Datadog DASH · ニューヨーク
Datadog DASH 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断
最終更新:2026年8月6日
Datadog DASH 2027は、2027年6月15日〜17日にニューヨークのNorth Javitsで開催される、Datadogの年次ユーザーカンファレンスです。結論から言えば、Datadogを本番環境の中核に据えている企業のSRE・プラットフォームエンジニアには、はっきり行く価値があります。参加パスが2026年実績で$399〜$1,099と米国の大型カンファレンスの中で際立って安く、AI運用に舵を切った同社のロードマップ1年分がここでまとめて発表され、日本からの参加者は2024年の約20人から2025年には約70人へ急増、2026年には日本企業のエンジニアが登壇するまでになっているからです。逆に、Datadogを使っていない企業が中立的な業界動向を見に行く場ではありません。この記事では、2027年について確定している情報と2026年の実績値をはっきり分けたうえで、費用、登壇(CfP)というもう1つの参加ルート、そして「出展枠は存在しない」という事実まで並べます。
4,000人超
来場者(2026年実績)
60本超
セッション(2026年実績)
$399〜$1,099
参加パス(2026年実績)
約70人
日本からの参加者(2025年)
Datadog DASHとは何のカンファレンスか
DASHは、オブザーバビリティ(可観測性)とセキュリティのプラットフォームを提供するDatadogが、年に1回ニューヨークで開催するユーザーカンファレンスです。2018年に始まり、Datadog自身が2026年を「第9回目となる年次グローバルカンファレンス」と呼んでいるので、2027年は10回目にあたります。主催者は日本語のプレスリリースでこの場を「オブザーバビリティ、セキュリティ、AIに関するDatadogの技術ビジョンおよびロードマップに関する、年に一度の発表の場」と位置づけており、実際に主要な新製品発表はほぼすべてここに集まります。
規模は2026年の実績で、来場者4,000人超、ブレイクアウトセッション60本超、ハンズオンワークショップ20本超、フィーチャードスピーカー30人超です(主催者公表値)。AWS re:Inventの数万人規模と比べればひと桁小さく、この小ささが実は利点です。参加レポートを読み比べると、立ち見が出るほどの熱量と、Datadogの担当エンジニアと廊下で直接話せる距離感が両立していることが分かります。
性格の理解で間違えてはいけないのは、これがベンダーカンファレンスであるという点です。RSA Conferenceのような中立の業界展示会ではなく、主催者が自社のロードマップを発表し、事例セッションもDatadogユーザー企業が語る場です。2026年の基調講演では、発表された新機能の約8割がAIエージェント群「Bits AI」に関するものだったと、参加したタップル社のSREが記録しています。同氏の総括が、いまのDASHの空気を最も正確に伝えています。
今の開発・運用フローに AI を組み込むだけでなく、『AI を前提とした、人間の介入をほぼ必要としない開発・運用フロー』が本格化していることをヒシヒシと感じました
2027年はいつ・どこで開催されるのか
2027年6月15日(火)〜17日(木)の3日間、ニューヨークのNorth Javits(Javits Convention Centerの北館)で開催されます。DASHは2023年にサンフランシスコで開かれた例外を除き、Datadogの本社があるニューヨークで6月に開催されるのが定型です。2026年は本会議2日間(6月9日〜10日)に前日のPartner Summitという構成だったので、2027年は会期が1日長くなります。追加の1日が何に充てられるかは2026年8月6日時点で未発表です。
スケジュール逆算の起点は2月です。2026年の参加登録は2月18日に開き、$700引きのSuper Early Birdは3月31日まででした。2027年も同じ設計なら、年明けに社内の参加枠を固めておき、登録開始と同時に申し込むのが最も安く済みます。過去の参加者は、ハンズオンワークショップの枠が登録開始直後に埋まると繰り返し書いています。
日本からの渡航は、米国カンファレンスの中では素直な部類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | 羽田・成田からJFKへ直行便あり。JAL、ANA、ユナイテッド航空、デルタ航空などが運航 |
| 所要時間 | 往路約12時間45分〜13時間15分、復路約14時間 |
| 6月中旬の気候 | 日中の最高気温は24〜28°C、朝晩は16〜20°C。東京の6月より湿度は低め |
| 入国 | ビザ免除プログラム利用ならESTAの事前取得が必要 |
誰が主催しているのか
主催はDatadog, Inc.(NASDAQ:DDOG)です。ニューヨークに本社を置く数少ない大手テック企業の1つで、DASHがニューヨーク開催なのはそのためです。共同創業者はCEOのOlivier Pomel氏とCTOのAlexis Lê-Quôc氏で、2人はともに教育テック企業Wireless Generationの出身、Pomel氏はメディアプレイヤーVLCのオリジナル作者の1人でもあります。会社の規模感を示す数字として、DASH 2025の基調講演ではFortune 100の62%がDatadogを利用し、AI企業上位10社のうち8社が顧客であると発表されました(参加者の記録による基調講演での主催者発表値です)。
ベンダー主催であることの含意は2つあります。発表内容はすべてDatadogのロードマップであり、競合製品との比較や中立的な市場整理は期待できないこと。その代わり、製品の意思決定者と開発者本人がその場にいるため、機能要望や契約の込み入った相談を直接ぶつけられることです。プロダクト全体を統括するChief Product OfficerのYanbing Li氏は、2026年の開催発表でこの場をこう説明しています。
DASHは、顧客および業界全体が集い、オブザーバビリティ、セキュリティ、AIが実際の本番環境でどのように融合しているかを確認する場です。
日本市場への意識も明確です。DatadogはDASHの開催発表を日本語のプレスリリースでも配信しており、そこには「日本からご参加を検討いただいている方は営業・カスタマーサクセス担当へご連絡ください」という一文があります。日本の契約企業なら、担当営業経由で参加の段取りを組むのが公式ルートです。
どんな企業が参加・登壇しているのか
2026年の登壇者は2つの層に分かれます。1つはAI業界の看板級のファイヤーサイドチャットで、OpenAIのCodex責任者Thibault Sottiaux氏、AnthropicのSholto Douglas氏、Hugging FaceのCEO Clément Delangue氏、VercelのCPO Tom Occhino氏が並びました。もう1つはエンタープライズの実務事例で、JPMorgan Chase、Capital One、U.S. Bank、Figma、Yahoo、Sanofi、韓国のKRAFTONなどが自社の運用を語っています。ゲストスピーカーとしてドラマ「Severance」主演の俳優Adam Scott氏まで登場しており、基調講演を「見せ物」として成立させる予算の掛け方はre:Invent型です。
日本企業にとって重要なのは、参加も登壇も既に実績があることです。日本からの参加者は2024年の約20人から2025年に約70人へ増えました(DASH 2025登壇者のnewmo社エンジニアの記録)。別の参加者も同じ変化を書き留めています。
日本からの参加者が昨年に比べて5倍に増えており
2026年はさらに一歩進み、日本企業が壇上に立ちました。タイミーのMLOpsエンジニア斎藤氏が「How Timee Delivers Day 1 Production Ready LLM Features」を発表し、タップルの山岸氏はDatadogおよびLayerXと共同で「The AI Engineering Playbook」を発表しています。いずれもLLM機能の本番運用という、いま日本のプロダクト企業が直面している題材です。
登壇はCfP(講演公募)経由で、Datadogユーザーなら応募できます。2025年に採択されたnewmo社の記録によれば、締切は3月上旬、採択通知が3月20日、5月にDatadogスタッフとのドライラン2回を経て、6月に40分の英語セッションという流れでした。スライドの添削まで含む手厚い支援付きです。同氏が基調講演会場で漏らした一言が、このカンファレンスの引力をよく表しています。
ずっと生で見たかったDASHのKeynoteだ…
会場では実際に何が起きるのか
3日間の中身は、発表ラッシュの基調講演、60本超のブレイクアウト、20本超のハンズオンワークショップ、そしてDatadog Partner Expoの4つです。2026年の基調講演では、コード修正エージェントBits Codeの一般提供、データを移動させずに外部データレイクを検索するFederated Logs、RUM・Synthetics・プロダクト分析を統合するJourney Monitoring、プロンプトインジェクション対策のAI Guardなど、数十件の新機能が2日間に詰め込まれました。エーピーコミュニケーションズの参加者はこの年のテーマを「自律型オペレーション」と要約し、Datadogが監視ツールからAIでシステムを自律運用するプラットフォームへ軸足を移したと記録しています。
事例セッションは具体的です。NTTデータの参加レポートが記録したU.S. Bankのセッションでは、ログの取り込み前フィルタリングで全体の約40%、ケースによっては65〜75%のログコスト削減、月間約1.2PBの削減という数字が示されました。KRAFTONのセッションは逆に、サービスのオーナーシップ整理、アラート分類、SLI/SLO定義、Runbook整備という土台がなければAI運用は機能しない、という現実側の話です。浮ついた話への歯止めもあり、OpenAIのSottiaux氏はファイヤーサイドチャットで「生産性の幻想を避ける」、つまりエージェントに本当に意味のある問題を解かせよと釘を刺しています(タイミー参加者の記録)。
ワークショップと認定資格試験はパス料金に含まれます。エーピーコミュニケーションズの参加者は会場で3つの認定バッジと限定ピンを受け取っており、チームの技術者を送る場合は研修費としての回収も見込めます。パートナー企業なら前日のPartner Summitがあり、2026年の会場について同社はこう書いています。
なんと会場は、Datadogのニューヨーク本社オフィスでした!
参加にいくらかかるのか(出展枠は存在するのか)
2027年の料金は未発表です。以下は2026年の公式販売ページに掲載されていた実績値で、2027年を見積もる際の最も確度の高い基準になります。
| パス | Super Early Bird(3月31日まで) | Early Bird(4月1日〜30日) | 通常価格(5月1日以降) |
|---|---|---|---|
| In Person(個人) | $399 | $699 | $1,099 |
| Group Pass(3〜4名、20%引き) | $320 | $560 | $880 |
| Team Pass(5名以上、30%引き) | $280 | 非公表 | 非公表 |
| Virtual(基調講演配信+録画) | 無料 | 無料 | 無料 |
In Personパスには基調講演、全セッション、ワークショップ、認定資格試験、Partner Expo、終日の食事まで含まれます。この価格は米国大型カンファレンスの相場から1桁近く外れて安く、たとえばRSA Conferenceの全セッションパスは2026年実績で$2,195〜$2,995でした。渡航費を含めた総額の大半は航空券とホテルが占める構造になるため、パス代の心配はほぼ不要です。一方、6月のマンハッタンの会期週のホテル相場については、検証に耐える出典を見つけられませんでした。本記事では総額の目安を提示しません。貴社の人数と日程での概算は、下のツールで試算してください。
日本企業の稟議で効く締切は3月末です。Super Early Birdと通常価格の差は1人$700、5人送れば$3,500の差になります。登録が例年2月に開くことを踏まえると、1月中に参加人数を確定させておくのが実務的な段取りです。グループ・チーム割引は公式窓口(dashinfo@datadoghq.com)への連絡で手配します。
出展については、答えを先に書きます。一般企業向けの出展枠は存在しません。公式FAQはスポンサーシップをDatadogパートナー限定と明記しており、展示エリアはクラウド・技術エコシステムパートナーによるDatadog Partner Expoです。自社製品を売り込むブースを構える場ではなく、出展を前提にした予算計画はそもそも成立しません。パートナー企業であれば、スポンサー枠と前日のPartner Summitという別の入口があります。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断基準はほぼ1点、貴社がDatadogを本番環境でどれだけ使い込んでいるかです。年間の利用料が大きいほど、このカンファレンスの投資対効果は機械的に上がります。
行くべき企業。 第一に、Datadogを運用の中核にしているSRE・プラットフォームチームです。$399〜$1,099のパスで、ロードマップ1年分の発表、ワークショップ、認定資格、担当エンジニアへの直接アクセスが手に入ります。U.S. Bankの事例のようなコスト削減の実践知は、持ち帰って実装できればパス代どころか渡航費まで回収し得ます。契約更新や値上げ交渉を控えている企業なら、製品責任者と直接話せる場としての価値も加わります。第二に、CfP登壇を狙うエンジニア組織です。ドライラン2回とスライド添削まで付く国際登壇の機会がパス代と渡航費だけで得られ、日本企業の採択は2025年、2026年と続いています。技術ブランディングと採用への効果を考えれば、狙う価値は十分あります。第三に、LLM機能を本番運用していてオブザーバビリティに課題を抱える企業です。2026年に登壇したタイミーとタップルがまさにこの立場であり、同じ課題を持つ企業が世界中から集まっています。
行かなくてよい企業。 まず、Datadogを使っていない企業です。発表も事例もワークショップも同社プラットフォームが前提であり、中立的な技術動向の収集が目的なら無料のVirtualパスで基調講演を見れば足ります。次に、出展や商談獲得を目的とする企業です。枠がない以上、検討の余地がありません。最後に、役員だけの視察です。来場者はエンジニアと実務者が中心で、RSACのような役員級比率の統計を主催者は出しておらず、手を動かす人が行ってこそ元が取れる構成です。
行くと決めたら、決めるべきことは3つです。1月中に人数、登録開始と同時にパス、採択を狙うなら3月上旬までにCfPです。貴社の状況を踏まえた参加判断や行程の設計は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- Datadog DASH 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年6月15日〜17日の3日間、ニューヨークのNorth Javits(Javits Center北館)で開催されます。10回目の開催で、本会議2日間だった2026年より1日長い構成です。参加登録は例年2月頃に開きます。
- Datadog DASHの参加費はいくらですか?
- 2027年の価格は未発表です。2026年実績でIn Personパスが$399〜$1,099でした。3月末までのSuper Early Birdなら$700引きの$399、3〜4名のグループで20%引き、5名以上で30%引きです。基調講演のライブ配信は無料でした。
- 日本からニューヨークへの直行便はありますか?
- あります。羽田・成田からJFKへJAL、ANA、ユナイテッド航空、デルタ航空などが直行便を運航しており、往路は約12時間45分〜13時間15分です。ビザ免除プログラムで入国する場合はESTAの事前取得が必要です。
- 日本企業もDASHに参加していますか?
- しています。newmo社の記録では、日本からの参加者は2024年の約20人から2025年に約70人へ増えました。2026年はタイミーとタップル(LayerXと共同)のエンジニアが登壇し、NTTデータやエーピーコミュニケーションズが参加レポートを公開しています。
- DASHに出展はできますか?
- 原則できません。公式FAQにスポンサーシップはDatadogパートナー限定と明記されており、一般企業向けの出展枠はありません。展示エリアはDatadog Partner Expoとして、クラウド・技術エコシステムパートナーのブースで構成されます。
- Datadogを使っていなくても参加する価値はありますか?
- 限定的です。DASHはDatadogのユーザーカンファレンスで、発表も事例も同社プラットフォームの利用が前提です。中立的な技術動向の把握が目的なら、無料のバーチャルパスで基調講演を視聴すれば十分です。