Heavy Duty Aftermarket Week · グレープバイン

HDAW 2027完全ガイド:日本の商用車部品メーカーのための出展・参加判断

最終更新:2026年8月23日

Heavy Duty Aftermarket Week(HDAW)2027は、2027年1月18日〜21日にテキサス州グレープバインのGaylord Texan Resort & Convention Centerで開かれる、北米の大型トラック・トレーラー補修部品業界の年次会合です。最初に結論を申し上げます。これは展示会ではありません。中心にあるのは事前予約制の1対1商談で、2026年には2,200件超が実施された一方、展示会場が開いていたのは2日間で合計9.5時間でした。したがって、米国に現地法人と在庫を持ち、既存または見込みの流通業者と年次の取引条件を詰めたい企業には、これ以上の場はありません。逆に、米国に販売網を持たず「現地で代理店を探す」ことを目的に出展を検討されている企業には、おすすめしません。商談の組み方そのものが、無名の新規参入者に不利にできているためです。この記事では、公表されている2027年の実費と、商談スケジュールが決まる仕組み、そして日本企業の直接出展が確認できていないという事実を、出典付きで整理します。

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2027年1月18日〜21日

会期

$4,190から

ブース最小構成

$3,450から

商談ルーム(別途必須)

合計9.5時間

2026年の展示時間

HDAWとは何のカンファレンスか

HDAWは、北米の独立系ヘビーデューティ補修部品業界において、流通業者とサプライヤーが年に一度、事前に組まれた予定表に沿って個室で商談する場です。製品展示は付属物であり、主役ではありません。この一点を取り違えると、費用の使い方をまるごと間違えます。

規模はこうなります。2025年の実績で来場者2,900人超、完売した展示フロアが143,000平方フィート超、出展社330社超でした。2024年もほぼ同じ数字です。2026年は主催者側の発言で「3,000人近く」、公式出展社ディレクトリの登録数は323社でした。3年続けて2,900人台で頭打ちになっており、伸びているのは人数ではなく、売り切れる床面積と商談ルームの数です。

ただし、この2,900人という数字は全区分の合計です。流通業者、出展サプライヤーのスタッフ、非出展サプライヤー、代理店、メディア、学生がすべて入っています。サプライヤーにとって商業的に意味のある数字は主催者が別に公表しており、流通業者の来場は800人超です。ブース代を払って会いにいく相手の母数はこちらだと考えてください。

イベントの性格は登録区分そのものによく表れています。参加費は13区分に分かれており、流通業者は会員$725から、メディアは$550、輸出管理会社は$775です。そしてブースを持たないサプライヤーは会員$4,190、非会員$7,390になります。買い手は安く、売り手は高く設定されています。買い手を集めて売り手に課金する構造が、価格表の段階で完全に露出しています。

この週の起源も性格を説明します。HDAWは11の業界イベントを統合して作られたもので、2026年で20年目を迎えました。主催者側のShannon O'Brien氏(MEMA Aftermarket Suppliers)が会期中の取材で語っています。

HDAW was brought together by consolidating 11 separate industry events.

もともと業界団体の年次総会の集合体であり、来場者を集客する展示会として設計されたものではない、ということです。

2027年はいつ・どこで開催されるのか

2027年1月18日(月)〜21日(木)、Gaylord Texan Resort & Convention Center(テキサス州グレープバイン、1501 Gaylord Trail)で開催されます。そしてグレープバインでの開催は2027年が最後です。

開催年都市会期
HDAW 2027テキサス州グレープバイン2027年1月18日〜21日
HDAW 2028ミズーリ州カンザスシティ2028年1月24日〜27日
HDAW 2029ノースカロライナ州シャーロット2029年1月22日〜25日

2030年以降はカンザスシティとシャーロットの隔年開催になります。2026年2月24日の共同プレスリリースで発表されました。移転の理由は主催者自身が明言しており、毎年完売してしまうため、より大きく、徒歩圏で回れる会場が必要になったというものです。会期中の取材でO'Brien氏はこう述べています。

Well 2027 is actually going to be our last year here at the Gaylord Texan. We love the Gaylord Texan. It serves this event extremely well. But as you've heard a couple of times, we keep selling it out, which is a great challenge to have.

Auto Care AssociationのBill Hanvey氏はリリースのなかで、移転が「サプライヤーの参加機会を増やす」ものだと説明しています。主催者側が、現状では参加枠が足りていないと認めた発言だと読めます。

上空から撮影したGaylord Texanの全景。湖と住宅地に囲まれた緑地に、ガラス屋根を持つ低層の会議棟と白い客室棟が一体となって広がっている
上空から見たGaylord Texan。客室棟、アトリウム、会議場、展示ホールがひとつの建物にまとまっており、右手はグレープバイン湖です。DFW空港までは約4マイル、車で約10分の距離にあります(2015年6月撮影、会期外)。写真:formulanone(CC BY-SA 2.0)

日本からの渡航は、米国の主要展示会のなかでは最も楽な部類に入ります。

  • 直行便:羽田(HND)からダラス・フォートワース(DFW)へ、アメリカン航空(AA176)と日本航空(JL12)が就航しています。ボーイング777型で約14時間5分、2026年7月時点で週14便です。
  • 空港から会場まで:約4マイル、車で約10分です。ダラス中心部からは約22マイルあります。
  • 1月の気候:最高気温約12.5℃、最低気温約3.8℃です。
  • 会場の規模:総会議面積400,000平方フィート超。展示会場のLonghorn Exhibit Hallは約180,000平方フィート、天井高24フィートです。

会場が空港の目の前にあるという点は、実務上あなどれない利点です。ラスベガスやアナハイムの大型展示会と違い、DFWに着いてから会場まで1時間かかるということがありません。しかも会場はホテルと一体で、会期中は建物から出る必要がありません。

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誰が主催しているのか

HDAWは展示会社が運営しているのではありません。3つの業界団体が3分の1ずつ共同所有し、運営は外部の専門会社に委託されています。

所有者組織の性格
Auto Care Association北米の独立系自動車・商用車の部品供給網を代表する業界団体。CEOはBill Hanvey氏。1対1商談の実務窓口もここが担当
CVSN(Commercial Vehicle Solutions Network)商用車アフターマーケットの全域、サプライヤーから流通業者、サービス事業者までを代表。会長はEdward Kuo氏
MEMA Aftermarket Suppliers1904年設立のMEMA(The Vehicle Suppliers Association、会員1,000社超)内のアフターマーケット供給側グループ。会長はEmily Poladian氏

会議運営はイリノイ州モキーナのWilliam T. Glasgow, Inc.(708-226-1300)です。ここは重要です。出展規約を読むと、出展資格の審査、床の割り当て、シニアリティ規則の運用、違反時の制裁は、いずれも団体ではなくGlasgow社が決定すると定められています。出展できるかどうか、どの位置になるかを実際に判断しているのはこの会社です。

さらに、6つの業界団体が共同運営委員会として名を連ねています。ADS(ディーゼル専門業者協会)、HDA Truck Pride、APRA傘下のHDRG(大型車リマニュファクチャリング部会)、ITPA(国際トラック部品協会)、Power Heavy Duty、VIPAR Heavy Dutyです。このうちHDA Truck Pride、Power Heavy Duty、VIPARは流通業者の共同購買・プログラムグループであり、つまり買い手側の団体がイベントの共同運営者として席に座っています。

日本企業にとって実務上もっとも重要な団体は、この一覧から2027年の表記では外れているものの、2024年・2025年の表記には入っていたOAC(Overseas Automotive Council)です。1923年設立、現在はMEMA内のネットワーキンググループで、その目的は「北米の製造業者・輸出業者と、アフターマーケットに参加するすべての海外の輸入業者・流通業者・代理店のための、国際コミュニティ」と定義されています。国際会員という区分が明示的に用意されており、AAPEXでのOAC Global Receptionや会員名簿、輸入品に関わる政策提言などが会員特典です。窓口はBen Brucato氏(bbrucato@mema.org)です。HDAWのブースを買わずに、この産業の国際的な人脈に接続できる唯一の公式ルートで、しかもHDAWの共同所有者自身が作った枠組みです。

1対1商談はどう組まれるのか

ここがHDAWの心臓部であり、出展の可否を決める唯一の論点です。

仕組みはこうです。1チームあたり最大20件の商談が事前に組まれ、1件35分、間に移動用の5分が挟まります。商談はサプライヤーが借りた個室で行われ、2027年は1月19日(火)・20日(水)・21日(木)の3日間です。流通業者の参加費は無料、サプライヤーはブース契約と商談ルームの賃借の両方が必要です。ブースだけでは商談に参加できません。1社あたり最大3チーム、チームごとに個室が必要です。

スケジュールはMeetMaxという専用システムで自動生成されます。そして、その決まり方が問題です。

For each team your company is bringing, companies will select and rank at least 30 companies to meet with.

各チームが最低30社を選んで順位を付け、スケジュールは双方の選択が一致した組み合わせから作られます。さらに、匿名で特定企業との商談を拒否できる「オプトアウト」機能があり、流通業者はサプライヤーが予定表を受け取る前に、自分の予定表を確認して編集できます。

日程の順序を見てください。

時期何が起きるか
2026年11月20日申込期限。サプライヤーはこの日までに商談ルームの予約も完了している必要があります
2026年11月23日〜12月2日流通業者が選択・順位付け
2026年12月3日〜9日サプライヤーが選択・順位付け
2026年12月10日サプライヤーに部屋が割り当てられます
2026年12月11日流通業者に予定表が届きます
2026年12月16日サプライヤーに予定表が届きます
2026年12月17日〜2027年1月8日自己スケジューリング期間。空き枠に個別申請できます
2027年1月11日〜15日変更はすべてHDAW事務局経由に切り替わります

流通業者が先に選び、サプライヤーが後から選びます。つまり、11月末に800人の買い手が候補リストを埋めている時点で、名前を知られていない日本のメーカーはどのリストにも載っていません。初出展企業の商談枠は、自社が指名した相手のうち相互選択が成立したものと、12月17日以降の自己スケジューリングで拾えた残り枠から埋まることになります。

では、初出展の商談件数はゼロになるのでしょうか。なりません。買い手側の証言がそれを示しています。East Texas Truck Centerの部品部門責任者Jake Nobles氏は、流通業者として初参加した2026年にこう語っています。

And sometimes it's a wild card with some of the guys you get paired up with for the meetings. But I think if you go into it with an objective, you'll get more out of it. If you're just going to just kind of hear them out, you might get to learn some suppliers that you've never heard of.

組み合わせが当たり外れになることもある、そして、聞くつもりで臨めば名前も知らなかったサプライヤーを知ることになる、という趣旨です。システムは実際に未知のサプライヤーを買い手の前に置いています。ただし、それは20枠が埋まる保証ではなく、数枠が回ってくる可能性の話です。

同じNobles氏が、その35分で何を聞きたいかも明確に述べています。

A lot of them can kind of be a dog and pony show. Here's who we were, who's here we are today. And it's like, you know, as myself as a distributor, it's more about today than tomorrow. Right? So it's more about finding out the program information. What can you supply me? How quickly can you get it to me?

会社紹介は要らない、何を供給できるか、どれだけ早く届くかを知りたい、ということです。初めて米国市場に出る企業が用意しがちな沿革入りの会社案内は、この場では最も歓迎されない資料です。そして、米国内に在庫を持たない企業は、この2つの質問のどちらにも答えられません。

一方で、既存関係の年次レビューの場でもあることは、Auto Care AssociationのTed Hughes氏の説明に出ています。

There's always going to be the opening of the meeting, how are the kids? How's everything going? But when it gets time to get down to the business, everybody has the preparation done and the statistics and the numbers in front of them.

「お子さんはお元気ですか」から始まります。それが2,200件のうちの大半の実態です。

なお、商談と展示は意図的に時間帯が重ならないよう設計されています。Hughes氏の言葉では「We do not cross one-on-one meetings with show space」。商談中は展示フロアが無人になり、展示中は商談ルームが施錠されます。片方に人が来ないから他方で挽回する、という運用はできません。

Gaylord Texanの会議場フロアのホワイエ。装飾的な絨毯が一面に敷かれ、シャンデリアが下がり、右奥へ続く窓の外にアトリウムのガラス屋根の白い骨組みが見える
Gaylord Texanの会議場フロア、宴会場前のホワイエです。窓の外に見える白い骨組みがアトリウムのガラス屋根で、商談ルームも展示ホールも同じ屋根の下にあります(2022年7月撮影、会期外)。写真:PCHS-NJROTC(CC BY-SA 4.0)

どんな企業が参加・出展しているのか

2026年の公式出展社ディレクトリに登録されていた323社を1社ずつ確認しました。結論から申し上げます。日本の本社が直接出展した例は1社もありません。

日本資本に連なる出展社は5社で、そのすべてが日本国外の法人としての出展です。

出展社日本との関係
DENSO Products & Services Americas, Inc.(ブース1207)デンソーの米国子会社
Mitsubishi Electric Automotive America三菱電機の米国子会社
Bower Heavy Duty Bearings by NTNNTNの米国向け大型車用ベアリングブランド
Freudenberg-NOK(TransTec、Corteco)独日合弁の米国法人
ROTA / NSK OtomotivNSKのトルコ合弁

デンソーは少なくとも2020年から出展しています。日本語で読める唯一のHDAW関連記事も2020年のデンソーの発表で、出展主体は米国子会社のDPAM、コメントしているのは大型車製品企画責任者のGilbert Ramirez氏でした。同記事によれば、当時展示したA/Cコンプレッサーの適用範囲にはダイムラー・トラック北米、日野自動車、ジョンディアの車両が含まれています。日本のトラックブランドの部品需要は、この市場に確かに存在しています。

ここで誤解を避けたいのですが、HDAWは外国企業に閉じているわけではありません。むしろ外国企業だらけです。閉じているように見えるのは日本だけです。

国2026年に自社名で直接出展していた企業
トルコSAMPA USA、YUMAK USA / BAGEN、UPK Otomotiv、Zeki Turbo、Global Diesel Otomotiv、Rostar Filters、Andac Brake Calipers
中国Qingdao Tordon Brake、Global Sorl Auto & Truck Parts、Winhere Brake Parts
インドAPA Engineering、Mansons International、Setco Automotive NA
欧州febi bilstein(独)、Euroricambi SpA(伊)、Elring(独)、TMD Friction(独)、UFI Filters(伊)、Merlin Diesel Systems(英)、Melett(英)、Parlok Oy(芬)、WUZETEM(波)
ブラジルFrasle Mobility
日本直接出展なし

トルコ、中国、インドのメーカーは母国の社名のまま出展しています。距離も言語も日本と大差ありません。にもかかわらず日本の本社名がひとつもないという事実は、この市場が日本企業を拒んでいるからではなく、日本企業がこのチャネルを選んでこなかったことを示しています。

出展社の顔ぶれ自体は、この産業の全域を覆っています。ブレーキ・摩擦材(Bendix、MGM Brakes、Webb Wheel、TMD Friction)、駆動系・ホイールエンド(Dana、Eaton、ConMet、STEMCO、Timken)、エンジン・過給機(Cummins、BorgWarner、Garrett、PHINIA)、フィルタ・排気(Donaldson、Baldwin、Fleetguard、MANN+HUMMEL)、電装・照明(Clarience、Grote、Peterson、Whelen)、そしてBosch、Continental、ZF、MAHLEといった総合サプライヤーが並びます。買い手側からはVIPAR Heavy Duty、HDA Truck Pride、LKQ Heavy Truck、Wheeler Fleet Solutionsが自らブースを出しています。

JETROのジャパンパビリオンはありません。共同出展枠も、このイベント固有の公的補助も、日本語の視察団募集も、調査した範囲では一切確認できませんでした。参考までに、ベトナムは商工省ヒューストン貿易事務所を通じてテキサスのトラック部品展示会への企業参加を公式に募集しています。他の輸出国はこの市場に対して組織的に動いています。

参加・出展にいくらかかるのか

2027年の料金はすでに公表されています。順に見ていきます。

参加登録は区分ごとに大きく異なります。1名あたりの金額です。

区分会員非会員
流通業者、最初の2名$725$1,125
流通業者、3名目以降$525$875
出展サプライヤー、無料枠を超える分$525$875
非出展サプライヤー(1社2名まで)$4,190$7,390
代理店(出展社に所属)$525$875
広告代理店・コンサルタント$6,025$6,025
輸出管理会社$775$775
メディア$550$550

ブース料金は平方フィート単価制です。会員(ADS、Auto Care Association、CVSN、MEMA Aftermarket Suppliersのいずれか)は1平方フィートあたり$41.90、非会員は$73.90です。最小構成の10フィート角(100平方フィート、約9.3平方メートル)で、会員$4,190、非会員$7,390になります。2026年は$39.90/$69.90でしたので、5.0%の値上げです。角地は$850、半島型は$1,365、島型は$2,465の追加料金がかかり、いずれも配置確定後に加算されます。10フィート角には参加登録2名分が含まれます。

ここで数字を見比べてください。非出展サプライヤーの登録料$4,190は、10フィート角のブース料金$4,190と1ドルも違いません。非会員も$7,390で完全に一致します。2026年も同じ関係でした($3,990/$6,990に対し$39.90/$69.90)。偶然ではありません。ブースを買わずに来るなら、ブースと同額を払え、という設計です。

そして商談ルームが別料金です。

種別料金条件
モジュラー会議室1室$3,450ブース契約があれば可。ブースの大きさの下限なし。Longhorn Exhibit Hall F、9×15フィート10室と12×12フィート77室
プレミアム会議室1室目$4,725、2・3室目は各$4,20020×20フィート(400平方フィート)以上のブース契約が必要。3階、37室

いずれも$850の商談運営手数料、MeetMaxの利用権、飲み物ステーション、会議テーブルと椅子、1日1回の清掃、電源、ドアの社名表示を含みます。

したがって、サプライヤーとしてHDAWに意味のある形で参加する最小構成の実費は次のとおりです。

項目会員非会員
10フィート角ブース$4,190$7,390
モジュラー商談ルーム1室$3,450$3,450
小計$7,640$10,840

この小計には含まれていない必須費用があります。展示会場に床材は敷かれておらず、全出展社が自費でカーペットを用意することが義務付けられています。加えて組合労務費、荷役費、設営30日前までに提出する100万ドルの賠償責任保険証明、国際輸送費、そして渡航費です。Freemanの料金表は出展社向けログインの内側にあり公開されていないため、本記事では総額の目安を提示しません。渡航人数と日程を含めた概算は、下のツールでお試しください。

なお、費用面で最初に確認すべきは団体会員資格です。会員と非会員でブース単価が$41.90と$73.90、つまり76%の差があります。10フィート角で$3,200の差、20フィート角なら$12,800の差になります。MEMA Aftermarket Suppliersなどへの入会が現実的かどうかは、出展を検討する前に計算する価値があります。

支払条件も押さえてください。契約時に総額の50%、残額は2026年11月9日が期限です。商談ルームのキャンセルは2026年12月3日までなら$500の事務手数料、12月4日〜16日は50%、12月18日以降は100%が違約金になります。ブース契約を取り消すと、紐づく商談もすべて消えます。

費用を試算する

会場では実際に何が起きるのか

4日間の中身は、月曜のHDAD、火〜木の1対1商談、2日間の展示会、そして通しの交流プログラムの4つです。時間配分がそのまま価値の配分になっています。

月曜日はHDAD(Heavy Duty Aftermarket Dialogue)です。2027年1月18日(月)、同じGaylord Texanで開催されます。MEMA Aftermarket SuppliersとMacKay & Companyが共催する丸一日の市場見通しカンファレンスで、HDAWとは別登録・別料金です。中核はMacKay & Companyの「Aftermarket Industry Economy & Outlook」セッションで、補修部品需要の予測とマクロ指標が提示されます。ほかに車両運行事業者によるフリートパネル、経営層の生の声を扱う「Talk from the Top」、MEMAとMacKayの独自調査結果などが並びます。MacKay & Companyは1968年創業、シカゴ近郊に本社を置く商用車・建設機械・農業機械専門の市場調査会社で、欧州・ブラジル・メキシコに合弁関係を持っています。

火曜から木曜が1対1商談です。2026年は2,200件超が実施されました。前章のとおり、これがこのイベントの本体です。

展示会は2日間です。2026年の実績で、火曜13時30分〜18時、水曜8時30分〜13時でした。合計9.5時間です。4日間の会期のなかで、ブースに人が来る可能性のある時間はここだけです。2027年の展示時間は2026年8月23日時点で未公表ですので、2026年を前例として見積もってください。

展示フロアの性格は「Show Specials」のページを見るのが早道です。並んでいるのは、会期中の発注を条件とした5%から12%の数量割引、最低発注金額、無償提供のオファーです。実際に発注が動く場であり、ブランディングの場ではありません。ただし規約上、会場での即納販売は禁止されており、受注できるのは後日納品分のみです。

交流プログラムは登録料に含まれています。月曜16時からのLeaders of Tomorrow(45歳以下限定、業界の熟練者20名以上とのスピードメンタリング)、月曜17時30分からのウェルカムレセプション、火曜のHDAWomenレセプション、水曜20時からのレセプション(2025年はテキサス・レンジャーズの本拠地Globe Life Field、2024年はAT&Tスタジアムでした)。

Gaylord Texanの屋内アトリウム。白い鉄骨のガラス屋根の下に客室のバルコニーが幾層も並び、ヤシの木と砦を模した石造りの構造物、噴水と水路が配置されている
Gaylord Texanのアトリウム。ガラス屋根の下に客室のバルコニーが幾層も重なり、アラモ砦を模した石組みと水路が作り込まれています。証言に必ず登場するSilver Barもこの中にあり、夜の時間はこの屋根の下で完結します。グレープバインでの開催は2027年が最後になります(2009年8月撮影、会期外)。写真:Andrew Simons/QuakeCon(CC BY 2.0)

そして、この週の空気を最も正確に伝えているのは、CVSNのKristen Kellogg氏の一言です。

It's a family reunion of sorts every January.

毎年1月の親族の集まりのようなもの、という表現です。取材したJamie Irvine氏はさらに率直で、「握手より抱擁のほうをよく見かける」と述べています。46年のキャリアを持つ流通業者のJohn Ferry氏は「我々は大きな一つの兄弟団だ」と言います。20年続いた共同体に、外から入っていくことになります。

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は1つです。貴社は米国内に、法人と在庫と、電話に出る人を持っていますか。持っているなら、この週は北米の商用車補修部品事業を1年分決める場です。持っていないなら、2027年のブースは買うべきではありません。

逆に、米国での流通網をこれから作る段階であれば、3月ルイビルのMid-America Trucking Showのほうが向きます。あちらはディーラー勧誘に使われている展示会で、スペース代も1,450ドルからです。

行くべき企業。 第一に、すでに米国子会社または米国倉庫を持ち、取引のある流通業者が1社か2社ある状態から、全国的なプログラムに広げたい企業です。1対1商談はまさにそのために設計されています。VIPAR Heavy DutyやHDA Truck Prideといった共同購買グループ、FleetPrideのような全国チェーンの調達責任者が、35分の枠を持ってその部屋に座っています。デンソー、NTN、三菱電機がこの形で参加しているのは、それが機能する形だからです。

商材が補修部品ではなく、新車に載る部品やサブシステムであれば、買い手が違います。フリートとトラックOEMに当たるのは5月ラスベガスのACT Expo、架装・特装であれば3月インディアナポリスのWork Truck Weekです。

第二に、日本のトラックブランドの米国市場での保有台数に対応する部品を持ち、米国側に在庫を置ける企業です。適用車種として日野やいすゞが実在する製品には、この会場に固有の説明価値があります。デンソーのA/Cコンプレッサーが2020年時点で日野を適用範囲に含めていた事実が、その先例です。

第三に、そして2027年に固有の事情として、自社の関税分類と着地原価を数字で説明できる企業です。2025年11月1日発効の通商拡大法232条により、商用車部品には25%の追加関税が課されています。

ここで、日本語・英語を問わず流通している説明を1つ訂正させてください。「日本原産の部品は15%に留まる」という記述が通関業者の解説資料に見られますが、大統領布告の附属書を確認したかぎり、その15%の扱いは乗用車部品の規定です。附属書が日本とEUについて15%の基準を設けているのはHTSUS 9903.94.44、9903.94.45、9903.94.54、9903.94.55の各項で、いずれも「乗用車部品」であり、輸入者が米国内での乗用車の生産または修理に使うことを証明する必要があります。

商用車部品の項(9903.74.08および9903.74.09)は扱いが異なります。附属書は当該項について、すべての国からの商用車部品の輸入に適用されると明記しています。例外として置かれているのはUSMCA特恵(9903.74.10)と、そもそも商用車部品ではない品目(9903.74.11)の2つだけで、日本やEUの国別規定はありません。さらに附属書は、商用車部品について第99類のより低い税率や免税を根拠とする申告を認めないと定めています。布告の本文にも日本という語は一度も現れません。

つまり、貴社の製品が商用車部品として分類されるのであれば、25%はトルコ製や中国製と同じく貴社にもかかります。関税は追い風ではありません。ただし分類は製品ごとに変わり、乗用車と商用車の両方に使われる部品であれば乗用車部品としての扱いを受けられる余地があります。適用される分類と税率は、必ず貴社の通関業者にご確認ください。本記事は分類の助言を行うものではなく、上記は2026年8月23日時点で公開されている布告附属書の記載にもとづく整理です。

そのうえで申し上げます。2027年1月にあの個室に座る流通業者は、25%を被った調達品目の値付けをやり直している最中です。自社製品の分類、着地原価、そして値上げの見通しを数字で説明できるサプライヤーは、その1点だけで会話が前に進みます。説明できないサプライヤーは、35分を失います。

行かなくてよい企業。 まず、米国に法人も在庫も持たず、現地で代理店を見つけることを目的に出展を検討している企業です。厳しく申し上げます。この目的にHDAWは向いていません。理由は3つあります。商談スケジュールは相互選択で決まり、流通業者側のランキングが先に締め切られるため、無名の社名は候補リストに載りません。買い手が35分で聞きたいのは「何を供給できるか、どれだけ早く届くか」であり、米国在庫のない企業はどちらにも答えられません。そして落穂拾いの場である展示フロアは、2026年実績で9.5時間しか開いていません。代理店は展示会で見つけるものではなく、この場に一緒に立つために事前に見つけておくものです。

次に、乗用車向けの補修部品メーカーです。区分が違います。北米の乗用車アフターマーケットの年次会合はラスベガスのAAPEXとSEMA Showであり、HDAWはクラス6〜8のトラック・トレーラーの世界です。

そして、公的な共同出展枠や補助金を前提に計画を立てている企業です。ジャパンパビリオンはありません。ブースが必要なら主催者と直接契約する以外に道はなく、その前に出展資格の審査を通る必要があります。

「まずブースを持たずに見に行く」という選択肢について、重大な注意があります。 一見すると、非出展サプライヤー(NES)として登録して1年見学するのが合理的に見えます。実際にはこれは推奨できません。規約が3つの制約を課しているためです。第一に、費用はブース1小間と同額の$4,190(会員)または$7,390(非会員)で、2名分のみです。第二に、NESは展示会場でも、ダラス・グレープバイン地域のいかなるホテル・会場でも、販売目的で流通業者に接触することを禁じられています。商談ルームの賃借も、会合の開催も禁止です。つまり$4,190を払って、営業活動を一切せずに歩くことになります。第三に、そしてこれが決定的なのですが、規約にはこう書かれています。

Companies that have previously exhibited or attended HDAW as a non-exhibiting supplier may not attend HDAW unless they are an Exhibiting Supplier.

NESとしての参加は生涯に1年限りです。一度使うと、次からは出展社になる以外に会場に入る道がありません。偵察のつもりで消費してよいカードではありません。

もう1つ、初出展企業が知っておくべき仕組みがあります。シニアリティ制度です。出展1年につき1ポイントが付与され、床の割り当てはこのポイント順で決まります。2年連続で出展しなければポイントは失効し、合併時も両社の合算ではなく高いほうだけが残ります。初出展はゼロポイントから、20ポイントを持つ企業と並ぶことになります。最良の位置は最初から埋まっています。

そこで、現実的な順序を提案します。

2027年1月18日、HDADに1人か2人送ってください。 これがこの記事で最も実行しやすい提案です。HDADはMEMAとMacKay & Companyによる別カンファレンスで、HDAWのブースを必要とせず、HDAWの非出展サプライヤー登録とは別物なので、1年限りの権利を消費しません。MacKayの補修部品需要予測、フリートパネル、経営層のセッションが1日で手に入ります。そして会場は同じホテルです。同じ週、同じ建物に業界のすべてが集まっています。

同じ1年で、OACに接続してください。 1923年設立、MEMA内の国際ネットワーキンググループで、国際会員という区分が明示的に用意されています。11月のAAPEXでのGlobal Receptionと、年に数回のEspresso Chatが接点です。窓口はBen Brucato氏です。ここでMEMA Aftermarket Suppliersの会員資格も併せて検討してください。ブース単価が$73.90から$41.90に下がります。

そのうえで、2028年1月のカンザスシティで出展してください。 理由は3つあります。1年かけて具体的な流通業者名のリストを作れるので、11月のランキングで相互選択が実際に成立します。移転で会場が広がり、主催者自身が「サプライヤーの参加機会を増やす」と述べています。そして2027年のグレープバインは、20年の歴史を締めくくる完売確実の記念回であり、新参者にとって最も席の少ない年です。

最後に、費用と時間の見え方をもう一度整理させてください。この週にサプライヤーとして参加する最小の実費は会員で$7,640、非会員で$10,840です。それで買えるのは、9.5時間の展示時間と、相互選択が成立した場合に最大20件の35分です。この金額の対価は露出ではなく、名前のわかっている相手との35分です。相手の名前がまだ決まっていない段階で買うものではありません。逆に、会いたい流通業者の社名がすでに10社挙がっているのであれば、この産業でそれ以上に効率のよい場所は北米に存在しません。貴社の状況に即した判断は、下記からご相談ください。

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よくある質問

HDAW 2027はいつ・どこで開催されますか?
2027年1月18日(月)から21日(木)まで、テキサス州グレープバインのGaylord Texan Resort & Convention Centerで開催されます。グレープバインでの開催はこの年が最後で、2028年はカンザスシティ、2029年はシャーロットに移ります。
HDAWの参加費はいくらですか?
サプライヤーの場合、ブースを持たない参加登録は会員$4,190、非会員$7,390で、2名分・1回限りです。ブースを持つ場合は10フィート角$4,190(会員)に登録2名分が含まれます。流通業者側は会員$725からです。
HDAWは展示会ですか、商談会ですか?
商談会です。中心は事前に組まれた1対1商談で、2026年には2,200件超が実施されました。展示会場が開いていたのは2026年実績で2日間合計9.5時間のみです。商談時間と展示時間は意図的に重ならないよう設計されています。
1対1商談に参加するには何が必要ですか?
ブース契約と商談ルームの賃借の両方が必要です。ブースだけでは参加できません。商談ルームはモジュラータイプが$3,450、プレミアムが$4,725からです。申込期限は2026年11月20日で、ブース自体は例年11月までに完売します。
参加費や商談枠の費用に補助は使えますか?
使えません。都内中小企業向けの東京都中小企業振興公社・展示会出展助成事業は海外展示会も対象ですが、申請には出展小間料の計上が必須で、対象経費は小間料・装飾費・輸送費などブースまわりに限られます。HDAWの本体である1対1商談の参加費はここに入りません。展示会場が開くのは2026年実績で2日間合計9.5時間だけですから、ブース費用だけを助成対象として組み立てても、費用の大半は自己負担のまま残ります。
日本企業もHDAWに出展していますか?
日本の本社が直接出展した例は確認できていません。2026年の出展323社のうち日本資本はデンソー、三菱電機、NTN、フロイデンベルグNOK、NSKの5社ですが、いずれも米国法人または合弁会社としての出展です。
初出展でも商談は入りますか?
ゼロにはなりませんが、20枠を埋める前提では計画できません。スケジュールは相互選択で決まり、流通業者側のランキングが先に締め切られるため、認知のない社名は選ばれる側のリストに載りません。米国での実績が前提の仕組みです。
米国の関税で日本製部品は有利になりますか?
商用車部品については他国と同条件です。通商拡大法232条により2025年11月1日からトラック部品に25%が課されており、大統領布告の附属書は当該項目を「すべての国から」の輸入に適用すると明記しています。日本の15%扱いは乗用車部品の規定であり、商用車部品には及びません。

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