The AI Summit New York · ニューヨーク

The AI Summit New York 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか

Last updated: August 6, 2026

The AI Summit New York 2026は、2026年12月9日(水)〜10日(木)にニューヨークのJacob K. Javits Convention Centerで開催される、Informa主催のエンタープライズAIカンファレンスです。結論から言えば、米国の大企業にAI製品やサービスを売りたい日本企業と、自社のAI導入を前に進めたい事業会社の推進責任者にとっては、費用対効果が非常に高いイベントです。理由は二つあります。全ステージに日本語のライブ同時通訳が無料で付くこと、そして展示会場に入るExpoパスが$49しかしないことです。一方、最新モデルの発表や技術的な深掘りを求める方には向きません。この記事では、パス価格の全段階、会場にいる5,000人の実像、日本企業の出展がゼロという事実まで、判断に必要な材料を並べます。

5,000人超

来場者(2025年実績)

75カ国

参加国

$49

Expoパス

10

ステージ数

The AI Summit New Yorkとは何のカンファレンスか

The AI Summit New Yorkは、英国のInforma PLCが2016年から毎年12月にニューヨークで開催している、企業のAI導入に特化したカンファレンスです。2026年で11回目を迎えます。

最初に紛らわしい点をはっきりさせておきます。「AI Summit」という名前のイベントは世界中に多数あり、東京で開かれるものだけでも複数存在します。この記事が扱うのは、Informa主催・ニューヨークのJavits Center・12月開催の一つだけです。日本語で検索した場合、上位に出てくるのはほぼ日本国内の別イベントなので、社内で共有するときは開催地と主催者まで書き添えてください。

主催者の性格が、このイベントの中身をほぼ決めています。米国の主要カンファレンスは主催者のタイプで3つに分かれます。

主催者のタイプ展示会場の性格
ベンダーDreamforce(Salesforce)すべてが主催者の製品に接続する
業界団体SEMICON West(SEMI)同一サプライチェーンの競合が並ぶ中立地帯
商業イベント企業The AI Summit New York(InformaInformaが集めた購買層への「アクセス権」が商品

InformaはFTSE 100に名を連ねる展示会・情報サービス企業です。AI製品を作っておらず、AI企業の会員団体でもなく、技術的な利害関係を持ちません。イベントを事業として運営しています。したがって、Informaの顧客はスポンサーであり、来場者は組み立てられて売られる側です。公式サイトの「69%が購買決定に関与」といった数字は、来場者ではなくスポンサーの稟議書に向けて書かれた文章だと理解しておくのが正確です。

その構造を踏まえたうえで、登壇内容そのものは実務寄りです。シリーズの公式説明は「We cut through the hype to focus on what works, practical applications that drive real results」で、実際に2日間を過ごした日本人の報告も、この路線が守られていることを裏づけています。

英語が不安でも参加できるのか

参加できます。全ステージに10言語のライブ字幕・音声翻訳が付き、日本語がその中に含まれます。 これはこのカンファレンスの最大の差別化要素で、しかも日本語圏ではほとんど知られていません。

公式FAQの記述をそのまま引用します。

Yes! We will have live captions and translations available in ten different languages across all stages (powered by Kudo AI). You simply need to scan a QR code outside of the stage you are entering and then listen from your personal device. Don't forget your headphones!

提供元はKUDOという言語テクノロジー企業です。2025年版では12のステージを対象に、基調講演からブレイクアウトルーム、技術セッションまでカバーしました。KUDOが2025年に公表した対応言語には、韓国語、スペイン語、アラビア語、日本語、ヘブライ語、ヒンディー語、広東語、メキシコ・スペイン語、フランス語が含まれます。2026年もKUDOがLive Captioning Partnerとして公式スポンサーページに掲載されており、単発の試みではありません。

使い方は単純です。入ろうとしているステージの外にあるQRコードをスマートフォンで読み取り、言語を選び、自分の端末で聞きます。専用アプリのインストールもログインも不要です。イヤホンだけは必ず持参してください

米国カンファレンスの日本語参加レポートで最も繰り返される不満は、内容ではなく言語です。Dreamforce 2024に参加した日本人は「英語がもっとできれば、もう少し入手できたような気がしております」と率直に書き残しています。The AI Summit New Yorkは、その障壁を全ステージで、追加費用なしで取り除いています。

ただし正直に書いておくべき留保が一つあります。日本語出力の品質を実際に評価した公開レポートは、日本語でも英語でも存在しません。 生きた技術英語をリアルタイムで日本語に機械翻訳するのは難しい課題で、精度が期待どおりとは限りません。同時通訳が付くこと自体は公式に確認できた事実ですが、その出来については誰も検証していない、というのが現時点で言える限界です。

いつ・どこで開催されるのか

2026年12月9日(水)〜10日(木)の2日間、ニューヨーク市のJacob K. Javits Convention Centerで開催されます。翌年の2027年版は12月8日〜9日、同じ会場です。

Javits Centerはマンハッタン西端、Hudson Yardsに隣接する巨大な展示施設です。総面積は340万平方フィートで、2021年に完了した増築で120万平方フィートが加わりました。ミッドタウンのホテル街からは歩ける距離ではありません。

住所について一点だけ注意があります。公式サイトは同じ建物に2つの住所を表示しています。 FAQとフッターは429 11th Avenue、トラベルページは655 W. 34th Streetです。Javits Centerはブロック全体を占めていて両方に入口があるため、どちらも正しい住所です。タクシー配車アプリに入力する際に混乱しないよう、覚えておいてください。

日本からのアクセスは、距離のわりに恵まれています。

項目内容
羽田〜JFK日本航空、ANA、アメリカン航空が直行便を運航。最短の所要時間は約12時間55分
JFK〜羽田(復路)3社が運航、所要は約14時間45分と往路より約2時間長い
成田〜ニューヨーク成田〜JFKの直行便に加え、デルタ航空がJFK・ニューアーク線を運航(約13時間50分)
航空券割引デルタ航空はイベントコードNM4RY、ユナイテッド航空はZRC3408222

往路と復路で2時間近く違う点は、帰国日の予定を組むときに効いてきます。なお公式サイトはサウスウエスト航空の25%割引も案内していますが、同社は日本に就航していないため、東京発の行程では使えません。 デルタとユナイテッドのコードが日本発の国際線に適用できるかどうかは、公式サイトに記載がなく未確認です。予約前に各社へ直接ご確認ください。

12月上旬のニューヨークは本格的に寒くなります。セントラルパークの平年値は最高約45°F(約7°C)、最低約35°F(約1°C)で、12月は月のうち14日ほど最低気温が氷点下まで下がります。降雪の平年値は月間4.4インチ(約11cm)ですが、ばらつきが大きく、4年に1年は8.6インチを超える一方、同じく4年に1年は12月中に一度も降りません。コートと歩ける靴は必須と考えてください。

See itineraries

誰が主催しているのか

主催はInforma PLCで、運営を担うのは同社のInforma Connect部門です。公式サイトのフッターには「Copyright © 2026 All rights reserved Informa PLC」とあり、FAQの行動規範は判断の主体を「Informa Connect representatives」と明記しています。2025年の参加登録もai.informaconnect.com上で動いていました。

ここで、問い合わせをする前に知っておくべき区別があります。Informa TechTargetは別会社です。 2024年12月にTechTargetとInforma Techのデジタル事業を統合して設立された兄弟会社で、CEOはGary Nugent氏、売上規模は約4.8億ドルです。そしてInforma TechTargetは、このイベントを宣伝し報道するメディアAI Business(aibusiness.com)を所有しています。

つまり、イベントを運営する会社と、そのイベントを「取材」するメディアが、同じ親会社に属しています。AI Business上の記事は独立した第三者の評価ではありません。イベントの評判を調べるときは、この点を織り込んで読んでください。

収益構造は公開情報から3つ見えます。

  1. スポンサーシップと出展。 本業です。2026年は5階層17社のスポンサーと100社超の出展社がいますが、価格はどこにも公表されていません。
  2. 参加パス。 $749から$3,499まで階層があり、その下に$49のExpoパスが置かれています。$49は収益源というより、スポンサーが買う「来場者数」を膨らませるための集客装置です。
  3. ベンダーへの上乗せ。 AI製品やサービスを売る側は、内容が同一のDelegateパス($1,799)ではなくSolution Provider Delegateパス($2,299)を買うことが求められます。差額$500は、主催者が誰を顧客と見なし、誰を商品と見なしているかの最も明快な表明です。日本のSIerやコンサルティング企業は、この階層に該当します。

The AI Summitは世界5都市のシリーズで、すべてInformaが運営しています。

イベント会場次回開催
The AI Summit at Black Hat USAMandalay Bay、ラスベガス2026年8月4日
The AI Summit AustraliaMelbourne Convention & Exhibition Centre2026年9月7日〜9日
The AI Summit New YorkJavits Center2026年12月9日〜10日
World AI Cannes FestivalPalais des Festivals、カンヌ2027年2月10日〜11日
The AI Summit LondonTobacco Dock、ロンドン2027年6月9日〜10日

この表から日本企業が読み取るべき点が一つあります。アジアでの開催はオーストラリアのみで、東京、シンガポール、ソウルのいずれにも展開していません。 この客層とこの形式を求めるなら、選択肢はニューヨークかメルボルンで、距離だけならメルボルンのほうが近い、ということになります。

どんな企業が参加・出展しているのか

2026年の公式スポンサーは5階層17社です。

階層企業
Headline PartnersEY、Nebius Token Factory
Industry PartnersCrusoe、IBM
Diamond SponsorsBigeye、Dell Technologies、Hexaware Technologies、Incedo、NVIDIA、SAP
Platinum SponsorsEverWorker、Hewlett Packard Enterprise、Lightricks、Microsoft Azure、MongoDB、Neo4j

このリストの構成が、イベントの性格をそのまま表しています。上位はコンピュート基盤とコンサルティングで占められており、OpenAI、Anthropic、Google DeepMindといったモデル開発企業は一社も入っていません。 ここはAIを「作る」場ではなく、企業に「導入する」場です。インフラとインテグレーションを売る側が集まっています。

規模感の目安として、17社というスポンサー数は決して多くありません。SEMICON West 2026は35社、Dreamforce 2026は168社です。5,000人規模・2日間のイベントとして整合的な数字であり、主催者が掲げる来場者数を検証する材料にもなります。

会場にいる人の役職構成は、2025年のDelegateリストに基づいて公式が公開しています。

役職割合
VP・ディレクター32%
IT部門責任者21%
AI・ML・プロダクト責任者17%
CTO・CDO・CIO17%
クラウド・ソフトウェアエンジニア13%

上位3行を足すと、会場の約70%がVP以上か、名前の付いた機能部門の責任者です。 個人の実装担当エンジニアは13%しかいません。これは購買者のカンファレンスであって、実務者のカンファレンスではありません。技術的な深さを期待する日本のエンジニアチームには向きませんが、米国のエンタープライズ購買層に会いたい営業・事業開発チームには、まさに狙いどおりの部屋です。

主催者が公表している購買力の数字も挙げておきます。ただしこれらはスポンサー向けの営業資料であり、調査手法は公開されていません。参考値として扱ってください。参加者の69%が購買決定に関与、85%がAI関連プロジェクトに最大500万ドルを投資、15%が500万〜5,000万ドルの規模で投資、そして25%が銀行・金融業界です。最後の一つはニューヨークという立地から見て最も納得できる数字で、2026年の登壇者リストにもWells Fargo、Vanguard、JPMorgan Chaseが並んでいます。

登壇者は名前より「顔ぶれの分布」を見るべきです。2026年に公表されているAmbassador Chapterは9名で、内訳は金融サービス3社(JPMorgan Chase、Wells Fargo、Vanguard)、小売・消費財2社(McDonald's、Coach)、メディア1社(Paramount GlobalのBET+)、マーケットプレイス1社(eBay)、ベンダー1社(IBM)、そしてPanasonicです。大手非テック企業の中でAIを実装している当事者が、自社の導入について話す。 これがこのカンファレンスの実体です。役職もVP、ディレクター、チーフアーキテクトが中心で、Dreamforceのような著名CEOの基調講演は買っていません。

日本企業の存在感については、率直に書きます。2026年のスポンサー17社に、日本企業は1社もありません。 どの階層にもいません。同じ調査で比較したSEMICON West 2026には東京エレクトロンを最上位に4社、Dreamforce 2026には3社の日本企業がスポンサーに名を連ねています。ここではゼロです。

登壇者ではPanasonicのElise Neel氏(SVP, Global Strategy & Strategic Partnerships)が唯一の日本企業名です。ただし所属は北米法人であり、東京の本社ではありません。JETROの出展枠も、日本パビリオンも、日本商工会議所の関与も見つかりませんでした。日本語での独自プログラムもありません。日本語同時通訳は全言語に等しく提供される技術サービスであって、日本向けの施策ではないという点も、正確に押さえておくべきです。

会場では実際に何が起きるのか

2日間で10のステージ、350名超の登壇者、100社超の出展社が動きます。ステージと企画の名称は、Headliners Stage(メインステージ)、Next Generation、Applied AI、Data Excellence、The Networking Café、Start-up & Investor Village、VisionAIres VIPプログラム、AI Demo Tours、The AI Trail、そしてマスタークラス・ワークショップです。DellとNVIDIAによるハッカソン、AI Awardsも併催されます。

セッションの中身は、事例報告です。最も具体的な記録は、アパレル業界の日本人ジャーナリスト吉越リナ氏がアパレルウェブ Innovation Labで公開した2025年版の現地取材レポートで、Lacosteのグローバル AI イノベーション責任者Alexandre Girault氏のセッションを扱っています。Lacosteの取り組みは2軸で構成されていました。一つは業務効率化で、請求書処理の自動化とコード品質の改善。もう一つはコンテンツ制作で、商品説明文の生成、翻訳、画像のレタッチ、AIによる色替えです。報告された成果は、キャンペーンを1日で完成させられるようになったこと、コスト削減、エンゲージメント向上でした。

Girault氏が示したAI導入の順序は、日本企業がそのまま持ち帰れる形をしています。まず「やらないことを決める」ところから始め、そこから機会の特定、パートナー選定、社内実装、スケールへと進む。吉越氏自身がこのセッションに関心を持った理由の書き方が、このカンファレンスが売っているものの最も簡潔な説明になっています。「業務でどのように使い、どういった成果をあげているのか」。

もう一つの日本語の記録は、日立ソリューションズ・アメリカの青木恒存氏による2024年版のレポートです。同氏は会場を「4,000名以上」の投資家・技術専門家、「100社以上」の出展社と記録し、プログラム全体に繰り返し現れたテーマとしてマルチAIエージェント、AIoT、AIサステナビリティ、ROI、ガバナンス、人材の獲得と育成の6つを挙げました。2日間を経て持ち帰った結論はこうです。

「収集した適切なデータをもとにスモールスタートで検証し、目的の挙動が確認できたら、データセットを拡大する、という進め方が大切ということです。」

同氏はカンファレンスの実務的なメッセージを「用途の明確化とスモールスタート」と要約しています。この一文が刺さるかどうかが、渡航を正当化できるかどうかの分かれ目です。研究発表の場でも、新製品発表の場でもありません。

アジェンダの成り立ちについても、正直な注意が必要です。2025年版では、Headline PartnerであるEY 1社が19のセッションを主導しました。 顧客企業や業界リーダーを自社セッションに登壇させる形式で、NBCUniversalの最高デジタル責任者Chris Crayner氏やVanguardのEvan Swartley氏が登場したセッションはその実例です。内容そのものは有用でしたが、10ステージのイベントで1社が19セッションというのは、アジェンダのかなりの部分がスポンサードコンテンツであることを意味します。EYはVisionAIres VIPラウンジのスポンサーでもあります。中立的にキュレーションされた番組表として読まないでください。

最後に、この記事が答えられないことを明記しておきます。会場の待ち時間、バッジ受け取りの手際、食事、朝10時のフロアの混み具合、Expoパスで入ったときに「二等席」に感じるかどうかを書いた記録は、日本語にも英語にも存在しません。 11年目・5,000人規模のカンファレンスとしては異例なほど、参加者による公開レポートが少ないイベントです。この空白自体が、判断材料の一つだと考えてください。

参加・出展にいくらかかるのか

参加パスは$49から$3,499まで幅があります。主要な階層はすべて2026年8月28日が締切で、それを過ぎると一斉に値上がりします。

パス締切前締切後差額
VIP All Access$2,499$3,499$1,000
Solution Provider Delegate$2,299$3,299$1,000
Delegate$1,799$2,899$1,100
Data Excellence$749$999$250
Expo$49$199$150

条件付きの特別料金もあります。

区分価格条件
アカデミック$649現役の教職員または学生、200枚限定
スタートアップ・投資家$749従業員25名未満、調達3百万ドル未満、設立3年未満のいずれか、または投資会社。300枚限定
政府機関$1,599.gov.us のメールアドレスが必要
グループ20%割引同一企業から3名以上、Expoパスは対象外
プレス・メディア無料審査を通過した現役の記者・アナリストのみ
オンデマンド視聴$799現地参加しなかった場合の事後視聴

この表で最も重要な数字は$49です

DelegateパスはExpoパスの37倍の価格です。その37倍で得られるのは、追加の6ステージ、昼食、参加者リストとメッセージ機能を含む公式アプリのフルアクセス、そして事後のオンデマンドライブラリです。逆に言えば、$49のExpoパスでもHeadliners Stage(メインの基調講演ステージ)、100社超の展示会場、Start-up & Investor Villageには入れます。

日本から人を送って「見て、ベンダーに会って、米国のエンタープライズAI市場を追う価値があるか判断する」のが目的なら、$49は実質的に無料です。航空券がパス代の20〜30倍かかるからです。参加費が予算の主要項目になる通常のカンファレンスとは、計算がまるごと逆転します。初回訪問の合理的な結論は、ほぼ確実に「安いパスを買い、浮いた予算を滞在日数に回す」になります。

ただしExpoパスが手放すもので実際に効くものが一つあります。参加者リストとメッセージ機能を含むアプリのフルアクセスです。 ネットワーキング主体のイベントで、事前にアポイントを組むための道具がこれにあたります。商談を目的に行くなら、ここは有料パスを選ぶ理由になります。

AI製品やサービスを売る側は、DelegateパスではなくSolution Provider Delegateパスを購入することが求められる点も、予算計上前に確認してください。内容は同一で価格は$500高く、日本のSIerやコンサルティング企業はこの区分に該当します。

出張総額の主役は宿泊費です。イベント側は宿泊料金を公表しておらず、公式予約はHotelMap経由になります。参考値としてニューヨーク全体の相場は1泊$250〜$400程度、会場に最も近いHudson Yards周辺の平均は約$301ですが、これらは一般的な相場であって、会期週やJavits周辺に限定した数字ではありません。 12月上旬はクリスマス週の最繁忙期の直前にあたり、年間で最も宿泊費が高くなる時期に含まれます。パスが$49で済む以上、この出張の費用を決めるのはホテルの予約タイミングです。

出展費用については、正直に書きます。ブースやスポンサーシップの価格は、どの階層についても一切公表されていません。 資料は請求フォームの向こう側にあり、金額を知るには主催者に直接問い合わせる必要があります。

渡航費・宿泊費・参加費を合わせた出張総額は、為替と人数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで数分で試算できます。

Calculate your costs

日本企業にとって行く価値はあるか

判断の分かれ目は、貴社が「AIを売る側」なのか「AIを入れる側」なのかではなく、米国の大企業の意思決定者と同じ部屋にいることに価値があるかどうかです。

行くべき企業。 米国のエンタープライズ市場にAI製品やサービスを売りたい日本のベンダー、SaaS企業、SIerです。会場の約70%がVP以上または部門責任者で、25%が銀行・金融業界、69%が購買決定に関与していると主催者は説明しています。2日間・単一会場・5,000人という規模は、密度の点でむしろ有利に働きます。数万人規模の展示会で埋もれるより、この方が会える相手は多いはずです。

もう一群は、自社のAI導入を前に進めたい事業会社の推進責任者です。Lacosteの請求書処理自動化や、日立ソリューションズの青木氏が持ち帰った「用途の明確化とスモールスタート」は、ベンダーのカンファレンスでは構造的に聞けない話です。Lacosteは何も売っていないからこそ、あの内容を話せます。加えて全ステージに日本語同時通訳が付くため、英語が壁になって情報の半分を取り逃す、という米国出張の典型的な失敗を避けられます。$49のExpoパスでメインステージに入れることを考えれば、これは日本企業にとって異例に安い学習機会です。

行かなくてよい企業。 技術的な深掘りを求めるエンジニアチームです。実装担当エンジニアは会場の13%しかおらず、ここは購買者の部屋です。最新モデルの発表を追いたい場合も対象外で、スポンサー17社にOpenAI、Anthropic、Google DeepMindは含まれていません。そして規模を期待している場合も向きません。5,000人規模の2日間のイベントであって、CESでもDreamforceでもありません。 ここは重要なので数字を並べておきます。公式サイトのトップページは2026年について「7,500人以上」と表示していますが、同じサイトのAboutページは「5,000人以上」、Informa系列のメディアAI Businessも「5,000人以上」としています。2025年の実績は75カ国から5,000人超で、2024年に現地参加した日立ソリューションズ・アメリカの報告は4,000人超でした。実像は4,000〜5,000人と見るのが妥当です

登壇を狙うべき企業。 ここに最も具体的な機会があります。Next Generation、Applied AI、Data Excellenceの3トラックで一般公募(Call for Papers)が開いており、応募に費用はかかりません。 締切は公表されていません。実測可能なAI導入実績を持つ日本企業にとって、来場者の70%がVP以上という部屋のステージに、無料の応募ルートで手が届きます。ベンダーカンファレンスの基調講演枠を買うのとは、難易度がまるで違います。設立3年未満・従業員25名未満のスタートアップであれば、$749のスタートアップ枠(300社限定)でStart-up & Investor Villageに入るという選択肢もあります。

最後に、日本企業のスポンサーがゼロという事実をどう読むかです。これは二通りに解釈できます。日本のAIベンダーがこの客層を「買う価値がない」と正しく判断した結果かもしれませんし、単に誰も気づいていない空白かもしれません。判断材料として言えるのは、韓国や台湾の企業が押さえている他の米国カンファレンスと違い、ここは日本企業の競合も同じ部屋にいないということです。それを好機と見るか、市場が存在しない証拠と見るかは、貴社の顧客が米国のどこにいるか次第です。

貴社の状況を踏まえた参加・出展判断のご相談は、下記からどうぞ。

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FAQ

The AI Summit New York 2026はいつ・どこで開催されますか?
2026年12月9日(水)〜10日(木)の2日間、ニューヨークのJacob K. Javits Convention Centerで開催されます。主催はInforma PLCで、2016年開始の11回目にあたります。日本国内で開かれる同名のAI Summitとは別のイベントです。
参加費はいくらですか?
Expoパスが$49です。展示会場、メインステージのHeadliners Stage、Start-up & Investor Villageに入れます。Delegateパスは$1,799、VIP All Accessは$2,499で、いずれも2026年8月28日の締切前価格です。締切後はそれぞれ$199、$2,899、$3,499になります。
英語ができなくても参加できますか?
できます。全ステージに10言語のライブ字幕・翻訳があり、日本語が含まれます。提供はKUDOで、ステージ入口のQRコードを読み取り、自分のスマートフォンで聞く方式です。アプリもログインも不要ですが、イヤホンの持参が必要です。
来場者は何人ですか?
2025年の実績は75カ国から5,000人超です。公式サイトのトップページは2026年について「7,500人以上」と表示していますが、同じサイトのAboutページは「5,000人以上」としています。2024年に現地参加した日本企業の報告は4,000人超でした。
日本企業も出展していますか?
2026年の公式スポンサー17社に日本企業は1社もありません。登壇者にはPanasonicのElise Neel氏(北米法人)が名を連ねています。JETROや日本パビリオンもなく、日本企業の存在感は現時点で薄い状況です。
登壇や出展はできますか?
登壇は応募できます。Next Generation、Applied AI、Data Excellenceの3トラックで一般公募(Call for Papers)が開いており、費用はかかりません。出展費用は非公開で、資料請求フォーム経由の問い合わせが必要です。
The AI Summit New York 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか