MAU Vegas · ラスベガス

MAU Vegas 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断

最終更新:2026年8月19日

MAU Vegasは、2027年5月4日〜6日にラスベガスのBellagioで開催される、モバイルグロース特化のカンファレンスです。結論から言えば、日本のモバイルゲーム・アプリ企業にとって、本ガイドで扱う米国マーケティングイベントの中で最も適合度が高い1つです。理由は単純で、他のイベントが日本企業に「実績のない米国市場へ入る」ことを求めるのに対し、モバイルゲームは日本企業がすでに米国で大きな予算を動かしている数少ない領域だからです。実務者の参加費は$300、ベンダー側は$3,195。トラックは7つ全てがユーザー獲得と運用の話題です。この記事では、価格帯の構造、会場変更、そして日本企業の適合度を整理します。

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$300

実務者の参加費

100名超

登壇者

7分野

トラック

$3,195

ベンダー参加費

MAU Vegasとは何のカンファレンスか

モバイルアプリの成長、いわゆるモバイルグロースに特化したカンファレンスです。主催はClarion Eventsで、Affiliate Summit Westと同じ運営会社です。両者は同じパフォーマンスマーケティング市場の別々の面を扱っており、ASWがWebとアフィリエイト提携、MAUがモバイルアプリの成長を担当します。

扱う範囲は明確に絞られています。トラックは7つです。

  1. AIと自動化
  2. ユーザー獲得とメディアバイイング
  3. グロースパートナー
  4. クリエイティブとコンテンツ
  5. トラスト、セキュリティ、不正対策
  6. データ、計測、最適化
  7. エンゲージメント、リテンション、マネタイズ

ブランディングやマーケティング全般は扱いません。 インストールを獲得し、ユーザーを維持し、収益化する運用の話です。ブランド側の議論を求めるならPOSSIBLE、小売の文脈ならShoptalkが目的に合います。

いつ・どこで開催されるのか

項目内容
会期2027年5月4日(火)〜6日(木)
会場Bellagio Las Vegas
併催Growth Roadmap Kickoff Summit、How Giants Scale Summit、2.5 Gamers Gaming Summit

2027年から会場が変わります。 主催者は「Same community. New address」と告知し、Bellagioを新しいホームと呼んでいます。過去に参加した企業は、前回の会場やホテルを前提に手配しないでください。

夜の人工湖の対岸に、湾曲した外観のBellagioが煌々と照らされて建ち、その左右にCosmopolitanとCaesars Palaceの建物が並ぶ
2027年の会場となるBellagio(2013年12月撮影、会期外)。中央が本館、左がCosmopolitan、右がCaesars Palaceです。ラスベガス・ストリップ中央部に位置します。写真:King of Hearts(CC BY-SA 3.0)

2026年8月時点で参加登録は開始されておらず、通知登録の受付段階です。

3日間の組み立てが公表されています

会期の中身は日ごとに性格が違います。主催者が公開している開場時間はこうです。

日時間内容
5月4日(火)9:00〜18:00Kickoff Summit Day、MAU Clubhouse、1対1商談ゾーン、女性向けイベント、キックオフパーティ。展示は14:00開場
5月5日(水)9:00〜18:00展示、カバナ、メインステージ、教育セッション
5月6日(木)9:00〜15:00展示、カバナ、教育セッション。クロージングパーティは17:00〜19:00

この表から読み取るべきことが3つあります。

1つ目は、初日の午前に展示がないことです。 5月4日の展示開場は14時です。初日の午前はサミットと商談ゾーンの時間で、ブースを見て回る想定で朝から入っても、見るものがありません。逆に言えば、初日の午前は1対1商談に充てるべき時間として設計されています。

2つ目は、最終日が15時に終わることです。 3日目をフルに使う前提で予定を組むと、半日ずれます。ただしクロージングパーティは17時から19時なので、展示終了とパーティの間に2時間の空白があります。 ここで帰路につくか、パーティまで残るかを先に決めておかないと、中途半端に潰れる2時間になります。

3つ目は、カバナが会場設備として明記されていることです。 Bellagioのプールサイドのカバナが商談スペースとして使われます。ラスベガスのコンベンションセンターの会議室とは、商談の空気がまったく違います。服装の想定も変わります。

参加・出展にいくらかかるのか

パス価格対象
Attendee Pass$300実務者
Consultant Pass$595コンサルタント
Agency Pass$2,195代理店
Vendor Pass$3,195ベンダー
Premium Vendor Pass$7,600ベンダー(上位)
Media Pass無料メディア
MAU Clubhouse Access$299Clubhouseへのアクセス(別売)

米国のマーケティングイベントに共通する「買い手側が安く、売り手側が高い」構造が、ここでは無料・有料の二分ではなく段階的な価格差として表れています。アプリ事業者の実務者は$300、そこに売り込みたいベンダーは$3,195、上位のベンダー枠は$7,600です。実務者とベンダーの差は10.6倍、上位枠まで含めれば25倍あります。

これらはいずれも当日価格として記録された金額です。 事前登録の割引がどの程度になるかは2027年分が未発表ですが、掲載の金額は上限側だと考えて差し支えありません。 登録開始を待って早期に押さえる価値はあります。

MAU Clubhouse Accessの$299は、パスとは別建ての枠です。Clubhouseは初日の主要プログラムの1つとして開場時間表に載っており、$300のAttendee Passに含まれるのかどうかは公表資料からは読み取れません。Clubhouse目当てで行くのであれば、登録時に内訳を確認してください。

$300は、本ガイドで扱う米国マーケティングイベントの中で最も安い現地参加費です。 Social Media Marketing Worldの現地参加が$947、POSSIBLEが$2,850であることと比べてください。日本から1名を送る判断において、参加費はほぼ論点になりません。判断すべきは渡航費と3日間の時間だけです。

出展にあたる枠組みについて、主催者はこう書いています。

You're here to grow your business, not just work a booth. At MAU Vegas, sponsors sit at the center of the conversations that shape mobile growth.(主催者サイト、2026年8月19日閲覧)

ブースで立ち番をする形式ではなく、議論の中に入る形式だという説明です。

費用を試算する

誰が登壇するのか

2027年の登壇者は未発表ですが、直近の回で確認できた17名の顔ぶれが、このカンファレンスの立ち位置を説明します。

登壇者役職所属
Ben WebleyCMOScopely
Margarita VasilevskiVP, Performance MarketingScopely
Jeremy StrauserVP / Head of Apps & EngagementAudible
Nick FairbairnSVP, GrowthChime
Jeff RobertoSVP MarketingSplice
Sarah VinallSVP, Brand PartnershipiHeartMedia
Vivek GirotraVP Growth MarketingTimes Internet
Allan MamanCMOKalshi
Jeet NiyogiCMOCommunix
Jay ShinCEO兼創業者Delightroom
Dominique YahyaviCEO兼創業者Pixelcut
Bo AbrahamsenHead of SubscriptionFrameo
Andy CarvellCEO兼共同創業者Phiture
Jennifer SudoManaging Partner, AmericasM&C Saatchi Performance
Fabrice Beer-GabelSVP Strategy & PartnershipsIntent IQ
Peggy Anne SalzChief Analyst兼創業者MobileGroove
Alyx van der Vorm創業者Clyx

この一覧の重心は、アプリを持っている側にあります。 Scopelyがゲーム、Audibleがオーディオブック、Chimeが金融、Spliceが音楽制作、Kalshiが予測市場、Delightroomがアラームアプリ。広告を出す側の実務責任者が壇上にいるという構成です。ベンダー側からはIntent IQとPhitureが入っていますが、少数派です。

役職の層も特徴的です。CEOやCMOだけでなく、VP of Growth、Head of Subscription、VP Performance Marketingといった「実際に予算を動かす役職」が並びます。経営戦略の講演ではなく、運用の話が壇上でされる構成だと読み取れます。ScopelyからCMOとVP Performance Marketingの2名が出ているのは、その典型です。

メディアパートナーの顔ぶれも同じ方向を指しています。Business of Apps、MarTech Outlook、Gamigion、Retention Blog、Israel Mobile Summitなど、モバイル専門のメディアと地域イベントで構成されており、一般のマーケティング媒体はいません。業界の内輪の場だ、という理解で合っています。

会場では実際に何が起きるのか

4つのステージで100名超が登壇し、100を超える「curated experiences」が用意されます。参加者数は「thousands(数千人)」とだけ公表されており、具体的な数字は出ていません。主催者が参加者数を数字で出していないという点は、社内の稟議で規模を問われたときに困る材料なので、先に共有しておいてください。

会期中の枠組みとして公表されているのは、展示、4つのステージ、教育セッション、1対1商談ゾーン、MAU Clubhouse、プールサイドのカバナ、女性向けイベント、キックオフパーティとクロージングパーティです。加えて、主催者サイトにはSide Week Eventsという項目があり、会期前後に周辺イベントが立つ構造になっています。ラスベガスの大型カンファレンスに共通する形で、本会議に登録していない相手と会う機会は、この周辺イベント側にあります。渡航日程を会期の3日間ぴったりに詰めると、この層に触れられません。

主催者は出展者・スポンサーの対象をこう定義しています。ファーストパーティのアプリとブランド、ゲーム、パブリッシャー、スタジオ、開発者、創業者、代理店、投資家、そして7分野のソリューション提供者です。「ゲーム、パブリッシャー、スタジオ」が名指しで入っていることが、日本のモバイルゲーム企業にとっての適合度の根拠になります。

参加者層について、主催者の説明が具体的です。挙げられている職種は、パフォーマンス、プロダクト、クリエイティブ、データ、ブランド、ライフサイクル、エンジニアリングです。そのうえで、こう続きます。

MAU attracts the people who actually build and scale mobile growth, across every team.(同上)

「実際にモバイルグロースを作り、拡大している人たち」という表現です。日本から送るべきは広報担当ではなく、UA予算を実際に動かしている担当者だと読み取れます。

併催の3サミットのうち、2.5 Gamers Gaming Summitはゲームに特化しています。

確認できなかったこと

判断材料の限界を先に書きます。

項目状況
2027年の参加者数「thousands」とのみ。具体的な数字は未公表
2027年の登壇者未発表。本記事の17名は直近の回の顔ぶれ
事前登録の割引額未発表。掲載の金額は当日価格として記録されたもの
スポンサー・出展の料金非公開。主催者への個別問い合わせ
日本企業の参加実績出展記録も日本語の参加レポートも見つかっていません

このイベントについて日本語で書かれた第三者の記録は、当社の調査では1件も見つかりませんでした。 主催者の告知とベンダー自身の宣伝を除けば、参加した人が一人称で書いた記録も、費用を積み上げた記事もありません。日本語で検索して何も出てこないとすれば、それは検索の失敗ではなく、まだ誰も書いていないという事実です。

日本企業にとって行く価値はあるか

モバイルゲーム・アプリ企業には強く勧めます。 理由は日本企業の立ち位置にあります。

本ガイドで扱ってきた他のイベントでは、日本企業は「まだ実績のない米国市場へ入る側」でした。POSSIBLEには日本からの参加実績が確認できず、Social Media Marketing Worldは中小企業向けで日本の大企業には合いませんでした。

モバイルゲームは例外です。日本のパブリッシャーは米国で日常的に大きなユーザー獲得予算を運用しており、主催者の出展者プロフィールにも「games, publishers, studios」が明記されています。ここは市場開拓の場ではなく、同じ広告ネットワークに同じ規模の予算を投じている担当者同士が情報交換する場です。

費用面の障壁もほぼありません。 実務者$300は、担当者1名の渡航を検討するうえで無視できる金額です。ラスベガスへは日本からの直行便が通年では飛んでいないため、ロサンゼルスなどでの乗り継ぎか仁川経由になりますが、判断すべきは渡航費と3日間の時間だけで、参加費は稟議の論点になりません。会場のBellagioはストリップ中央部にあり、宿泊も会場も同一施設で完結します。

送るべき人選ははっきりしています。 主催者自身が対象者を「実際にモバイルグロースを作り、拡大している人たち」と定義し、登壇者もVP of GrowthやVP Performance Marketingで構成されています。広報担当や海外事業企画ではなく、UA予算の配分を自分で決めている担当者を送ってください。 初日午前の1対1商談ゾーンと、周辺のSide Week Eventsまで使い切れるかどうかが、この渡航の成否を分けます。

勧めないのは、モバイルアプリを持たない企業です。 7つのトラックは全てアプリの獲得・維持・収益化に関するもので、Webのみ、あるいはBtoBのみの事業とは接点がありません。その場合はAffiliate Summit Westのほうが近い領域です。

なお、日本からの参加実績そのものは確認できていません。 日本語の参加レポートも見つかりませんでした。適合度が高いという判断は、イベントが扱うテーマと出展者プロフィールから導いたものであり、日本企業が現に来ているという証拠ではありません。この点は正直に区別してお伝えします。

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よくある質問

MAU Vegas 2027はいつ、どこで開催されますか?
2027年5月4日〜6日の3日間、ラスベガスのBellagioで開催されます。2027年から会場が変わり、主催者は「新しいホーム」と説明しています。過去に参加した企業は、前回と同じ会場を前提に手配しないでください。
参加費はいくらですか?
Attendee Passが$300、Consultant Passが$595、Agency Passが$2,195、Vendor Passが$3,195、Premium Vendor Passが$7,600です。実務者$300は、本ガイドで扱う米国マーケティングイベントの中で最も安い現地参加費です。
どんな内容を扱うイベントですか?
モバイルアプリの成長に特化しています。トラックは7つで、AIと自動化、ユーザー獲得とメディアバイイング、グロースパートナー、クリエイティブ、不正対策、データと計測、エンゲージメントとマネタイズです。ブランディング全般は扱いません。
日本企業に向いていますか?
モバイルゲーム・アプリ企業には、本シリーズで扱う米国マーケティングイベントの中で最も適合します。主催者の出展者プロフィールに「ゲーム、パブリッシャー、スタジオ」が明記され、2.5 Gamers Gaming Summitも併催されるためです。
出展はできますか?
Vendor Pass $3,195、Premium Vendor Pass $7,600という枠組みがあります。主催者は「ブースで立ち番をする場ではない」と説明しており、展示より会話への参加を軸にした設計です。
出展費用の補助を受けられる制度はありますか?
使いにくい構造です。都内中小企業向けの東京都中小企業振興公社・展示会出展助成事業は海外展示会も対象ですが、申請には出展小間料の計上が必要です。MAU Vegasが売っているのは3,195ドルのVendor Passで、主催者自身が「ブースで立ち番をする場ではない」と説明しています。小間ではなくパスである以上、申請の形が作れません。
日本からの参加実績はありますか?
今回の調査では確認できませんでした。日本語の参加レポートも見つかっていません。ただし日本のモバイルゲーム企業が米国で大きなユーザー獲得予算を運用している以上、扱うテーマとの適合は構造的に高いと判断しています。

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