AutoSens & InCabin USA · デトロイト

AutoSens & InCabin USA 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断

最終更新:2026年8月23日

AutoSens & InCabin USAは、ADAS(先進運転支援システム)と自動運転の「車が外界と車内をどう見るか」だけを扱う技術カンファレンスです。2027年は5月18日(火)〜20日(木)、デトロイトのHuntington Placeで開催されます。 結論から書きます。行く価値があるのは、車載イメージセンサー、光学部品・材料、車載SerDes、DMS/OMS、計測・検証ツールを売っている日本企業です。 理由は規模ではありません。2026年の公式フロアプランで数えたスタンドは48しかなく、来場者も数百人規模の小さな会場です。それでもこの会場を勧めるのは、そこに並んでいるのがStellantis、Ford、General Motors、Magna、Aptivの購買担当ではなく設計現場のエンジニアだからです。主催者はOEMとTier 1のエンジニアの参加費を無料にしており、有料で入るのは彼らに会いたいサプライヤー側です。完成車やアフターマーケット用品を売りたい企業、リード件数を目的にする企業には向きません。

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5月18日〜20日

2027年会期

$899

一般パス

48

2026年の出展スタンド

10.7%

来場者名簿の日本企業比率

AutoSens & InCabin USAとは何のカンファレンスか

車の「目」と「脳」だけを扱う専門技術会議です。 カメラ、LiDAR、ミリ波レーダー、イメージセンサー、そのデータを運ぶ車載通信、処理するエッジAI、そして検証・シミュレーションまで。総合的な自動車部品展ではありません。

AutoSens(車外センシング)とInCabin(車内センシング)は、Huntington Placeの同じホールを左右に分けて同時開催されます。パスは1枚で両方に入れます。 InCabin側が扱うのはドライバーモニタリング(DMS)、乗員モニタリング(OMS)、HMI、車内音響、照明、コックピット設計です。

2026年6月の実際のトラック名を挙げると、この会場の解像度が分かります。

  • Perception Robustness Under Real-World Conditions(悪条件下での認識のロバスト性)
  • The Minimalist Vehicle - Lowering Latency, Compute, and Cost(レイテンシ・演算量・コストの削減)
  • Assuring AI: Validation, Simulation, and the Path to Safe Autonomy
  • Architectures & Edge-Compute for Safety-Critical Vehicle Intelligence
  • Edge-Case Validation & Assurance at Scale
  • Global Innovation Showcase

議題の粒度が「ADASの未来」ではなく「FMVSS 127の検証にどう物理ベースのセンサーモデルを使うか」の水準にあります。 実際、2026年にはdSPACEとOMNIVISIONの技術者が連名でその題名の発表をしています。

いつ・どこで開催されるのか

2027年5月18日(火)〜20日(木)の3日間、Huntington Place(1 Washington Blvd, Detroit, MI 48226)です。会場に隣接するHuntington Place Parking Garageが使えます。

2026年に参加した方に、まず一つ訂正があります。 2026年6月のデトロイト大会は、同じ週にデトロイトで開かれていたITS America Conference & Expoと隣り合わせで、AutoSensの最終プログラムはITS AmericaのHall Bでのレセプションでした。2027年はこれがありません。 ITS America 2027は4月12日〜15日、ソルトレイクシティです。5週間早く、2,900km離れています。「ついでにITS Americaも歩く」前提の計画は組み直してください。

渡航条件は、米国の展示会としてはかなり良い部類です

項目内容
直行便デルタ航空が羽田(HND)〜デトロイト(DTW)を直行運航。往路の所要はおよそ11時間56分〜12時間18分
空港DTWはデルタのハブ空港。ピーク日で106都市へ348便
空港から会場約32km(20マイル)、車で20〜35分、ライドシェアで$35〜$45
入国ESTAで渡航できます。2026年1月1日時点で40.27ドル、有効期間2年

ESTAの金額は注意してください。2025年9月30日に$21から$40へ引き上げられ、2026年1月1日の物価調整で$40.27になりました。$21と書いてある日本語の解説記事はすべて古い情報です。

デトロイト空港McNamaraターミナルのスポットに並ぶデルタ航空の旅客機と、中央にそびえる管制塔。曇り空
デトロイト空港(DTW)のMcNamaraターミナルに並ぶデルタ航空機です。DTWは同社のハブで、羽田からの直行便も同社が運航しています。撮影は2015年8月です。写真:Dllu(CC BY-SA 4.0)
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誰が主催しているのか

英国のSense Media Group Ltdです。 業界団体でもReedやInformaのような大手興行会社でもなく、センシングと信号処理の分野に特化した独立系のB2Bイベント会社です。スタッフの連絡先はすべて sense-media.com ドメインで公開されています。

AutoSensブランドで年3大会を回しています。

大会会期会場
AutoSens & InCabin Europe2026年9月22日〜24日La Farga de L'Hospitalet(バルセロナ)
AutoSens & InCabin China2026年11月25日〜26日(初開催)合肥
AutoSens & InCabin USA2027年5月18日〜20日Huntington Place(デトロイト)

かつては5月デトロイト、9月ブリュッセル、11月香港という3都市体制でした。東陽テクニカが2019年に出した受賞リリースにその記述が残っています。欧州はバルセロナへ、アジアは合肥へ移りました。

主催者の姿勢で、出展を検討する側が知っておく価値のある点が2つあります。

1つ目は、講演枠が金で買えないと明記されていることです。 公式サイトの記載をそのまま引きます。

We do not offer priority selection or pay-for-play presentation slots to our partners, all abstract submissions are considered equally in order to achieve the highest quality agenda.

抄録はOEMから半導体まで各社の専門家で構成する諮問委員会(Advisory Board)が査読します。スポンサー料でアジェンダに載る道はありません。 代わりに、ラウンドテーブルやドライビングデモという有料の別枠が用意されています。

2つ目は、収益構造がそのまま来場者の質を決めていることです。 OEMとTier 1のエンジニアは参加費が無料で、有料で入るのはサプライヤー側です。つまり主催者は、サプライヤーからお金を取って、買い手側のエンジニアを無料で集めています。貴社が$899を払うとき、買っているのは会場への入場権ではなく、無料で招かれた設計者に会う権利です。

会場には実際に誰がいるのか

主催者が公開している来場者名簿を、当社で1行ずつ数えました。634行、243社です。 上位を挙げます。

組織名簿上の行数
Stellantis27
Ford Motor Company25
General Motors24
Magna International21
Aptiv20
Analog Devices19
Texas Instruments13
Valeo10
ZF Group9
Gentex9

肩書きの並びが、この会場の性格を決定的に示しています。Principal Engineer、Systems Engineer、Radar Specialist、Sr Staff Sensor Architect、Distinguished Engineer、Research Faculty、FAE。営業職の肩書きは少数派で、しかもそのほとんどはサプライヤー側です。

米国の大型展示会の多くでは、買い手が送り込むのは購買部門で、エンジニアは日本に残っています。ここは逆です。Stellantis、Ford、GM、Magna、Aptivの開発組織そのものが会場にいます。

名簿の性質だけ正確に書いておきます。これは任意掲載で、どの回のものかがページに明記されていません。 実数の下限として読んでください。

規模の数字は、尺度が混ざっているので分けて書きます

この点だけは慎重に扱う必要があります。7つの数字が流通していて、それぞれ数えているものが違います。

数字何を数えたものか
「700人超のエキスパート・エンジニア」AutoSens側の営業文言。開催回も年も明記なし
「600人超」InCabin側の同じ文言。同じホールなので700と足せません
「70スタンド超」「50スタンド超」同じ営業文言。後述のとおり公式フロアプランと合いません
634行・243社主催者が公開している来場者名簿の実数(当社集計)
「500人超」2026年6月に出展した米Ainsteinが自社ブログに書いた数字
「757人」来場者データを売るVendeluxの推計値
「23,000人超」来場者ではなくメールマガジンの購読者数です。公式サイトにそう書いてあります

当社の判断は、2026年6月のデトロイト大会は600〜800人規模だった、です。 監査済みの公表値は存在せず、主催者は米国大会の事後レポートを出していません。

スタンド数のほうは、フロアプランを数えれば確定します。2026年の公式フロアプランで、AutoSens側は34、InCabin側は22、うち8つは同じ番号が両方の図に載っている共有スタンドです。実数は48スタンド、これにデモカー5台(Magna、ソニー、IEE Sensing、Neonode、BROSE)が加わります。 「70スタンド超」は、この会場の数字ではありません。ブランド全体の文言か、より規模の大きい欧州大会の数字だと読むのが自然です。

日本企業はすでにここにいます

います。社名もブース番号も確認できました。

デクセリアルズは4回連続で出展しています

栃木県下野市に本社を置く材料メーカー、デクセリアルズ株式会社(代表取締役社長 新家由久氏)は、2026年6月の大会にブース327で出展しました。同社のニュースリリースから、展示内容をそのまま引きます。

出展予定製品 自動車センシングの性能向上を目的とした反射防止フィルム(ARF)、異方性導電膜(ACF)、無機光学素子、開発品の防曇フィルムモスアイタイプ、黒インクなど

出展歴はAutoSens USA 2024年(5月21日〜23日)、2025年(6月10日〜12日)、2026年(6月9日〜11日)に加えて、AutoSens Europe 2025、InCabin.Sensing USA 2025(12月8日〜9日、ディアボーンのThe Henry)。米国だけで4回連続です。 同社はデトロイトにオフィスも構えています。

2026年の合同記者会見では、防曇のモスアイ構造と新開発の低反射黒インクを組み合わせ、フロントガラスに前方カメラを実装した実物デモを披露しました。

同社が2025年の出展レポートに書いた一節が、この会場での戦い方をそのまま説明しています。

Our booth featured not only component-level demos but also mock-ups simulating actual sensor modules. By enabling a side-by-side comparison of sensitivity levels with and without Dexerials products, we created an experience that allowed visitors to perceive the value of optical control in real time.

部品単体ではなく、センサーモジュールを模したモックアップを持ち込み、自社製品を入れた場合と入れない場合で感度がどう変わるかを、その場で見比べさせています。 カタログを配る展示ではありません。

ソニーはデモカーを持ち込み、量産日程を発表しました

ソニーはInCabin側のデモカー枠2番でINOVデモ車両を展示しました。同じ会場の記者会見で発表したのが、これです。

The key announcement was the planned production launch of Sony's IMX775 automotive image sensor, scheduled for the second quarter of 2027.

車載イメージセンサーIMX775の量産開始を2027年第2四半期に予定しているという発表です。あわせてRGB、RGB-IR、間接ToFのセンシング、および2Dセンサーでも3Dセンサーでも動くセンサー非依存のOMSソフトウェア基盤を見せています。

さらにソニーは、他社の発表の中にも登場します。Valensが実施したMIPI A-PHY規格に基づく業界初の4社相互接続デモで使われたイメージセンサーが、ソニーのIMX828でした。

三菱電機の北米法人MEAA(Mitsubishi Electric Automotive America)もInCabin側のパートナーとして名を連ねています。

来場者名簿の10.7%が日本企業です

634行のうち68行が日本企業、またはその北米・欧州法人でした。

企業行数
デンソー(DENSO International America、Denso Ten Americaを含む)11
ソニー(Sony Semiconductor Solutions、Sony Electronicsを含む)10
デクセリアルズ8
アイシン(Aisin World Corp. of America)8
三菱電機(Mitsubishi Electric Automotive Europe)5
アルプスアルパイン5
マレリ4
パナソニック(Panasonic Automotive Systems Americaを含む)4
日産(Nissan Motor Co.、Nissan North America)3
TDK、ルネサス エレクトロニクス、日立Astemo各2
Woven by Toyota、豊田紡織、東海電子、Honda Xcelerator Ventures各1

マレリは日伊の合弁(旧カルソニックカンセイと旧マニエッティ・マレリ、本社さいたま市)なので、除いて数えると64行です。いずれにせよ、この会場の1割は日本企業の技術者です。

読み方を書きます。デンソー、アイシン、アルプスアルパイン、日立Astemo、パナソニックは、買い手として来ています。デクセリアルズとソニーは売り手として来ています。貴社が部品や材料を売る側なら、この会場で会えるのは米国OEMだけではなく、日系Tier 1の技術者も含まれるということです。

日本パビリオンはありません

ジェトロのパビリオンも、都道府県の共同出展も、日本語の公式ページも、日本の代理店窓口も存在しません。48スタンドの技術会議なので当然ではありますが、CESのような公的な足がかりを前提にした計画は立ちません。

隣接する日本のルートが一つだけあります。東陽テクニカは、国内独占販売権を持つUniqueSec社のレーダーターゲットシミュレータASGARD1で2019年にAutoSens Awardを受賞しています。同社のリリースによれば、審査は「フォード・モーター社やゼネラル・モーターズ社、NVIDIAといった世界中のOEM、Tier1、Tier2、学界等から選出されたメンバー」が行います。出展ではなく、アワードで名前を通すという使い方です。

会場では実際に何が起きるのか

3日間の構成は、2026年の公式アジェンダから読み取れます。

初日(火)午後はLearn Passホルダー限定のチュートリアルから始まります。2026年の題材は「ODD認識にセンサーをどう使うか」「なぜ画素数を増やしても認識が良くならないのか」といった内容でした。その後に展示会場が開き、アトリウムでスポンサー主催のラウンドテーブルが並行して走り、ウェルカムドリンクで終わります。

2日目・3日目が本番で、Exhibition Stageを含めて4会場前後が並行します。各セッションブロックにはトラックチェアが立ちます。座長が議論を運ぶ学会に近い形式で、企業プレゼンの連続ではありません。

2026年の登壇者を挙げます。Simon Verghese氏(Waymo、Director of Sensors)、Robin Jenkin氏(NVIDIA、Distinguished Engineer and Lead Imaging Scientist)、Emily Robb氏(Stellantis、Sr Fellow AI/AD Sensing)、Arpan Kusari博士(ミシガン大学)、Alex Polonsky氏(BROSE、AI Lead Americas)、Rudy Burger氏(Woodside Capital、投資銀行の視点)。「Validating AI at Scale」のOEMパネルには、Torc、Ford、MHP、Stellantis、GMが同時に座りました。

ここで一つ、当社のデータの注意書きを共有します。 2026年8月23日時点で、公式サイトのアジェンダページと講演者ページはまだ2026年6月の内容のままです(セッションのURLが asusa26 で始まります)。上に挙げた12名は、当社データベースにも「この大会の登壇者」として入っていますが、実際には前回の登壇者です。2027年の登壇者はまだ決まっていません。 講演公募が締め切られるのが2026年12月12日なので、アジェンダが固まるのは2027年第1四半期です。

もう一つ、初出展を検討する企業に効く仕掛けがあります。主催者は会場で出展社の技術者インタビューを撮影し、登録者7万7,700人のYouTubeチャンネルで公開します。 デクセリアルズの中根基之氏のインタビューも2025年大会で撮影されています。48スタンドの展示会としては、1社あたりが得られる露出は大きい部類です。

参加・出展にいくらかかるのか

参加する場合

2027年分の価格は公式サイトに掲載済みです。この点はアジェンダと違って更新されています。

パス価格条件
Event Pass$899全セッション、ネットワーキング、展示、デモ。InCabinにも入場可
OEM/Tier 1 Pass無料資格のあるOEM・Tier 1のエンジニア
Academic$499教育機関ドメイン(.edu、.ac)のメールで自動適用
Women in Engineering50%引き決済時にコード WIEUSA。エンジニア職の女性のみ
AutoSens Academy会員50%引き登録メールアドレスで自動適用
団体申込最大25%引き人数の区切りは非公表

無料のOEM/Tier 1パスの資格条件は、ページ上のポップアップの中にあり、当社では取得できませんでした。 公表されているのは「資格のあるOEM・Tier 1のエンジニア」という文言だけです。デンソーやアイシンの米国法人から行かれる場合は、まずこの枠に当たるかを主催者に確認してください。当たれば参加費はゼロです。

視察目的なら、費用の実体は渡航費と宿泊費です。$899は総額の中では小さい項目になります。

出展する場合

ブース料金は、どこにも公表されていません。 出展ページもスポンサーページもフロアプランページも、すべて「Request a call back」に誘導されます。当社データベースの eventBoothPackages が空なのはデータの欠落ではなく、公表されていないという事実の反映です。

実務上の意味は単純です。金額を知る方法は、主催者に電話またはメールで問い合わせる以外にありません。 ラウンドテーブルやドライビングデモといった展示以外の枠については、公式サイトが担当者名を公開しています(AutoSens担当 Kayleigh Pearson氏、kayleigh@sense-media.com)。

48スタンドしかない会場である以上、区画の絶対数が少ないことも計算に入れてください。早い段階での問い合わせが、そのまま位置取りになります。

費用を試算する

登壇という、費用のかからない選択肢

出展より先に検討する価値があるのが、講演公募です。

項目内容
2027年分の締切2026年12月12日
登壇料無料
参加パス別途必要。OEM・Tier 1の社員は主催者が全額負担、それ以外は30%割引
抄録の最低文字数500ワード
対象範囲乗用車(L2〜L5)の外界センシング技術。範囲外の提案は検討されません
選考されないもの「Sales and/or marketing pitches will not be considered」と明記

車内センシングの提案はInCabin側の別ページに出します。

この条件は日本企業に有利に働きます。 内容が技術的であるほど採択されやすく、営業資料は落とされます。評価されるのは英語のプレゼン技術ではなく、実際に測ったデータです。評価結果、失敗例、規格適合の実測値を持っているなら、$899を払って歩き回るより、抄録を1本書くほうが投資対効果は高くなります。

日本企業にとって行く価値はあるか

判断は1つの質問で決まります。貴社の製品を評価するのは、相手企業の購買部門ですか、それとも設計エンジニアですか。

出展すべき企業。 車載イメージセンサー、レンズ・光学部品、光学フィルムや接合材料、車載SerDes・通信IC、DMS/OMSのセンサーとソフトウェア、そして計測・検証・シミュレーションのツールを持つ企業です。この会場では、買い手の技術者が自分で見て、自分で判断します。 デクセリアルズが4回続けて出ているのは、その構造が成立している証拠だと読むのが自然です。栃木の材料メーカーがデトロイトにオフィスを構え、フロントガラスの実物デモを持ち込み、StellantisやFordの認識エンジニアに直接見せています。これは商社経由の紹介では代替できません。

行くべきだが、まず登壇から入るべき企業。 米国に足場がまだない部品・材料メーカーです。理由は費用ではなく順序です。ブース料金が非公表で、規模も小さく、初回の投資判断に必要な情報が外から取れません。2026年12月12日締切の講演公募に抄録を出し、採択されたら30%引きのパスで行き、会場を見てから2028年の出展を決める、という順序です。 これが情報の少なさに対する最も現実的な対処になります。

視察から入るべき企業。 日系Tier 1の米国法人です。デンソー、アイシン、アルプスアルパイン、日立Astemo、パナソニックはすでに来ています。無料のOEM/Tier 1パスの資格に当たるなら、費用は渡航費だけです。 米国の競合が何を見せ、どの規格に賭けているかを、費用ゼロの入場料で見られる機会は多くありません。

勧めない企業。 リード獲得の件数を目的にする企業です。48スタンド、来場者600〜800人という規模は、量を取りに行く場所ではありません。 名刺の枚数で成果を測る計画なら、この会場は必ず期待を下回ります。

そもそも対象外の企業。 完成車、アフターマーケット用品、内外装のドレスアップパーツを売る企業です。これは車の認識系だけを扱う技術会議で、用品の商談の場ではありません。アフターマーケットならSEMA Show、駆動系の部品や加工ならMotion + Power Technology Expo、電池材料ならThe Battery Show North Americaが目的に合います。

判断に迷う類型が一つあります。 日本のOEMだけを顧客に持ち、その取引が日本国内で完結している部品メーカーです。この場合、渡航する理由はありません。 トヨタやホンダに売る話は日本でできます。この会場に価値が出るのは、Stellantis、Ford、GM、Magna、Aptiv、そして米国のスタートアップという新しい顧客に自分の勘定で入っていく場合だけです。デクセリアルズがデトロイトにいるのは日系OEMを追いかけているからではありません。

川側から見たHuntington Placeの曲面ガラスのアトリウム。奥にGeneral Motors本社Renaissance Centerの円筒形の高層ビル群、右手にDetroit People Moverの高架と車のいない道路
会場Huntington Placeのガラス張りのアトリウムです。奥に立つのはGeneral Motors本社のRenaissance Center、右手はDetroit People Moverの高架です。撮影は2018年10月、当時の会場名はCobo Centerでした(会期外)。写真:Fredlyfish4(CC BY-SA 4.0)

判断の前提として、3つの空白を共有します

1つ目は、監査済みの来場者数が存在しないことです。 主催者は米国大会の事後レポートを出していません。本記事の「600〜800人」は、出展社の記録(500人超)、データベンダーの推計(757人)、公開名簿の実数(634行)から当社が置いた推定値です。主催者の「700人超」「70スタンド超」という文言は、開催回も年も明記されておらず、後者は同じ主催者のフロアプラン(48スタンド)と矛盾しています。

2つ目は、出展費用が一切公表されていないことです。 本記事はブース料金を書けません。書いている日本語の記事があれば、出典を確認してください。

3つ目は、日本語の来場レポートが1本も存在しないことです。 「AutoSens 参加レポート」で日本語検索して出てくるのは、デクセリアルズ自身の出展レポート、東陽テクニカの2019年の受賞リリース、そして欧州大会についての旅行会社の記事だけです。出展社ではない立場で書かれた日本語の記録は見つかりませんでした。貴社が費用対効果を日本語で調べて何も出てこないのは、調べ方の問題ではありません。

貴社の製品と北米での立ち位置を踏まえた登壇・視察・出展の判断は、下記からご相談ください。

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よくある質問

AutoSens & InCabin USA 2027はいつ・どこで開催されますか?
2027年5月18日(火)〜20日(木)、米ミシガン州デトロイトのHuntington Placeです。姉妹イベントInCabin USAと同じホールで同時開催され、パス1枚で両方に入場できます。主催は英国のSense Media Groupです。
参加費はいくらですか?
一般のEvent Passが$899です。OEMとTier 1のエンジニアは無料、学術関係者は教育機関ドメインのメールで$499、女性エンジニアはコードWIEUSAで50%引き、団体申込は最大25%引きです。2027年分の価格として公式サイトに掲載されています。
どのくらいの規模ですか?
小規模です。2026年6月の公式フロアプランで数えたスタンドは、AutoSens側34、InCabin側22、うち8つは共有番号なので実数48です。来場者は数百人規模で、監査済みの公表値は存在しません。出展社の記録では500人超、データベンダーの推計では757人です。
日本企業は出展していますか?
しています。デクセリアルズが2026年にブース327で出展し、2024年から4回連続です。ソニーはInCabin側のデモカー枠で車両を展示し、記者会見でIMX775の2027年第2四半期量産開始を発表しました。三菱電機の北米法人MEAAもInCabin側のパートナーです。
ジャパンパビリオンやジェトロの支援はありますか?
ありません。都道府県の共同出展枠も、日本語サイトも、日本の代理店窓口もありません。48スタンドの技術会議なので当然ではありますが、公的な足がかりを前提にした出展計画は立ちません。英語で、単独で、電話交渉した商業レートで出ることになります。
出展費用の補助金は使えますか?
公的なパビリオンがない以上、残るのは個社で取る助成です。都内中小企業向けの東京都中小企業振興公社・展示会出展助成事業は海外展示会も対象で、助成限度額150万円、助成率は対象経費の3分の2以内です。ただし対象要件に「申請時点で販売を開始している自社商品又は自社取扱商品を展示すること」があり、量産前の技術デモだけを持ち込む出展は要件を満たしません。技術会議という性格上、ここが最初の関門になります。
登壇はできますか?費用はかかりますか?
できます。2027年分の講演公募は2026年12月12日締切、登壇料は無料です。OEMとTier 1の社員は参加パスも全額主催者負担、それ以外は30%割引です。ただし対象は乗用車の外界センシングに限られ、営業色のある提案は選考されないと明記されています。
日本からデトロイトへの直行便はありますか?
あります。デルタ航空が羽田(HND)とデトロイト(DTW)を直行で結んでおり、往路の所要はおよそ11時間56分〜12時間18分です。DTWはデルタのハブで、ダウンタウンまで約32km、車で20〜35分です。

渡航するかどうか、まだ迷われていますか?

派遣される人数とご予算をお知らせください。実際にかかる費用、現地での行程、そして社内稟議に使える資料をまとめてお返しします。

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