Atlassian Team · サンフランシスコ
Atlassian Team 2027(Team '27)完全ガイド:日本企業のための参加判断
最終更新:2026年8月6日
Atlassian Team '27は、2027年4月20日〜22日にサンフランシスコのMoscone Centerで開催される、Atlassianの年次カンファレンスです。結論から言えば、発表内容を知ることが目的なら、行く必要はありません。無料のデジタル配信、日本語字幕、東京での報告会と、日本にいながら中身を追う手段が主要カンファレンスの中でも例外的にそろっているからです。行く価値があるのは、Atlassianエコシステムで「売る側」に立つMarketplaceベンダーやパートナー、全社規模のAI展開を判断する立場の責任者、そしてマツダのようにグローバルの壇上で自社事例を語る機会を狙う企業です。この記事では、2027年について確定している事実と2026年の実績値をはっきり分けたうえで、参加費、日本からの参加実績、行かずに済ませる方法まで並べます。
1万人超
参加者(2026年、出展社の記録)
100本超
セッション数(2026年実績)
$699〜$1,799
参加パス(2026年実績)
無料
デジタル参加
Atlassian Teamとは何のカンファレンスか
Atlassian Teamは、JiraやConfluenceを開発するAtlassianが自社で主催する年次カンファレンスです。独立した見本市ではなく、主催者が自社のロードマップを発表するためのイベントであり、来場者の大半はすでにAtlassian製品を使っている企業の実務者とパートナーです。RSA Conferenceのような「市場全体を見渡す場」とは性格が根本から違います。
前身は2019年まで続いたAtlassian Summitです。2021年にTeam '21としてデジタル開催で再出発し、2022年4月にラスベガスのVenetianで対面開催に戻りました。2025年と2026年はアナハイム、そして2027年にTeamという名称になってから初めてサンフランシスコへ移ります。
規模は伸びています。Team '25について、日本のプラチナパートナーであるリックソフトは5,000人以上が現地に集まったと記録しています。Team '26については、出展したMarketplaceベンダーのikuTeamが1万人超と報告しました。前者は日本のパートナーの現地記録、後者は出展社の記録で、主催者自身は総来場者数を公表していません。主催者が公表しているのは別の種類の数字です。2社以上のチームで参加した企業が305社、参加者の96%が業務課題の解決につながる学びを得た、という参加後統計です。
2026年の主題はAIでした。より正確に言えば、AIモデルそのものではなく「組織の文脈」です。Team on Tour Tokyoを取材したEnterpriseZineの報道によれば、アトラシアンは戦略をこう説明しています。
AIモデルがもたらす知識や推論はもはやコモディティ。誰もが同じモデルを使える以上、モデルそのものは持続的な差別化要因にはならない
このメッセージの実装がTeamwork Graph(組織内の計画・文書・決定をつないだコンテキスト基盤)であり、Team '26の発表の大半はここに接続されています。
2027年はいつ・どこで開催されるのか
2027年4月20日(火)〜22日(木)の3日間、サンフランシスコのMoscone Centerで開催されます。2027年について公式に発表されているのは、この日程と会場だけです。参加登録はまだ開いておらず、価格、テーマ、登壇者、セッション、スポンサーはいずれも2026年8月6日時点で未発表です。本記事のこれ以降の数字は、断りのない限りすべて2026年の実績値です。
日本からの渡航は、アナハイム開催だった過去2年より大幅に楽になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | 羽田・成田の両方からサンフランシスコ(SFO)へ直行便。ANA、JAL、ユナイテッド航空が運航 |
| 所要時間 | 約9時間10分〜10時間30分 |
| 現地移動 | Moscone Centerはサンフランシスコ市内中心部にあります。アナハイム開催時に必要だったロサンゼルス空港(LAX)からの長い陸路移動が不要になります |
| 4月の気候 | 日中18〜19°C、朝晩11°C前後。湾からの風で体感は数字より冷えるため、羽織るものが必須です |
| 入国 | ESTAが必要($40、有効2年)。パスポートを更新すると無効になります |
誰が主催しているのか
主催はAtlassian本体です。2002年にシドニーでMike Cannon-Brookes氏とScott Farquhar氏が創業し、2015年にNASDAQへ上場しました。ティッカーシンボルはそのままTEAMです。顧客は30万社超、従業員は約12,000人、2025年度の売上高は52億ドル(前年比20%増)です。
主催者が自社製品のベンダーであることは、このイベントの読み方を決めます。基調講演は市場の中立的な分析ではなく、Atlassianのロードマップ発表です。CEOのCannon-Brookes氏自身がオープニング基調講演に立ち、Team '26ではこう宣言しました。
The real moat is your institutional memory: every plan, document, and decision your teams have ever made.
本当の参入障壁はモデルではなく、チームが積み上げてきた計画・文書・決定という「組織の記憶」だ、という宣言です。自社のTeamwork Graphを正当化する論理でもある点は、割り引いて聞く必要があります。
日本企業の判断にとって重要なのは、Atlassianが日本国内での再演の仕組みを自前で持っていることです。Team '26の閉幕から3週間後の2026年5月25日には、公式コミュニティACE Tokyoが豊洲で報告会を開き(BIPROGY会場、Panasonic ConnectとBIPROGYの実務者が登壇)、6月16日には主催者自身がTeam on Tour Tokyoを開催して、Team '26の内容を日本語で伝え直しました。米国のカンファレンスで、主催者と公式コミュニティがここまで速く日本語の受け皿を用意する例はまれです。この事実が、後述の「行く価値」の判断を大きく左右します。
どんな企業・人が参加しているのか
公式FAQが名指しする対象は、Atlassianの顧客・パートナー・コミュニティメンバーで、職種はIT、開発者、エンジニア、プロジェクトマネージャー、プログラムマネージャー、プロダクトマネージャー、マーケティングとその管理職です。新規に製品を選定しに来る人ではなく、すでに使っている組織の実務者と意思決定者が集まります。2026年実績では、参加者の78%が製品・ソリューションの専門家と直接話し、88%の企業が新しい解決策を見つけたと回答しています。
日本からの参加は、規模こそ小さいものの実績がはっきりしています。Team '26では次のことが起きました。
- 日本のプラチナパートナーであるリックソフトがブースを出展しました。同社は毎年現地から日本語の参加レポートを連載しています
- マツダの担当者が壇上で自社事例を発表しました。リックソフトが技術支援に入った、日本企業のグローバル登壇事例です
- 日本のAtlassian Champion 4名とアトラシアン日本法人のマーケティング担当者が現地参加し、ChampionのAtlaBeacon氏らがセッション単位の日本語レポートを数日以内に公開しました
一方で、JETROのジャパンパビリオンや共同出展枠はありません。ベンダー主催のエコシステムイベントなので、国別パビリオンという枠組み自体が存在しない、というのが正確です。出展したい日本企業はAtlassianと直接契約することになります。
参加報告の空気感として、報告会のパネルで語られた次の一言が、日本の参加者の受け止めを最もよく表しています。
Teamwork GraphをはじめとするAI活用をどのように日々の仕事に活かしていくか、じっくり考える必要がある
発表に圧倒されて終わりではなく、持ち帰って自社の展開を設計する宿題を抱えて帰る、という種類のイベントです。
会場では実際に何が起きるのか
3日間の中身は、基調講演、100本超のセッション、展示エリア、1対1のネットワーキング(Braindate)、そして最終日夕方のパーティー(Bash)で構成されます。2026年実績の骨格は次のとおりです。
基調講演と発表。CEOのCannon-Brookes氏に加え、2026年はChief Product & AI OfficerのTamar Yehoshua氏、Head of AIのSherif Mansour氏、ゲストとしてReddit共同創業者のAlexis Ohanian氏が登壇しました。発表の柱は、Teamwork Graphの外部開放(1,500億超の接続、1日120億件の更新という規模が示されました)、自然言語でエージェントを作るRovo StudioのGA、JiraのチケットをAIエージェントに直接アサインできるAgents in JiraのGA、開発者向けのMCPサーバーとCLIです。Atlassian日本法人の朝岡絵里子氏が閉幕翌日に公開したレポートは、全社展開の条件をこう要約しています。
信頼がなければ全社展開は起きない。全社が信頼できるからこそ、全員が使うようになる
同レポートには、AIをワークフローに組み込んだチームはコラボレーション効率が9倍、計画・優先順位付けが6倍速い、Enterprise Plus顧客の90%以上がRovoを有効化済み、という主催者側の数字も並びます。ベンダー自身の統計である点は差し引きつつ、社内説明には使いやすい数字です。
セッションと選考。セッションは公募制で、Atlassianの委員会がブラインドレビューで選びます。顧客・パートナーが登壇できる枠が明確にあり、マツダの登壇もこの仕組みの上にあります。人気セッションは事前の席予約制で、埋まると立ち見も入れません。
展示エリア。Team '26のスポンサーは、タイトルスポンサーのAccentureに加え、AWS、Google Cloud、Deloitte、PwC、Figma、Tricentis、そしてAppfire、Adaptavist、Tempo.io、K15t、Rewindといった Marketplace ベンダー群の計15社でした。展示フロアはAtlassian経済圏の縮図で、アプリベンダーとソリューションパートナーが顧客と商談する場です。リックソフトの初参加者は、会場に入った瞬間の熱量(カラフルなモニュメントと大音量の音楽)を興奮気味に記録しています。
日本語サポート。2026年の新機能として、公式アプリに日本語の同時通訳が搭載されました。オンデマンド動画には日本語字幕が付きます。会場の音声翻訳はスペイン語・フランス語・ドイツ語のみなので、現地のリアルタイム受講はアプリ頼みになりますが、日本語対応が年々厚くなっている方向性は明確です。
情報量については、Team '25に参加したリックソフトの伊藤氏の実感が参考になります。
『Goals』や『Teams』、『Studio』など、新しいアプリの名前が次々と登場し、ワクワクする反面「結局、どのアプリで何ができるの?」と少し混乱された方も多いのではないでしょうか?
発表の物量は多く、消化には準備が要ります。参加するなら、自社で使っている製品と導入検討中の領域を先に絞り、セッションの席予約まで済ませてから飛ぶのが現実的です。
参加にいくらかかるのか
2027年の価格は未発表です。以下はすべて2026年の実績で、2027年を見積もる際の基準になります。
| パス | 価格(2026年実績) | 備考 |
|---|---|---|
| Superfan | $699 | 最も早い時期の価格 |
| Earlybird | $899 | 早期価格 |
| Standard | $1,199 | 通常価格 |
| Last chance | $1,799 | 直前価格 |
| デジタルパス | 無料 | 基調講演ライブ配信+オンデマンド視聴 |
登録時期で最大$1,100の差が付き、しかも2026年は4段階のパスすべてが完売しました。米国大型カンファレンスの中では参加費そのものは安い部類です(同じMoscone Centerで2週間前に開かれるRSA Conferenceのフルパスは$2,195〜$2,995でした)。宿泊は、Team '26の公式ホテルブロックで1泊$265〜300(アナハイム、税・リゾートフィー別)でした。サンフランシスコの2027年相場はこれとは別物になる前提で見てください。
日本企業の稟議・手配で効いてくる実務条件も、2026年のFAQに明記されています。
| 項目 | 内容(2026年実績) |
|---|---|
| 支払い | Visa・Mastercard・Amex。イベントサポートへの事前依頼で銀行振込にも対応 |
| 登録メールアドレス | 会社のメールアドレスが必須。gmail等の個人アドレスでは登録できません |
| ビザ | 登録フォーム内でビザサポートレターを申請できます |
| キャンセル | 開催約2週間前までは手数料$50で返金。それ以降と無断欠席は返金不可 |
| 代理参加 | 期限内なら同僚への譲渡が可能。直前の変更は手数料$50 |
| パートナー枠 | スポンサーでないパートナー企業は1社3名まで |
出展・スポンサーの料金は公開されておらず、Atlassianの営業担当との個別交渉になります。公開価格表は存在しないため、出展を検討する場合は登録開始を待たずに問い合わせを始めてください。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断の分かれ目は1つです。貴社がAtlassianエコシステムの中で「見る側」なのか「動く側」なのか。見るだけなら、このイベントほど行かずに済ませやすいカンファレンスはありません。動くなら、行く理由は明確です。
行かなくてよい企業。発表内容の把握が目的の企業です。デジタルパスは無料で、基調講演はライブ配信され、オンデマンド動画には日本語字幕が付きます。閉幕3週間後には東京で報告会(ACE Tokyo)があり、6月には主催者自身がTeam on Tour Tokyoで日本語再演までしてくれます。日本のChampionとリックソフトが数日以内に日本語レポートを出すことも毎年の恒例です。ここまで受け皿がそろっている以上、「最新情報のキャッチアップ」を渡航理由にすると稟議が通っても得るものは薄くなります。Jiraを一部門で使っているだけの企業、Atlassianと無関係の新規顧客開拓を狙うSaaSベンダーにも勧めません。来場者はAtlassianユーザーであって、ツール全般の買い手ではないからです。
行くべき企業。第一に、Marketplaceアプリベンダーと、グローバル展開を狙うソリューションパートナーです。展示フロアはAtlassian経済圏の商談の場そのもので、リックソフトが毎年出展しているのはこの理由からです。日本からの出展は現状ごく少数で、席は事実上空いています。第二に、全社規模のRovo・AI展開を判断する立場の責任者です。発表を聞くだけなら配信で足りますが、自社の構成で何が起きるかを製品担当者に直接ぶつけ、同じ課題を持つ他社の実務者とBraindateで突き合わせる作業は現地でしかできません。参加者の78%が専門家と直接話しているのは、それが主目的のイベントだからです。第三に、グローバルの壇上で自社事例を語る機会を狙う企業です。セッションは公募制で顧客登壇の枠が明確にあり、マツダが2026年に実際にやってみせました。日本企業の登壇はまだ珍しく、それ自体がニュースになります。
行くと決めた場合の動き方も単純です。2026年はパスが4段階すべて完売したので、興味登録で通知を受け取り、登録開始と同時にSuperfan価格(2026年実績$699)を押さえ、宿を先に確保します。羽田・成田からの直行便で着く街になった2027年は、Teamの渡航難易度が過去最も低い年です。貴社の状況を踏まえた参加判断や、出展・登壇まで見据えた計画は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- Atlassian Team '27はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年4月20日(火)〜22日(木)の3日間、サンフランシスコのMoscone Centerで開催されます。Team '22〜'26はラスベガスとアナハイムでの開催だったため、Teamという名称になってから初のサンフランシスコ開催です。2026年8月時点で公表されているのは日程と会場のみです。
- Atlassian Teamの参加費はいくらですか?
- 2027年の価格は未発表です。2026年実績では、早期のSuperfanが$699、Earlybirdが$899、Standardが$1,199、直前のLast chanceが$1,799でした。基調講演のライブ配信とオンデマンド視聴ができるデジタルパスは無料です。2026年は全パスが完売しました。
- 日本語のサポートはありますか?
- 2026年実績では、公式アプリに日本語の同時通訳機能が新たに搭載され、オンデマンド動画には日本語字幕が付きました。会場の音声翻訳はスペイン語・フランス語・ドイツ語のみです。2027年の対応は未発表ですが、日本語対応は年々手厚くなっています。
- 日本企業もAtlassian Teamに参加していますか?
- 参加しています。Team '26では日本のプラチナパートナーであるリックソフトがブースを出展し、マツダの担当者が壇上で自社事例を発表しました。日本のAtlassian Champion 4名とアトラシアン日本法人のスタッフも現地参加し、複数の日本語参加レポートが公開されています。
- 現地に行かずに発表内容を追う方法はありますか?
- あります。無料のデジタルパスで基調講演のライブ配信とオンデマンド視聴ができ、日本語字幕も付きます(2026年実績)。さらに開催3週間後には東京でコミュニティの報告会(ACE Tokyo)が開かれ、6月には主催者自身がTeam on Tour Tokyoで内容を日本語で再演しました。
- 日本からサンフランシスコへの直行便はありますか?
- あります。羽田・成田の両方からANA、JAL、ユナイテッド航空が直行便を運航しており、所要は約9時間10分〜10時間30分です。アナハイム開催だった2025年・2026年に必要だったロサンゼルス空港からの長い陸路移動が不要になり、渡航は大幅に楽になります。