METALCON · オーランド
METALCON 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか
Last updated: August 6, 2026
METALCON 2026は、2026年10月7日(水)〜9日(金)にフロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催される、金属建築外皮(屋根と外壁)に特化した米国の専門展示会です。1991年に始まり、2026年で35周年を迎えます。結論を先に書きます。ほとんどの日本企業にとって、この展示会に行く理由はありません。 2026年の出展252社のうち日本発の企業は1社だけで、日本パビリオンもJETROの関与もなく、日本語の参加レポートは35年間で1本も出ていません。一方で、米国の金属屋根・外壁市場に本気で参入する意思を持つ機械メーカーや部材メーカーにとっては、価値がはっきりしている展示会でもあります。この記事では、その線引きがどこにあるかを、実数で示します。
252社
出展社数(2026年8月実数)
1社
うち日本発の企業
4,000人超
来場者(主催者発表)
$170
基本パス(通常価格)
METALCONとは何の展示会か
METALCONは、建築物の外皮に使う金属、つまり金属屋根と金属外壁に用途を限定した米国の専門展示会です。1991年にMetal Construction Association(MCA、金属建築協会)が立ち上げ、2026年で35回目を迎えます。
この展示会の性格は「絞り込み」の一語に尽きます。35年間出展を続けているMcElroy Metalの全米リカバリー担当マネージャーCharlie Smith氏の説明が、最も的確です。
We have a booth at METALCON because the mix of potential customers is different than other roofing trade shows. The attendees are specifically in the metal roofing business in one way or another. Other shows include contractors who do low-slope single-ply or steep slope shingles. I like that METALCON is focused on metal roofing.
他の屋根関連展示会には低勾配の単層防水やアスファルトシングルを扱う施工業者も混じるが、METALCONに来るのは金属屋根に関わる人だけだ、という趣旨です。出展社が買っているのはリーチではなく、フィルターです。 貴社の製品が金属に特化しているならそのフィルターには価値があり、一般建築向けの商材ならInternational Roofing ExpoやWorld of Concreteのほうが部屋は大きくなります。
規模の期待値も先に調整しておきます。METALCONが使うのは、展示面積210万平方フィートを持つOrange County Convention CenterのHall South A、つまり一区画だけです。大きな建物の中の小さな展示会であって、CESのような規模を想像すべきではありません。
開催都市は毎年変わります。2023年ラスベガス、2024年アトランタ、2025年ラスベガス、そして2026年がオーランド初開催です。会場やホテル、現地の移動に関する助言は1回で陳腐化するため、この展示会について長く使える日本語情報がほとんど存在しない理由の一つにもなっています。
日本企業はMETALCONに出展しているのか
ほぼしていません。2026年の出展252社のうち、日本発の企業は1社です。
その1社はMAX USA Corp.(ブース700)で、東京のマックス株式会社の北米法人です。マックスは1942年創業、空気圧式の釘打機、ステープラ、鉄筋結束機を作るメーカーで、MAX USAは1993年にニューヨークで設立され、現在はニューヨーク州プレインビューに本社を置いています。つまり米国法人が、米国市場向けの工具を、米国企業として売っている形であり、そこに日本語の販促も日本からの出展体制もありません。
この1社という数字は、公式出展社リストの252社を1件ずつ確認して数えたものです。同じリストの国別内訳を並べると、日本の不在がより明確になります。
| 国・地域 | 2026年の出展社数 |
|---|---|
| 中国 | 7社(さらに中国か台湾と見られる未確認2社) |
| ドイツ | 4社(TRUMPF、Beckers Group、HUBTEX、EVOBEND) |
| イタリア | 2社(GASPARINI、Muratori Machines) |
| ニュージーランド | 2社 |
| トルコ | 2社 |
| カナダ | 2社 |
| オーストリア、ポーランド、フィンランド、アイルランド、インド、ベトナム | 各1社 |
| 日本 | 1社(MAX USA Corp.) |
フロアは十分に国際的です。そのなかで日本だけが実質的に抜けています。特に注目すべきは中国勢7社以上で、その多くがロールフォーミング機械と金網のメーカーとして米国市場に直接売り込んでいる点です。もし日本の機械メーカーがこの市場に入るなら、競合として最初に当たるのはそこです。
日本パビリオンはありません。JETROの海外見本市支援カレンダーにMETALCONは載っていません。そして日本語の情報も存在しません。日本向け設定での検索では、「METALCON 出展 レポート」に類する問い合わせに対して検索結果がゼロという反応が返り、別の語では展示会アプリの機械翻訳されたストア掲載ページが1件出るだけでした。残りはMETAL JAPANやJAPAN BUILD、建築・建材展といった国内の展示会です。日本企業による出展のご案内も、日本人来場者による参加レポートも、視察報告も、1本も公開されていません。
35年間、日本市場はこの展示会に関与してきませんでした。 これは調べ方が足りなかったのではなく、事実としてそうなっています。したがって「同業の日本企業がどう動いているか見に行く」という目的でこの展示会を選ぶことはできません。会場に日本の同業他社はいません。判断すべき問いは別のところにあります。米国の金属建築外皮市場に入る価値があるのか、そしてここがその最初の扉なのか、です。
いつ・どこで開催されるのか
2026年10月7日(水)〜9日(金)、フロリダ州オーランドのOrange County Convention Center、Hall South Aで開催されます。住所は9899 International Drive, Orlando, FL 32819です。オーランドでの開催は今回が初めてです。
展示フロアの開場時間は、10月7日(水)と8日(木)が10:00〜17:00、最終日の10月9日(金)は10:00〜13:00です。最終日が半日で終わる点は、帰国便を組むときに効いてきます。基調講演は9:00開始ですが、公式サイトの記載は火曜と水曜となっており、展示フロアの開場が水曜からであることと噛み合いません。前日にプログラムがある可能性があるため、渡航前に最新のスケジュールをご確認ください。
日本からの移動が、この展示会で最も重い条件です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | なし。 東京とオーランドを結ぶ定期直行便は存在しません |
| 現実的な経路 | ダラス・フォートワース(アメリカン航空、JALとのコードシェア)、シカゴ・オヘア(ANA、ユナイテッド、JAL、アメリカン)、アトランタ(デルタ)、デトロイト(デルタ)、ワシントン・ダレス(ANA、ユナイテッド)などでの乗り継ぎ |
| 所要時間 | ドアツードアで約18〜22時間 |
| 空港から会場 | オーランド国際空港(MCO)から約15分 |
ここで一つ、検索すると必ず混乱する点を先に潰しておきます。ZIPAIRは2026年初頭に、東京とオーランドを結ぶ史上初の直行便を運航しました。 ただしこれは成田発の2月23日、2月28日、3月5日、3月10日の4往復のみで、オーランド空港当局、ディズニー、フロリダ州商務省などと組んだチャーター便であり、定期便ではありません。 運航は2026年3月に終わっています。空港側の発表も「追加路線の下地になり得る」と述べるにとどまっています。2026年10月の出張は、乗り継ぎ前提で計画してください。
会場はInternational Drive沿いにあり、ホテルとテーマパークが集まる回廊のただ中に位置します。レンタカーなしで滞在しやすい米国のコンベンション地区としては、扱いやすい部類です。
10月のオーランドは、日本の感覚では秋ではありません。平均最高気温は83°F(約28°C)、平均最低気温は68°F(約20°C)、月間降水量は約2.8インチで雨の日は8.4日程度です。過ごしやすい季節に入る時期ではありますが、湿度は高く暖かい。東京の10月ではなく、沖縄の9月を想像してください。 夏物で行き、会場の冷房が強いので羽織るものを1枚足すのが正解です。
See itineraries誰が主催しているのか
主催構造がこの展示会の性格をほぼ説明します。METALCONを制作しているのはPSMJ Resources, Inc.で、Metal Construction Association(MCA)がパートナーです。 公式サイトの全ページのフッターに「METALCON is produced in partnership with PSMJ Resources, Inc. and the Metal Construction Association」と記載されています。
MCAの位置づけについては、35年間出展を続けているRoof Hugger社長のDale Nelson氏がもっと率直に語っています。
We were an early member of the Metal Construction Association, a half-owner of the tradeshow.
MCAは展示会の「半分の所有者」だ、という表現です。
ここで重要なのはPSMJの正体です。PSMJは展示会企業ではありません。 建築・エンジニアリング・建設業界向けの経営コンサルティングと教育を手がける会社で、創業から約50年、マサチューセッツ州ニュートンに本社を置き、年間3万3,000社を超えるAEC業界の顧客を持ち、5カ国で事業を展開しています。
つまりMETALCONは、米国の大型展示会の多くを運営するInforma、RX、Emeraldのようなポートフォリオ企業ではなく、建築設計事務所やエンジニアリング会社の収益改善を本業とするコンサルティング会社と、建物への金属利用を推進する業界団体が組んで運営しています。ここから3つの帰結が出てきます。
- 教育が無料で付いてきます。 $170の基本パスに35以上の認定教育セッションが含まれ、AIAのラーニングユニットとフロリダ州の施工業者向け単位も取得できます。同規模の米国展示会では認定教育は別料金が普通です。教育を売って生きている会社が、ここでは無料で配っています。展示会が商品ではなく、チャネルだからです。
- 小さく、狭いのは意図的です。 METALCONのトレードショー担当バイスプレジデントJudy Geller氏の説明はこうです。「Rather than going to a construction event where you're pushed and pulled into 20 different directions, METALCON focuses exclusively on the application of metal in construction and design.」20の方向に引き裂かれる建設イベントに行くのではなく、金属の建築・設計への応用だけに集中する、という設計思想です。
- 毎年開催都市が変わります。 出展社の物流を最適化するポートフォリオ運営会社なら、まずやらない選択です。
MCA自体は1983年設立、イリノイ州シャンバーグに本部を置くボランティア主導の団体で、1991年にMETALCONを立ち上げました。外国のサプライヤーにとって最も具体的な情報は、MCAの会員優遇です。新規にMCA会員となって出展する企業は、ブース面積1平方フィートあたり$5の割引に加えて、初年度会費が50%引きになります。 協会と展示会は一つの導線で、会員になるほうが安く入れる構造になっています。
どんな企業が出展・参加しているのか
2026年の出展社は実数で252社、製品カテゴリーは75以上です。公式サイトは「250社以上」、出展ページは「275社以上」と表示していますが、実際に数えると252社でした。金属建築外皮の産業構造が、そのままフロアに並んでいます。
| 区分 | 主な出展社 |
|---|---|
| 鉄鋼メーカー・流通 | United States Steel、Steel Dynamics、Mill Steel、ArcelorMittal Building Solutions USA、BlueScope Coated Products |
| 塗装・コーティング | PPG、Sherwin-Williams、AkzoNobel、AZZ Precoat Metals、Beckers Group |
| ロールフォーミング機械・板金機械 | Bradbury Group、ASC Machine Tools、CIDAN Machinery、Metal Rollforming Systems、New Tech Machinery、TRUMPF、SAMCO Machinery |
| 屋根製品・付属部材 | McElroy Metal、ATAS International、Englert、Berridge Manufacturing、Roof Hugger、S-5! |
| 留め具・固定金具 | Atlas Bolt & Screw、Triangle Fastener、Dynamic Fastener、MAX USA Corp. |
| 建築システム・下地 | Butler Manufacturing、Varco Pruden、FRAMECAD America、Scottsdale Construction Systems |
| ソフトウェア・計測 | Trimble、FARO Insight、SmartBuild Systems、Metal Building Software |
来場者側は、施工業者と取付業者、建築家・設計者・仕様策定者、加工業者とメーカー、流通業者、デベロッパーと建物オーナー、そして若手専門職に区分されています。主催者の説明で目を引くのは具体性で、施工業者には「サプライヤーを決める前、入札を出す前に、工具とシステムを試して比較しろ」と呼びかけています。経営者向けの会議ではなく、実際に取り付ける人と仕様を書く人のための実務的な展示会です。
主催者が公表している数字も挙げておきますが、いずれも第三者による監査を経たものではありません。来場者は4,000人以上、参加国は約50カ国、来場者の58%が来場から12カ月以内に購入するか購入を計画しており、出展社の77%が投資に見合う成果があったと回答しています。METALCONはTrade Show Executive誌の「Next 50」に選ばれていますが、この賞が測っているのは成長率であって規模ではありません。 小さな母数から速く伸びれば該当します。大きい展示会だという証拠として読まないでください。
外国のサプライヤーにとって、このフロアで構造的に最も重要なのは出展社リストの別の一角です。認証・試験・規格の機関がブースを出しています。 ICC-Evaluation Service(ブース906)、International Accreditation Service(1549)、Keystone Certifications(871)、SGS North America(1377)の4者です。米国の金属建材はコード適合と評価レポートで売れるかどうかが決まり、その評価レポートを発行する機関が、買い手と同じホールに立っています。もし日本企業がこの展示会に行くなら、どの顧客訪問よりもICC-ESのブースが価値ある最初の一歩になります。
業界団体そのものの出展も多く、Metal Construction Association(542)、Metal Building Manufacturers Association(1572)、Steel Framing Industry Association(1550)、Air Barrier Association of America(506)などが並びます。一方で外国政府のパビリオンは一つもありません。
35年間、一度も欠かさず出展し続けている10社は「Legacy 10」と呼ばれ、オーランドでも表彰されます。AkzoNobel、ATAS International、Atlas Bolt & Screw、AZZ Precoat Metals、Englert、Metal Construction News、McElroy Metal、Metal Rollforming Systems、PPG、Roof Huggerの10社です。35年連続出展という事実自体が、この業界の取引関係の粘着性を示しています。
会場では実際に何が起きるのか
3日間の中身は、展示フロア、フロア上の学習センター、ハンズオンの実演、そして認定教育セッションです。フロア上の常設プログラムはDesign District(建築家・仕様策定者向けの「展示会の中の展示会」、PPGが協賛)、Contractor Business Success Center、Installation Techniques、Metal Performance、Tools & Technology、そしてMETALCON Training ZoneとMetal Mastery Clinicsで構成されます。
この展示会はカタログではなく実演で評価されます。 それを最もよく示すのが、2025年ラスベガス版でScottsdale Construction Systemsが行った活動です。同社は自社のロールフォーミング機3台を使い、壁パネルから屋根トラスまでを会場で製造して、鉄骨造の住宅一棟を会期中に現地で建てました。 記録された数字はこうです。建築に1.5日、組立要員はボランティア6名、解体は6時間以内、その後モンタナ州へ輸送。同社の記述では「数千人の来場者が構造物の中を見て回った」とあります。Roof Huggerも毎年ライブデモを行っており、金属屋根への太陽光パネル設置を会場で実演した年もあります。
ここから出る実務的な結論は明確です。機械を動かして見せられるメーカーは注目を集め、パンフレットを配る会社は集めません。 大きなブースを取るなら実演の予算を組むべきで、組めないなら大きなブースを取る意味は薄くなります。
教育プログラムは、基本パスに35以上の認定セッションが含まれる点で例外的です。出展社であるNew Tech Machineryが自社顧客向けに書いた参加ガイドは、事前にセッションと出展社を地図に落として計画してから行くよう勧めています。出展社が自社の顧客に「計画してから来い」と言うほどには、教育プログラムに中身があるということです。$170で35セッションが付くなら、チケットの価値の半分以上は教育側にあると考えても外れません。
基調講演の性格は把握しておいてください。2026年の登壇者は2026年8月時点で未発表で、講演公募は2026年2月27日に締め切られています。参考として2024年アトランタ版の顔ぶれは、元NFL最優秀選手のJoe Theismann氏、建設経済を論じたSage Policy Group会長兼CEOのAnirban Basu博士、世代間リーダーシップを扱ったMelissa Furman博士でした。ビジネスと動機づけの講演であって、技術講演ではありません。 技術的な中身はワークショップ、Metal Mastery Clinics、フロア上のTraining Zoneにあり、市場を評価しに来た供給側が時間を使うべきなのはそちらです。
なお、この記事が答えられないことも書いておきます。METALCONについて第三者による批判的な評価は存在しません。 見つかった英語の記録はすべて主催者自身か出展社によるもので、行く価値があるかを利害なく検証した文章は公開されていません。上に引いた出展社の証言も、そのつもりで読んでください。
参加・出展にいくらかかるのか
参加費は米国の展示会としては安い部類です。価格は登録時期で4段階に変わります。
| パス | Super Saver(5/31まで) | Early Bird(7/31まで) | 通常(10/5まで) | 当日 |
|---|---|---|---|---|
| Total Experience | $110 | $130 | $170 | $195 |
| Design District | $210 | $230 | $275 | $295 |
| Workshop Value Pass | $495 | $495 | $495 | $515 |
| 学生・見習い | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
Total Experienceは標準パスで、250社超の展示、実演、基調講演、ネットワーキングイベント、そして35以上の無料認定教育セッションが含まれます。Design Districtは建築家・仕様策定者・エンジニア向けで、専用パビリオンとAIA単位が付きます。Workshop Value Passは4時間のワークショップ2本を選べます。
日本の金属建材メーカーが最も見落としやすい点をここに書きます。メーカー、加工業者、流通業者、サプライヤーはTotal Experienceレートではなく、Design Districtレートが適用されます。 出展せずに視察だけする場合でも、$210〜$295の側になります。予算を組むときに間違えやすい箇所です。
その他の条件として、4名分を登録すると5名目が無料になる団体割引があります。配偶者・同伴者パスは現地登録限定で$35です。
出展費用については、正直に書きます。公式の平方フィート単価はどこにも公開されていません。 出展ページは資料請求フォームとブース販売ポータルに誘導され、どちらも連絡先の登録が必要です。判明している数字は2つだけです。第一に、MCA会員はブース面積1平方フィートあたり$5の割引を受けられます(公式情報)。第二に、第三者の展示会情報サイトが非会員向けに1平方フィートあたり$45という数字を挙げています(非公式であり、主催者が認めた価格ではありません)。この2つを重ねると会員でおよそ$40前後となり、10フィート角のブースならスペース代だけで$4,000〜$4,500程度という推計が立ちます。見積もりとして扱い、確定価格として扱わないでください。実際の金額は主催者に資料請求する必要があります。
出張総額の構造も押さえておくべきです。この展示会では参加費は誤差で、費用のほぼ全部が渡航費と宿泊費です。 直行便がなく、ドアツードアで18〜22時間かかる行程だからです。$170のチケットのために往復2日を移動に使う価値があるかどうかが、判断の本体になります。
渡航費・宿泊費・参加費を合わせた出張総額は、為替と人数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで数分で試算できます。
Calculate your costs日本企業にとって行く価値はあるか
多くの日本企業にとって、答えは「行かなくてよい」です。それを先に書きます。
行かなくてよい企業。 第一に、国内市場向けに金属建材を作っているメーカーです。ここは米国の施工業者と仕様策定者のための部屋で、日本の需要とは接点がありません。第二に、「日本の同業他社の動向を見に行く」ことが目的の企業です。252社中1社という数字が答えで、会場に日本の同業他社はいません。 第三に、一般建築・建設の商材を持つ企業です。METALCONは金属に用途を絞った展示会なので、対象外の製品を持って行っても濾過されるだけです。より大きな部屋が必要ならInternational Roofing ExpoやWorld of Concreteのほうが合います。第四に、リード獲得数を目標に置く企業です。35年出展し続けている企業が誰一人リード件数を成果として語っていないという事実が、その理由です。
行く価値がある企業。 狭いですが、実在します。米国の金属屋根・外壁市場に本気で参入する意思を持つ、ロールフォーミング機械メーカー、留め具メーカー、塗装・コーティングメーカーです。判断材料は日本勢の不在ではなく、中国勢がすでに7社以上、ロールフォーミング機械と金網で米国市場に直接売り込んでいるという事実のほうです。参入するなら競合はそこであり、その競合が何を出しているかを1回の渡航で確認できます。
もう一群は、認証の壁がどれほどの高さかを確かめたい企業です。これがこの展示会で日本企業が得られる最大の実利だと考えます。米国の金属建材はコード適合と評価レポートで採否が決まり、ICC-Evaluation Service、International Accreditation Service、Keystone Certifications、SGS North Americaという発行側の4者が同じホールに立っています。米国市場参入の可否を決める最初の関門を、顧客候補と同じ場所で、3日間のうちに確認できる機会は多くありません。
参入の形については、会場に手本が1つだけあります。MAX USA Corp.です。 東京のマックス株式会社が1993年にニューヨークで米国法人を設立し、米国市場向けの工具を米国企業として売る形を33年かけて作りました。日本から出展するのではなく、米国法人として出展しています。この市場に入るとはそういうことだ、という現実的な参照点です。
最後に、最も重要な期待値調整を書きます。 35年間出展し続けている企業5社の証言を並べて読むと、全員が価値を「絞り込まれた相手との関係の深さ」として説明しており、リード件数、ブース来場者数、新規市場開拓に言及した企業は一社もありません。 Atlas Bolt & ScrewのDon Bratcher氏は「単なる展示会以上の、我々が仕える人々との重要な接点」と表現し、Metal Rollforming SystemsのBill Griffin氏は「顧客の課題と優先順位をより深く理解するため」と述べています。これは同じ数百社が毎年顔を合わせる中規模の業界展示会の、正直で信じられる姿です。
そして米国に既存の取引関係を持たない日本企業にとっては、警告でもあります。この部屋の価値は年数をかけて複利で効くものであり、1回の訪問で得られるのは偵察であって商談パイプラインではありません。 1回行って何も起きなかったことを失敗と判断するなら、最初から行かないほうが合理的です。逆に、3年通う覚悟があるなら、初年度は$170のチケットで認証機関と競合の実機を見て回るところから始められます。
貴社の状況を踏まえた参加・出展判断のご相談は、下記からどうぞ。
Talk to usFAQ
- METALCON 2026はいつ・どこで開催されますか?
- 2026年10月7日(水)〜9日(金)、フロリダ州オーランドのOrange County Convention CenterのHall South Aで開催されます。オーランド開催は今回が初めてです。1991年に始まり、2026年で35周年を迎えます。
- 参加費はいくらですか?
- 標準のTotal Experienceパスが通常価格$170、当日$195です。ただしメーカー、加工業者、流通業者はDesign Districtレート(通常$275、当日$295)が適用されます。学生・見習いは無料、4名登録で5名目が無料になります。
- 日本企業も出展していますか?
- ほぼしていません。2026年の出展252社のうち日本発はMAX USA Corp.(マックス株式会社の米国法人)1社のみです。日本パビリオンもJETROの関与もなく、日本語の参加レポートは1本も公開されていません。
- 日本から直行便はありますか?
- ありません。東京とオーランドを結ぶ定期直行便は存在せず、ダラス、シカゴ、アトランタ、デトロイト、ワシントンなどでの乗り継ぎになります。所要はドアツードアで18〜22時間程度を見込んでください。
- 出展費用はいくらですか?
- 公式には非公開です。判明しているのはMCA会員が1平方フィートあたり$5の割引を受けられる点のみで、第三者サイトは非会員$45という数字を挙げています。10フィート角のブースで$4,000〜$4,500程度が目安ですが、正確な金額は主催者への見積依頼が必要です。
- 教育セッションは追加料金がかかりますか?
- かかりません。35以上の認定教育セッションが基本パスに含まれます。AIA(米国建築家協会)のラーニングユニットとフロリダ州の施工業者向け単位も取得できます。米国の同規模の展示会では教育が別料金のことが多く、これは例外的な設計です。