KubeCon + CloudNativeCon North America · ソルトレイクシティ

KubeCon + CloudNativeCon North America 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか

Last updated: August 6, 2026

KubeCon + CloudNativeCon North America 2026は、2026年11月9日〜12日に米国ユタ州ソルトレイクシティのSalt Palace Convention Centerで開催される、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)主催のクラウドネイティブ技術カンファレンスです。結論から言えば、Kubernetesを本番環境で運用していて自社が依存しているOSSのメンテナー本人と話したい企業、そして北米の買い手にインフラ製品を売りたい企業には、渡航費を払う価値があります。逆に、アジアのパートナーを探している企業や、Kubernetesの導入をこれから検討する段階の企業には向きません。7月末の横浜(KubeCon Japan)で足ります。この記事では、実勢のチケット価格とブース出展料、2024年に同じ会場へ行った日本人参加者の一次報告、そして日本企業の出展社数がゼロであるという事実まで、判断に必要な材料をすべて出します。

9,388人

参加登録者(2025年実績)

64人

日本からの参加(2025年)

$1,798

参加費(法人・Standard)

$12,000

最小ブース出展料

KubeCon + CloudNativeConとは何のカンファレンスか

KubeCon + CloudNativeConは、Kubernetesを中心とするクラウドネイティブ技術の年次カンファレンスで、CNCFが2015年から開催しています。最も重要な特徴は主催者です。展示会運営会社でもメディア企業でもなく、そのソフトウェアを統治している団体自身が開催しています。AWS re:InventやDreamforceのようなベンダー主催イベントと違い、アジェンダを所有している企業が存在しません。

第1回は2015年11月にサンフランシスコで参加者約500人という規模でした。2017年にCloudNativeConが名称に合流し、North AmericaとEuropeに分割されています。現在のCNCFは会員722社、ホストするプロジェクト227件を抱えます。

内容の決まり方も、この構造を反映しています。2025年アトランタ大会のプログラムは、3名のボランティア共同議長が22名のトラック議長と94名のプログラム委員とともに組み立て、2,247件の応募から409セッションを選びました。採択率はおよそ18%です。スポンサー料でこの枠を買うことはできません。

技術の深さについては、2024年大会に参加したNTTコミュニケーションズの野山英哲氏の評価が的確です。

「細かな部分、Kubernetesの機能を深く解説をするようなセッションもちゃんとあって本当に開発者が話をしているんだなと思いました」

同じ座談会で、パナソニック コネクト、Preferred Networks、NTTコミュニケーションズのエンジニア6名は、KubeConが「お祭り騒ぎ」から「実質的」なイベントへ変わったと総括し、AWS re:Inventの営業色との対比でKubeConのエンジニア中心の文化を評価しています。

いつ・どこで開催されるのか

2026年11月9日(月)〜12日(木)の4日間、ソルトレイクシティのSalt Palace Convention Center(90 South West Temple)で開催されます。初日の11月9日はCNCF主催の併催イベントとProject Lightning Talksに充てられ、10日から12日の3日間が基調講演、ブレイクアウトセッション、展示フロア(Solutions Showcase)です。

詳細スケジュールは2026年8月6日時点で未公開で、公式サイトは「2026年8月公開予定」と告知しています。基調講演の登壇者もまだ発表されていません。

日本からのアクセスは、米国の主要カンファレンスの中では手数が多い部類です。

項目内容
直行便なし。東京〜ソルトレイクシティ(SLC)の直行便は運航されていません
乗り継ぎサンフランシスコ経由12時間46分、バンクーバー経由12時間47分、シアトル経由12時間51分、ロサンゼルス経由14時間29分
主要キャリアSLCはDelta航空のハブ。シアトルまたはロサンゼルスでANA・JALに接続する組み方が自然です
空港から会場8.2マイル(車で10〜20分)。TRAX(ライトレール)で約20分・$2.50
市内交通会場はダウンタウンのFree Fare Zone内。中心部の移動は無料です
11月の気候平均最高7.9°C、平均最低-0.3°C。月末にかけて初雪

空港から会場までの$2.50は、米国のカンファレンス都市としては例外的に安く、そして簡単です。ラスベガスやサンフランシスコの空港送迎とは比較になりません。

一方で、気候は軽視できません。2024年の同じ週の大会では、開幕前日に雪が降り、体感温度は華氏一桁台まで下がりました。東京ガスのエンジニアがその状況を記録しています。ソルトレイクシティはWasatch山脈とOquirrh山脈に囲まれた盆地にあり、降雪後に高気圧がかかると冷たく湿った空気が谷に閉じ込められる逆転層が発生し、大気の状態が急激に悪化します。東京の11月の感覚で荷造りすると、確実に着るものが足りません。

See itineraries

誰が主催しているのか

主催はCloud Native Computing Foundation(CNCF)で、非営利のLinux Foundation傘下の財団です。2015年、GoogleがKubernetesを寄贈した際にその管理主体として設立され、掲げる使命は「クラウドネイティブコンピューティングを当たり前にする」ことです。

運営は3つの機関に分かれます。技術的な方向性とプロジェクトの採択・卒業を決めるTechnical Oversight Committee(TOC)、マーケティングと予算を見るGoverning Board、そしてソフトウェアを売る側ではなく使う側を代表するEnd User Technical Advisory Boardです。

現在の責任者はJonathan Bryce氏で、2025年6月24日にExecutive Directorに就任しました。OpenStackプロジェクトの共同創設者であり、OpenInfra Foundationの代表も兼ねています。CTOは創設以来のChris Aniszczyk氏で、KubeConの基調講演を開ける人物です。2024年大会まで統括していたPriyanka Sharma氏はすでに退任しており、古い資料で同氏を現職として記載しているものは更新されていません。

2026年大会のプログラム共同議長は次の3名です。

氏名所属
Abby BangserSyntasso、Principal Engineer(2025年アトランタ大会も共同議長)
Lin SunSolo.io、Head of Open Source。Istioの長年のメンテナー
Abdel SghiouarGoogle Cloud、Senior Cloud Developer Advocate

共同議長はスポンサー特典ではなくコミュニティの役職です。2025年大会の共同議長3名のうち2名は、クラウドベンダーではなくエンドユーザー企業と通信事業者の所属でした。

日本市場については、Linux Foundationの日本担当VPである福安徳晃氏が窓口となっています。CNCFは2025年から日本でもKubeConを開催しており、KubeCon Japan 2026は7月29日〜30日にパシフィコ横浜で開かれました。CNCFのJonathan Bryce氏は同時期に発表された日本市場調査で、次のように述べています。

"In Japan, the focus is shifting from the novelty of AI models to the operational reality of production."

日本市場の関心は、AIモデルの目新しさから本番運用の現実へ移りつつある、という趣旨です。

どんな企業が参加・出展しているのか

2026年の最上位ティアには、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle、Red Hat、HAProxy Technologies、Nutanix、ScaleOps、Solo.ioが並びます。その下のPlatinumにはAkamai、Canonical、Chainguard、ClickHouse、Datadog、Docker、F5、IBM、Splunk(Cisco)、SUSE、VMware by Broadcomなど、Goldにはelastic、Dynatrace、Harness、HPE、Komodor、Kong、New Relic、Sysdig、Tailscale、Temporalなどが続きます。

このリストの形そのものが、フロアの性格を説明しています。ハイパースケーラー3社と既存の大手インフラベンダーが数社、あとはオブザーバビリティ、コスト最適化、サプライチェーンセキュリティ、開発者プラットフォームを扱うベンチャー資金のスタートアップが長い尾を引きます。CIOに売るエンタープライズソフトウェアの展示会ではなく、エンジニアに売るインフラベンダーの展示会です。

会場にいる人の職種構成は、2024年ソルトレイクシティ大会の実績が最も詳しい内訳を公開しています。

職種割合
DevOps / SRE / システム管理者26%(2,377人)
開発者19%(1,710人)
アーキテクト16%(1,477人)
営業・マーケティング12%
経営層8%
プロダクトマネージャー5%
その他14%

手を動かす技術職が61%を占め、営業・マーケティング・経営層が20%です。この2つの数字は両方とも意味があります。エンジニアのカンファレンスであることは事実ですが、商談相手が皆無というわけでもありません。2025年アトランタ大会では9,388人が2,189社から来ており、1社あたり平均4人強です。1社1名の視察ではなく、チーム単位で来る場所です。

出展の費用対効果を測る数字もあります。2025年大会のスポンサー268社が獲得したリードは合計90,571件、1ブースあたり平均288件でした。併催イベントのスポンサーは1社あたり平均118件です。

地域構成は正直に書いておく必要があります。2025年は北米84%、欧州7%、アジア5%です。アジア全体で9,400人の5%、つまり500人未満です。アジアのパートナーや顧客を探しているなら、この会場は間違いです。

日本企業の出展社数はゼロです

2026年の公式スポンサーリストを全ティア確認した結果、日本に本社を置く企業は1社もありませんでした。富士通、日立、NTT、ソニー、楽天、サイバーエージェント、Preferred Networks、NEC、メルカリ、LY Corporation、ソフトバンク、KDDI、ZOZO、サイボウズ、さくらインターネット、SCSK、DeNA、GMOのいずれも該当がありません。2025年アトランタ大会も、Diamond、Platinum、Goldに日本企業は不在です。

この数字は、他の事実と並べると際立ちます。日本にはクラウドネイティブ開発者が95万人おり(2026年第1四半期時点、CNCFとSlashDataの調査)、開発者人口に占める比率41%は世界平均の39%を上回ります。会場の同時字幕で最も使われている言語は日本語です。それでいて、旗艦大会である北米版にブースを出す日本企業が1社もありません。$12,000のスタートアップ枠は、競合のいない空白地帯です。

出展の意思がないわけではありません。同じ企業群は国内では活発です。KubeCon Japan 2025では、LY CorporationがPlatinumスポンサーとしてFlava、Athenz、Valdを展示し、CyberAgentはSilverスポンサーで共同議長も出しています。ZOZOと日立も協賛して参加報告を公開しました。日本のクラウドネイティブ企業はKubeConに出展しています。ただし東京でだけです。

個人単位では、日本人はCNCFのエコシステムに深く入っています。CNCF日本チャプター「Cloud Native Community Japan」は2023年11月7日に発足し、創設メンバーは中村雄一氏(日立)、青山真也氏(CyberAgent)、太田航平氏(Apple、2019年からCNCF Ambassador)、武藤修氏(NECソリューションイノベータ、Kubernetes SIG議長)です。須田瑛大氏(NTT、containerdとLimaのメンテナー)はKubeCon Japan 2025で基調講演に立っています。CNCFの日本ページには、NTTドコモビジネス、SUBARU、LY Corporation、サイボウズ、SmartNews、日立、Preferred Networksの事例が掲載されています。

会場では実際に何が起きるのか

4日間の中身は4種類に分かれます。

  1. 併催イベント(11月9日)。 2026年は11件が発表済みです。Agentics Day(MCP + Agents)、ArgoCon、BackstageCon、CiliumCon、Cloud Native AI + Inference Day、FluxCon、Kubernetes on Edge Day、Observability Day、Open Source SecurityCon、OpenTofu Day、Platform Engineering Day。2025年は18件で登録4,634件、2024年は16件で5,032件でした。
  2. 基調講演。 2025年大会はスポンサー枠を含めて25本でした。2026年の登壇者は未発表です。
  3. ブレイクアウトセッション。 2025年は409セッション中338本がブレイクアウトで、登壇者は644名。全セッションはYouTubeに48〜72時間以内で公開されます。
  4. 展示フロアとプロジェクトブース。 ベンダーブースに加え、CNCFプロジェクトのキオスクが2025年は83件、Project Lightning Talksが38本ありました。

併催イベントは、狭いテーマの製品を持つ小規模ベンダーにとって現実的な入口です。本会議より協賛費が安く、テーマが合えば聴衆の密度が高くなります。2025年アトランタ大会の実績を見ると、平均より最大値のほうが判断に使えます。

併催イベント平均セッション参加最大セッション参加CFP応募数
ArgoCon13952289
Platform Engineering Day118426157
Observability Day102381190
Open Source SecurityCon48249152
Cloud Native + Kubernetes AI Day163258174
Istio Day17121549
CiliumCon8112631

CFP応募数はコミュニティの関心を映す先行指標です。オブザーバビリティ、AI、プラットフォームエンジニアリングの3分野に応募が集中しています。

日本人参加者が繰り返し推すのは、ベンダーブースではなくプロジェクトブースです。3-shake、パナソニック コネクト、DMMの3社が独立に同じ場所を挙げています。3-shakeの横尾氏はSandboxプロジェクトのブースについて「それぞれのメンテナーが各ブースに待機」していると書いています。自社が本番で使っているOSSの作者に直接質問できる場所は、他のカンファレンスにはありません。

言語の壁については、想定より小さいという証拠が2つあります。1つは数字です。2025年アトランタ大会で参加者のスマートフォンに配信された会場内ライブ字幕の利用言語は、上位5つが日本語、英語、韓国語、スペイン語、中国語の順でした。合計368.17時間が使われています。日本語は英語を抑えて1位です。CNCFは2026年も基調講演とブレイクアウトへの字幕提供を告知しています。

もう1つは経験談です。KubeCon NA 2024が初参加だった東京ガスの杉山氏と迫田氏は、自分たちが「拙い英語」と呼ぶレベルでCiliumのコミッターに話しかけ、こう送り出されたと書いています。

「ガンバッテ!」

同社がCNCFにEnd User Supporterとして加入した動機も率直です。

「いつまでもオープンソースのフリーライドを続けていて良いのだろうか?」

コードで貢献するエンジニアリングリソースがないため、法人会員という形が最初のエコシステム支援になった、という説明でした。ガス会社の2人が、英語に不自由しながら、翌年のCilium評価という具体的な技術方針を持ち帰っています。

現地に日本人コミュニティもあります。CloudNative Community Japanが主催する日本人交流会は、2024年ソルトレイクシティ大会で12回目を数えました。11月14日19時から21時30分、ダウンタウンのRed Rock Brewingで開催、参加確定60名・キャンセル待ち5名、会費は当日払いの1万円です。日本からの登録者91名に対して60名が集まった計算になります。1人で参加する人を明示的に歓迎する告知でもありました。

DMMのエンジニア青島氏は、この交流会の価値をこう書いています。

「日本に帰ってからのコミュニティの輪を広げられて良かった」

現地で得るものだけがリターンではない、という指摘です。同氏は自分の専門外のセッションについても「実際にカンファレンス会場へ行くとなると、今までの興味のなかった情報も自然と目に入ってくる」と書いています。

参加・出展にいくらかかるのか

参加費は購入時期で変わり、2026年9月2日がStandard価格の締切です。以下はいずれも税抜で、別途8.45%の売上税がかかります。

All-Accessパス(11月9日の併催イベントと本会議3日間の両方)

区分法人個人学術
Early Bird(4月8日〜5月12日)$1,199(終了)$599(終了)$275(終了)
Standard(5月13日〜9月2日)$1,798$978$275
Late(9月3日〜11月12日)$2,278$1,278$275

KubeCon本会議のみのパス(基調講演、ブレイクアウト、展示フロア。併催イベントは含みません)

区分法人個人学術
Early Bird(4月8日〜5月12日)$999(終了)$399(終了)$200(終了)
Standard(5月13日〜9月2日)$1,499$679$200
Late(9月3日〜11月12日)$1,899$899$200

9月にずれ込むと、法人のAll-Accessで1人あたり$480の追加負担になります。法人・個人・学術の区分は、前2者については自己申告です。学術料金のみ有効期限付きの学生証か在職証明を求められます。払い戻しは2026年10月26日まで、6%の手数料を差し引いて可能です。

ホテルは、米国の主要カンファレンス都市としては安い部類に入ります。CNCFの公式ブロックは11月6日〜12日で、税抜料金にユタ州の宿泊税15.52〜17.52%が加算されます。

ホテル料金(1泊、税抜)予約締切
Hyatt Regency$265〜10月13日
Hilton Salt Lake City Center$259〜10月16日
Salt Lake Marriott Downtown$259〜10月16日
Kimpton Hotel Monaco$224〜10月16日
Element Salt Lake City$209〜10月16日
Hampton Inn Downtown$178〜10月16日
Courtyard by Marriott$169〜10月16日

1泊$169から$265という水準は、ラスベガスやサンフランシスコの同種イベント週の2分の1から3分の1です。会期中の宿泊費が予算を圧迫しない数少ない米国カンファレンスです。

出張1人あたりの概算を、上記の実勢価格から組み立てるとこうなります。法人Standard価格、5泊の想定です。

項目金額
All-Accessパス(法人)$1,798 + 税8.45% = $1,950
ホテル5泊($209、宿泊税約16.5%込み)約$1,217
TRAX空港往復$5
東京〜SLC往復航空券未確認

参加費と宿泊で約$3,170です。航空券だけは信頼できる相場を確認できませんでした。乗り継ぎ便のため、時期と経由地で幅が大きく、予約時点での実勢確認が必要です。片道運賃やオフピークの誘導価格を11月の往復として引用するのは危険なので、この記事では数字を出しません。

出展費用はCNCF会員と非会員で二重価格になっており、非会員はおよそ20%増しです。

ティアブースサイズCNCF会員非会員含まれるパス
Diamond30ft × 20ft、スペースのみ$235,000$282,00020枚
Platinum20ft × 20ft$144,000$172,80015枚
Gold15ft × 10ft$84,000$100,80012枚
Silver10ft × 8ft、ターンキー$29,500$35,4008枚
Start-up / End User / 非営利8ft × 6ft、ターンキー$12,000未掲載5枚

登壇枠を買えるのはDiamondだけです。5分の基調講演枠か30分のブレイクアウト枠のどちらか、加えて20分のデモシアター枠、メディア・アナリストパネルへの参加権、事前と事後のオプトイン参加者リストが付きます。Platinumはデモシアター枠と事後のリストのみ、Gold以下はセッションもリストもありません。

ここが日本の営業チームが最も誤解する点です。本編の技術セッションの枠は、いくら払っても買えません。 ブレイクアウトはCFP経由でボランティアのトラック議長が選び、スポンサー枠の基調講演はスケジュール上で「sponsored」と明示されます。

CNCF会員には、1年に複数のKubeConへ協賛する場合の割引があります。1件で3%、同時契約2件で5%、3件以上で8%です。CNCFは2026年にEurope、North America、Japan、India、Chinaの5大会を開催するため、2大会に出るなら会員費は回収できる計算になります。

2026年の出展契約の締切は8月14日です。 マーケティング協賛枠(ランヤード$40,000、Wi-Fi $20,000、個室ミーティングルーム$20,000など)も同日締切で、ブース位置は先着順で割り当てられます。

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日本企業にとって行く価値はあるか(率直な評価)

判断の分岐点は1つです。貴社が会いたい相手が、この会場にいるかどうかです。

行くべき企業。 Kubernetesを本番環境で相当規模に運用していて、依存しているOSSの挙動について作者と直接話したい企業。プラットフォームエンジニアリングやSREの組織を持ち、他社の運用の実装を聞きたい企業。そしてインフラ製品を持ち、北米の買い手に売りたい企業です。会場の61%は手を動かす技術職で、1社あたり4人強のチーム単位で来ています。日本人参加者が一貫して価値を認めているのは、ベンダーブースではなくCNCFプロジェクトのキオスクです。この体験は横浜でも録画でも代替できません。

行かなくてよい企業。 アジアの顧客やパートナーを探している企業は、この会場を選ぶ理由がありません。アジアからの参加者は全体の5%、500人未満です。Kubernetesの導入をこれから検討する段階の企業も、渡航する必要はありません。KubeCon Japanが7月に横浜であり、2025年の東京開催はチケット1,500枚が完売しています。日本語で日本の運用事例を集めるなら、そちらのほうが密度が高くなります。CIO層への提案を目的とする企業も期待外れになります。経営層は会場の8%です。

出展を検討すべき企業。 $12,000のスタートアップ枠は、tier-1の米国テックカンファレンスの中で最も安いブランド露出です。日本企業の出展が1社もない以上、「日本代表」のポジションは空いたままです。ただし条件があります。カテゴリが合っていなければブースは機能しません。 2025年に出展したTestkubeは、自社のテスト領域がプラットフォームエンジニアリング、セキュリティ、AIほどの存在感を持てなかったと自ら認めています。オブザーバビリティ、サプライチェーンセキュリティ、コスト最適化、開発者プラットフォーム、AI推論基盤のいずれかで語れる製品を持っているかどうかが、$12,000が投資になるか広告費で終わるかの分かれ目です。まず併催イベントのスポンサーから試すのが現実的な入口になります。

逆側の見方も置いておきます。 Cloud Native NowのAlan Shimel氏は、アトランタ大会の後に北米大会の停滞を指摘しました。参加者数は4年連続で横ばいか微減、初参加者が毎年半数を占めるのに総数が動かないのはコミュニティの定着ではなく離脱の兆候であり、Kubernetes上で動くエンタープライズアプリケーションは約15%で頭打ちだ、という論旨です。実際の登録者数の推移は、この指摘を裏づけます。

開催都市登録者数
2019サンディエゴ11,981+
2022デトロイト16,986
2023シカゴ13,666
2024ソルトレイクシティ9,195
2025アトランタ9,388

デトロイト2022から現地参加者はほぼ半減し、その後横ばいです。2025年は2021年以来はじめての前年比増でしたが、伸び率は2.1%でした。主催者が掲げる2026年の「10,000人以上」は、アトランタから6.5%の増加を必要とします。マーケティング上の目標値であって予測値ではないと読むべき数字です。

同時に、成熟を欠点と見るかどうかは目的次第です。2024年大会に参加した日本人エンジニア6名の座談会は、同じ変化を評価として書いています。祭りのような熱狂が落ち着き、内容が実質的になった、という読み方です。TechArenaのRachel Horton氏も、アトランタ大会をこう総括しています。

"Cloud native isn't fading; it's moving up the stack. The center of gravity appears to be shifting from cluster primitives to internal developer platforms."

クラウドネイティブは衰退しているのではなく、重心がクラスタの基本機能から社内開発者プラットフォームへ上がっている、という指摘です。基盤技術に投資し終えて運用フェーズに入った日本企業にとっては、むしろ今のほうが得るものが多いという読み方もできます。

日本からの参加者数についても、1つ言えることがあります。2024年ソルトレイクシティ大会には日本から91名、2025年アトランタ大会には64名が参加しました。全体が2%成長する中で、日本からの参加は3割減っています。西海岸乗り継ぎが1回で済むソルトレイクシティのほうが、日本からは行きやすいという実績です。2026年は同じ都市、同じ会場に戻ります。

判断に必要な数字のうち、貴社の人数と為替を前提にした出張総額の試算と、出展か参加かの見極めについては、下記からご相談いただけます。

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FAQ

KubeCon North America 2026の参加費はいくらですか?
法人向けAll-Accessパスが$1,798、本会議のみのパスが$1,499です(2026年9月2日までのStandard価格、別途8.45%の売上税)。9月3日以降はそれぞれ$2,278、$1,899に上がります。個人料金は$978と$679、学術料金は$275と$200です。
KubeCon Japan(横浜)とはどう違いますか?
規模と参加者の顔ぶれが違います。KubeCon Japan 2025はチケット1,500枚で完売した国内イベントで、スポンサーもLY CorporationやCyberAgentなど国内企業が中心です。North America版は参加登録9,388人、参加者の84%が北米在住で、CNCFプロジェクトのメンテナーと北米の買い手がいます。
英語ができなくても参加できますか?
できます。2025年アトランタ大会で会場内の同時字幕サービスに最も使われた言語は日本語でした(全体の利用時間は368.17時間)。2026年も基調講演とブレイクアウトへの字幕提供が告知されています。日本人参加者による交流会も毎回開かれています。
日本からソルトレイクシティへの直行便はありますか?
ありません。サンフランシスコ、バンクーバー、シアトル、ロサンゼルスのいずれかで1回乗り継ぎます。最短はサンフランシスコ経由の12時間46分です。空港から会場までは8.2マイル、TRAX(ライトレール)で約20分・$2.50です。
日本企業も出展していますか?
していません。2026年の公式スポンサーリストを全ティア確認しましたが、日本に本社を置く企業は1社も含まれていません。2025年アトランタ大会も同様です。国内のKubeCon Japanには複数の日本企業がスポンサードしているため、意思がないのではなく北米版に向かっていないだけです。
ブース出展はいくらからできますか?
CNCF会員のスタートアップ枠が$12,000で、8フィート×6フィートのターンキーブースとパス5枚が付きます。上位はSilverが$29,500、Goldが$84,000、Diamondが$235,000です。2026年の出展契約の締切は8月14日です。
KubeCon + CloudNativeCon North America 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか