Cisco Live · ラスベガス
Cisco Live 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断
最終更新:2026年8月6日
Cisco Live 2027は、2027年6月6日〜10日にラスベガスで開催される、シスコシステムズ自身が主催する年次最大のカンファレンスです。結論から言えば、シスコ製品でネットワークやセキュリティ基盤を組んでいる企業のインフラ部門と、シスコパートナーのSIer・NIerには行く価値があります。登録ベースで75か国以上から2万人超が集まり、1,000本超の技術セッションとハンズオンラボ、認定試験までが1枚のパスに収まる、エンジニア育成の密度が最も高い部類のイベントだからです。逆に、何かを売りに行く場ではありません。一般の出展枠は存在せず、展示フロアはシスコのパートナー専用です。この記事では、2027年について確定している事実と2026年の実績値を分けたうえで、参加費、日本からの渡航、そして日本のSIerが毎年通い続ける理由まで、出典付きで並べます。
2万人超・75か国以上
参加登録(2026年)
1,000本超
技術セッション(2024年実績)
300社超
パートナー展示(2024年実績)
$2,795〜$3,195
Full Conferenceパス(2026年実績)
Cisco Liveとは何のカンファレンスか
Cisco Liveは、シスコシステムズが自社で主催するフラッグシップカンファレンスです。中立な業界見本市ではありません。起点は1989年、「Networkers」という名前で約200人が集まった技術者向けの集まりで、ジョン・チェンバース会長兼CEO(当時)が2009年の20周年で振り返っているとおり、30年以上かけて現在の規模に育ちました。開催は米国のほか欧州とアジア太平洋の3極に分かれ、旗艦はラスベガス、アジア太平洋版は例年11月前後のメルボルンです。
規模は2万人で安定しています。2026年5月31日〜6月4日のラスベガスは、開幕前の報道で75か国以上から2万人超が登録済みとされました。2024年の様子は、日立情報通信エンジニアリングの参加レポートが日本語で最も具体的に記録しています。
世界各国から約2万人の参加者が訪れ、1,000以上のテクニカルセッションや300以上のパートナー企業の展示が行われます
一部の民間ガイドは「28,000人超」という数字を載せていますが、主催者の公式な閉幕発表では確認できません。本記事は報道と参加レポートで確認できる「2万人規模」を採用します。
中身の重心は年々AIインフラに寄っています。2026年の基調講演でCEOのチャック・ロビンス氏はAIトラフィックが3年以内に3倍になるという見通しを示し、自律型AIエージェントは人間の約450%のネットワークトラフィックを生むという数字が示されました。現地で聞いたネットワンパートナーズの毛利堯氏が記録した一言が、シスコの言い分を最も短く要約しています。
人間は(画面を)クリックするが、エージェントは群がる(Swarm)
つまりCisco Liveは、ネットワーク機器の展示会というより、「AI時代のインフラをシスコのスタックでどう組むか」を1週間かけて学ぶ場になっています。
2027年はいつ・どこで開催されるのか
2027年6月6日(日)〜6月10日(木)の5日間、ラスベガスで開催されます。公式サイトが発表しているのは現時点でこの日程と都市だけで、会場名と参加登録の開始日はまだ公表されていません(2026年8月6日時点)。会場は2024年も2026年もMandalay Bay Convention Centerでしたので、同所での開催が最有力ですが、これは推定です。登録開始の通知は公式サイトのNotify meから受け取れます。
日本からの渡航は、正直に言って楽ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | 通年の直行便はなし。米国西海岸(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなど)で国内線に乗り継ぐか、ソウル仁川経由で大韓航空の直行便(約11時間45分〜13時間30分)を使う |
| 注意点 | 成田〜ラスベガスの臨時直行便は1月のCES期間限定。6月には運航されません |
| 所要時間 | 乗り継ぎ込みでドアツードア13〜17時間以上 |
| 入国審査 | 米国ゲートウェイ経由の場合、入国審査と荷物のピックアップは最初の到着空港。ロサンゼルスでは2時間程度の乗り継ぎ余裕が必要 |
| 6月上旬の気候 | 平均最高37〜39°C、最低24〜25°C の砂漠気候。ほぼ毎日32°C超 |
6月のラスベガスは、東京の真夏より暑くて乾いています。屋外の移動は最小限にする前提で予定を組み、強い冷房との寒暖差対策に羽織るものを1枚持ってください。
行程プランを見る誰が主催しているのか
主催はシスコシステムズ自身です。運営を委託された興行会社も、業界団体も間に入っていません。基調講演に立つのはチャック・ロビンス会長兼CEO、ジートゥ・パテル社長兼CPOといった自社経営陣で、2026年はゲストとしてスターバックスのブライアン・ニコル会長兼CEOが登壇しました。外部の視点としては地政学ストラテジストのピーター・ザイハン氏らが呼ばれています(いずれも2026年実績)。
主催者の懐事情は、イベントの空気を読むうえで押さえておく価値があります。シスコは2026年5月に四半期売上高158億ドル(前年比12%増)という過去最高の決算を発表し、AIインフラ受注の年間目標を50億ドルから90億ドルへ引き上げました。Cisco Liveの基調講演と展示は、この「AIインフラのシスコ」という物語に沿って組まれます。2026年の会場を歩いたネットワンパートナーズの本田尚平氏は、展示フロアの構造をこう記録しています。
WoSで行われていた多くのデモが、Merakiであってもセキュリティ製品であっても、Cisco Cloud Controlのダッシュボード上で行われていた
つまりこのイベントで手に入るのは中立な市場観測ではなく、シスコのロードマップの一次情報です。ベンダーの言い分をベンダー自身の口から聞き、ラボで実機を触って裏を取る場だと割り切って使うのが正しい姿勢です。
どんな企業・人が参加しているのか
参加者の中心は、ネットワークエンジニア、セキュリティ担当、そしてIT部門の責任者です。CCIEやCCNAといったシスコ認定資格の保有者・受験者が多く、金融・医療・政府系のエンタープライズネットワーク設計者、CDWやPresidioに代表されるシスコのチャネルパートナー(VAR)が加わります。パートナーにとっては認定維持と顧客接待を兼ねた年中行事であり、会期中の夜はベンダー主催のディナーとイベントで埋まります。
日本企業は、見に行く側として毎年確実に参加しています。確認できるだけでも、ネットワンパートナーズが2026年のラスベガスから基調講演と展示フロアの速報を2本公開し、SB C&Sは3日間の現地レポートを出し、日立情報通信エンジニアリングは2024年の参加記録を公開しています。NTT DATAは2026年のスポンサー9社の1社でした(当社データベース、確度85)。APJC版のメルボルン開催について、AP Communicationsの武井氏は日本人参加者が80名を超えたと記録し、その価値をこう書いています。
日頃から協力関係にある企業はもちろん、普段はコンペティターとして競い合っている企業とも、この場ではCisco をともに進める仲間として意見交換ができるのが大きな魅力です。
国内では競合するSIer同士が、シスコというエコシステムの中では同業の仲間として情報交換する。日本のネットワーク業界におけるCisco Liveの実態は、この一文に尽きます。
会場では実際に何が起きるのか
5日間の構成は毎年ほぼ同じです。初日の日曜は登録と有料の技術セミナー(2026年は1本$595、4時間の集中講義)、月曜から木曜が本会議で、基調講演、1,000本超のセッション、ハンズオンラボ、展示フロアのWorld of Solutions(WoS)が並行して走ります。
エンジニアにとっての実利は3つあります。第一にラボです。予約制のInstructor-Led Labと、空きがあれば入れるWalk-in Self-Paced Labがあり、実機を使った演習が朝から晩まで回っています。第二に認定試験です。Full Conferenceパスには現地のPearson VUE試験1回分が含まれており、CCNPやCCIE筆記をラスベガスで受けて帰る参加者が珍しくありません。第三にMeet the Engineerです。シスコの開発側エンジニアと1対1で話せる予約枠で、国内の営業経由では届かない技術的な質問をぶつける場として使えます。いずれも枠が早く埋まるため、セッションカタログ公開と同時に予約するのが定石です。
展示フロアのWoSは約300社のパートナー展示で構成され、2026年はCisco Cloud Control(ネットワーク、セキュリティ、Splunkの可観測性を束ねる統合管理基盤)を中心にフロア全体が組まれていました。SB C&Sの現地レポートは2026年の空気を「AIエージェントが特別ではなくなる時代へ」と要約しています。
夜は公式イベントのCisco Live Celebrationです。2026年はAllegiant StadiumでMaroon 5とThe Chainsmokersが演奏し、Full Conferenceパスに追加料金なしで含まれていました。同伴者向けには$245のゲストパスが別売りされています。
現地に行かない選択肢も公式に用意されています。基調講演を含む一部コンテンツは無料のオンライン配信があり、2026年は登録不要で視聴できました。過去セッションの動画もオンデマンドで無料公開されています。発表内容を追うだけなら、配信で足ります。
参加にいくらかかるのか
2027年の料金は未発表です。以下は2026年実績で、複数の第三者ガイドが集計した数字を突き合わせたものです。2027年の正式価格は登録開始時に公式サイトで確認してください。
| パス | 価格(2026年実績) | 含まれるもの |
|---|---|---|
| Full Conference | $2,795〜$3,195 | 全セッション、ラボ、WoS、食事、Celebration、認定試験1回 |
| IT Leadership | $3,195〜$3,395 | Full Conferenceに経営層向けプログラムを追加。2026年は完売 |
| Explorer | $795〜$895 | WoS、基調講演、Celebration。技術セッションは対象外 |
| 政府・教育機関割引 | $2,595 | .govまたは.eduのメールアドレスが条件 |
価格は購入時期で3段階に動き、2026年のFull Conferenceは早期$2,795、通常$2,995、直前$3,195でした。早期割引の締切は開催の約3か月前です(2026年は5月31日開幕に対して2月23日)。5〜9名の団体で1人$75引き、10〜49名で$100引きという団体割引もあります。追加費用としては、日曜の技術セミナーが$595、Instructor-Led Labが$695〜$1,095です。支払いはクレジットカードのほか、シスコとの契約で保有するCisco Learning Credits(CLC)が使えます。CLCが余っている企業は、実質的な追加支出なしでパスを賄える場合があるので、購買部門に確認する価値があります。
出展については、はっきり書いておきます。Cisco Liveに一般の出展枠はありません。WoSに並ぶのはシスコのパートナーとスポンサーであり、床面積を買って自社ブースを構える仕組みそのものが存在しません。スポンサー枠の料金表も非公開です。「ラスベガスの大型イベントに出展して海外の見込み客を獲得する」という目的なら、Cisco Liveは選択肢に入らず、CESやInteropのような開かれた見本市を検討すべきです。
なお、費用を抑えたい場合の代替として、APJC版のCisco Live Melbourneがあります。公式価格でFull Conferenceが早期A$2,000(豪ドル、税抜)と、ラスベガスの半額程度です。時差が1〜2時間と小さく渡航の負担も軽いですが、発表の一次情報と参加者の規模はラスベガスに集中します。
費用を試算する日本企業にとって行く価値はあるか
判断軸は1つです。貴社の基盤がシスコのスタックで組まれているか、あるいはシスコを売る側にいるか。どちらでもないなら、このイベントは貴社向けではありません。
行くべき企業。 第一に、シスコ製品でネットワークやセキュリティを大規模運用している事業会社のインフラ部門です。1,000本超のセッションとラボ、認定試験、Meet the Engineerが1枚のパスに収まる構成は、エンジニア育成の投資として費用対効果を説明しやすく、パス$2,795と渡航費を合わせても国内研修数回分の密度があります。特にAIインフラへの移行を1〜2年内に控えている企業は、2026年に示された「AIトラフィック3年で3倍」という前提をシスコがどう製品に落とすかを、発表の場で直接確認できます。第二に、シスコパートナーのSIer・NIerです。ネットワンパートナーズやSB C&Sが毎年現地レポートを出しているのは、パートナーにとってここが製品知識と人脈の年次補給地点だからで、同業がすでにそこにいる以上、行かないこと自体が情報格差になります。
行かなくてよい企業。 まず、マルチベンダーや他社スタック中心の企業です。ここで得られる一次情報はシスコのロードマップであり、中立な市場観測ではありません。次に、出展や販路開拓が目的の企業です。Cisco Liveには一般出展の仕組みがなく、売る側として立つ場所がありません。そして、発表内容の把握だけが目的の企業です。基調講演は無料配信され、セッション動画もオンデマンドで公開されるため、情報収集だけなら渡航費を払う理由がありません。迷う場合は、まず2026年のオンデマンド動画と日本語の参加レポートで密度を確かめてから、2027年の登録を判断するのが安全です。
行くと決めたら、動く順番は明確です。公式サイトのNotify meで登録開始の通知を受け取り、早期割引(2026年の例では開催約3か月前が締切)のうちにパスを確保し、宿は登録直後に公式ブロックで押さえ、セッションカタログ公開日にラボと試験枠を予約する。この3手が遅れるほど、同じ金額で得られる中身が薄くなります。貴社の人数と目的に合わせた参加設計は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- Cisco Live 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年6月6日〜10日の5日間、ラスベガスで開催されます。公式サイトで日程と都市は発表済みですが、会場は未発表です。2024年・2026年はいずれもMandalay Bay Convention Centerで開催されました。参加登録は2026年8月時点でまだ開いていません。
- Cisco Liveの参加費はいくらですか?
- 2027年の料金は未発表です。2026年実績では、全セッションに出られるFull Conferenceパスが$2,795〜$3,195、展示と基調講演中心のExplorerパスが$795〜$895でした。早期割引は開催の約3か月前に締め切られ、Full Conferenceで$400の差がつきます。
- 日本からラスベガスへの直行便はありますか?
- 通年の直行便はありません。ロサンゼルスやサンフランシスコなど米国西海岸で乗り継ぐか、ソウル仁川経由で大韓航空の直行便を使うのが現実的です。所要は乗り継ぎ込みで13〜17時間以上を見てください。1月のCES期間限定の成田〜ラスベガス臨時直行便は6月には運航されません。
- 日本企業もCisco Liveに参加していますか?
- 毎年参加しています。ネットワンパートナーズとSB C&Sは2026年のラスベガスから現地レポートを公開し、日立情報通信エンジニアリングは2024年の参加記録を公開しています。NTT DATAは2026年のスポンサー9社の1社でした。APJC版のメルボルン開催には80名超の日本人が参加しています。
- Cisco Liveに出展はできますか?
- 一般の出展枠はありません。展示会場のWorld of Solutionsに並ぶ約300社はシスコのパートナーとスポンサーであり、CESのように床面積を買って出展する仕組みが存在しません。ブースを持つにはシスコのパートナープログラムかスポンサー契約が前提で、料金表も非公開です。
- 現地に行かずに内容を見る方法はありますか?
- あります。基調講演を含む一部コンテンツは無料でオンライン配信され、2026年は登録不要で視聴できました。過去のセッション動画も公式サイトのオンデマンドライブラリで無料公開されています。製品発表を追うだけなら渡航は必須ではありません。