World of Concrete · ラスベガス
World of Concrete 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断
最終更新:2026年8月6日
World of Concrete 2027(WOC 2027)は、2027年1月19日〜21日(教育プログラムは18日〜21日)にラスベガスのLas Vegas Convention Centerで開催される、コンクリート・メイソンリー(石積み)建設業界で世界最大級の年次展示会です。結論から言えば、北米販路を本気で取りにいく建設機械・電動工具・建材メーカーには行く価値があります。マキタ、三笠産業、マックス、建ロボテックと日本勢の出展前例が豊富で、来場者の75%超が購買プロセスに関与する買い手中心の場だからです(主催者公表値)。逆に、建設テック系のソフトウェア企業にとっての優先度は高くありません。フロアの主役はあくまで機械と資材です。この記事では、確定している2027年の事実と過去実績をはっきり分けたうえで、参加費、1平方フィート単価まで公開されている出展費用、そして「2026年に来場登録者が約1万人減った」という主催者があまり語らない数字まで並べます。
4.74万人超
来場登録者(2026年実績)
1,300社超
出展社(2026年実績)
75%超
購買プロセス関与率
$105〜$135
入場パス(2026年実績)

World of Concreteとは何のカンファレンスか
World of Concreteは、商業コンクリート工事とメイソンリー建設に特化した年次トレードショーです。第1回は1975年2月、テキサス州ヒューストンで開かれ、出展企業77社、来場者1,550名、展示面積22,200平方フィートという規模でした。それが現在は出展社1,300〜1,500社、来場登録者5万人前後、屋内外あわせて75万平方フィート(2025年実績、日本の視察レポートいわく「東京ドーム約1.5個分」)にまで育っています。2024年に50回目の節目を迎えました。
性格を一言で言えば、講演を聴きに行く場ではなく、機械と資材を見て、触って、買う場です。会期中の教育プログラムはセミナー単位の課金制で、展示とは切り離されています。屋外会場では実機のライブデモが終日動き、毎年恒例の「ブロック早積み大会」まであります。2025年を視察した米国進出支援会社M Cross Internationalは、その年のフロアをこうまとめています。
今年のWorld of Concreteでは、「安全性」と「効率性」を軸としたテクノロジーおよびイノベーション分野が主要トレンドでした。
もうひとつの軸は電動化です。2024年に出展した三笠産業の開発部門は、フロアの変化をこう記録しています。
環境に配慮する電動化の流れが更に高まっているのを目の当たりにしました
規模の推移には正直に触れておきます。2026年の来場登録者は47,400人超で、2025年の57,908人から約1万人減りました。出展社も1,522社から1,300社超へ減っています(いずれも主催者発表と現地視察レポートの数字)。主催者はこの減少に言及していません。参考情報として、2026年は3年に一度の建設機械展CONEXPO-CON/AGGが同じラスベガスで3月に開催される年でした。そして注意点がひとつ。日本語の視察ツアーページには57,908人を2026年実績として掲載している例がありますが、これは2025年の数字です。2027年の判断材料には主催者発表の47,400人超を使ってください。
2027年はいつ・どこで開催されるのか
展示会は2027年1月19日(火)〜21日(木)の3日間、教育プログラムは1月18日(月)〜21日(木)です。会場はLas Vegas Convention CenterのNorth・Central・Southホールと屋外会場。次回のWOC 2028(展示1月25日〜27日、教育24日〜27日)もすでに発表されており、年次開催の継続は確定しています。2027年の講演公募は公式サイトで受付中ですが、登録開始日と料金は2026年8月6日時点で未発表です。
日本からの渡航は、直行便がない点だけ覚悟してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | なし。米国・カナダの主要都市で乗り継ぎ(旅行会社ハルカゼ旅行社の案内による) |
| モデル行程 | 1月18日に東京・大阪・名古屋発、当日ラスベガス着。19日〜21日を視察し、22日発、23日帰国の6日間 |
| 1月の気候 | 日中の平均最高14.7°C、朝晩の平均最低4.7°C。氷点下の夜が冬季に10日ほどある砂漠の冬 |
| ホテルとシャトル | 公式ホテル(onPeak経由)で予約すると会場シャトルが無料。それ以外はシャトルバス代$60(2026年実績) |
| バッジ | 18歳以上のみ登録・入場可。17歳以下はセミナー会場に入れません |
誰が主催しているのか
主催はInforma Markets、ロンドン上場のイベント大手Informa PLCの展示会部門です。2014年に米国の建設系メディア企業Hanley Woodから、展示会事業ごと約3億7,500万ドルで買収しました。ベンダーの自社イベントではなく、主催者の収益は小間販売と登録料、そして課金制の教育プログラムです。だからこのイベントには、主催者に都合のよい市場定義を語る基調講演がありません。あるのはフロアだけです。
運営を支えるのは業界団体のネットワークです。当社のデータベースにはWOC 2027のパートナー60団体が登録されており(内部DB、確度90)、中身は2層に分かれます。ひとつは米国の専門団体で、American Cement Association、プレキャストのPCI、鉄筋のCRSI、コンクリート舗装のACPA、補修のICRI、切断穿孔のCSDAなど、工種別の団体がほぼ網羅されています。教育プログラムはこの団体群と組んで運営されます。もうひとつは海外のメディア・団体パートナーで、メキシコ、ブラジル、インド、スペインなどに並んで、日本の建設・測量生産性向上展CSPI-EXPOが名を連ねています。日本の展示会が公式パートナーに入っている米国ショーは珍しく、業界の接続はすでにある、ということです。
ブランドも国際展開しています。World of Concrete India、World of Concrete Asia(上海)、トロントのパビリオンがあり、日本の混和剤メーカーであるフローリックがWOC India 2026への参加報告を公開しています。
どんな企業が参加・出展しているのか
来場者は商業コンクリート工事の実務家です。施工会社、生コン・プレキャスト製造、機材ディーラー、エンジニアが中心で、主催者は「来場者の75%超が自社の購買プロセスに関与している」と毎年公表しています。2026年の主催者発表には参加国として日本が明記されており、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、韓国、メキシコなどと並びます。出展セグメントはマテリアルハンドリング、生コン、建設テクノロジー、プレキャスト、メイソンリー、鉄筋、セメント製造、解体・補修、床仕上げ・装飾です。
日本企業にとって重要なのは、ここに日本勢の前例が豊富にあることです。直近の開催年から並べます。
| 企業 | 実績 |
|---|---|
| マキタ | 2026年に屋外の大型ブース。現地スタッフ運営で人だかりを作った(視察レポートによる) |
| ライナックス | 2026年出展(South Hall #S12755)。床研削・研磨機メーカー |
| マックス | 2025年に初出展。鉄筋結束機と自動化ユニットを展示。2030年度に海外売上比率55%超を掲げる |
| 三笠産業 | 遅くとも2012年から継続的に出展。米国パートナーMultiquipのブランドで電動転圧機を展示 |
| 建ロボテック | 2023年出展。鉄筋結束ロボット「トモロボ」で名刺交換1,000枚超、ブース来訪1,500名超、複数の受注 |
| クモノスコーポレーション | 2016年出展。総費用約220万円の内訳をブログで公開 |
香川県のスタートアップである建ロボテックの2023年の成果は、規模の小さい会社にも参考になります。3日間で名刺交換1,000枚超、ブース来訪者1,500名超、米国・カナダ・中東・EU・アフリカからの引き合い、そして複数の発注と3件のメディア取材です。2026年出展のライナックスは、出展理由を一言でこう書いています。
日本の技術力を世界に発信する貴重な機会
ただし、出展すれば売れる場ではありません。WOC 2026を視察したM Cross Internationalの分析は、日本企業への警告として最も具体的です。
結論から言うと、今回もっとも強烈だった差は、製品力でもブースサイズでもなく『現地化の完成度』でした。
同レポートはマキタのブースを成功例に挙げます。屋外ブースの運営は現地スタッフが中心で、会話は完全に米国の営業文脈。「現地の来場者は『日本企業かどうか』を意識していないように見えました」と書き、対照的にアジア系ブース全般については「ブース内がアジア人だけに見える」「声をかけづらい/会話が始まりづらい」空気が最初の壁になっていたと指摘します。三笠産業が米国パートナーMultiquipのブランドで展示しているのも、同じ問題への別解です。製品を持ち込むだけでなく、誰が売るのかまで設計してから出展する。これがWOCの前例が教える条件です。
会場では実際に何が起きるのか
3日間の中身は、展示フロア、屋外ライブデモ、課金制セミナー、そして名物競技です。セミナーは2025年実績で185本。技術施工、ビジネス、安全の各分野を、90分$125から4時間の認定セミナー$275(いずれも2026年早期料金)まで1本単位で買います。全セッション込みの高額パスが前提のRSA ConferenceやAWS re:Inventとは逆の設計で、展示だけなら$105、学びたい分だけ足すという費用構造です。

フロアの見どころは屋外です。2025年の視察レポートは、クレーン、大型3Dプリンター、ライブデモが並ぶ屋外会場の様子を伝えています。名物のSPEC MIX BRICKLAYER 500は煉瓦積みの世界選手権で、2026年は28人の職人が競い、優勝したノースカロライナ州のペアに賞金・賞品あわせて$125,000が贈られました。業界の人材育成オークション(CIM Auction)も2026年に過去最高の230万ドルを集めています。職人技とチャリティが本気で動いている場だ、という空気は、日本の展示会にはない部分です。
技術トレンドは3つ。安全性と効率性を軸にしたテクノロジー(2025年)、電動化の加速(三笠産業、2024年)、そして鉄筋結束のような労務作業のロボット化です。ロボット化は日本勢が売る側に回っているテーマで、建ロボテックのトモロボ、マックスの自動結束ユニットがまさにそこにいます。人手不足はどの国の建設業も同じで、省人化機材への引き合いは国境を越えて発生しています。
参加・出展にいくらかかるのか
2027年の登録料金は未発表です。以下は2026年の実績で、2027年を見積もる最も確度の高い基準になります。
| パス(2026年実績) | 早期料金 | 2025年12月12日以降 |
|---|---|---|
| Exhibits-Only(展示会入場のみ) | $105 | $135 |
| セミナー(90分) | $125 | $155 |
| セミナー(3時間) | $205 | $235 |
| 認定セミナー(4時間) | $275 | $305 |
| Super Pass(セミナー12時間+入場) | $585〜$685 | $685〜$785 |
出展費用は、料金表が公開されている点でこのイベントは例外的です。当社が2026年8月に公式出展ページから取得した現行料金は次のとおりです(内部DB、確度85)。
| 小間区分 | 料金 |
|---|---|
| 屋内(1,000平方フィート未満) | $55.00/平方フィート |
| 屋内(1,000平方フィート以上) | $54.50/平方フィート |
| 屋外(1,000平方フィート未満) | $50.00/平方フィート |
| 屋外(1,000平方フィート以上) | $49.50/平方フィート |
| 屋外用資材(砂場・スラブ等) | $15.00〜$20.00/平方フィート、壁は$425.00/リニアフィート |
計算すると、最小規模の100平方フィート(約9.3平方メートル、日本の1小間に近い広さ)の屋内小間で$5,500です。単価はほぼ一律で、面積を増やしてもボリュームディスカウントは実質ありません。なお公式サイトは現在この料金をサイト上に表示しておらず、出展申込フローの中で提示される形に変わっています。最新の見積もりは営業担当への問い合わせで確認してください。
総額の実例として、2016年に出展したクモノスコーポレーションが内訳を公開しています。3m×3mの小間2つで小間料約80万円、渡航費4名分50万円、輸送30万円、宿泊30万円、備品レンタル30万円の総額約220万円です。9年前の数字なので物価は当時のものとして読む必要がありますが、構成比は今も参考になります。同社はこのとき、最大100万円のJETRO出展支援補助を使ったことも明記しています(当時の制度で、現在は再編済み)。WOCにJETROのジャパンパビリオンは確認できないため、出展は個社契約が前提ですが、補助金がWOC出展に使われた前例はある、ということです。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断基準はひとつです。貴社の商材が北米の建設現場で使われる機械・工具・資材なら、WOCは米国で最も前例の揃った入口です。ソフトウェアなら、優先度は下がります。
行くべき企業。第一に、北米販路を狙う建設機械・電動工具・建材のメーカーです。理由は前例の厚さです。マキタの大型ブース、三笠産業の10年超の継続出展、マックスの中期経営計画と連動した初出展、そして小規模でも受注まで届いた建ロボテック。日本のセキュリティ企業が1社しか出ていないRSA Conferenceのような「空白の市場」ではなく、WOCは日本勢の成功パターンが既に検証されている市場です。省人化・電動化という会場のトレンドは日本メーカーの得意領域と重なります。第二に、施工会社・工事会社の技術視察です。床仕上げ、補修材、電動機材、施工ロボットなど、日本にまだ入っていない工法と機材が実機で見られます。展示だけなら$105、日本の旅行会社の視察ツアーと仕入れ支援も揃っています。
条件付きの企業。建設テック系のソフトウェア・SaaS企業です。建設テクノロジーの出展セグメントは存在しますが、フロアの重心は機械と資材で、来場者はコンクリート工事の購買実務家です。米国法人も現地販売体制もない段階でブースを構えても、商談は前に進みにくいでしょう。この段階なら、まず1名を$105の入場パスで送り、自社カテゴリーの出展社数と来場者の反応を確かめてからで遅くありません。
行かなくてよい企業。英語での商談体制を用意できないままの出展です。WOC 2026の視察レポートが指摘した敗因は、製品力ではなく現地化の不足でした。ブースに日本人だけが立ち、説明が通らず、来場者が「また後で」と去っていく光景は、他のアジア企業のブースで実際に観察されています。出展費用$5,500は安く見えますが、現地スタッフや通訳を含めた「売る体制」まで予算に入らないなら、その年は視察に回すほうが投資効率は上です。
最後に、順序の提案です。2027年1月に1〜2名で視察し、自社セグメントの出展社と代理店候補を確認する。手応えがあれば2028年(1月25日〜27日、既に発表済み)に最小の100平方フィートで出展し、現地の販売パートナーか通訳を確保して臨む。三笠産業のMultiquip、建ロボテックの現地引き合いのように、WOCの成果は「誰と組んで売るか」を決めた企業に出ています。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- World of Concrete 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 展示会は2027年1月19日〜21日、教育プログラムは1月18日〜21日、ラスベガスのLas Vegas Convention Centerで開催されます。North・Central・Southの各ホールと屋外会場を使います。次回のWOC 2028(1月25日〜27日)もすでに発表済みです。
- World of Concreteの参加費はいくらですか?
- 2027年の料金は未発表です。2026年実績では展示会入場パスが$105(2025年12月12日以降は$135)でした。セミナーは1本ごとの課金制で$100〜$305。セミナー12時間分と入場がセットのSuper Passは$470〜$785でした。
- 出展費用はいくらかかりますか?
- 公式の出展料金(2026年8月時点の取得値)は屋内ブースが1平方フィートあたり$55.00(1,000平方フィート以上は$54.50)、屋外が$50.00です。最小規模の100平方フィートなら小間料だけで$5,500。装飾、輸送、渡航費は別で、2016年に出展した日本企業の実績では総額約220万円でした。
- 日本企業もWorld of Concreteに出展していますか?
- しています。マキタは2026年に屋外の大型ブースを構え、三笠産業は2012年以前から継続出展、マックスは2025年に初出展しました。ライナックス、建ロボテックなどの中堅・スタートアップの出展例もあり、日本勢の前例が豊富な米国展示会です。
- 日本からラスベガスへの直行便はありますか?
- ありません。米国またはカナダの主要都市での乗り継ぎが必要です。日本の旅行会社のモデルプランでは1月18日に日本を出発し、当日中にラスベガス着、会期3日間を視察して1月23日に帰国する6日間の行程が標準です。
- 来場者は何人ですか?
- 主催者発表で2026年は登録者47,400人超、出展社1,300社超でした。2025年は来場者57,908人、出展社1,522社です。日本語のツアーページには57,908人を2026年実績として載せている例がありますが、これは2025年の数字なので注意してください。