぎ、所要は約14〜16時間です。ソウル(仁川)経由も選択肢になります。
- 日本企業もCESに出展していますか?
- しています。CES 2026の日本からの出展は105社で、初めて100社を超えました。JETROのJapanパビリオンからは31社が出展し、うち4社がInnovation Awardsを受賞しています。CES 2027では東京都が初めて東京パビリオンを設置します。
- CESの出展費用はいくらかかりますか?
- 公式のブース料金は非公開で、営業担当への問い合わせ制です。実例として、CES 2026のEureka Parkに単独出展した日本のスタートアップは、渡航費込みの総額を約300万円と公表しています。JETROや東京都のパビリオンに採択されれば、費用負担は大きく下がります。
- CES 2026の来場者数は何人でしたか?
- 第三者監査済みの数字で148,392人、前年比4%増です。うち海外からの参加が55,841人(37.6%)、出展は4,100社超でした。日本語の解説記事に残る「18万人」はコロナ前の2019年の数字であり、現在の実勢は約14.8万人です。