AAOS Annual Meeting · ラスベガス
AAOS 2027完全ガイド:日本がゲストネーションの年に、日本企業は出展すべきか
最終更新:2026年9月6日
AAOS 2027(米国整形外科学会 年次学術集会)は、2027年3月3日〜6日にラスベガスのThe Venetian Convention and Expo Centerで開かれる、世界最大の整形外科学会です。そして2027年は、日本がゲストネーションに選ばれた年です。AAOSは公式サイトで「AAOS welcomes Japan as the Guest Nation for the AAOS 2027 Annual Meeting」と告知しており、相手団体は日本整形外科学会です。日本の選出は2012年のサンフランシスコ大会以来、約15年ぶりの2回目にあたります。
この記事は、その事実を整形外科インプラント・器械メーカーの出展判断に翻訳するために書いています。日本語で読めるAAOSの情報は、いまのところ医師向けの学会ツアーと大学医局の参加報告だけです。ブースがいくらか、どうすれば良い場所が取れるか、FDA未承認品を並べてよいのかを日本語で説明した資料は見当たりません。以下はすべて、AAOSが自ら公開している出展要項と公式ページから取っています。
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7,000人超
整形外科医・医療従事者
600社超
出展社
$40/sq ft
スペース単価
日本
2027年ゲストネーション
AAOS 2027とは何の学会か
AAOS Annual Meetingは、米国整形外科学会(American Academy of Orthopaedic Surgeons)が毎年開く整形外科の年次学術集会です。AAOS自身は「the largest orthopaedic meeting in the world」と表現しています。
規模は、公表されている数字を単位付きで読む必要があります。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 整形外科医・医療従事者 | 7,000人超 |
| 参加国 | 100か国超 |
| 出展社 | 600社超 |
| 展示面積 | 180,000平方フィート超(純面積) |
| 教育セッション | 450件超 |
| 展示会場の平均滞在時間 | 3時間超(AAOS 2026のビーコン計測) |
この7,000人という数字は、整形外科医と医療従事者の人数です。企業スタッフ、研修医、学生、報道関係を含む総登録者数ではありません。AAOSは総数を公表していないため、この記事でも総来場者数は書きません。数字を比較するときは同じ単位のものだけを並べてください。
性質としては、学術集会に商業フロアが付いた構造です。出展は「a vital extension of the educational program」と位置づけられ、出展できるのは整形外科診療に関係する製品・サービスに限られます。しかも出展にはAAOSのCompany Review Processの通過が前提です。誰でも金を払えば並べる展示会ではありません。
日本企業にとっての立ち位置を1つはっきりさせておきます。AAOSは医療機器の製造展ではなく、医師の学会です。受託加工、コーティング、滅菌包装など整形外科サプライチェーンに売る会社が行くべきなのは、MD&M WestやMD&M Eastであって、AAOSではありません。AAOSのフロアで会えるのは、部品の買い手ではなく、完成品を使う執刀医です。
2027年は日本がゲストネーションです
ゲストネーション制度は2005年に始まりました。AAOSの説明では、目的は「世界中の整形外科医が整形外科診療に果たしてきた貢献の認知を高め、年次学術集会の国際的な性格を強めること」です。これまでの選出国はアルゼンチン、ブラジル、スペイン、タイ、メキシコ、日本、カナダ、フランス、中国、コロンビア、インド、イタリア、韓国、ドイツ、チリで、直近は2024年チリ、2025年エジプト、2026年ドミニカ共和国、そして2027年が日本です。
前回のAAOS 2025(エジプト)の構成を見ると、ゲストネーション年に何が起きるかがわかります。
| 内容 | 具体的に何か |
|---|---|
| ゲストネーション・シンポジウム | 本会議プログラム内の専用セッション |
| ゲストネーション・ポスター | 該当国の演題を約10題展示 |
| ポスター発表セッション | 該当国のモデレーターが進行、2回 |
| Your Academy | 大会の公式行事で当該学会を顕彰 |
| ゲストネーション展示 | 学会代表者が常駐する展示ブース |
| AAOS Now Daily Edition | 会期中の公式日刊紙に連載記事 |
そして2027年には、この展示が商業フロアの中に入ります。AAOSは「New for AAOS 2027 - OrthoLive Programming Moving into the Hall!」として、OrthoDome、Engagement Theater、ePosters、ポスターツアーシアター、そしてGuest Nationを展示会場内に移すと告知しています。つまり2027年3月のラスベガスでは、日本整形外科学会の展示と日本企業のブースが、同じフロアに並ぶことになります。
前回、日本がゲストネーションだったのは2012年のサンフランシスコ大会(2月7日〜11日、Moscone Convention Center)です。当時の記録は残っています。
今年は日本がゲストネーションということもあり,日本からも多数の先生方が参加されていました.
(浦川浩「米国整形外科学会(AAOS)」Arthritis 運動器疾患と炎症 Vol.10 No.2, 2012年)
大阪公立大学医学部整形外科のブログも「今年は、日本がGuest Nationに選ばれ、最終日の夜にAsian Art MuseumにてPartyがありました。」と書いています。医師側の記録は残り、企業側の記録は残っていません。そこが2027年の空白です。
いつ・どこで開催されるのか
2027年3月3日(水)から6日(土)まで、ラスベガスのThe Venetian Convention and Expo Center(201 Sands Avenue, Las Vegas, NV 89169)で開催されます。
会期4日のうち、展示会場が開くのは3日間だけです。AAOS 2027の出展要項は会期を3月3日〜6日、展示会期を3月3日〜5日と明記しています。最終日の土曜日に展示はありません。日程を組むときは、この差を最初に押さえてください。
| 日付 | 展示会場の開場 | 出展社の入場 |
|---|---|---|
| 3月3日(水) | 9:00〜17:00 | 6:30〜18:00 |
| 3月4日(木) | 9:00〜17:00 | 7:00〜18:00 |
| 3月5日(金) | 9:00〜15:00 | 7:00〜24:00 |
| 3月6日(土) | 展示なし | 8:00〜17:00(撤去) |
搬入は2月25日(木)13:00にホールA・Bから始まり、26日にホールC、27日にホールDと段階的に進みます。搬入日時はブースの大きさと位置に応じて個別に割り当てられ、出展社は割り当てられた日時を守る必要があります。撤去は3月5日15:30から3月7日14:00までです。
2027年からの変更点は、AAOS自身が4つ挙げています。ICL(教育コース講義)が参加登録に含まれるようになったこと、ICLが1時間に短縮されたこと、会期が4日に短縮されたこと、そして水曜開幕になったことです。理由も公表されています。
Most attendees told us three to four days is the sweet spot.
It also minimizes time away from the OR or clinic before traveling to Las Vegas.
医師を手術室から4日以上離さない、という設計です。裏を返せば、来場者はより短い時間で回ることになります。
渡航と気候
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | ありません。日本航空の成田線が2006年秋に運休して以来、日本とラスベガスを結ぶ直行便はありません |
| 一般的な経路 | ロサンゼルス(LAX)、サンフランシスコ(SFO)、シアトル(SEA)で乗り継ぎ。成田からLAXが正味約10時間、LAXからラスベガスが約1時間 |
| 別ルート | 大韓航空がソウル仁川からラスベガスへ直行便を運航。地方空港発の場合は検討価値があります |
| 3月上旬の気候 | 日中19〜20°C、朝晩8〜9°C。降水確率は1日あたり11〜12%(NOAA平年値、ラスベガス空港) |
| 宿泊 | AAOSは公式住宅手配窓口onPeakを通じてラスベガスに10,000室超を確保しています |
乗り継ぎが必ず1回入る点は、日程設計に効きます。シカゴで開かれるIMTSのように羽田から直行で降りられる展示会とは、前後泊の考え方が変わります。3月上旬のラスベガスは日中20°C前後で快適ですが、朝晩は10°Cを切るので上着が要ります。
行程プランを見る誰が主催しているのか
主催は米国整形外科学会(AAOS)です。本部はイリノイ州ローズモント。商業展示会の主催会社ではなく、整形外科医の職能団体です。これが展示のルールをほぼすべて説明します。
- 出展資格は、整形外科診療に関係する製品・サービスに限られ、Company Review Processの通過が必要です。
- 会期中の7:30〜17:00、CME(生涯教育単位)を出せるのはAAOSだけです。企業の教育セッションに単位は付きません。
- ブースの位置は金額ではなく優先ポイントで決まります(後述)。
- 商談・実演・販促は、契約したブースの中でしか行えません。他社ブース周辺の通路で来場者に声をかける行為は、その場での退場処分の対象です。
窓口は次のとおりです。出展全般はexhibits@aaos.org、電話は+1 847-384-4010。担当者はBen Harkinson氏(VP, Commercial Solutions)、Ken Schott氏(Director, Exhibits & Sponsorship)、Amanda Bogdal氏とNoel Sierra氏(Manager, Exhibits & Sponsorship)です。Bioskills Workshopの窓口はNoel Sierra氏(sierra@aaos.org)です。設営はFreemanが総合サービス業者を務めます。
どんな医師が来場するのか
AAOS 2026の参加登録フォームに基づく専門分野の内訳を、AAOSが出展要項で公開しています。
| 専門分野 | 医師数 |
|---|---|
| General Orthopaedics(一般整形外科) | 1,136 |
| Sports Medicine(スポーツ医学) | 1,008 |
| Adult Reconstruction Hip and Knee(成人股関節・膝関節再建) | 813 |
| Adult Reconstructive Surgery(成人再建外科) | 586 |
| Trauma(外傷) | 445 |
| Shoulder and Elbow(肩・肘) | 382 |
| Hand and Wrist(手・手関節) | 349 |
| Spine(脊椎) | 336 |
| Non-Operative(非手術) | 215 |
| Pediatric Orthopaedics(小児整形外科) | 179 |
| Musculoskeletal Oncology(骨軟部腫瘍) | 161 |
| Foot and Ankle(足・足関節) | 22 |
AAOSは注記で、1人の医師が複数分野に登録されうるため合計は一致しないと断っています。この表は足し算をせず、構成比として読んでください。
読み方は明快です。人工股関節・人工膝関節の再建領域(813と586)とスポーツ医学(1,008)がフロアの主戦場です。脊椎は336で、AAOSでは相対的に小さい分野です。脊椎には専門学会が別にあるからです。そして足・足関節は22人で、この会場に市場はありません。貴社の製品がどこに当たるかで、AAOSの価値は10倍違います。
来場者が展示会場に来る理由も、AAOSが自ら順番付きで公表しています。最新技術を見る、出展社と直接話して製品デモを見る、1か所で複数社を回る、製品を比較評価する、講演と教育プログラムを聞く、の順です。比較購買の場であるという自己認識が明確です。
会場では実際に何が起きるのか
AAOSは展示会場を「an add-on」ではないと言い切り、来場者体験の中心として設計していると説明しています。実際、2027年の展示会場には次のものが並びます。
- OrthoLive(2027年の新機軸)。4K映像シアターのOrthoDome、Engagement Theater、ePosters、ポスターツアーシアター、そしてゲストネーション展示を展示会場内に集約します。
- Ask an Expert。来場した医師が自分の難症例をUSBメモリで持ち込み、フロア上で専門医から助言を受けるセッションです。HIPAA対応の症例データを開始10分前までに持参するよう案内されています。
- Bioskills Workshops。展示会場内に置かれた移動式手術ラボで行うハンズオン実習です。
- Innovation Theater。企業による30分間のプレゼンテーション枠です。
- Happy Hour。競合セッションを置かない2時間枠で、飲み物はAAOSが提供します。
- Beverage Breaks。火曜午後、水曜朝、木曜朝に展示会場内で提供されます。
- Career Center。100社超の雇用主が参加し、面接とCV相談を行います。
- Golf Simulator Experience。TrackMan 4を使ったAAOS 2026からの企画です。
- OrthoQuest Exhibit Explorer Challenge。ブース巡回を促すフロア全体のゲームです。
展示時間は合計22時間で、うち11.5時間は教育セッションと重ならない「専用展示時間」です。AAOS 2026のビーコン計測では、来場者の展示会場滞在は平均3時間超でした。
Bioskillsが、この学会に固有の販売チャネルです。AAOSのパンフレットの一文がすべてを説明しています。
Surgeons don't make decisions based on brochures. They want real, hands-on experience.
実際の仕様は、展示会場内に設置される1,000平方フィートの移動式ラボで、定員40名、最大4台の術野ワークステーション(手術台、汎用器械、照明、専用電源付き)、参加者全員分のPPE(スクラブ、鉛入りベスト、甲状腺プロテクター)が含まれます。献体標本とCアームは料金に含まれず、Surgical Training Institute(STI)経由で別途手配します。ドリル・ソーの電動システム、追加ワークステーション、術野を映すオーバーヘッドカメラも追加費用です。
出展にいくらかかるのか
スペース単価は公開されています。
| 区分 | 単価 |
|---|---|
| インライン(10'×10') | 1平方フィートあたり$40 |
| コーナー(10'×10') | 1平方フィートあたり$42 |
| アイランド(20'×20'以上) | 1平方フィートあたり$40 |
10フィート四方は100平方フィートなので$4,000、申込時に50%($2,000)の入金が必要です。
スペース料金に含まれるものは次のとおりです。インラインブースには高さ8フィートのバックドレープと高さ3フィートのサイドディバイダー、7インチ×44インチの社名サイン、通路カーペットに貼るブース番号ラベル。加えて22時間の展示時間(うち専用11.5時間)、100平方フィートあたり5枚の出展社バッジ、onPeak経由の割引宿泊と客室枠、公式ホテルでの会議室優先予約、公式ホテルと会場を結ぶシャトルバス、そして空席があれば学術セッションへの入場(CME単位は付きません)。
バッジは割当を超えて買えません。AAOSは「安全で管理可能な動線を保つため」として、割当を超えるバッジの提供・販売を行わないと明記しています。100平方フィートのブースなら5名までです。日本から通訳やエンジニアを追加で連れて行く計画は、この上限から逆算してください。
会場内の販促枠も価格が公開されています。
| 枠 | 費用 |
|---|---|
| Innovation Theater 標準枠(教育セッション時間帯) | $3,100 |
| Innovation Theater プレミアム枠(教育セッションの休憩時間帯) | $3,700 |
| Innovation Theater Happy Hour枠(15:00〜17:00の2時間枠) | $4,700 |
| プレゼンテーション録画(スライド同期・音声付き) | $425 |
| Bioskills 2時間枠 | $13,000 |
| Bioskills 半日枠 | $24,000 |
| Bioskills 全日枠 | $37,000〜$48,000 |
Innovation Theaterの価格はAAOS 2027の公式ブローシャーの値です。2027年から1枠30分に拡大され、80インチLEDスクリーン、音響、技術スタッフ、40席と立ち見スペース、3面開放のカーペット敷きシアターとブランドバックウォールが含まれます。Bioskillsの価格はAAOS 2026版のパンフレットの値です。2027年版は2026年9月6日時点で未公表なので、金額は前回実績として読み、2027年の見積りは必ずAAOSに確認してください。
Innovation Theaterには、日本企業が見落としやすい制約が3つあります。
Attendee contact information will not be provided to the presenting company.
Exhibitors are not allowed to scan and capture AAOS badge barcode data at their Innovation Theater presentations.
Live demonstrations involving equipment, devices, or pharmaceuticals are not permitted.
リード獲得はできず、バッジのバーコード読み取りも禁止で、機器の実演もできません。この枠は名刺を集める装置ではなく、認知を作る装置です。加えて、告知物はすべて事前にAAOSの承認が必要で、承認には5営業日を見込むよう案内されています。所定の免責文(当該プレゼンテーションは販促活動であり、CME単位の対象ではなく、AAOSの推奨を意味しない)の掲載も義務です。申込は2026年7月30日開始の先着順、掲載情報の締切は2027年1月20日、2027年1月4日以降のキャンセルは全額負担です。
渡航費、宿泊費、輸送費、通関、装飾、人件費はすべて別です。貴社の人数と日程での概算は、下のツールで試算できます。
費用を試算する出展の最大の壁は、お金ではなく優先ポイントです
ここがAAOSで最も重要な、そして日本語のどこにも書かれていない事実です。
ブースの位置は金額では買えません。AAOSは優先ポイント制度を運用しており、ブース選択の順番は各社の累積ポイントで決まります。ポイントの内訳は、出展年数1年につき2点(これは消えない恒久ポイント)、締切内の申込で2点、期日どおりの全額入金で2点、公式ホテル枠での客室確保で2点、そしてスポンサーシップや企業支援の支出$1,000ごとに1点などです。
AAOS 2027の割当対象企業のポイント分布は、出展要項に公開されています。
| 保有ポイント | 企業数 |
|---|---|
| 500点以上 | 7社 |
| 201〜500点 | 9社 |
| 101〜200点 | 48社 |
| 51〜100点 | 137社 |
| 26〜50点 | 303社 |
| 10〜25点 | 640社 |
| 2〜9点 | 1,650社超 |
合計すると、ポイントを持つ企業が約2,800社います。そして出展要項はこう書いています。
First-time exhibitors are assigned space after all companies with priority points, based on the date the application and deposit are received.
初出展企業の割当は、全ポイント保有企業の後です。初出展企業向けに一定のスペースは確保されており、その区画外への配置を希望する場合は申込フォームの備考欄に書くよう案内されていますが、順番そのものは変わりません。上位数社は優先ポイント順で事前に位置が決められ、フロアプランにあらかじめ表示されます。
実務的な結論は3つです。第一に、初回のAAOS出展で目立つ場所を期待してはいけません。第二に、この制度は複数年の継続出展を前提に設計されているので、単年での費用対効果で判断すると必ず割に合いません。第三に、締切内申込(2点)と期日入金(2点)と公式ホテル枠(2点)は初出展でも取れる6点なので、初年度から確実に押さえてください。
主要な締切は次のとおりです。このうち最初の2つは、この記事の公開時点ですでに過ぎています。
| 期日 | 内容 |
|---|---|
| 2026年7月30日(経過済み) | 申込と50%入金の締切。これ以降の申込は先着順の割当になります |
| 2026年7月30日まで(経過済み) | 取消・面積縮小した場合、全額返金 |
| 2026年9月10日 | スペース割当と請求書の送付 |
| 2026年7月31日〜11月5日 | 取消時、AAOSが50%を留保 |
| 2026年11月5日 | 残額の支払期限 |
| 2026年11月6日以降 | 取消時、AAOSが100%を留保 |
| 2027年1月21日 | Booth Activities(実演、著名人招聘、配布物)の申請締切 |
| 2027年1月25日 | 搬入時間変更の申請締切(Freeman宛) |
なお違反にはポイントの没収が伴います。他社ブース周辺での勧誘、バッジの貸与、無断撮影などは、繰り返した場合に翌年の割当用ポイントの25%没収、または将来の出展禁止につながります。
日本企業はどれくらい出展しているのか
正直に書きます。2026年9月6日時点では、まだ数えられません。
AAOS 2027の公式出展社ディレクトリ(aaos27.mapyourshow.com)に登録されていた企業は234社で、目標の600社超に対して約4割です。スペース割当と請求書の送付が2026年9月10日なので、リストが埋まるのはこれからです。
その時点のスナップショットで、出展社の所在国としてJapanが選択肢に入っていることは確認できます。国の一覧はベルギー、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ポーランド、ポルトガル、プエルトリコ、スペイン、スイス、台湾、英国、米国の21か国です。
同時点で確認できた日系企業は次のとおりです。
| 企業 | 状況 |
|---|---|
| KYOCERA Medical Corporation | ブース3247(ホールA)。所在国をJapanとして登録している唯一の出展社 |
| FUJIFILM Healthcare Americas Corporation | 米国法人として登録 |
| Mizuho OSI | 瑞穂グループの米国事業会社、手術台 |
| Sony Electronics | 手術用イメージングとディスプレイ |
この4社は下限であって、実数ではありません。日本の整形外科メーカーは米国子会社の英語名で出展することが多く、その場合は所在国が米国として登録されます。また前回大会のディレクトリ(aaos26.mapyourshow.com)はすでに閉じており、同じ条件での前年比較はできませんでした。2027年の最終的な日本企業数を知りたい場合は、2026年秋以降に公式ディレクトリを再確認してください。
FDA未承認品は展示できます、ただし掲示が要ります
日本企業が最初に確認すべき規制上の論点に、AAOSは明快に答えています。出展要項のルール33です。
All products that are not FDA approved for a particular use in humans, or which are not commercially available in the United States, will be permitted to be exhibited only when accompanied by the appropriate signs that indicate the product's FDA clearance status.
米国で未承認、あるいは未流通の製品でも、承認状況を示す掲示があれば展示できます。AAOSは掲示文の例として「This product is not cleared by the FDA for distribution in the United States」を挙げています。掲示は製品の近くに置き、その製品を写した図版にも付け、文字は8分の1インチ以上で4フィート離れて読める大きさにします。順守責任は各出展社にあります。
つまり510(k)取得前でも、米国市場の反応を測るための展示は制度上可能です。一方で販売と受注そのものは「the professional nature of the meeting」に沿う形であれば認められています。米国での商流がまだない段階の日本企業にとって、これは想像より広い自由度です。
ご相談はこちら日本企業にとって行く価値はあるか
判断は、視察と出展でまったく分かれます。
視察に行くべき企業。 人工関節、外傷インプラント、スポーツ医学関連機器、手術器械、ナビゲーション・ロボティクスに関わる日本企業です。理由は単純で、2027年は日本がゲストネーションだからです。日本整形外科学会の展示が商業フロアの中に置かれ、日本発の演題がプログラムに並び、AAOS Now Daily Editionに日本関連の記事が連載されます。日本の名前がこのフロアで最も目立つ年が2027年です。米国の執刀医と日本の整形外科の距離が、通常年より近くなります。この機会は、前回から数えて約15年に1度しか来ません。
出展を検討すべき企業。 米国に販売・サービス網を持っているか、これから作る意思がある整形外科メーカーです。理由は3つあります。第一に、来場者は完成品を選ぶ執刀医で、股関節・膝関節再建とスポーツ医学が最大分野です。買う人が目の前にいます。第二に、FDA未承認品も掲示付きで展示できるため、米国参入前の反応測定に使えます。第三に、Bioskills Workshopという、実際の術野に近い環境で執刀医に器械を握らせられる仕組みが、この学会にはあります。パンフレットの通り、外科医はカタログでは決めません。
それでも慎重に決めるべき理由。 優先ポイント制度です。約2,800社が先に並んでおり、初出展企業は最後尾です。単年で出て、良い位置が取れず、費用対効果が悪かったと判断して撤退する、というのが最も損な入り方です。この制度は3年以上の継続を前提にしているので、3年続ける予算が取れないなら、2027年は出展せず視察に徹してください。ゲストネーションの年に来て、フロアを歩き、優先ポイントを翌年から積み始めるほうが、費用対効果は高くなります。
行かなくてよい企業。 整形外科サプライチェーンに部材や加工を売る会社です。AAOSのフロアに部品の買い手はいません。行くべきなのはMD&M Westです。同じく、足・足関節に特化した製品の会社(登録医師22人)と、脊椎専業の会社(336人、専門学会が別にあります)も、AAOSは最適解ではありません。
補助金は期待できません。 JETROの出展支援展示会一覧(2026年9月6日確認)にAAOSの記載はなく、米国のライフサイエンス分野で支援対象になっているのはBIO International Conventionの1件だけです。米国の医療機器展示会に対するジャパンパビリオンは、この一覧に存在しません。自治体の医療機器輸出支援でAAOSを対象にしている例も確認できませんでした。相談先はJETRO販路開拓課ヘルスケア産業班(healthcare@jetro.go.jp)です。
最後に、この記事で最も実務的な一文を書いておきます。優先ポイント割当の締切だった2026年7月30日は、すでに過ぎています。いま申し込んでも先着順の枠に入るため、良い位置は残っていない可能性が高く、残額の支払期限も2026年11月5日に迫ります。2027年に間に合わせるなら急ぐしかありませんが、次回以降を狙うなら話は別です。AAOSに出るという判断は、開催の前年夏までに終わらせる仕事です。貴社の状況に合わせた視察と出展の判断は、下記からご相談ください。
よくある質問
- AAOS 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年3月3日(水)から6日(土)まで、ラスベガスのThe Venetian Convention and Expo Centerで開催されます。ただし展示会場が開くのは3日から5日の3日間だけで、最終日の土曜日に展示はありません。2027年から水曜開幕・4日間に短縮されました。
- AAOS 2027で日本がゲストネーションというのは本当ですか?
- 本当です。AAOSは公式サイトで「AAOS welcomes Japan as the Guest Nation for the AAOS 2027 Annual Meeting」と告知しています。相手団体は日本整形外科学会です。日本の選出は2012年のサンフランシスコ大会以来、約15年ぶり2回目です。
- AAOS 2027に出展するといくらかかりますか?
- スペース単価は1平方フィートあたり、インライン$40、コーナー$42、アイランド$40です。10フィート四方なら$4,000で、申込時に50%の入金が必要です。装飾、輸送、通関、人件費、渡航費は別途かかります。
- 初出展の日本企業でも良い場所のブースは取れますか?
- 取れません。ブースの割り当ては優先ポイント順で、2027年の割当対象には約2,800社がポイントを持っています。初出展企業は全ポイント保有企業の後に、申込と入金の到着順で割り当てられます。初出展枠として一定のスペースが確保されています。
- 米国FDAの承認がない製品でも展示できますか?
- 展示できます。ただし米国で未承認・未流通の製品には、承認状況を示す掲示が必須です。文字は8分の1インチ以上で、4フィート離れて読める大きさにし、製品の近くと製品を写した図版の両方に掲示します。順守責任は出展社にあります。
- リード獲得はできますか?
- ブース内ではできますが、Innovation Theaterではできません。AAOSは登壇企業に来場者の連絡先を提供せず、シアターでのバッジのバーコード読み取りも禁止しています。機器や医薬品を使う実演もシアターでは認められていません。
- 日本からラスベガスへの直行便はありますか?
- ありません。日本航空の成田線が2006年秋に運休して以来、日本とラスベガスを結ぶ直行便はありません。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルのいずれかで乗り継ぐのが一般的で、成田からロサンゼルス経由で正味約11時間です。
- JETROや自治体の出展補助はありますか?
- 確認できませんでした。JETROの出展支援展示会一覧(2026年9月6日確認)にAAOSの記載はなく、米国のライフサイエンス分野はBIO International Convention 1件のみです。相談先はJETRO販路開拓課ヘルスケア産業班(healthcare@jetro.go.jp)です。
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