The Business Show US · マイアミビーチ
The Business Show US 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断
最終更新:2026年8月6日
The Business Show US 2027は、2027年4月14日〜15日にフロリダ州マイアミビーチのMiami Beach Convention Centerで開かれる、入場無料の中小企業・起業家向け展示会です。結論から言えば、ほとんどの日本企業にとって、この展示会のために渡米する価値はありません。来場者は地元マイアミ圏の中小企業オーナーが中心で、エンタープライズの購買層は来ておらず、直行便のない目的地に片道15時間以上かけて行く合理性が成り立たないからです。価値があるとすれば、すでに米国東南部や中南米で中小企業向けの商材を売っている企業の現地観察、またはマイアミ進出を検討している企業の下見に限られます。この記事では、無料という価格の意味、主催者の見込み数字の読み方、そして2026年開催分の出展者がTrustpilotに残した警告まで、判断材料を出典付きで並べます。
無料
参加費
6,000人超
来場者見込み(主催者発表)
200社超
出展社見込み(主催者発表)
0件
日本語の参加レポート

The Business Show USとは何のカンファレンスか
The Business Show USは、英国のイベント会社Business Show Media Ltdが運営する、起業家・スタートアップ・中小企業オーナー向けの無料展示会です。母体はロンドンのExCeLで20年以上・44回続く「The Business Show」で、主催者はこれを毎年25,000人が来場する欧州最大級のビジネス展示会だと説明しています。その米国展開が2023年9月のロサンゼルス開催に始まり、2024年3月からマイアミビーチに定着しました。マイアミでは2024年、2025年、2026年と3回開かれており、2027年は4回目です。
押さえるべき性格は2つあります。第一に、これは商談型のB2Bカンファレンスではなく、地域の中小企業向けの無料展示会です。主催者自身が対象を「成長・拡大・革新を目指す起業家、スタートアップ、中小企業オーナー」と定義しており、運営会社の2025年開催の振り返りも、来場者を「マイアミ全域とその周辺から」来た数千人と表現しています。国際的な購買層を集めるイベントではありません。
第二に、規模の数字はすべて主催者の見込み値です。2027年について公表されている「6,000人超の中小企業オーナー」「200社超の出展」は事前の見込み値であり、第三者が数えた実績ではありません。過去の実績として存在する唯一の数字は、2024年マイアミ初開催の「9,000人超が来場」という主催者発の報道値だけで、これは併催イベントを含むフロア全体の数字とみるのが妥当です。2025年・2026年の実績来場者数は、独立した出典がどこにもありません。
規模感の比較として、同じ4月に西海岸で開かれるRSA Conferenceの来場者は43,500人超、ラスベガスの大型産業展は数万人規模です。The Business Show USは、米国の展示会としては小規模の部類に入ります。公式サイトは自らを「全米最大のビジネスイベント」と称していますが、ロンドンの母体イベント(25,000人)より小さい見込み値しか公表されていない以上、この呼称はマーケティング表現として読むべきです。
いつ・どこで開催されるのか
2027年4月14日(水)〜15日(木)の2日間です。開場時間は初日が10時〜17時、2日目が10時〜16時で、夜のプログラムはありません。会場のMiami Beach Convention Centerは、2015〜2018年に約6.4億ドルをかけて全面改修された施設で、展示面積は約46,000平方メートル、Art Basel Miami Beachの会場としても知られています。マイアミビーチ市の中心部にあり、Lincoln RoadやSouth Beachへ徒歩圏です。
日本からの渡航は、米国の主要都市の中では重い部類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | なし。東京〜マイアミ間の直行便を運航する航空会社は現在ありません |
| 経路 | ダラス、アトランタ、シカゴ、ニューヨークなどで1回乗り継ぎ。片道の総所要はおおむね15〜18時間 |
| 空港から会場 | マイアミ国際空港(MIA)から車で約30〜40分 |
| 4月の気候 | 平年の日中最高26.4°C、最低21.0°C。月間降水量約87mm。熱帯モンスーン気候で蒸します |
| 開催時期の注意 | マイアミ開催は2024年3月、2025年5月、2026年4月末、2027年4月中旬と毎年動いています。翌年の計画は日程確定を待ってから |

誰が主催しているのか
主催はBusiness Show Media Ltd、英国ブリストルに登記されたイベント会社です(会社番号12796121)。ロンドンの母体イベントに加えて、シンガポール、シドニー、アムステルダム、マイアミと同型の展示会を世界展開しており、Going Global LiveやWhite & Private Label Expoといった姉妹ブランドも持っています。マイアミのイベントディレクターはReggie Chard氏で、展示会業界で22年以上の経歴を公表しています。
ビジネスモデルは明快です。来場者は無料で集め、収益はブースとマスタークラス枠の販売から得ます。料金表は公開されておらず、出展は問い合わせ後に営業担当と個別交渉する方式です。このモデル自体は英国型の無料展示会として標準的ですが、読者が知っておくべき帰結が1つあります。主催者が公表するあらゆる数字は登録・見込みベースで大きく見せる誘因が働くため、「6,000人超」をRSAカンファレンスの「43,500人超」と同じ種類の数字として読んではいけない、ということです。
なお、併催のB2B Marketing Expo USも同じ会社の運営です。同じ会場・同じ2日間で、マーケティング領域に特化した別ブランドとして「来場者5,500人、出展100社、講演50本」を見込みと発表しています。両ブランドの見込み来場者を足し合わせて1万人超と読むのは危険です。フロアは同じ建物内にあり、来場者がどちらのイベントとして数えられるのかを主催者は説明していません。
どんな企業が参加・出展しているのか
来場者の中心は、マイアミ圏の中小企業オーナーと起業家です。B2B Marketing Expo側の来場ターゲットはCMOやマーケティングディレクターとされていますが、これも中小企業のそれであって、Fortune 500の購買部門ではありません。2026年開催時にB2B Marketing Expo側で出展したJohn DeGeorge氏は、フロアで繰り返し聞いた悩みを「広告にお金を使い、クリックは見えているのに、役員会に何のリターンがあったか説明できない」という中小企業の声として記録しています。
出展側も同じ構図です。公式サイトの出展社リスト(過去開催分を含む130社超、サイト自身が「一部は過去の開催の出展社」と注記)をセクター別に見ると、最多はAI関連の22社、次いでコンサルティング14社、ビジネスサービス13社、IT11社と続きます。名前が並ぶのは2Connect.ai、ADX Labs、Ambetter Health Insuranceといった地域向けサービス事業者で、日本企業は1社も見当たりません。JETROのパビリオンも共同出展枠もなく、日本語の参加・出展レポートも存在しません。日本企業がこの会場に立った公開記録は、確認できる限りゼロです。
講演者リストには注意が必要です。2027年のスピーカーにはIBM、Microsoft、Meta、LinkedIn、Samsung、Cisco、L'Oréal、Lavazza、Nestléといった大企業の名前が並びますが、これは各社の個人が講演するのであって、企業としての出展やスポンサードではありません。実際、2027年のスポンサーは1社も発表されていません。Metaの中南米地域担当者やL'Oréalのトラベルリテール担当者といった顔ぶれは、マイアミという都市の中南米ゲートウェイ性を反映したものです。大手ロゴを「大手企業が集まる展示会」と読み替えると実態を誤ります。
会場では実際に何が起きるのか
2日間の中身は、基調講演、セミナー、マスタークラス、展示フロア、スピードネットワーキングの5つです。基調講演は20人超、セミナーは資金調達、商標、不動産、マーケティングといった中小企業の実務テーマが中心で、英国本体と同じくCPD(継続的職業能力開発)認定付きと案内されています。
実際の空気を伝える一次証言は、肯定と否定にはっきり割れています。肯定側の代表は2026年に出展と講演を行ったTechHouse社CEOのKathy Durfee氏です。
More than 50 people came to my AI presentation, and there was only standing room left.
同氏はスピードネットワーキングについても「40分で20人の新しい人脈ができた」と、テンポの速さを評価しています。無料イベントらしい人の流れと偶発的な出会いは、確かにあるようです。
否定側は、お金を払った側から出ています。Trustpilotのthebusinessshowus.comページは2026年8月時点でスコア2.8、レビュー3件はすべて星1つで、全員が2026年開催の出展者・マスタークラス講師です。最も具体的なのはJulie McManus氏のレビューです。
the sign-up numbers communicated before the event did not translate into actual attendance, and I was not given clear planning guidance when I asked.
Based on my experience, I would not invest in this event again.
別の出展者は「400人超の集客を書面で約束されたのに、ブースに来た事業主は2日間で正確に4人だった」と書き、マスタークラス講師のSherri氏は「2日間で16セッションやれば席は主催者が埋めると言われたが、そうならなかった」と報告しています。3件という母数は小さく、無料で来場した側の不満ではなく出展料を払った側の不満に偏っている点は割り引くべきですが、方向は一致しています。来場者としての無料参加と、出展者としての投資は、まったく別のリスクプロファイルを持つイベントです。
主催者はInstagramで「平均的な出展者は2日間で約103件のリードを獲得し、B2Bの有効リード1件は$1,016の価値がある」と宣伝していますが、算出根拠は示されておらず、上記の出展者証言と両立しません。出展営業を受けた場合は、この種の数字を検証なしに稟議へ載せないでください。
参加・出展にいくらかかるのか
参加だけなら、かかるのは渡航費と時間だけです。入場チケットは無料で、有料パスやVIP枠はありません。2027年分の登録フォームは2026年8月時点でまだ公開されておらず、公式サイトでの案内待ちです。併催のB2B Marketing Expo USも無料なので、1回の登録で両方に入れるかは未公表ですが、最悪でも登録を2回するだけです。
| 費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入場チケット | 無料 | 有料ティアなし。2027年フォームは未公開 |
| 出展ブース | 非公開 | 料金表なし。問い合わせ後に営業担当と個別交渉 |
| マスタークラス枠 | 非公開 | 出展パッケージとして営業経由で販売 |
| 渡航 | 実費 | 直行便なし、乗り継ぎ1回。会期2日に対して移動が往復30時間超 |
出展費用が非公開である点は、判断材料として軽くありません。相場を知る手段が営業担当との会話しかなく、その営業プロセスについて複数の出展者が「事前の集客約束が履行されなかった」とTrustpilotに書いている以上、出展を検討する日本企業は、申込者数(sign-ups)と実来場数の定義、過去開催の実績データ、ブース位置の確約をすべて書面で求めるべきです。これはMcManus氏が後続の出展者に残したチェックリストそのものです。
日本からの出張総額の実例は存在しません。日本の旅行会社のパッケージも、日本語の費用レポートもゼロです。貴社の人数と日程での概算は、下のツールで試算してください。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
ほとんどの日本企業にとって、ありません。判断の軸は単純で、この展示会の来場者(マイアミ圏の中小企業オーナー)が貴社の顧客かどうかです。日本のSaaS・AI・製造業が米国で会いたい相手、つまりエンタープライズの購買部門、業界特化の技術者、流通のバイヤーは、この会場にいません。それらの相手には、業界特化の専門展示会(セキュリティならRSAC、製造ならIMTSなど)が別に存在し、そちらに行くべきです。
例外は3つだけ挙げられます。第一に、すでに米国東南部・中南米市場で中小企業向け商材を売っている企業です。フロリダの中小企業が何に金を払い、どんなツールが売り込まれているかを1日で概観でき、費用は渡航費だけです。第二に、マイアミ進出や中南米ゲートウェイとしての拠点設立を検討している企業の下見です。会場周辺が街の中心で、商圏の空気を掴む出張と組み合わせられます。第三に、別件でマイアミ出張がある場合です。無料で半日視察できるイベントに、断る理由はありません。
いずれの場合も、行くなら来場者として、です。出展は勧めません。価格が非公開で、集客約束の不履行が複数報告され、日本企業の出展前例がゼロという条件で、最初の一社になるリスクを取る合理性は、このイベントの期待値からは出てきません。どうしても出展するなら、2027年4月の本番前に、まず1人が来場者として2026年11月のロンドン本体か次のマイアミ開催を実見してからにすべきです。
この判断はイベントの否定ではありません。地元の起業家が無料で学び、つながる場としては、Durfee氏の証言のとおり機能しています。ただ、それは日本企業が太平洋を越える理由にはならない、ということです。貴社の状況(対象市場、商材、既存の米国拠点)を踏まえた個別の判断は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- The Business Show US 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年4月14日(水)〜15日(木)の2日間、フロリダ州マイアミビーチのMiami Beach Convention Centerで開催されます。開場は初日10時〜17時、2日目10時〜16時です。同じ会場・同じ日程でB2B Marketing Expo USが併催されます。
- 参加費はいくらですか?
- 無料です。公式サイトの入場チケットは全面的にFREE TICKETSで、有料パスやVIP枠は存在しません。2027年分の登録フォームは2026年8月時点でまだ公開されておらず、案内待ちの状態です。収益源は入場料ではなく、ブースやマスタークラス枠の販売です。
- 日本からマイアミへの直行便はありますか?
- ありません。東京〜マイアミ間の直行便を運航する航空会社は現在なく、ダラスやアトランタ、ニューヨークなどでの乗り継ぎが必須です。移動は片道でおおむね15〜18時間かかります。マイアミ国際空港は2025年10月時点でも東京路線の誘致を続けている段階です。
- 日本企業も出展していますか?
- 確認できません。公式サイトの出展社リスト(過去開催分を含む130社超)に日本企業は見当たらず、JETROのパビリオンや共同出展枠もありません。日本語の参加レポートや出展レポートも2026年8月時点で1件も存在しません。
- B2B Marketing Expo USとはどういう関係ですか?
- 同じ主催者(英国のBusiness Show Media Ltd)が同じ会場・同じ日程で開く併催イベントです。B2B Marketing Expo US側は来場者5,500人・出展100社・講演50本を見込みと発表しています。両方とも入場無料ですが、1回の登録で両方に入れるかは未公表です。
- 出展費用はいくらですか?
- 非公開です。料金表はなく、問い合わせ後に営業担当と個別に決める方式です。2026年開催分の出展者はTrustpilotで、事前に約束された集客が実際には届かなかったと報告しています。出展を検討する場合は、申込者数と実来場数の違いを書面で確認することを勧めます。