Dreamforce · サンフランシスコ

Dreamforce 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか

Last updated: August 6, 2026

Dreamforce 2026は、2026年9月15日〜17日にサンフランシスコのMoscone Centerで開催される、Salesforce主催の世界最大級のソフトウェアカンファレンスです。結論から言えば、Salesforceを導入済みの企業、またはSalesforceエコシステム向けの製品・サービスを持つ企業にとっては、参加費以上の価値がある「行くべき」イベントです。一方、Salesforceと接点のない企業には、規模の割に得るものが少ないイベントでもあります。この記事では、参加費とホテルの実勢価格、日本人参加者1,000人超の実情、日本企業の出展実績まで、判断に必要な材料をすべて提示します。

4.5万人

来場者(2024年実績)

1,600+

セッション数

1,000人超

日本からの参加(2025年)

$999〜$2,299

参加パス

Dreamforceとは何のカンファレンスか

Dreamforceは、Salesforce, Inc.が2003年から毎年サンフランシスコで開催している自社カンファレンスです。業界団体の展示会ではなく、一つのベンダーのユーザーカンファレンスが世界最大級のテックイベントに成長したものです。この一点が、このイベントの性格をほぼすべて説明します。

規模は圧倒的です。2024年は3日間で来場者4.5万人、セッション約1,500本(現地の主催者発表を日本の参加者が報告した数字です)。2026年はブレイクアウトセッション1,600本以上、基調講演50本以上が予告されています。2026年のテーマは「Becoming an Agentic Enterprise」で、AIエージェント(Agentforce)が全プログラムの中心に据えられています。

参加者の中心は、すでにSalesforceを運用している企業の担当者・責任者と、それを支援するパートナー企業です。Salesforce日本法人自身が「5人規模の企業リーダーからFortune 500のエグゼクティブまで」と説明する幅広さですが、横断的なIT購買層の展示会ではない点は押さえておくべきです。

2025年の参加者の言葉が、このイベントの空気を最もよく伝えています。NTTデータの技術者は「会場全体がお祭りのようなエネルギーに包まれていたこと」を第一の印象に挙げ、Mashmatrixのチームは「情報だけであればニュースやアーカイブでも見られますが、そのような熱意を感じられたのが、とても大きな経験でした」と書いています。

いつ・どこで開催されるのか

2026年9月15日(火)〜17日(木)の3日間、サンフランシスコのMoscone Center(North・South・West)で開催されます。オンライン配信(Salesforce+)は9月18日まで、無料で視聴できます。

会場は市の中心部にあり、日本からのアクセスは米国のカンファレンスとしては最も容易な部類です。

項目内容
直行便羽田〜SFO:ANA・JAL・ユナイテッド航空、約9〜10時間。成田〜SFOもJALが運航
空港から会場BARTでPowell Street駅まで約35分・$9〜10、駅から徒歩約10分
配車サービスSFOから$30〜60、会期中はサージ価格に注意
9月の気候日中18〜24°C、夜間13〜16°C。1年で最も暖かい月ですが朝晩は冷えます

2025年の日本人参加者による実践的な助言が2つあります。渡航前に交通系カードのClipper CardをApple Walletに入れておくこと(現地での券売機の列を丸ごと回避できます)。そして服装は着脱できる重ね着にすること。日中と夜の寒暖差が大きく、会場内は空調が効いています。

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誰が主催しているのか

主催はSalesforce, Inc.、指揮を執るのは共同創業者で会長兼CEOのMarc Benioff氏です。1999年に「ソフトウェアを買わずにウェブで使う」というモデルでSalesforceを創業する前は、Oracleに13年在籍し、同社史上最年少のヴァイスプレジデントを務めた人物です。Dreamforceの基調講演が持つショーマンシップは、この出自を知っていると読み解きやすくなります。

もう一つ、Benioff氏を理解する鍵は慈善事業です。創業初日から株式・製品・従業員の時間の各1%を社会に還元する「1-1-1モデル」を制度化し、UCSF Benioff小児病院には夫妻で2.5億ドル以上を寄付しています。参加パスに含まれる夜のコンサート「Dreamfest」はこの病院のチャリティで、2010年以降の累計調達額は1.2億ドルを超えます。単なる打ち上げパーティーではなく、イベントの設計思想の一部です。

日本法人(株式会社セールスフォース・ジャパン)は2000年設立で、Dreamforce期間中に日本語の総括セッションや日本人向けレセプションを独自に運営しています。日本は「ついで」の市場ではなく、運営側が明確に手当てしている市場です。

どんな企業が参加・出展しているのか

2026年の公式スポンサーは168社で、7つのティアに分かれています。最上位ティア(Pioneer)はAccenture、Deloitte Digital、PwC、TCS連合の4社。つまりDreamforceの最上位枠を買っているのはソフトウェアベンダーではなく、Salesforceを導入する側のグローバルSIerです。その下のInnovatorティアにはAWS、Google Cloud、IBM、McKinsey、BCGが並びます。

日本発の企業は3社が公式リストに載っています。

企業ティア概要
bellFaceNavigator商談音声からSalesforceへ自動入力するAIエージェントを出展
GenerativeXIndustry Pavilion2023年6月創業・約80名のAIエージェント企業。2025年はブース出展に加え20分の講演枠も獲得
NTT DATA, IncGroundbreakerNTTデータの米国法人

GenerativeXの事例は、日本企業にとって最も具体的な参考例です。創業2年・約80名の丸の内の企業が、世界最大級のソフトウェアカンファレンスでブース(2025年は#710)と講演枠を確保し、2026年も継続出展します。「日本の会社には無理な舞台」ではないことの証明です。

一方で、構造的な空白もあります。2026年のスポンサーリストにはEMEA、ANZ、フランス、ドイツ、イタリア、イベリア、南アジアの地域ラウンジがあるのに、日本ラウンジはありません。2025年に1,000人以上を送り込んだ国としては不釣り合いな不在で、日本のパートナーエコシステムにとっては空白であると同時に、先行者の機会でもあります。

過去に遡れば、2016年にはTerraSky、Sansan、WingArc1st、NTTソフトウェア、TeamSpiritなど7社が出展し、TeamSpiritは2018年に日本企業として初めてAppExchange基調講演で紹介されました。当時の出展者の証言は今も有効です。WingArc1stは「現地企業のようなフォローアップの物量では勝てないため、対面での濃い会話で勝負するしかない」と総括し、TerraSkyは「日本で売れた製品がそのまま通用すると考えず、市場のニーズを正確に理解してから作るべき」と述べています。

会場では実際に何が起きるのか

3日間の中身は、大きく4種類に分かれます。

  1. 基調講演。 Benioff氏のオープニングキーノートを筆頭に50本以上。ただし2024年の日本人参加者の報告では、開演2時間前の集合時刻にすでに長い列ができていました。90分の基調講演は実質半日仕事として予定を組むべきです。
  2. セッション。 ブレイクアウト(40分)、シアター(20分)、ラウンドテーブル(60分)など1,600本以上。座席予約システム(Agenda Builder)は8月に開放され、人気セッションは即座に埋まります。お気に入り登録は予約ではない点に注意が必要です。
  3. 展示フロア(Campground)。 パートナーブースとデモの集積地です。Salesforce製品の専門家と1対1で相談できる「Get Hands-on」枠は要予約で、自社のユースケースを持ち込めるため、時間あたりの価値は基調講演より高いという参加者もいます。
  4. Dreamfest。 パスに含まれるチャリティコンサートです。2024年はP!NKとImagine Dragons、2025年はMetallicaでした。2025年の参加者は、終演後の携帯電話回線の輻輳と帰りの交通混雑を報告しています。

日本語のサポートは、英語サイトに書かれていない部分が意外に厚いです。同時通訳レシーバーはバッジ受取とは別のデスクで貸し出されます。最終日の夜にはSalesforce日本法人が「Japan Wrap up Session」を開催し、3日間を日本語で総括します。TerraSkyの参加者いわく「『帰国して出張報告をどう書けば良いか迷ってしまう』という方には持ってこいの内容」です。ただし現地参加者限定・1社最大3名の制限があるため、5名以上のチームで行く場合は事前に参加者を決めておく必要があります。

正直な制約も書いておきます。2024年の参加者は「英語がもっとできれば、もう少し入手できたような気がしております」と率直に書いています。通訳レシーバーはあっても、廊下の立ち話と商談は英語です。

参加・出展にいくらかかるのか

参加パスは購入時期で価格が変わります。2026年8月6日時点の公式価格は以下のとおりです。

区分価格状態
Launch Special$999終了
Early Bird$1,499終了
Last Chance$1,899販売中(8月20日まで)
通常価格$2,2998月21日以降
グループ(同一企業3名以上)1人$999販売中
Salesforce+(オンライン)無料販売中

最大の節約手段は、あまり宣伝されていないグループレートです。3名で$2,997となり、通常価格1名分($2,299)に$698足すだけで3名参加できます。チーム派遣を検討している企業は、このレートを前提に人数を組むべきです。

ホテルが予算の本丸です。2025年会期週の実データ(会場周辺の宿泊予約1,337件の分析)では、1泊の中央値は$569で、通常期9月($305)の約1.9倍でした。2ヶ月以上前の予約なら中央値$483まで下がります。月〜木の3泊で1人約$1,700、つまりパス代とほぼ同額がホテルに消えます。公式ホテルブロックの割引は2026年8月21日が締切です。

キャンセル規定も日本の稟議スケジュールと相性が悪い点に注意してください。全額返金は2026年7月17日で終了済み、50%返金も8月14日までです。ただし同一組織内での名義変更は無料・無制限なので、「席だけ先に確保して参加者は後で差し替える」のが実務的な対処法です。

出展費用について、正直な注意があります。公開されている確度の高いブース価格は2016年版の目論見書のもので、当時は最小のキオスク枠が$25,000、最上位スポンサーは$1,500,000でした。10年前の価格であり、2026年の実勢価格は公式の出展問い合わせでしか得られません。桁感の参考に留めてください。

渡航費・宿泊費・参加費を合わせた出張総額は、為替と人数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで数分で試算できます。

Calculate your costs

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は一つです。貴社とSalesforceエコシステムの距離です。

行くべき企業。 Salesforceを全社導入していて活用度を上げたい企業、SalesforceエコシステムのISV・コンサルティング企業、そして米国のSaaS営業・CRM実務の最先端を経営層に直接見せたい企業です。2025年参加のSalesNow役員の総括が的確です。「営業活動におけるAI活用では、自社開発をせずにSalesforceを使い倒す方針が賢明だと強く感じました」。この種の意思決定材料は、アーカイブ視聴では得られません。日本からの参加者は2024年の700人超から2025年の1,000人超へと増えており、日本語の総括セッションやネットワーキングの受け皿も整っています。

行かなくてよい企業。 Salesforceを使っておらず、製品もエコシステムに接続しない企業です。来場者4〜5万人は魅力的な数字に見えますが、その大半は「すでにSalesforceを運用している人々」です。貴社の顧客がそこにいないなら、同じ予算で業界特化型の展示会に行くほうが成果は出ます。

出展を検討すべき企業。 SalesforceエコシステムのプロダクトやAI関連サービスを持つ企業にとって、GenerativeXが示したとおり、創業間もない日本企業でもブースと講演枠は現実的に獲得できます。日本ラウンジが存在しない今は、逆に言えば「日本代表」ポジションが空いている状態です。

迷っている段階でも、まず無料のSalesforce+でオンライン視聴し、来年の現地参加を判断するという段階的な進め方が可能です。貴社の状況を踏まえた参加・出展判断の相談は、下記からどうぞ。

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FAQ

Dreamforce 2026の参加費はいくらですか?
Full Conferenceパスは$2,299です。2026年8月20日までは$1,899で購入できます。同一企業から3名以上なら1人$999のグループレートが適用され、これが最大の節約手段です。オンライン配信(Salesforce+)は無料です。
英語ができなくても参加できますか?
セッションは基本的にすべて英語です。ただし同時通訳レシーバーの貸出があり、Salesforce日本法人が最終日に日本語の「Japan Wrap up Session」を開催します(現地参加者限定、1社最大3名)。
日本からの直行便はありますか?
あります。羽田〜サンフランシスコはANA、JAL、ユナイテッド航空が直行便を運航し、所要約9〜10時間です。成田からもJALの直行便があります。空港からは電車(BART)で約35分です。
ホテル代はどのくらいかかりますか?
会期週の会場周辺は1泊中央値$569で、通常期の約1.9倍です。2ヶ月以上前の予約で中央値$483まで下がります。公式ホテルブロックの割引は2026年8月21日締切です。
日本企業も出展していますか?
しています。2026年の公式スポンサー168社のうち、bellFace(Navigatorティア)、GenerativeX(Industry Pavilion)、NTT DATA(Groundbreaker)が日本発の企業です。GenerativeXは創業2年で2025年にブース出展と講演枠を獲得しました。
Salesforceを使っていない企業にも価値はありますか?
限定的です。Dreamforceは本質的にSalesforceユーザーとパートナーのためのカンファレンスです。貴社の製品がSalesforceエコシステムに接続するなら世界最高密度の商談機会ですが、接続しないなら来場者層は貴社の顧客とは限りません。
Dreamforce 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか