Devnexus · アトランタ
Devnexus 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断
最終更新:2026年8月6日
Devnexus 2027は、2027年4月5日〜7日にアトランタのGeorgia World Congress Centerで開かれる、米国最大かつ最古のJavaコミュニティカンファレンスです。先に結論を言います。ほとんどの日本企業にとって、視察目的でこの会議に人を送る優先度は低いです。セッションはYouTubeで無料公開され、規模は1,200〜2,400人と年により変動し、日本語の参加レポートは1本も存在しません。それでも行く価値があるのは、米国のJava開発者に売る製品を持つ企業、米国拠点でエンジニアを採用する企業、そして登壇で技術ブランドを作る企業の3類型だけです。この記事では、参加費$425〜675(2026年実績)という価格の意味、主催者がイベント会社ではなくユーザーグループであることの意味、そして「日本企業の出展実績ゼロ」という事実まで、出典付きで並べます。
約1,200〜1,300人
参加者(2025年推計)
$425〜675
2日パス(2026年実績)
100本超・10トラック
セッション数
0本
日本語の参加レポート

Devnexusとは何のカンファレンスか
Devnexusは、アトランタのJavaユーザーグループ(Atlanta Java Users Group、AJUG)が2004年から運営する、米国最大・最長寿のJavaエコシステムカンファレンスです。企業の展示会でも、ベンダーの自社イベントでもありません。GitGuardianの参加レポートは「the oldest and largest Java community conference on Earth」(地球上で最古かつ最大のJavaコミュニティカンファレンス)と表現しています。2004年にDevConという名前で始まり、2010年からDevnexusとなりました。2025年が第21回で、2027年は第23回にあたります。
規模の数字は、出どころによって幅があります。ここを曖昧にしている日本語情報は他にないので、はっきり書きます。
| 出どころ | 数字 |
|---|---|
| 公式サイト(2027年版) | 「1,500人超の開発者が集まる」 |
| 2026年の登録ページ | 「毎年2,000人超が集まる」 |
| GitGuardian(2025年参加) | 参加者1,200人超、登壇者135人 |
| Eudris Cabrera氏(2025年参加、5年連続) | 廊下で聞いた推計で約1,300人。前年(2024年)は2,400人超 |
つまり実勢は1,200〜2,400人で、2025年は明確に減った年でした。5年連続で参加しているドミニカ共和国のJUGリーダーEudris Cabrera氏は、減少の一因として同月に復活したJavaOneの存在を挙げつつ(本人も推測と断っています)、内容の水準は例年どおりだったと書いています。年5万人が来るre:Inventのような「巨大イベント」ではなく、米国のJava実務者が濃く集まる中規模の技術カンファレンス、というのが正確な位置づけです。
もう1つ、参加判断の前提になる事実があります。過去セッションの録画はYouTubeで無料公開されています。公式サイトのフッターから全編たどれます。「最新情報を知るため」だけなら、飛行機に乗る理由はありません。
2027年はいつ・どこで開催されるのか
2027年4月5日(月)〜7日(水)、アトランタ中心部のGeorgia World Congress Center(GWCC)で開催されます。例年は2月〜3月開催でしたが(2026年は3月4日〜6日)、2027年は4月に移りました。2026年の構成は、初日がワークショップ専用日、残り2日が本編という形で、2027年も10トラック・100本超のセッションが予告されています。
2027年について公式に発表されているのは、日程、会場、トラック構成、テーマ(「Helping Developers Navigate the New Age of AI」)までです。参加登録は2026年8月6日時点でまだ開いていません。料金、基調講演、講演公募(CFP)の日程もこれからです。
日本からの移動は、直行便が1本だけあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | デルタ航空DL294便、羽田(HND)発アトランタ(ATL)行き、1日1便。直行はこの1本のみで、ANA・JALの直行便はありません |
| 所要時間 | 往路約12時間30分〜14時間、復路約14時間〜14時間35分 |
| 空港から市内 | ATL空港の国内線ターミナルに地下鉄MARTAの駅が直結。ダウンタウンまで約16km、会場最寄りのSEC District駅(旧Dome/GWCC駅)まで乗り換えなしで行けます |
| 4月上旬の気候 | 日中20〜23°C前後、朝晩11°C前後。降水量は月約97mm |
| 入国 | ESTAが必要です |

誰が主催しているのか
主催はAtlanta Java Users Group(AJUG)、ボランティア運営のJavaユーザーグループです。ここがこのイベントの性格をすべて決めています。営利イベント会社が主催する展示会ではなく、開発者コミュニティが自分たちのために続けてきた会議です。公式サイトに名前が出ているオーガナイザーは7人(Vincent Mayers、Pratik Patel、Burk Hufnagel、Glenn Renfro、Laura Moore、Ari Waller、Najae Stevenson)で、たとえばGlenn Renfro氏はSpringチームの現役エンジニアです。カンファレンスのWebサイト自体もオープンソースで公開されています。
この運営形態は、数字にも表れています。2日パスが$425〜675という価格は、営利カンファレンスでは成立しません。同じ米国で開かれるRSA ConferenceのAll Accessパスは$2,195〜2,995(2026年実績)、AWS re:Inventは$2,099です。Devnexusは価格で4分の1以下です。収益はチケットとスポンサーシップで、スポンサー料金は公開されておらず問い合わせフォーム経由の個別交渉です。
もう1つの特徴は、Devnexusが世界のJavaコミュニティの「年次総会」を兼ねていることです。2025年には、世界のJavaユーザーグループのリーダーが集まるJUG Leaders Summit(第6回)と、Oracleが認定する著名コントリビューターの会合であるJava Champions Summit(第2回)が併催されました。会場にはコミュニティのボランティアが技術相談に乗るMentoring Hubもあります。米国のJavaコミュニティの中心人物と関係を作る場としては、これ以上効率のいい場所はありません。
どんな企業・人が参加しているのか
参加者は米国の企業内Java開発者・アーキテクトが中心で、地元アトランタ近郊の比率が高いです。5年連続参加のEudris Cabrera氏は「参加者の大半は毎年地元(アトランタ)です」と明言しています。アトランタはHome Depot、Delta、UPS、Coca-Colaなど大企業のIT部門が集積する都市で、Devnexusのスポンサー枠にCapital One、JP Morgan、ADP、Walmartといった「Javaの大口ユーザー企業」が並ぶのは、彼らにとってこれが採用イベントでもあるからです。
公式サイトに掲載されているスポンサー・協力企業のロゴは次のとおりです(年次の表記がないため、直近実績を含むリストとして読んでください):ADP、Apple、Atlassian、AWS、Azul、Capital One、Confluent、Datadog、IBM、JetBrains、JP Morgan、Microsoft、Neo4j、Oracle、Red Hat、Redis、Salesforce、Snyk、VMware、Walmart。JDKベンダー、開発ツール、データ基盤、クラウド、そして事業会社という構成です。2025年のブース出展で目立ったのはAI系(fika.ai、Moderne、Neo4j、MongoDB)だったとEudris氏は記録しています。
登壇者は、Javaエコシステムの中心人物が毎年並びます。2026年はSpring Framework生みの親のRod Johnson氏が基調講演を行い、Spring Bootのリード開発者Phil Webb氏、著名スピーカーのVenkat Subramaniam氏、Josh Long氏、AzulのSimon Ritter氏らが登壇しました。2025年の登壇者は135人です。
そして日本企業です。日本企業の出展・スポンサー・登壇の記録は、2025年・2026年のいずれにも確認できませんでした。それどころか、日本語の参加レポートがどの年についても1本も存在しません。確認できた唯一の痕跡は、Java Championの坂田浩一氏(ブログ「Fight the Future」)が2019年に参加し、Micronautのセッションについて技術メモを書いていることだけです。対照的に、Oracle主催のJavaOneには三菱UFJインフォメーションテクノロジーが2年連続で社員を派遣し、zennに参加レポートを公開しています。日本の企業Javaコミュニティにとって、Devnexusは完全な空白地帯です。
会場では実際に何が起きるのか
3日間の構成は、ワークショップ日と本編2日に分かれます(2026年実績。2027年の詳細スケジュールは未発表です)。2026年の初日は「Event Driven Architecture & Event Streaming」「Spring AI・MCP・Amazon Bedrockでのエージェント構築ハンズオン」といった終日ワークショップが並び、夕方はNetworking Happy Hourでした。本編は朝の基調講演のあと、10トラックが並走します。
中身の重心は、完全にAIへ移っています。2025年時点でAI・LLM関連が16セッション、2026年はAI系トラックが3本(Generative AI、AI Engineering & Infra、AI in Practice)、そして2027年は全10トラックのうち5本がAI関連(AI Developer Tools、Building AI-Native Applications、Production AI Engineeringなど)に再編されました。主催者は2027年のプレビュー記事で「AIを独立したトピックとして扱うのをやめ、技術スタック全体への影響として扱う」と宣言しています。Javaカンファレンスの中で、エンタープライズ開発の現場がAIをどう消化しているかを定点観測できる場です。
雰囲気は展示会ではなく「同窓会」に近いです。Eudris氏はこう書いています。
Devnexus no es solo, talleres y contenido técnico. Conectar con los asistentes y establecer conversaciones valiosas con conferencistas, Java Champions y líderes de la comunidad Java, entre otros, resulta fácil gracias al espíritu de comunidad de la conferencia.
(Devnexusはワークショップと技術コンテンツだけの場ではありません。コミュニティの空気のおかげで、登壇者やJava Champion、JUGリーダーたちと価値ある会話を始めるのが簡単なのです。)
批判的な声も残しておきます。2017年に参加したTodd Sharp氏は、会場と立地を絶賛する一方で、「3〜4個の技術を無理に組み合わせたセッションや、狭すぎるテーマのセッションが目についた」「ライブコーディングのデモが少なすぎる」と内容面の不満を書いています。セッションの当たり外れは、この規模のコミュニティカンファレンスの宿命です。録画が無料公開される以上、現地の価値はセッションではなく、廊下とブースとイベントでの会話にあります。
参加にいくらかかるのか
2027年の料金は未発表です。判断材料になるのは2026年サイクルの実績で、2日間のカンファレンスパスは次の刻みでした。
| パス(2026年実績) | 販売期間 | 価格 |
|---|---|---|
| Super Early Bird | 9月1日まで | $425 |
| Early Bird | 9月2日〜10月13日 | $475 |
| Regular | 10月14日〜1月19日 | $575(5名以上のグループ割引あり) |
| Late | 1月20日〜3月5日 | $675(同上) |
ワークショップは別売りで、講演公募の締め切り後に追加販売されます。2027年も同じ構造なら、登録開始直後の超早割で押さえるのが最安です。米国大型カンファレンスとの価格差は既に書いたとおりで、参加費だけならRSACやre:Inventの4分の1以下です。
日本からの出張総額で効いてくるのは、参加費ではなく渡航費です。羽田〜アトランタの直行便はデルタ1日1便のみで、個人の搭乗記には往復30万円前後という記述があります(時期変動が大きい参考値です)。宿泊はダウンタウンのホテルになり、公式案内のあるAC Hotel Atlanta Downtownにグループレートの記載があります。会期中の宿泊単価を示せる出典は見つからなかったため、本記事では総額の目安を提示しません。貴社の人数・日程での概算は下のツールで試算してください。
スポンサー・出展費用については、正直に書きます。料金表は存在しません。公式サイトにスポンサー向けページ自体がなく、問い合わせフォーム経由の個別交渉です。展示会型の「小間」販売ではなく、セッション会場前の廊下にスポンサーのテーブルとスタンドが並ぶ形式なので、日本の展示会の出展料の感覚は持ち込まないでください。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断基準ははっきりしています。貴社が米国のJava開発者コミュニティから何かを「取りに行く」立場かどうかです。情報だけなら無料の録画で足り、商談の場は最初からありません。その前提で、行く価値があるのは次の3類型です。
1. 米国のJava開発者に売る製品を持つ企業。 JetBrains、Datadog、Snyk、Neo4jといった開発者向け製品のベンダーがスポンサーに並ぶのは、1,200〜2,400人の濃い企業内Java開発者に確実にリーチできるからです。日本のdev-tools企業やオブザーバビリティ、セキュリティ製品のベンダーが北米の開発者マーケティングを始めるなら、大型展示会より桁違いに安く、競合する日本企業はゼロです。ただし料金は交渉制なので、2026年内に問い合わせるところから始まります。
2. 米国拠点でJavaエンジニアを採用・育成する企業。 Capital OneやJP Morganがスポンサーをするのと同じ理由です。アトランタや米国東海岸に開発拠点を持つ、あるいは持とうとしている日本企業にとって、地元エンジニアへの認知獲得と、駐在エンジニアをコミュニティに接続する場として機能します。逆に、米国拠点がないなら採用効果はありません。
3. 登壇で技術ブランドを作る企業・個人。 ここが実は一番現実的な入り口です。参加費$425の会議に、Spring創始者と同じ演壇があります。CFPは毎年公募で、採択されれば登壇者135人の1人としてスピーカーリトリートにも入れます。Java Championsコミュニティへの接点としては、JavaOneより競争が緩く、密度は同等です。日本人Java Championが2019年に参加していた事実は、この経路が現実であることの証拠です。
行かなくてよい企業。 まず、市場調査・情報収集が目的の企業です。セッション録画は無料で全公開され、日本語で紹介する価値のある発表は数週間でメディアが拾います。次に、リード獲得を期待する一般のSaaS・IT企業です。ここは調達権限者が歩く展示会ではなく、開発者の勉強会です。そして製造業や非Java系の企業には、そもそも接点がありません。エンタープライズJavaの定点観測が必要なら、Oracle本体の発表が聞けるJavaOneのほうが日本企業の前例も多く、社内説明も通しやすいはずです。
最後に日程の実務です。2027年は月曜〜水曜の3日間で、羽田発の直行便は1日1便です。前日日曜着・木曜発で実質5日間の出張になります。4月開催への移動でJavaOne(例年3月)と時期が離れたため、両方見る出張は組みにくくなりました。どちらか1つなら、目的が「聞く」ならJavaOne、「出る・売る・採る」ならDevnexusです。貴社の状況での判断は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- Devnexus 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年4月5日〜7日、米国ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Centerで開催されます。主催はAtlanta Java Users Groupというユーザーグループで、10トラック・100本超のセッションが予定されています。例年は3月開催でしたが、2027年は4月に移りました。
- Devnexusの参加費はいくらですか?
- 2027年の料金は未発表です。2026年実績では2日間のカンファレンスパスが$425〜675で、購入時期が早いほど安く、5名以上のグループ割引もありました。ワークショップは別売りです。米国の大型カンファレンスの4分の1以下の価格帯です。
- Devnexusの規模はどのくらいですか?
- 公称は1,500人超です。参加者による推計では2025年が約1,200〜1,300人、2024年は2,400人超で、年により変動します。参加者の大半は米国、特にアトランタ近郊の開発者です。展示会ではないため出展社数という概念自体がありません。
- 日本からアトランタへの直行便はありますか?
- あります。デルタ航空DL294便が羽田〜アトランタを1日1便運航しており、往路約12時間30分〜14時間です。直行便はこの1本だけで、ANA・JALの直行便はありません。アトランタ空港は旅客数世界一の巨大ハブで、地下鉄MARTAで会場最寄り駅まで直結です。
- 日本企業もDevnexusに出展・スポンサーできますか?
- 制度上は可能ですが、料金表は公開されておらず、公式サイトの問い合わせフォーム経由の個別交渉になります。展示会型のブースエリアはなく、スポンサーのテーブル出展が中心です。日本企業の出展・スポンサー・登壇の実績は確認できませんでした。
- JavaOneとDevnexusのどちらに行くべきですか?
- 情報収集が目的ならJavaOneです。Java本体を開発するOracleの発表が直接聞け、日本企業の参加実績も継続してあります。Devnexusが優先されるのは、米国のJava開発者コミュニティへのスポンサー露出、採用ブランディング、登壇が目的の場合に限られます。