BioProcess International US West · サンディエゴ
BioProcess International US West 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断(BIOとは別の専門会議)
最終更新:2026年8月23日

BioProcess International US West(BPI West)2027は、2027年3月16日〜18日にサンディエゴのSan Diego Convention Centerで開催される、バイオ医薬品の製造プロセスに特化した専門会議と展示会です。まず、日本語検索でいちばん多い取り違えを解いておきます。同じサンディエゴで開かれるBIO International Conventionとは、まったく別のイベントです。BIOは6月開催、来場約21,600人、ジェトロのジャパン・パビリオンに24社が入る提携・資金調達の巨大イベントで、BPI Westは3月開催、来場800人規模、展示は約90ブースです。結論を先に書きます。バイオプロセス向けの装置・消耗品・受託製造(CDMO)を売っていて、すでに米国に法人か販売代理店を持つ企業にとっては、費用が軽く客層の濃い床です。一方で、大型展示会並みの来場者数や、ジェトロによる出展支援を前提にしている企業には、ここには何もありません。この記事では、主催者の公表値と実際に数えられる数の食い違い、2027年の価格が世界のどこにも出ていないという事実、そして日本企業2社の出展実績までを扱います。
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BioProcess International US Westへの出展・参加は、貴社にとってどのような成果につながるでしょうか。
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2027年3月16日〜18日
会期
800人以上
来場者(主催者公表)
67社
出展社(2025年フロアプラン実数)
JAL JL66/JL65
成田からの直行便
BPI Westとは何のカンファレンスか
細胞株の構築から商業生産までを扱う、バイオ医薬品製造の技術者向け専門会議です。3日間に5トラックが並行し、初日午前には別料金の事前ワークショップが3本入ります。展示会は併設ですが主役ではなく、この催しの本体は会議で、展示ホールはその周辺に置かれています。主催者のキャッチコピーは「The Best of the West: Defining the Future of Bioprocessing」です。
5つのトラックは次のとおりです(2026年の構成が2027年に引き継がれます)。
- Cell Line Development and Engineering(細胞株の構築と改変)
- Cell Culture and Upstream Processing(細胞培養と上流工程)
- Downstream Processing(下流工程)
- Manufacturing Strategy and Bioprocessing 4.0(製造戦略とバイオプロセス4.0)
- Cell and Gene Therapy Production and Commercialization(細胞・遺伝子治療の製造と商業化)
シリーズの歴史は2004年にさかのぼります。IBC Life Sciencesが同年10月にボストンで第1回を開催し、その後IBCはInformaに吸収されました。西海岸版のBPI Westは2020年まではシリコンバレーのSanta Clara Convention Centerで開催されており、サンディエゴに移ったのはそれ以降です。2019年や2020年の記事を読むときは、都市が違う点にご注意ください。
BIO International Conventionとの違い
日本語で「バイオ サンディエゴ 展示会」と検索すると、検索結果はBIO International Conventionに埋まります。判断を誤らないよう、2つのイベントの性格を並べます。
| 項目 | BPI West | BIO International Convention |
|---|---|---|
| 開催時期 | 3月 | 6月 |
| 性格 | 製造プロセスの技術会議+併設展示 | 提携・ライセンス・資金調達の商談イベント |
| 来場規模 | 800人以上(主催者公表) | 約21,600人(ジェトロ公表) |
| 出展規模 | 90社以上(主催者公表)、実数は67〜70社 | 約1,650社(ジェトロ公表) |
| ジャパン・パビリオン | なし | あり(24社) |
| 主催 | Informa Connect Life Sciences | BIO(米国バイオテクノロジー・イノベーション協会) |
| 日本語の情報 | ほぼ皆無 | ジェトロが日本語で発信 |
目的が「提携先や投資家を探す」ならBIO、「装置や受託製造を売る/選ぶ」ならBPI Westです。両方に出る理由がある企業はほとんどありません。
いつ・どこで開催されるのか
2027年3月16日(火)〜18日(木)の3日間、San Diego Convention Center(111 W Harbor Drive, San Diego, CA 92101)で開催されます。2026年8月23日時点で、2027年の参加登録は開始されていません。購入ページは「Booking is now closed」を返します。
ここで一つ注意があります。公式サイトはヘッダーだけが2027年で、中身の大半は2026年と2025年のままです。アジェンダのメニューは「2026 Agenda」で3月9日〜11日の日程を指し、登壇者一覧もスポンサー一覧も2026年の名簿です。展示ホールのページに至っては2025年の開場時間と2025年のフロアプランが残っています。2027年の計画を立てる際に、サイト内の日程や時間割をそのまま写すと事故になります。
会期の長さも変わっています。2025年は4日間(3月18日〜21日)でしたが、2026年から3日間に短縮されました。2025年の滞在日程をひな形に使わないでください。
成田からの直行便があります
日本のチームにとって、この会議のいちばん実務的な利点は移動です。日本航空が成田(NRT)とサンディエゴ(SAN)を直行で結んでおり、往路がJL66、復路がJL65、アメリカン航空とのコードシェアはAA8480/AA8479です。羽田発の設定はありません。運航頻度は2021年1月の再開時点で週3便と空港側の発表に記録されており、その後に毎日運航へ増便されたと報じられていますが、報道元の原文は確認できていません。予約前に最新の時刻表でご確認ください。
サンディエゴ国際空港から会場までは約5km、ダウンタウンの同じ側にあります。
行程プランを見る誰が主催しているのか
主催はInforma PLC傘下のInforma Connect Life Sciencesです。フッターに出る運営法人はInforma Connect Limited(登記番号01835199、ロンドン)です。前身はIBC Life Sciencesで、2015年の発表資料の時点ですでに「IBC Life Sciences USA, an Informa company」と書かれています。
収益構造は標準的なInforma Connect型です。参加者の属性で価格が変わる有料デリゲートパス、有料の展示スペースとスポンサー枠、そして別売りのDigital Experience Passと12か月分の録画配信(Streamly)です。スポンサー枠は料金表ではなく営業担当が売る形で、資料請求はフォーム越しです。
| 用件 | 窓口 |
|---|---|
| 参加登録・一般問い合わせ | bpicustomerservice@informa.com |
| 広報・マーケティング・登録 | Howie Choi(howard.choi@informa.com) |
| 登壇の相談 | Barry Walsh(barry.walsh@informa.com) |
| 出展・スポンサー | partners@informaconnectls.com |
シリーズの中でのBPI Westの位置
| イベント | 時期・場所 | 規模 |
|---|---|---|
| BioProcess International(ボストン、本会議) | 2026年9月22日〜25日、Hynes Convention Center | 来場3,000人以上、出展250社以上、登壇250人以上、ポスター180件以上、40か国以上 |
| BioProcess International US West | 2027年3月16日〜18日、San Diego Convention Center | 来場800人以上、出展90社以上(いずれも主催者公表) |
| BioProcess International Asia / APAC | 2026年8月31日〜9月2日、Marina Bay Sands(シンガポール) | 未公表。2024年・2025年は京都開催 |
ボストンが本会議で、来場者でも出展社数でもBPI Westのおよそ4倍です。BPIの数字を引用するときは、必ずどちらの回かを添えてください。
そして日本の読者にとって重いのは3行目です。BPI Asiaは2024年と2025年に京都で開かれていましたが、2026年からシンガポールに移りました。2025年10月20日〜22日の京都開催では、JNC株式会社がクロマトグラフィー担体「セルファイン」を持って13番ブースに出ています。この業界の海外顧客に会う最も安い方法が新幹線の切符だった時代は、2026年で終わりました。BPIブランドの顧客層に会うには、日本企業も渡航が前提になります。
どんな企業が参加・出展しているのか
主催者の公表値は来場800人以上、出展90社以上です。ただし数字は出典によって食い違うので、そのまま並べます。
| 数字 | 何の規模か | 出典 |
|---|---|---|
| 800人以上 | BPI Westの「世界の科学者・経営層」 | 主催者の公式イベントサイト |
| およそ800人 | BPI West 2025年の実績 | bioprocessintl.com(Informaが発行する専門誌)の2025年事後レポート紹介ページ |
| 1,000人以上 | BPI Westの「バイオ医薬関係者」 | 同じくbioprocessintl.comのイベントページ。ただし同じページが日程を「March 16-17, 2026」と誤記 |
| 3,000人以上、出展250社以上 | BPI ボストン2026年 | 主催者サイトおよび日本代理店ページ |
採るべきは800人以上です。1,000人以上と書かれたページは日程を間違えており、根拠として弱いためです。そしてボストンの数字をサンディエゴに持ってこないでください。
「90社以上」と、実際に数えられる社数
出展社数は、一次資料であるフロアプランのデータを数えると主催者の表記より小さくなります。
| 回 | 社名を数えた出展社数 | プラン上のブース区画数 |
|---|---|---|
| 2025年 | 67社 | 93区画(10×10が55、10×20が10、10×30が1、20×20が1、サイズ未記載26) |
| 2026年 | 45社 | 91区画(割当済87、保留4) |
| 2026年(スポンサー一覧ベース) | 70社 | 該当なし |
2026年のフロアプランは会期前の途中経過に見えるため、45社は下限であって最終値ではありません。素直に読めば、BPI Westは約90のブース区画に約70〜90社が並ぶ規模で、「90+」は社数よりブース区画に近い数え方です。なお、フロアプラン提供元のExpoFPは全ブースを「10 x 10 / 100 m²」と表示しますが、この単位表記は誤りです。10フィート×10フィートは100平方フィート、およそ9.3平方メートルです。
2026年のスポンサー構成
最上位のEvent Partnerは3社、Cytiva、Sartorius Stedim Biotech、Thermo Fisher Scientificです。この3社がバイオプロセス向け装置・消耗品市場を握っている構図が、そのまま看板に出ています。
- Gold(6社):Beckman Coulter Life Sciences、Boston Institute of Biotechnology、Croda Pharma、KBI Biopharma、Lisure、Single Use Support
- Silver(6社):BASF、Benchling、Bionova Scientific、Demeetra、OPM Biosciences、PathoQuest
- Bronze(13社):ACROBiosystems、Avid Bioservices、Boston BioProducts、Bruker Cellular Analysis、Catalent、Just - Evotec Biologics、Great Bay Bio、Getinge、Invert、Lonza、Membrane Solutions、Prolific Machines、Teknova
スポンサー枠を取らない出展社が42社あり、合計70社です。床の構成はCDMOと消耗品・分析機器のベンダーが中心で、完成品の医薬品メーカーは買い手として来ます。中国・インド系サプライヤーの存在感が明確にあり(Lisure Science、OPM Biosciences、NanoFCM、Great Bay Bio、Mabplex、ACROBiosystems、Membrane Solutions、Syngene、Enzene、Aurigene)、それに対して日本勢は2社です。
来場者の顔ぶれ
職種別・地域別の監査済み内訳は公開されていません(2025年の事後レポートは資料請求フォームの向こう側にあります)。一次資料から言えるのは次の2点です。
登壇者と協賛の社名には、Eli Lilly、Johnson & Johnson、Merck、AbbVie、Roche、AstraZeneca、Novartis、Pfizer、Amgen、Sanofi、Bristol Myers Squibb、Gilead、Regeneron、Takeda、Astellas Pharma、GlaxoSmithKline、Bayer、Genentech、Biogen、Modernaが並びます。
役職は経営層ではなく、現場の科学者と中間管理職に寄っています。2026年の登壇者の肩書を拾うと、DSD Modeling Manager(Sanofi)、Senior Scientist(AstraZeneca)、Director CMC(Bayer US)、Associate Director(Novartis)、Principal Scientist(BMS)といった並びです。装置を仕様決定し、CDMOを選定する層がここにいます。ただし全社契約に署名する層ではありません。サプライヤーにとっては良い客層ですが、初回訪問でその場の受注を期待する場所ではありません。
日本企業の出展実績は2社です
フロアプランで確認できた日本関連の出展社は、次の2社だけです。ディレクトリではなく一次資料での確認です。
| 企業 | 出展した回 | ブース | 日本との関係 |
|---|---|---|---|
| JSR Life Sciences(KBI Biopharma) | 2025年・2026年 | 420(2025年)、414(2026年) | KBI BiopharmaはJSR Life Sciences傘下。2015年にJSR、CMIC、INCJが買収しJSRが過半を保有。2026年はGoldスポンサー |
| ARCALIS, Inc | 2025年のみ | 807 | 日本のmRNA CDMO。Arcturus TherapeuticsとAxceleadの合弁で、福島県南相馬市に原薬・製剤工場を持つ。2026年のフロアプランには名前がありません |
旭化成バイオプロセス、東ソー・バイオサイエンス、ニプロ、テルモ、住友、味の素は、集中的に探しても出展社としては見つかりませんでした。Sartoriusは毎回出ていますが、ドイツ企業です。
登壇側には日本関連がもう少しいます。2026年の名簿では、武田薬品工業のPaul Hanson氏(Head of Lifecycle Management, Innovation and Strategy)が全体パネルに登壇し、FUJIFILM BiotechnologiesのRamakrishnan Gopalakrishnan氏、FUJIFILM BiosciencesのAmanda Cinquin氏、京都工芸繊維大学の熊田陽一教授が登壇しています。
ジャパン・パビリオンはありません
ジェトロのパビリオンも、都道府県の共同出展も、日本の視察団も、どの回にも確認できませんでした。日本語の参加レポートも出展レポートも一件も見つかりません。BPI Westに来ている日本企業は、単独で、商業ベースで来ています。
日本語の窓口が完全にないわけではありません。株式会社グローバル インフォメーション(川崎市)が、BioProcess Internationalシリーズの日本代理店として長く機能しており、giievent.jpで日本語のイベントページを運営し、日本語での登録受付を行っています。BPI West 2019年開催分の日本語ページも存在していました。ただし、これはInformaの日本法人ではなく代理店です。そして2027年のBPI Westを取り扱うかどうかは未確認です。
会場では実際に何が起きるのか
会議、展示ホール、ポスター、そしてアプリです。紙のプログラムは配られません。すべてがConnectMeというAIマッチング付きのアプリで動きます。

- ConnectMe:会期のおよそ4週間前に開き、全参加者リスト、面談リクエスト、ビデオチャットを備えます。ポスターもPDFで入ります。日本のチームにとっては、渡航前に東京から面談を組めるという意味です。ここを使わないと、この規模の会議に来る価値は半減します。
- Live Lab:装置を写真ではなく稼働状態で見せる実演枠が展示ホールにあります。
- ポスター:デリゲートパスに含まれ、追加費用はかかりません。抄録の提出が必要で、2026年開催分のポスター登録は定員に達して締め切られました。2027年に出すなら抄録は早めに出してください。2025年の受賞者はRegeneronのKatherine Resch氏とNovartisのEashwar Rajarman氏でした。
- 全体講演:2026年はKörber Pharma AustriaのChristoph Herwig氏(Pharma 4.0)、J&J Innovative MedicineのIrina Ramos氏、SanofiのMichael Coolbaugh氏が登壇し、武田薬品のPaul Hanson氏らが加わる全体パネルが組まれました。2026年の案内にはGoogleの基調講演も告知されており、製造現場のAI活用がバイオプロセスの壇上に上がっています。
- 事前ワークショップ:2026年は初日午前に3本(データ基盤とデジタルツイン、工程の同等性評価、連続生産・高密度化)。通常のAll-Accessパスでは受講できず、ワークショップ付きのパスが必要です。
2025年(4日間開催)の展示ホールの開場時間は、水曜が8:00〜12:00と15:30〜19:00、木曜が10:00〜17:45、金曜が8:30〜13:30でした。2027年は3日間なので、この時間割はそのまま使えません。ホールが1日中は開いていないという性格だけを読み取ってください。
会議の周辺には、アクセサリー作りとマッサージ師を置いた「Zen Den」、朝7時半の5kmランニング、そしてThermo Fisher提供のバリスタカフェが展示ホール内にあります。カフェの位置は、人の流れが集中する場所を示しています。常連参加者を認定する「BioConnect Club」もあります。
なお、2025年の公式案内には、BPI Westの参加者にボストンの会場であるHynes Convention Centerでバッジを受け取るよう書かれた誤記がありました。主催者の案内であっても、都市名は自分で確認してください。
現場では何が語られているのか
ここで一点、情報源の性格を明示します。BPI Westの詳細な取材記事は、すべてbioprocessintl.comによるものです。同サイトはInformaが発行する専門誌で、主催者と同じ会社です。記者は取材対象のイベントで司会も務めます。内容は具体的で有用ですが、独立した第三者の取材ではありません。以下はその前提で読んでください。独立系のブログ記事、動画レポート、日本語の参加記は、探しましたが一件も見つかりませんでした。取材記事があるのは2025年のみで、2026年の記事は確認できていません。
細胞・遺伝子治療の減速を、名指しの数字で語った回
ValSourceのシニアコンサルタント、Ryan Murray氏は2025年の細胞・遺伝子治療セッションで、業界の失速をこう表現しました。
"The momentum built since 2017 is slightly off."
そして規模を具体的な数で示しました。
"By my count, going back the past six months, there have been 18 cell and gene companies that have cut their workforce by at least a third."
受託製造側への波及についても踏み込んでいます。
"The CDMO space was put in a difficult position... they actually helped lower the pricing for some of these products, just through sheer competition."
現状の評価は「かなり脆い」、それでも見通しは「慎重ながら楽観」でした。
"It's pretty fragile right now."
"I am cautiously optimistic."
自社が売り込む相手の市場が縮んでいる話を、その相手が集まる壇上で聞ける場です。日本のサプライヤーが1日で得られる情報として、これは相当に濃い部類です。
分析法の未整備が、実は最大のボトルネックだという指摘
IGM BiosciencesのシニアディレクターKevin Zen氏の一言が、この会議の性格をよく表しています。
"Often when you want to release your drug substance, the bottleneck is not manufacturing. It's analytical."
同じパネルで、Calibr-Skaggs InstituteのVadim Klyushnichenko氏(VP Biopharmaceutical Development and Quality)は、CDMO在籍時に受け入れた顧客のおよそ90%が十分な分析キャラクタリゼーションを持っていなかったと報告しています。純度データを自社で読み違え、複数のピークが立っている結果を「まずまず良い」と評価してしまう例も挙げています。
分析機器や受託分析を売る日本企業にとっては、そのまま提案の骨格になる証言です。
内製化の実額と、CDMOから離れる話
GenVivoのVictor Constantinescu氏(Head of Manufacturing and Business Development)は、自社生産に戻す判断について具体的な金額を出しています。設備を除いた資本投資で1億ドル超、中規模バイオ施設の転用に2〜3年、建設費は1平方フィートあたり1,000〜2,000ドル。同社は新設ではなく既存施設を賃借して初期投資を抑え、用地選定の前にブローカー、弁護士、建設のプロジェクトマネージャーを雇うべきだと助言しています。
CDMOとの関係を終える方法を扱ったセッションもありました。Arcturus TherapeuticsのMukunda Krishna氏(Director of External Manufacturing)は、品質契約と基本取引契約でバッチ不良、品質出荷、収率仕様まで押さえるべきで、弁護士費用が6桁ドルに達しても払う価値があると述べています。Hinge BioのAlpana Naresh氏(VP of CMC Manufacturing)の一言は率直です。
"Exit strategies are hard for us."
ここには日本との接点があります。Arcturus Therapeuticsは、南相馬でmRNA製造を行うARCALISの合弁親会社の一方です。米国側の親会社の担当役員がCDMO関係について語った同じ会場で、日本側の合弁会社がブースを出していました。
デジタル化の前提条件
SanofiのRamila Peiris氏(Global Head of Process Data, ML and AI Platform, MSAT)は、華やかな話の前提を釘刺しています。
"Without proper data, digitization innovations cannot be implemented sustainably."
データが「clean, aggregated, and organized」でなければ、監視システムにも予測モデルにも載らないという指摘です。同社はフランスとシンガポールの「Modulus」施設に展開しており、40拠点、年間約43億ユニット、近代化に10億ユーロという規模が背景にあります。
主催者が掲載している参加者の声
以下はInformaが自社サイトに掲載している推薦文で、主催者が選んだ声です。それでも、規模感を語った一つは引用する価値があります。JanssenのYounghoon Oh氏(Sr. Scientist, API Protein)は、両方の回を比べられる数少ない立場です。
"I attended the Fall event in Boston a couple of years ago, and this was my first time at the West event."
XencorのBenjamin Chiang氏(Associate Director, CMC Operations)は、買い手が何のために来るかを説明しています。
"I look forward to attending BPI West to connect and re-connect with industry peers, attend technical talks that provide insight to leading areas in the industry, and get updates in the CDMO and vendor landscape whether it's new technologies, offerings, or expanded capabilities."
「CDMOとベンダーの動向をアップデートしに来る」という一文が、サプライヤー側にとっての出展理由そのものです。
2025年の取材記事18本の主題を並べると、CDMOとの関係が4本、資金難下の細胞・遺伝子治療の採算、そしてデジタル化に集中しています。新製品の発表を扱った記事は一本もありません。ここは発表の場ではなく、実務者が困りごとを持ち寄る場です。
参加・出展にいくらかかるのか
価格はどこにも公開されていません。これは調べ方の問題ではありません。Informaは参加者区分を選ばせる登録フローの内側に価格を置いており、2027年のフローはまだ開いていません。パッケージ購入ページ、団体割引ページ、4種類のパスのページ、ボストン本会議の同等ページ、資料請求ページ、さらにWayback Machineに残る約8,000件のURL履歴まで確認しましたが、価格が掲載されたページは一度も保存されていません。金額を知る方法は、登録フローが開くのを待つか、bpicustomerservice@informa.comに問い合わせるかの2つです。
分かっているのは価格ではなく構造です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参加者区分(区分で価格が変わります) | 製薬・バイオ企業/サービスプロバイダー/スタートアップ・大学・公的機関 |
| All-Access Main Conference Pass | 3日間の全セッション、展示ホール、ConnectMeアプリ、12か月の録画視聴 |
| All-Access + Workshop Pass | 上記に初日午前の事前ワークショップを追加 |
| Exhibition Pass | 展示ホールのみの安価な区分 |
| Digital Experience Pass | 完全オンライン。録画12か月、4週間前からのConnectMe、全参加者リスト、デジタル展示・ポスターホール |
| ポスター | デリゲートパスに含まれ追加費用なし。抄録提出が必要 |
| ブースサイズ | 10×10、10×20、10×30、20×20(単位は平方フィート) |
| 出展・スポンサー料金 | 非公開。資料はフォーム越し、窓口はpartners@informaconnectls.com |
使える割引は3つ確認できています
| 割引 | 内容 | 確度 |
|---|---|---|
| OUTBIO30 | All Access Main Conference Passが30%オフ。サンディエゴの地域パートナーOUTbio San Diegoが配布するコード | 同団体の公式ページに掲載 |
| 団体割引 | 「3〜4名のチームで10%オフ」。ただしフォームからの見積もりのみで定価の記載なし | 主催者の公式ページに掲載 |
| 日本代理店経由 | グローバル インフォメーション経由の登録で10%オフ | BPI Asia 2025での確認です。BPI West 2027への適用は未確認 |
30%オフのコードが公開されている一方で定価が公開されていないという状態は、そのままこの主催者の売り方を表しています。稟議に金額を書く必要がある場合は、登録フローが開いた直後に一度取得し、そのうえでコードを当ててください。
社内の見積もりでは、参加費より渡航費と宿泊費のほうが大きい前提で組んで構いません。成田からの直行便があること、会場がダウンタウンにあること、会期が3日であることの3つが効いて、この会議は米国の展示会としては渡航負担の軽い部類です。

日本企業にとって行く価値はあるか
結論は条件付きで、しかも控えめです。BPI Westは「安くて客層が濃い小さな床」であり、それ以上でも以下でもありません。判断は次の3つで決まります。
出展を検討してよい企業。 バイオプロセス向けの装置、消耗品、分析機器、あるいは受託製造・受託分析を売っていて、すでに米国に法人か販売代理店を持っている企業です。理由は3つあります。第一に、床が約90区画しかないため、来場者は3日間で全ブースを回れます。大型展示会のように埋もれません。第二に、会場に来るのは装置の仕様を決めCDMOを選定する現場層で、これはサプライヤーが会いたい相手そのものです。第三に、成田直行便とダウンタウンの会場という条件で、渡航の負担が軽くなっています。KBI Biopharma(JSR Life Sciences)が2年連続で出展し2026年にGoldスポンサーまで取っているのは、この計算が成り立つ実例です。
まず視察から入るべき企業。 上記に当てはまるが米国での実績がまだ薄い企業です。展示規模は約70ブースで、真剣に回っても半日から1日で足ります。1回目は参加者として入り、競合の見せ方、価格帯、求められる仕様、そしてConnectMeで実際にどれだけ面談が組めるかを測ってから出展を決めるほうが、順序として正しいです。All Accessパスに30%オフのコードが公開されていることも、この入り方を後押しします。
行くべきでない企業。 二種類あります。ひとつは、NRFやCESのような来場者数を期待している企業です。来場は800人規模で、展示会そのものは小さく、この規模で費用対効果が合わないなら合いません。低分子の原薬・中間体が主力であれば床が違い、5月マイアミのCPHI Americas、あるいは3月ニューヨークのDCAT Weekが該当します。研究者側の技術動向を追うのであれば1月サンタクララのPMWCです。
もうひとつは、ジェトロのジャパン・パビリオンや公的支援を前提にしている企業です。どの回にもパビリオンはなく、日本の視察団もなく、公式の日本語対応もありません。日本語で得られる支援は、川崎の代理店1社による登録代行だけで、それも2027年の取り扱いは未確認です。支えが何もない場所に、単独で、英語で出ることになります。
規模を求めるならボストンです。 同じInformaのBPI本会議は来場3,000人以上、出展250社以上で、およそ4倍あります。1年に1回しか米国に行けないのであれば、9月のボストンのほうが会える人数は多くなります。BPI Westを選ぶ理由は、西海岸とサンディエゴのバイオクラスターに用があるか、3月というタイミングが自社の期に合うか、そのどちらかです。
そして日本企業にとって、この判断の前提が2026年に一段変わりました。BPI Asiaが京都からシンガポールへ移り、このブランドの顧客に会うための国内開催がなくなりました。これまで京都で済ませていた接点は、シンガポールかサンディエゴかボストンのいずれかへ渡航しないと得られません。渡航前提になった以上、直行便のあるサンディエゴは選択肢として現実的です。
判断の前に、埋まっていない3点を共有します
一つ目は価格です。 2027年の参加費も、ブース料金もスポンサー料金も、公開されていません。本記事の時点で示せるのは構造と割引コードだけで、金額は登録フローが開くまで誰にも分かりません。「調べても出てこない」のは正常な状態です。
二つ目は出展社数です。 主催者の90社以上と、フロアプランで数えた67社(2025年)には開きがあります。床の広さを判断材料にする場合は、90ではなく70前後を前提に計画してください。
三つ目は来場者の内訳です。 職種、役職、地域の監査済みデータは公開されておらず、公表値はすべて主催者のマーケティング資料に由来します。監査済み内訳が入っているはずの2025年事後レポートは資料請求フォームの向こう側にあります。800人という数字は、独立して検証されたものではありません。
貴社の製品ラインと米国での立ち位置を踏まえた視察・出展のご相談は、下記からどうぞ。
ご相談はこちらよくある質問
- BPI Westは、同じサンディエゴのBIO International Conventionと同じイベントですか?
- 別のイベントです。BIOは6月開催で来場約21,600人、出展約1,650社、ジェトロのジャパン・パビリオンに24社が入る提携・資金調達の巨大イベントです。BPI Westは3月開催で来場800人規模、バイオ医薬品の製造プロセスに特化した専門会議と展示会です。主催者も異なります。
- BPI West 2027の参加費はいくらですか?
- 公表されていません。2026年8月23日時点で2027年の登録は未開始で、パッケージ購入ページは「Booking is now closed」を返します。Informaは過去の回でも定価を公開していません。金額は登録フローを開くか、bpicustomerservice@informa.comに問い合わせる必要があります。
- 出展社は何社ですか?
- 主催者は90社以上と表記していますが、フロアプランで社名を数えると2025年が67社、2026年が45社(会期前時点)です。ブース区画数は両年とも約90です。実態は約70〜90社が約90区画に並ぶ規模で、「90+」はブース区画に近い数え方です。
- 日本からサンディエゴへの直行便はありますか?
- あります。日本航空が成田〜サンディエゴを直行運航しており、便名は往路JL66、復路JL65です。アメリカン航空とのコードシェア(AA8480/AA8479)もあります。羽田発は設定がありません。運航頻度は変動があるため、予約前に最新の時刻表をご確認ください。
- 日本語で参加登録できますか?
- できます。株式会社グローバル インフォメーション(川崎市)がBioProcess Internationalシリーズの日本代理店で、giievent.jpで日本語の案内と登録受付を行っています。同社経由の10%割引はBPI Asia 2025で確認できていますが、BPI West 2027での適用は未確認です。
- 日本企業も出展していますか?
- しています。フロアプランで確認できたのは2社です。JSR Life SciencesのKBI Biopharmaが2025年と2026年に連続出展し、2026年はGoldスポンサーでした。日本のmRNA CDMOであるARCALISは2025年にブース807で出展しましたが、2026年のフロアプランには名前がありません。
- ジャパンパビリオンや出展補助はありますか?
- BPI Westにはありません。ジェトロが出展支援する展示会の年間予定に載っているのは、同じサンディエゴで6月に開かれるBIO International Conventionのほうです。バイオ分野で公的な枠を使いたい場合は、そちらが対象になります。BPI Westに出るのであれば個社での申請になり、都内中小企業なら東京都中小企業振興公社の展示会出展助成事業が海外展示会にも使えます。助成限度額150万円、助成対象経費の3分の2以内です。
- ボストンのBPIとBPI West、どちらに行くべきですか?
- 規模を求めるならボストンです。BPI本会議(2026年9月、Hynes Convention Center)は来場3,000人以上、出展250社以上で、BPI Westのおよそ4倍です。BPI Westは西海岸の顧客に絞って短時間で回りたい場合、またはサンディエゴのバイオクラスターが目的の場合に選ぶ回です。
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