The AI Conference · サンフランシスコ
The AI Conference 2026完全ガイド:日本企業のための参加判断
Last updated: August 6, 2026
The AI Conference 2026は、2026年9月29日〜10月1日にサンフランシスコのPier 48で開催される、AIを実際に作っている人たちのための3日間のカンファレンスです。プログラム責任者は、O'Reilly AI ConferenceとStrata Data Conferenceの企画を務めたBen Lorica氏です。登壇者にはTransformer論文の共著者、AIの標準教科書の著者、AnthropicとOpenAIの現役エンジニアが並びます。結論から言えば、自社でAIシステムを設計・実装しているエンジニアや研究者を送るなら価値がありますが、AIを売りに行く場でも、AIとは何かを学びに行く場でもありません。この記事では、参加費が一切公開されていないという問題、会場が展示場ではなく埠頭の倉庫であること、そして日本企業の出展が過去に1社だけという実態まで、判断に必要な材料を提示します。
5,500人
来場者(主催者公称)
120人超
登壇者
60社
スポンサー
なし
公開されている参加費
The AI Conferenceとは何のカンファレンスか
The AI Conferenceは、応用AIの実務者のためのカンファレンスです。2023年に始まり、2026年で4回目にあたります。主催はThe AI Conference, LLCという独立系の小さなイベント制作会社で、ベンダーの自社イベントでも、業界団体の展示会でも、大手興行会社の一事業でもありません。掲げているのは「AIシステムが現実世界で実際にどう作られ、展開され、統治され、拡張されるか」です。
2026年の構成は3日間です。初日の9月29日がDay ZERØ、9月30日と10月1日が本会議で、120人超の登壇者が5つのトラック(AI Frontiers、AI Builders、The AI Stack、Applied AI、AI Strategy)に分かれます。メインステージの基調講演、Startup Showdown(ピッチコンテスト)、Innovation Hub(展示フロア)、Ignite Talksがあり、会期を包む形でAI WEEKという交流イベント群が開かれます。
トラック数については、公式サイト内で表記が割れています。トップページのバナーは「7トラック」、FAQは「5トラック」で、本文で名前が挙がるのは5つだけです。Day ZERØのTechnical TrackとLeadership Trackを足すと7になるため、それが理由と見られますが、主催者からの説明はありません。本会議は5トラックと考えてください。
来場者数についても、正直に書いておくべきことがあります。主催者は5,500人と公称していますが、この数字を裏付ける独立した情報は1件も見つかりませんでした。 サンフランシスコ・クロニクル紙は2025年の会期を現地取材して長い記事を書いていますが、来場者数には触れていません。事後レポートの公表もありません。5,500人は主催者の主張として読んでください。仮に正確であれば、The AI Summit New York(約5,000人)と同程度で、Dreamforceには遠く及ばない規模です。
| 回 | 会期 | 会場 | 分かっていること |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 不明 | サンフランシスコ | 初回。日程も規模も公表がありません |
| 2024年 | 9月10日〜11日 | サンフランシスコ | 事前完売。出展50〜60社。3トラック |
| 2025年 | 9月17日〜18日 | Pier 48 | 2日間 |
| 2026年 | 9月29日〜10月1日 | Pier 48(Shed A・B) | 3日間、5トラック、120人超 |
読むべきは軌跡のほうです。2024年と2025年は2日間で、2026年は3日間に伸びています。2024年は事前に完売し、2026年もDay ZERØが定員350人で完売しています。公称の来場者数より、限られた在庫が売り切れているという事実のほうが、健全さの指標としては信頼できます。
他のAIカンファレンスとどう使い分けるのか
米国のAIカンファレンスは名前が似ていて紛らわしいのですが、目的はそれぞれ明確に違います。当社が別途ガイドを公開している2つと並べると、選び方がはっきりします。
| The AI Conference | AI Infra Summit | The AI Summit New York | |
|---|---|---|---|
| 会期 | 2026年9月29日〜10月1日 | 2026年9月15日〜17日 | 2026年12月9日〜10日 |
| 開催地 | サンフランシスコ | サンタクララ | ニューヨーク |
| 主催 | 独立系の制作会社 | Kisaco Research | Informa PLC |
| 会場にいる人 | AIシステムを作るエンジニアと研究者 | チップとデータセンターを作る企業、ハイパースケーラー | 米国大企業のAI導入決裁者 |
| 得られるもの | 技術的な判断材料 | 北米の部材・インフラ購買層への接点 | 米国エンタープライズの商談 |
| 最安の入口 | 非公開(第三者情報で約$675) | Expoパス$447 | Expoパス$49 |
| 日本語対応 | なし | なし | 全ステージにライブ日本語通訳 |
一行で言えば、The AI ConferenceはAIを「作っている」人の話を聞きに行く場所、The AI Summit New YorkはAIを「買う」人に会いに行く場所、AI Infra Summitはその両方が乗る「土台」を売買する場所です。
目的が技術的な学習、フロンティアの現在地の把握、あるいはエンジニアリング面での信用構築なら、9月のサンフランシスコです。米国のエンタープライズ顧客に会って売ることが目的なら、12月のニューヨークが向いています。そちらは全ステージに日本語のライブ通訳が付き、展示会場に入るパスは$49です。
いつ・どこで開催され、日本からどう行くのか
2026年9月29日(火)〜10月1日(木)の3日間、午前8時(太平洋時間)開始です。会場はサンフランシスコのPier 48、Shed AとShed B(Mission Rock、San Francisco, CA 94158)です。オンライン参加やハイブリッドの選択肢はなく、現地参加のみです。
会場の性格を先に知っておいてください。ここはMoscone Centerではありません。 Pier 48はサンフランシスコのウォーターフロントにある倉庫型の埠頭施設で、Oracle Parkの隣にあります。サンフランシスコ・クロニクル紙は2025年の会場を「Pier 48の巨大な倉庫型カンファレンスセンター」「洞窟のような会場」と表現し、セッションは常設のホールではなく「間仕切りされたシアター」で行われると書いています。
東京ビッグサイトや幕張メッセの感覚は、そのまま持ち込めません。工業空間を仮設で仕立てた会場です。良い面は密度と雰囲気、悪い面は間仕切りゆえの音漏れと、席数の上限がはっきりしていることです。2025年に最も人が集まったセッションでは、参加者が「壁際に立ち、通路に座り、廊下にあふれた」と同紙は報じています。
日本からの空路は容易な部類です。羽田〜サンフランシスコはANA、日本航空、ユナイテッド航空が直行便を運航し、いずれもボーイング787、所要は約9時間10分〜10時間です。成田からも日本航空の直行便があります。空港から市内中心部まではBARTで約35分、$9〜10です。
ただしPier 48は市内中心部ではありません。 これはサンフランシスコの他のカンファレンスとの実質的な違いです。Moscone CenterはSoMa地区にあり、Powell Street駅から歩けます。Pier 48はウォーターフロントのMission Rockで、そこからさらに南東へ約2kmです。空港や中心部のホテルからPier 48への具体的な経路は当社では確認できていないため、Moscone向けに書かれた交通案内をそのまま流用しないでください。移動手段は予約前に改めて確認する必要があります。
宿泊についても、書けることが限られます。このイベントは公式のホテルブロックも宿泊案内も公表していません。 参考として、同じ市内のMoscone周辺は大型カンファレンス週に1泊中央値$569(通常期9月は$305)まで上がった実績がありますが、これは規模の違う別のイベントの、別の地区の数字です。上限の目安であって、この会期の予測ではありません。Mission Rock周辺の会期中相場のデータは存在しません。
See itineraries誰が主催しているのか
主催はThe AI Conference, LLC、このイベント1本を作っている独立系の制作会社です。信用の根拠は会社の規模ではなく、運営している人たちの経歴にあります。
中身を最もよく説明するのは、プログラム責任者を務めるBen Lorica氏の経歴です。同氏は過去に、O'Reilly Artificial Intelligence Conference、Strata Data Conference、TensorFlow Worldのプログラム責任者を務めた人物です。
この経歴の意味を補足します。O'Reillyは2010年代を通じて、応用AIとデータ分野で最も定評のあるカンファレンス群を運営していました。実務者が「実際に何が動くのか」を確かめに行く場でしたが、同社は2020年にオフラインイベント事業を終了し、後継は現れませんでした。The AI Conferenceは2023年に、そのプログラムを組んでいた本人が登壇者を選び、機械学習カンファレンスMLconfの創業者たちが制作する形で立ち上がっています。
創業者はShon Burton氏です。HR領域のAIソフトウェア企業HiringSolvedを創業して2017年に売却し、MLconfを創業して2020年に売却しています。共同創業者のCourtney Burton氏もMLconfの共同創業者兼運営者でした。カンファレンス事業とAIプロダクト事業の両方を作って売った経験のある人たちが作っている、ということです。
そして2026年にはTim O'Reilly氏本人が登壇します。 偶然か意図的かは分かりませんが、このイベントがO'Reilly AI Conferenceの後継を自認しているという読み方を裏付けます。
日本企業にとっての実務的な意味はこうです。貴社が買っているのは、どのAIの話が1時間を使う価値があるかについて15年の判断を積んだ人物が組んだプログラムです。大手興行会社が集めた聴衆でもなければ、ベンダーの顧客基盤でもありません。
ただし主催者自身が認めている変化も、併記しておきます。Aboutページの記述を訳すと、こうなります。
エンジニアと研究者の、深く技術的な集まりとして始まったものが、市場とともに変化してきました。AIが実験からエンタープライズ導入へ移るにつれ、The AI Conferenceはビルダー、オペレーター、経営層、投資家、政策担当者を集めるように広がりました。
技術者の会から商業的な会へ広がった、という自己申告です。サンフランシスコ・クロニクル紙が2025年の会場について「参加者のほぼ全員が何かを売りに来ていた」と書いたことを踏まえると、この広がりは相当な距離まで進んでいます。純粋な研究会議を期待する日本のエンジニアは、期待値を調整しておくべきです。
なお第三者の紹介記事はこのイベントを「ベンダーニュートラル」と表現しますが、主催者自身はAboutページでその表現を使っていません。スポンサーは60社あります。ベンダーニュートラルは、プログラム編成の姿勢を指す言葉であって、約束ではないと考えてください。
会場には誰がいるのか
主催者の説明と、唯一の独立取材が描く光景には、かなりの差があります。
主催者による聴衆の説明は「ビルダー、研究者、AIリーダー、エンタープライズの意思決定者、投資家、開発者、そしてAIに本気のメディア」です。第三者の紹介記事はもう少し具体的で、「エージェント型システムを実装しているエンジニア、ML基盤の専門家、創業者、エンタープライズAIを展開するプロダクト責任者、ガバナンス担当者。初心者向けではない」としています。
「初心者向けではない」という但し書きは重要です。 AIとは何かを学ばせるために人を送る企業は、旅費を無駄にします。
一方、この会場を唯一独立取材したサンフランシスコ・クロニクル紙の記述は、マーケティングよりも雑多な光景を伝えています。記事の書き出しがそれを要約しています。
Nearly everyone who attended the AI conference at San Francisco's Mission Rock this week had something to sell: an idea, a startup, an obscure software product, an abstruse patent, a dream.
同紙が実際に会場で会った人々は、ブースで注目とシード資金を求める創業者やマーケティング担当者、教育目的で同僚と来た事業会社のチーム(医療機器メーカーAbleNetの顧客体験ディレクター、Aimee Lefebvre氏)、人を減らさずに機械学習を導入したい非営利団体の運営者、メキシコのモンテレイから来たポートフォリオマネージャー、そして「AIに仕事を奪われて履歴書を配っていた人たち」です。
元ニューヨーク市議で、現在は社会福祉の非営利団体を運営するDavid Greenfield氏の総括が、最も率直です。
It's really the good, the bad and the ugly.
I've met people who are deploying AI to do research on degenerative brain disease. And then I've also met out-of-work programmers, or people who hop from one conference like this one to another, and just seem a little lost.
Greenfield氏が価値を得た方法も、そのまま参考になります。同氏は「昼食のテーブルや給水機のそば、ブースの迷路の中で人と話すだけで多くの示唆を得た」と語っています。
会場の空気についても、記録しておく価値があります。2025年の参加者は高揚よりも不安を抱えていた、と同紙は書いています。エンタープライズAIのパイロットの95%がつまずくというMITの研究が繰り返し引用され、Lefebvre氏は「ここでは誰もがあの95%失敗の統計を引用しています」と述べています。2025年で最も人が集まったセッションのタイトルは「Why Your Organization Is Built to Fail at AI (And What to Do About It)」でした。
最も人が集まる講演が「AIプロジェクトはなぜ失敗するのか」であるカンファレンスは、誇大宣伝の段階を過ぎています。 現実的なAI導入を検討している日本企業にとっては、これは減点ではなく加点材料です。
どんな企業が出展しているのか
2026年のスポンサーは60社です。Partner階層が15社(CircleCI、Databricks、Datadog、Faros、Google Cloud、Impart、Inngest、Latitude.sh、Pendo、Plaud、Redpanda、SS&C Blue Prism、StreamNative、Studio by Tishman Speyer、Vapi)で、残る45社にAWS、IBM、Baseten、Fireworks、Together AI、SambaNova、Neo4j、Sentry、Postman、LaunchDarkly、Keysight Technologies、Freshworks、Deepgramなどが並びます。
この名簿が示すのは、エンタープライズソフトウェアのフロアではなく、インフラと開発者ツールのフロアだということです。推論基盤(Baseten、Fireworks、Together AI、SambaNova、FriendliAI、GMI Cloud)、クラウド(AWS、Google Cloud、DigitalOcean、Vultr、Latitude.sh)、データ基盤(Databricks、Neo4j、Redpanda、StreamNative、Chalk)、開発者ツール(CircleCI、Sentry、Postman、LaunchDarkly、Coder、Greptile、Inngest)、AIの安全性と評価(Fiddler、Gray Swan、Skyflow、Actualyze AI)といった構成です。The AI Summit New Yorkのスポンサー筆頭がコンサルティングのEYで、その後ろにSAP、IBM、Dellが並ぶのとは、まったく別のフロアです。
2024年にKDDIアメリカが現地で観察した内容も一致します。展示は開発者向けのソリューション、とりわけMLOpsとLLMOpsのツールが中心でした。当時のヘッドラインスポンサーはAMD、Google Cloud、Snowflakeです。
2025年のフロアについては、サンフランシスコ・クロニクル紙が誰よりも鋭い観察を残しています。
most of which fell into one of two categories: About half of them were dedicated to some form of infrastructure build-out, providing the tools or software for companies to add AI "agents" to their workforces. The other half, by contrast, were selling "guardian" agents to watch and manage the other AI, on the notion that it could spiral out of control at any moment.
半分がAIエージェントを企業に導入するためのツールを売り、もう半分はその暴走を見張る「ガーディアン」エージェントを売っています。2025年のAIツール市場の構造を、どのアナリストレポートよりも正確に言い当てた一節です。実名で挙がっている出展社は、保険・金融向けのAI説明責任プラットフォームTrust3 AI、AI生成コンテンツの品質を点検するMarkup AI、データ連携のNexla、そしてブースでロボットが6歳の来場者とサッカーをしていたBooster Roboticsです。
Trust3 AIのマーケティング担当VP、Ibby Rahmani氏が、なぜ後半分が存在するのかを説明しています。エージェントは誤った情報を出し、プライバシー規則に違反し、従業員は経営陣に知らせず勝手にボットを作る、というものです。同氏の締めの一言が、このイベント全体の気分を要約しています。
We are going through a honeymoon period, but then reality will hit.
日本企業について、確認できた事実を書きます。 2026年のスポンサー60社に日本企業は1社もありません。発表済みの登壇者22人にも、日本の組織はありません。過去に遡っても、確認できる日本企業の出展は1社だけです。2024年にKDDIアメリカが「唯一の日本企業出展社」として記録したTeammatedlyで、商用AIモデル展開向けのAIテストソリューションを提供する企業です。出展50〜60社のうち1社という比率でした。
日本の存在としてあるのはKDDIです。KDDIアメリカはOpen Innovation Fundのサンフランシスコ拠点を通じて2024年の会期に参加し、日本語の詳細なトレンドレポートを公開しました。ピッチコンテストの優勝企業も別途紹介しています。ただしこれは出展者ではなく、観察者かつ投資家としての参加です。
JETROの関与も、日本パビリオンも、日本語のプログラムも、日本語通訳もありません。このイベントは全編英語で、日本語話者向けの配慮は一切ありません。 技術系の聴衆にとってはスライドとデモとコードで補える部分も多いため、それが致命的とは限りません。ただし、ないものをあると期待して行かないでください。
会場では実際に何が起きるのか
初日9月29日はDay ZERØです。定員350人で、すでに完売しています。 90分のワークショップが8本あり、Technical Track(モデル開発、RAG、インフラ、評価、エージェント、デプロイパターン)とLeadership Track(AIロードマップ、プロダクト戦略、ガバナンス、組織変革、本番運用でのスケール)に分かれます。AI Hack Dayへの参加権、VIPディナーとレセプション、バッジの先行受取も含まれます。主催者は「シニアなビルダーとリーダーが、8つのワークショップとライブのAI Hack Dayを行き来しながら1日を過ごす、少人数で密度の高いキックオフ」と説明しています。
在庫が戻る場合は2日間パスの保有者に優先的に案内される、と公式に書かれています。つまりDay ZERØに入る可能性を残す唯一の方法は、先に2日間パスを買っておくことです。
9月30日と10月1日が本会議で、メインステージの基調講演、5トラックのセッション、Startup Showdown、Innovation Hub(2026年は「拡張」と告知)、Ignite Talksが動きます。
登壇者の顔ぶれが、このイベントの最大の根拠です。発表済みの22人(主催者いわく「120人超のうち最初の確定分」)から、日本の読者に説明が要る名前を挙げます。
| 登壇者 | 所属 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| Peter Norvig | Stanford HAI | 世界中の大学で使われるAIの標準教科書『Artificial Intelligence: A Modern Approach』の共著者。元Google研究部門ディレクター |
| Illia Polosukhin | NEAR AI | Transformerを提示した2017年の論文「Attention Is All You Need」の共著者8人の1人 |
| Chris Lattner | Modular | LLVM、Swift、MLIRの作者 |
| Sergey Levine | UC Berkeley | ロボット学習と強化学習で最も引用される研究者の1人 |
| Emmanuel Ameisen | Anthropic | 解釈可能性の研究者 |
| Tim O'Reilly | O'Reilly Media | 創業者兼CEO |
| Eric Ries | LTSE | 『リーン・スタートアップ』の著者 |
このほかNetflix、Meta Reality Labs、Amazon、Microsoft、Intuit、Cerebras、OpenRouter、Andreessen Horowitzからも登壇があります。
ここにないものも、このイベントの性格を示します。フロンティアラボのCEOも、著名人枠の基調講演も、エンターテインメント枠もありません。2026年のDreamforceが俳優や講演家を4人並べているのとは対照的で、このイベントはその種のステージを買っていません。
Startup Showdownは、日本のスタートアップにとって最も注目に値する部分かもしれません。2024年は8社が登壇し、優勝したのは刑事事件の証拠映像を要約するJusticeTextです。80言語に対応し、100を超える法律事務所で使われていると報じられています。審査は技術そのものより社会的インパクトと現実の課題解決を重視したとされ、リーガルテック、ヘルスケア、人道支援の領域から選ばれました。Innovation Hub、Startup Showdown、そして登壇者リストのAndreessen Horowitzを合わせると、このイベントには実質的な投資家の存在があります。
最後に、成果の出し方について、唯一の独立取材が残した具体例を紹介します。ジョージア州の職業訓練校の教師Andre Thompson氏は、インターネット検索でこのカンファレンスを見つけ、費用を貯めて参加しました。目的は、AIの幻覚と偏りを検証する自身の特許について査読者を見つけることです。ブースでは相手にされず、倫理系パネルの質疑応答で立ち上がり、フロアから自己紹介しました。同氏の言葉です。
I was the kid in the back of the class raising my hand, 'Pick me! Pick me!'
その後、イタリアから来たテック企業の社員が特許の件で声をかけてきました。人脈なしで乗り込んだ参加者にとって、これは難しさと突破口の両方を示す実話です。ブースを回るだけでは届かず、セッションで発言した人には届きました。
参加にいくらかかるのか
The AI Conferenceは、参加費を公式サイトのどこにも掲載していません。 これは不備ではなく、方針です。トップページにはカウントダウンタイマーと「GET $1,800 OFF」というボタンが常設され、FAQの「The AI Conference 2026はいくらかかりますか」という項目への回答は「在庫がある限り、個人向けとチーム向けのFULL ACCESSがあります。現在の価格はこちら」という一文と、決済フローへのリンクだけです。第三者のイベント紹介サイトも「The AI Conferenceは公開サイトのどこにも正確なチケット価格をテキストで掲載していない」と明記しています。
当社が確認できた数字は次のとおりです。
| 出所 | 金額 |
|---|---|
| DesignRush(2026年7月30日更新) | 2日間パス(割引後)$675、3日間オールアクセス$1,675 |
| Founderpathの掲載 | 「最低価格$199」 |
| 公式トップページ(2026年8月6日) | 「$1,800 OFF」、カウントダウン付き |
| 公式Instagram(7月10日以前) | チームチケットで「1人あたり$1,900の節約」 |
| 公式Facebook(7月24日以前) | 「7月24日の値上げ前に$1,600の節約」 |
この割引の推移を注意して読んでください。 打ち出された節約額は$1,900(7月10日以前)、$1,600(7月24日以前)、そして$1,800(8月6日)と動いています。本来の早期割引は一方向にしか動かず、開催が近づくほど割引幅は縮みます。この数字は下がってから上がっています。常設のカウントダウンと、そもそも定価が公開されていないことを合わせると、率直な評価はこうなります。この「割引」は、誰にも見えない定価に対して測られたマーケティング上の装置です。
日本企業への実務的な助言は2つです。予算は2日間で約$675、3日間オールアクセスで約$1,675を目安に置いてください。ただしこれは第三者ディレクトリ1件の数字で、他に裏付けはありません。そして提示される金額はクリックした時期で変わりますから、バナーではなく決済画面の実際の合計額を確認し、「$1,800 OFF」を価値の証拠として扱わないでください。
パスの種類は3つです。
| パス | 対象 | 状態 |
|---|---|---|
| Day ZERØ | 9月29日と本会議すべて | 完売 |
| Full Conference | 9月30日〜10月1日 | 販売中 |
| Team Tickets | 2名以上、1人あたり最安 | 販売中 |
2名以上で行くなら、Team Ticketsの条件を必ず問い合わせてください。主催者が最も強く勧めているのはこの枠で、1人あたりの単価が最も低くなります。キャンセルは開催30日前まで、手数料5%を差し引いて全額返金されます。
出展費用については、公開情報が一切ありません。ブースの価格もスポンサー階層の価格も公表がなく、当社のデータベースにも登録がありません。出展を検討する場合は、主催者への直接問い合わせが必要です。
渡航費・宿泊費・参加費を合わせた出張総額は、人数と為替で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで試算できます。
Calculate your costs日本企業にとって行く価値はあるか
判断基準は1つです。送る人が、AIシステムを自分の手で作っているかどうか、ここに尽きます。
行くべき企業。 自社でAIシステムを設計・実装している企業です。具体的には、エージェント型システムを本番投入しようとしているエンジニアリングチーム、社内のML基盤やLLMOpsを担当している人、AIプロダクトの技術責任者です。Transformer論文の共著者、標準教科書の著者、Anthropicの解釈可能性研究者、Modularの創業者が同じ会場にいて、プログラムを組んでいるのは応用AIのカンファレンスを15年見てきた人物です。技術判断の材料としての密度は、この価格帯では他に代わりが見当たりません。日本のスタートアップにとっては、Startup ShowdownとInnovation Hub、そして投資家の存在も加点材料になります。
行かなくてよい企業。 3種類あります。第一に、AIを学びに行く企業です。第三者の紹介記事が「初心者向けではない」と明記しているとおりで、AIとは何かを理解させるために人を送るなら、旅費に見合いません。第二に、米国のエンタープライズ顧客に売りに行きたい企業です。会場にいるのは作っている人と、売りに来た人です。買う側の決裁者ではありません。売ることが目的なら12月のニューヨークのほうが確実で、しかもそちらは日本語通訳が付き、展示会場のパスは$49です。第三に、英語で技術的な議論ができる人を出せない企業です。日本語対応は一切なく、価値の大半は廊下と昼食の会話にあります。
出展については、判断材料が足りません。 ブース価格が非公開で、出展した企業の記録も日英どちらにも見当たりません。日本企業の出展は2024年のTeammatedly 1社が、確認できる唯一の例です。まず参加者として1回見てから決めるのが妥当です。
最小構成での試し方。 2日間パスを1〜2枚買い、AIシステムを実際に書いている人を必ず含めて送ることです。Day ZERØが完売しているため、在庫が戻ったときに案内が届くのも2日間パスの保有者だけです。そして現地では、セッションを埋めるより人と話す時間を確保してください。唯一の独立取材が記録した、実際に成果を得た方法は、昼食のテーブル、給水機のそば、ブースの迷路での会話であり、もう1つはセッションで手を挙げて発言することでした。
貴社の状況に即した参加判断は、下記からご相談ください。
Talk to usFAQ
- The AI Conference 2026の参加費はいくらですか?
- 公式には公開されていません。サイトのどこにも価格の記載がなく、決済画面まで進んで初めて金額が分かります。第三者情報では2日間パスが約675ドル、3日間オールアクセスが約1,675ドルです。トップページの「1,800ドル引き」は、定価が非公開のため検証できません。
- どんな人が行くべきカンファレンスですか?
- AIシステムを自分の手で作っている人です。エージェント型システムを実装するエンジニア、ML基盤の担当者、AIプロダクトの技術責任者が対象で、第三者の紹介では「初心者向けではない」と明記されています。AIを学びに行く場でも、売りに行く場でもありません。
- 英語ができなくても参加できますか?
- 日本語対応は一切ありません。通訳も日本語字幕も日本語プログラムもなく、全編英語です。技術系の内容はスライドとデモで補える部分もありますが、価値の大半は廊下や昼食での会話にあるため、英語で技術的な議論ができる人を送る必要があります。
- 会場はどんな場所ですか?
- Moscone Centerではありません。Pier 48という埠頭の倉庫で、Oracle Parkの隣、市内中心部から南東へ約2kmのMission Rockにあります。セッションは間仕切りされたシアターで行われ、人気セッションでは立ち見や通路に座る人が出ます。水際のため夜は冷えます。
- 日本企業も出展していますか?
- 2026年のスポンサー60社に日本企業はありません。確認できる日本企業の出展は、2024年のTeammatedly 1社だけです。JETROや日本パビリオンもありません。KDDIアメリカが投資家・観察者として参加し、日本語のレポートを公開しています。
- The AI Summit New Yorkとどちらに行くべきですか?
- 目的次第です。技術的な学習とフロンティアの把握なら9月のサンフランシスコ、米国エンタープライズへの営業なら12月のニューヨークです。後者は全ステージに日本語のライブ通訳が付き、展示会場のパスは49ドルです。作る人に会うか、買う人に会うかの違いです。