The Utility Expo · ルイビル
The Utility Expo 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断
最終更新:2026年9月6日

The Utility Expoは、電力・ガス・水道・通信の配管配線をつくり直す現場に、実物の機械を持ち込んで動かして見せる展示会です。2027年は10月5日(火)〜7日(木)、ケンタッキー州ルイビルのKentucky Exposition Centerで開かれます。 結論から申し上げます。日本語の情報がほぼ存在しないという意味では未開拓ですが、日本企業が誰も行っていない場所ではありません。 2025年には、大阪の絶縁用保護具メーカーであるヨツギ株式会社が小間S2916に出ています。日本籍の出展社は、1,084社中その1社だけでした。
この4つの数字が、この展示会の性格をほぼ説明しています。2万2,600人という規模は米国の大型展示会としては中位ですが、1,084社が15カ国から集まっていて、そのうち日本の製造業者が1社という比率は極端です。 同じ名簿を「CO., LTD」で検索すると、中国籍の出展社が一度に10社返ってきます。アジアからの供給側の存在感は、この会場では中国のものです。
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主催者の公式資料とEXPAが編集した概要資料を掲載しており、種別は各資料に表示しています。
2万2,600人超
登録来場者数(2025年、主催者発表)
1,084社
出展社数(2025年、15カ国)
31.50ドル
屋内小間料(非会員、1平方フィート)
1社
日本籍の出展社(2025年)
The Utility Expoとは何の展示会か
架空送配電線、地中埋設、ガス管、水道管、下水、通信ケーブルの建設と保守に使う機械と資材の展示会です。 主催はAEM(Association of Equipment Manufacturers、米国建設機械工業会に相当する業界団体)で、本部はウィスコンシン州ミルウォーキーにあります。AEMがこの展示会を所有し、自ら運営しています。
起源は展示会ではなく、実演でした。主催者のイベント概要にこう書かれています。
The field demonstration concept was developed in 1964 to help solve an equipment evaluation and communications problem. Illinois Bell invited 12 trencher manufacturers to demonstrate equipment in the same field, on the same day in the summer of 1966.
通信会社が「同じ畑で、同じ日に、12社のトレンチャーを動かしてみせろ」と言ったのが始まりです。 60年後の今も、この展示会の中身はそれです。屋外区画だけで32エーカーを超え、機械は実際の作業条件に近い状態で動かされます。
名称には注意が必要です。2020年までこの展示会はICUEE(International Construction & Utility Equipment Exposition)と呼ばれていました。 現在の名称での開催は2021年からです。2021年より前の英語資料はすべてICUEE表記で、日本語で「ICUEE」を検索してもPC周辺機器のソフトウェアと大学名しか出てきません。過去の記録を探すときは英語で当たってください。
会場は2029年までルイビルに固定されています。2020年7月16日付のLane Report紙の見出しが「The Utility Expo renews commitment to Kentucky Exposition Center through 2029」です。複数回の出展を前提に計画を立てても、開催都市が動く心配はありません。
規模は主催者発表の2025年実績です。
| 指標 | 2025年実績 |
|---|---|
| 登録来場者 | 2万2,600人超 |
| 出展社 | 1,084社、15カ国、うち新規290社 |
| 展示面積 | 150万平方フィート超(屋内外合計) |
| 屋外区画 | 34エーカー超 |
| 教育セッション受講券 | 700枚超 |
| 登録メディア | 73媒体、個別取材35件 |
この2万2,600人は「登録者数」であって、来場者数として発表された数字ではありません。 主催者自身の資料が REGISTRANTS と書いています。トップページでは「22k+ Attendees」と丸められています。社内資料に載せるときは、登録者ベースであることを添えてください。
いつ・どこで開催されるのか
会期は2027年10月5日(火)〜7日(木)、会場はKentucky Exposition Center(937 Phillips Lane, Louisville, KY 40209)です。開場時間は最終日だけ短く、7日(木)は14時に閉場します。 3日目を丸一日と見込んだ日程を組むと、半日分の予定が消えます。
| 日付 | 開場時間 |
|---|---|
| 10月5日(火) | 8時30分〜17時 |
| 10月6日(水) | 8時30分〜17時 |
| 10月7日(木) | 8時30分〜14時 |
ここで1つ、主催者サイト自身の誤記を指摘しておきます。 参加登録ページの冒頭が「Join us October 7-9, 2027, in Louisville, Kentucky.」となっています(2026年9月6日確認)。出展要項、出展規程、イベント概要、トップページ、サイトのフッターはいずれも10月5日〜7日です。正しいのは10月5日〜7日で、登録ページが古いまま残っています。 航空券をこのページの日付で手配すると、会期を丸ごと外します。
渡航条件は良くありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直行便 | ありません。米国内で1回乗り継ぎます |
| 所要時間 | 羽田〜ルイビル(SDF)で13時間30分前後。ユナイテッド航空のシカゴ・オヘア経由が代表的です |
| SDFの国際線 | 定期国際旅客便はありません。UPSの世界最大級の貨物拠点Worldportがある空港です |
| 会場の位置 | Kentucky Exposition CenterはI-65とルイビル国際空港に隣接しています。市中心部ではありません |
| 会場の規模 | 屋内130万平方フィート、うちClass A展示スペース約70万平方フィート、屋外約500エーカー |
会場が空港の隣にあるという事実は、ホテル選びを左右します。 日本語で唯一この展示会を扱っているハルカゼ旅行社の視察モデルプランも、宿泊例に空港横のフォー ポインツ バイ シェラトンを挙げています。ダウンタウンに泊まると毎日往復することになります。
行程プランを見る誰が来て、何を買うのか
来場者の中心は、電力・ガス・水道・通信の事業者と、その設備を実際に施工する請負業者です。 主催者の分類では、資産管理者、車両・機材の責任者、調達担当、現場監督が名指しされています。事業種別は、公益事業者、ディーラー・販売店・レンタル、重機建設、電力協同組合、サービス業、官公庁・自治体、公営電力、投資家所有の電力会社の順に挙がっています。
来場者が見に来る製品分野は、主催者調査で次の順です。
| 分野 | 関心を示した来場者 |
|---|---|
| 地中埋設工事 | 39% |
| 送配電システムと構成部品 | 28% |
| 揚重(高所作業車・クレーン) | 24% |
| 現場支援機材・工具 | 24% |
| 業務管理 | 22% |
| 掘削・運搬 | 21% |
| 携行安全用品 | 17% |
| 現場安全・オペレーター監視 | 17% |
| インフラ保守 | 15% |
| 技術ソリューション | 15% |
主催者は購買意欲の調査結果も公表しています。来場者の70%超が来場をきっかけに購買する予定があると答え、83%が購買決定に影響力を持ち、93%が特定の出展社を見るために来場すると答えています。これらは主催者による調査で、回答者数と手法は公表されていません。 数字を社内で使うときは出所を添えてください。
出展効果として主催者が載せている来場者の声も、3件とも機材選定の話です。
We wound up focusing on purchasing a piece of equipment we weren't really looking at due to a demo.(Eric L.、Dirt Moves, Inc.)
実演を見て、探していなかった機械の購入検討に切り替えた、という証言です。 主催者が選んで載せた声なので割り引いて読む必要はありますが、この展示会が売り物にしているのが「動かして見せること」であることは、この1文に集約されています。
日本企業はどこまで来ているのか
2025年の出展社名簿を検索した結果、日本国旗が付いていたのは2件です。
| 出展社 | 小間 | 内容 |
|---|---|---|
| YOTSUGI CO., LTD.(ヨツギ株式会社) | S2916、屋内 | 製品分類は「Electric Distribution」。絶縁用保護具・防具のメーカー |
| CSPI | 記録せず | 日本の国際建設・測量展(CSPI-EXPO)。メーカーではありません |
ヨツギ株式会社は1934年設立、資本金9,000万円、従業員約220名、大阪市西区に本社、東京都中央区京橋に事業所を持つ会社です。国内7拠点、海外3拠点。製品はゴム絶縁手袋、絶縁袖カバー、EVA絶縁服、絶縁シート、絶縁カバーで、いずれも活線作業の安全用品です。同社は英語サイトで2025年8月19日にこう告知しています。
We are pleased to announce that we will be exhibiting at THE UTILITY EXPO 2025 at Kentucky Exposition Center, Louisville, KY. We look forward to seeing you at YOTSUGI booth, S2916.
英語サイトにだけ2文、日本語での告知も出展報告もありません。 これがこの展示会に関する日本語の一次情報のすべてです。
日系メーカーの米国法人は、米国籍として登録されています。 日立建機アメリカ(Hitachi Construction Machinery Americas)、加藤製作所系のKATO Compact Excavator Sales、マキタUSA、ナブテスコが名簿にあります。一方、名簿検索で見つからなかったのは、ヤンマー、竹内製作所、クボタ、コマツ、タダノ、アイチコーポレーション、住友、デンヨー、酒井重工業、新ダイワ、興研、コベルコです。
そしてアジアからの供給側の存在感は、中国のものです。 「CO., LTD」の1検索で、南京、江蘇、上海、寧波、浙江、江西、常州の油圧・ゴムクローラ・車両照明メーカーが10社返ってきました。日本籍は1社です。韓国のSungJi Hydraulics、台湾のWinner Hydraulicsもいます。
この検索はキーワードによる抽出であり、1,084社を1件ずつ数えたものではありません。したがってこの1社という数字は下限であって、確定値ではありません。 それでも、方向は明確です。日本の高所作業車・油圧機器・建設機械メーカーにとって、この会場は競合の日本企業がまだ立っていない場所です。
費用を試算する出展にいくらかかるのか
屋内は1平方フィートあたりAEM会員22.00ドル、非会員31.50ドルです。 初出展の日本企業は非会員価格になります。
| 区画 | AEM会員 | 非会員 |
|---|---|---|
| 屋内(1平方フィート) | 22.00ドル | 31.50ドル |
| 屋外 1,200〜10,000平方フィート | 3.40ドル | 5.90ドル |
| 屋外 10,001平方フィート以上 | 2.80ドル | 5.90ドル |
- 屋内の最小区画は100平方フィート、10フィート刻みです。10フィート角の非会員価格は3,150ドル、会員なら2,200ドルです。
- 屋外の最小区画は1,200平方フィートです。非会員の最小構成で7,080ドルになります。
- 非会員の割増は屋内で43%です。屋外は会員価格の1.7倍から2.1倍に開きます。
支払いは申込時に総額の50%、これは返金されません。 残額は2027年5月28日が期限で、同日以降の申込は全額前払いです。キャンセル規定は、5月28日より前なら残額のみ返金、同日以降は一切返金なしです。
小間料に含まれないものが3つあり、どれも金額が大きくなります。
- 出展社バッジは別売りです。出展規程が「Space cost does not include Exhibitor Show Badges」と明記しています。氏名の変更は2027年9月25日まで無料です。
- 資材搬入、いわゆるマテリアルハンドリングも別料金です。屋内外ともKentucky Exposition Centerが公式業者で、屋外の搬入出はAEMが仕切ります。すべての運送業者は場内のマーシャリングヤードで受付を通す必要があります。
- 電気、装飾、リード獲得端末、会議室などのオプションもすべて別です。
含まれるのは、インライン小間の背面8フィート・側面3フィートのドレープ、販促キット、出展社向けセミナー、顧客サポート窓口、オンライン名簿の基本掲載、区画外周の警備です。
AEM会員価格は、初出展では使えないとお考えください。 出展規程の条件はこうです。
Companies joining AEM after The Utility Expo 2025 must have at least 2 years of membership dues paid in full prior to the Exposition.
2025年大会に会員として出展していない企業は、本展示会より前に2年分の会費を完納している必要があります。2026年秋に入会して2027年10月に間に合うかどうかは、この文言だけでは判断できません。 前払いが認められるかを含め、AEMに直接確認してください。窓口は下に挙げます。
優先区画の割当は終わっています。 優先申込の締切は2026年6月5日で、この日を過ぎた申込は先着順に割り当てられます。優先順位の計算式は「AEM会員年数×2+2025年大会の出展面積÷100」なので、初出展の日本企業はどのみち0点でした。残っている区画から選ぶ、というのが2027年の現実的な前提です。
米国法人がない場合の3つの道
出展資格は製造業者と役務提供者に限られています。 出展規程の定義はこうです。
Exhibitors must manufacture equipment, components, parts, or accessories or provide services related to the construction and maintenance of systems, grounds, and rights-of-ways by the following utilities: telephone, electric power, gas, water, sewer, cable TV, street lighting, and traffic signals.
日本の機械・資材メーカーはこの定義に入ります。問題は契約主体です。道は3つあります。
1つ目は、自社名義でそのまま出展することです。 出展規程は出展社の所在国を問いません。ヨツギ株式会社は東京の住所と日本の電話番号で名簿に載っています。米国法人がなくても、日本の本社名義で申し込めます。 ただし賠償責任保険と資材搬入は自前で手配する必要があり、これは後述します。
2つ目は、米国唯一の総代理店に展示してもらうことです。 出展規程にこの一文があります。
Master distributors can display equipment, components, parts, and accessories of non-exhibiting companies if they are the sole U.S. distributor to a non-U.S. manufacturer.
非米国メーカーの米国唯一の総代理店であれば、そのメーカー自身が出展していなくても製品を展示できます。 米国に販売網はあるが法人はない、という日本企業にとって最も安い入口です。ただし小間の契約主体は代理店であり、貴社の名義は出ません。東京都の助成金を使うなら、この形は共同出展として対象外になります。
3つ目は、インターナショナル・パビリオンです。 出展規程は、米国外の建設機械業界団体に対して、その会員企業へ再販するためのパビリオン区画を主催者の裁量で提供できると定めています。現時点で日本の業界団体がこれを運営している形跡はありません。 つまり、この道は今のところ存在しますが、開いていません。
なお、他社との小間の共用は書面の事前承諾なしにはできません。 中古機械の展示も原則禁止で、例外はOEM自身によるリマニュファクチャリング品と、自社が製造した歴史的な機械だけです。親会社や子会社を含む別ブランドを名簿に追加するには、1件あたり250ドルの追加掲載料がかかります。
保険、搬入、そして視察のときの落とし穴
賠償責任保険の要件は、日本の国内契約の延長では通りません。 保険証明書(COI)の提出期限は2027年7月30日、提出先はsales@rainprotection.netです。追加被保険者として、ケンタッキー州フェア理事会、Kentucky Exposition Center、Kentucky International Convention Center、そしてAEM(The Utility Expoとして事業を行う)の4者を記載する必要があります。最低補償額は次のとおりです。
| 種類 | 最低額 |
|---|---|
| 一般賠償責任(1事故あたり) | 100万ドル |
| 生産物・完成作業総括 | 200万ドル |
| 自動車賠償責任(所有・非所有・借用を含む、単一限度額) | 100万ドル |
| 労災補償・使用者賠償責任 | 50万ドル、ケンタッキー州の要件を満たすこと |
現地のブローカーを挟む前提で、2027年前半には着手してください。
搬入出の期間は長く、屋外区画は9月23日から10月4日、屋内は10月1日から10月5日です。10月4日17時にクリーンフロア規定が発効し、通路上の資材、脚立、工具箱がすべて排除されます。 撤去は10月8日から11日で、10月7日14時の閉場前に撤収を始めると早期撤去の違約金が発生します。
7月30日には、吊り物の図面、屋外区画の平面図、1,000平方フィート以上の屋内区画の平面図、機材申告書、ドローン使用申請がまとめて期限を迎えます。9月3日は動物の持ち込みと小間内イベントの申請期限です。
視察だけの場合に、日本語でどこにも書かれていない落とし穴があります。 出展規程の非出展ベンダー(Non-Exhibiting Vendor、NEV)規定です。
Non-exhibiting vendors (NEVs) are defined as anyone attending The Utility Expo who is not a buyer or specifier of the products and services on display in the exhibits.
NEVs may not engage in any marketing or selling activities on the show floor and during show hours. No merchandise, literature, giveaways, or roller bags are permitted on the show floor during show hours.
出展資格のある会社の社員が、出展せずに会場を歩いて営業すると、この規定に触れます。 会社案内の配布もノベルティもキャリーバッグもできず、主催者はいつでも退場させられると書いています。ただし、出展社の招待枠で入った来場者はNEV扱いになりません。現地の代理店候補や既存顧客に招待してもらうのが、規定に沿った歩き方です。
参加登録の公式業者はMaritz1社です。主催者は、来場者名簿を売り込む業者はすべて非公式であり、連絡が来たら米国連邦取引委員会(FTC)に通報するよう案内しています。日本企業が狙われやすい典型的な出展社詐欺なので、社内で共有してください。
補助金はどこまで使えるのか
ジェトロの支援対象ではありません。 2026年9月6日時点の「ジェトロが出展支援する展示会(年間予定)」に掲載されている米国の展示会は8件で、機械・機器分野の米国枠はIMTS 2026の1件だけです。The Utility Expoは掲載されていません。なおジェトロの見本市データベースであるj-messeは2026年3月31日でサービスを終了しているため、そこに行を見つけたとしても現行の根拠にはなりません。
一方、東京都の助成金は、要件に照らすと使える見込みがあります。 公益財団法人東京都中小企業振興公社の令和8年度展示会出展助成事業は、助成限度額150万円、助成率3分の2以内、海外展示会も対象です。公社のページ自身が「BtoBの展示会への出展費用等を助成します」と書いています。募集要項の要件をこの展示会に当てはめると、次のようになります。
| 要件 | 判定 |
|---|---|
| (1)事業者との商談を主たる目的とする展示会等であること | 満たします。主催者のイベント概要が対象来場者を公益事業者と請負業者と明記しています |
| (3)主催者発行の出展案内(出展要項)が公開され、公募されていること | 満たします。出展要項と出展規程がPDFで公開されています |
| (7)申請事業者が主体の出展であること | 自社名義の出展なら満たします。総代理店による展示は共同出展とみなされ、対象外です |
| (8)販売を行わない出展であること | 満たせます。会場での受注は認められていますが必須ではなく、価格表示は規程で禁止されています |
| 出展小間料が主催者発行の出展要項で確認できること | 満たします。1平方フィート単価が公開されています |
この要件の並びは、消費者向けイベントを落とすためにあります。 同じ2027年の米国展示会でも、Sakura-Conのような即売中心のイベントは(1)と(8)で落ちます。この展示会は逆で、商談を主目的とするB2B展示会という条件に素直に当てはまります。10フィート角の非会員価格3,150ドルは、150万円の枠に対して十分に小さい金額です。
ただし注意点が3つあります。第一に、交通費と宿泊費は助成対象外と募集要項に明記されています。第二に、公社は申請前の対象可否の照会に応じません。第三に、申請はJグランツ経由で、gBizIDプライムの発行に2〜3週間かかります。2027年10月の出展に間に合わせるなら、2026年内にIDを取得してください。
日本の業界とのつながりは1本だけあります
The Utility Expoの22の支援団体のうち、1つが日本の展示会です。 国際建設・測量展(CSPI-EXPO)が支援団体に名を連ねており、逆にCSPI自身も2025年の出展社名簿に日本国旗付きで載っています。CSPI-EXPOの第9回は2027年6月23日〜26日、幕張メッセ、主催は国際建設・測量展実行委員会です。
つまり、6月に幕張、10月にルイビル、という同じ年の並びが成立します。 ジェトロのパビリオンも自治体のミッションもないこの展示会で、日本の業界と制度上つながっているのはこの1本です。CSPI-EXPOに出展している企業であれば、両者の関係を入口にできます。
支援団体の残りは、米国とカナダの請負業者団体と公益事業団体です。全米公益事業請負業者協会(NUCA)、配管配線請負業者協会(DCA)、通信インフラ請負業者協会(NATE)、全米流体パワー協会(NFPA)などが並びます。この顔ぶれは、来場者が誰かを団体名で示しています。
出展の窓口
主催者の営業体制は、米国内は州別、海外は地域別に担当が分かれています。アジア・オセアニアの担当者は名前と直通番号が公開されています。
| 担当 | 領域 | 連絡先 |
|---|---|---|
| Kaien Li(Executive General Manager) | アジア、オーストラリア、ニュージーランド | +1 414-298-4124、kli@aem.org |
| Paul Flemming(Vice President, Membership & Sales) | 国際全般 | +1 866-236-0442、exhibitors@aem.org |
日本からの問い合わせはKaien Li氏が受け口です。 AEM会員資格の2年要件、区画の空き状況、パビリオンの可否は、いずれもこの窓口で確認できます。
日本企業にとって行く価値はあるか
判断は「北米の公益事業者と施工業者に売る気があるか」の一点で決まります。 あるなら、この展示会は日本企業がまだ埋めていない場所です。ないなら、13時間半の乗り継ぎと3日間を使う理由がありません。
行くべき企業。
第一に、活線作業の安全用品、絶縁材、高所作業車の部品、油圧機器を作っていて、北米に販路を持ちたい中堅メーカーです。ヨツギ株式会社が実際に立っている場所です。10フィート角3,150ドルという小間料は、北米の公益事業者と施工業者を3日間で目の前に並べる費用としては安い部類に入ります。しかも競合の日本企業が来ていません。
第二に、中国の油圧・ゴムクローラ・照明メーカーと同じ棚で比較される覚悟がある企業です。名簿の構成が示すとおり、この会場でアジアの供給側といえば中国です。価格で並ぶ場所ではなく、品質と保証の説明をする場所だと考えてください。
第三に、米国に唯一の総代理店を持っている企業です。代理店の小間に製品を置く道が規程で開かれており、費用も自社出展より小さくなります。1回目はこの形で反応を見て、2029年に自社名義で出るという段取りが組めます。
第四に、東京都内の中小企業です。この展示会は東京都の助成要件に素直に当てはまります。消費者向けイベントでは通らない申請が、ここでは通る可能性があります。
勧めない企業。
第一に、視察だけを目的とする機械メーカーです。非出展ベンダー規定があるため、資料配布もノベルティも営業もできません。行くなら出展社の招待枠を確保してください。
第二に、日本語の情報を頼りに判断したい企業です。この展示会について日本語で書かれているものは、旅行会社の視察モデルプラン1本と、ヨツギ株式会社の英語での2文だけです。参加レポートも出展レポートも視察団の記録も、探しましたが存在しませんでした。 社内稟議を前例で通す文化であれば、前例がありません。
第三に、送配電の系統技術やソフトウェアを売りたい企業です。この展示会の主役は現場で動く機械です。系統側の技術と電力事業者の意思決定層に当たるなら、TechAdvantage(全米電力協同組合協会主催)やPOWERGEN Internationalのほうが会う相手が近くなります。
第四に、2027年に大きな屋外区画を取りたい企業です。優先申込は2026年6月5日に締め切られており、初出展の優先順位は0点です。屋外の最小区画1,200平方フィートが残っているかは、AEMに聞かないとわかりません。
現実的な進め方を提案します。
まず、Kaien Li氏に1通メールを出してください。 聞くことは3つです。2026年秋に入会した場合にAEM会員価格が2027年に適用されるか、屋内100平方フィートの空きがあるか、日本の団体によるインターナショナル・パビリオンの前例があるか。この3つの答えで、費用が2,200ドルなのか3,150ドルなのかが決まります。
次に、2027年3月のMid-America Trucking Showを同じ会場で見ておく手があります。 同じKentucky Exposition Center、同じ空港隣接、同じ搬入体制です。10月の本番の前に、建物と物流を実地で確認できます。
そして、東京都の助成金を使うなら、gBizIDプライムの取得を2026年内に済ませてください。 発行に2〜3週間かかり、申請はJグランツ経由の指定日のみです。手続きの遅れで小間料の3分の2を取り逃すのは、いちばんもったいない負け方です。
貴社の製品と北米の販売体制を踏まえた判断は、下記からご相談ください。
ご相談はこちらよくある質問
- The Utility Expo 2027はいつ・どこで開催されますか?
- 2027年10月5日(火)〜7日(木)、ケンタッキー州ルイビルのKentucky Exposition Centerです。開場は5日と6日が8時30分〜17時、7日が8時30分〜14時。2年に1度、奇数年の開催です。なお主催者サイトの参加登録ページだけが「October 7-9, 2027」と誤記しています。正しい会期は10月5日〜7日です。
- 出展費用はいくらかかりますか?
- 屋内は1平方フィートあたりAEM会員22.00ドル、非会員31.50ドルです。屋内の最小区画は100平方フィートなので、10フィート角の非会員価格は3,150ドルになります。屋外は最小1,200平方フィートで、非会員は1平方フィートあたり5.90ドル、つまり7,080ドルからです。小間料に出展社バッジと資材搬入は含まれません。
- 日本企業は出展していますか?
- 2025年の出展社名簿で日本国旗が付いていたのは2件です。絶縁用保護具のヨツギ株式会社(小間S2916)と、日本の展示会である国際建設・測量展(CSPI-EXPO)です。日立建機アメリカやマキタUSAなど日系の米国法人は米国籍として登録されています。1,084社中、日本の製造業者は実質1社です。
- 米国法人がなくても出展できますか?
- できる可能性があります。出展規程が、非米国メーカーの米国唯一の総代理店であれば、そのメーカーが出展していなくても製品を展示できると定めています。ただし小間の契約主体は代理店であり、貴社名義の出展ではありません。東京都の助成金を使う場合は、この形は共同出展とみなされ対象外になります。
- ジェトロや自治体の支援制度は使えますか?
- ジェトロの支援対象ではありません。2026年9月時点の「ジェトロが出展支援する展示会(年間予定)」に掲載されている米国の機械・機器分野の展示会はIMTS 2026のみです。一方、東京都中小企業振興公社の令和8年度展示会出展助成事業(限度額150万円、助成率3分の2以内)は、要件に照らすと対象になり得ます。
- 出展せずに視察だけする場合、注意点はありますか?
- 非出展ベンダー(NEV)規定があります。出展資格のある企業に所属する来場者は、会期中の会場内で営業活動、資料配布、ノベルティ配布、キャリーバッグの持ち込みができません。違反すると退場させられます。商談目的で歩くのであれば、出展社から招待枠で招いてもらう必要があります。
- AEM会員価格は使えますか?
- 初出展では使えないとお考えください。2025年大会にAEM会員として出展していない企業は「本展示会より前に2年分の会費を完納していること」が条件です。2026年秋に入会して2027年10月に間に合うかは規程に書かれていません。AEMのアジア担当(kli@aem.org)に直接確認してください。
- 日本からのアクセスはどうなりますか?
- 直行便はありません。米国内で1回乗り継ぎ、羽田からルイビル(SDF)まで所要13時間30分前後です。ユナイテッド航空のシカゴ経由が代表的な経路です。SDFに定期国際旅客便はありません。会場のKentucky Exposition Centerは空港に隣接しており、市中心部ではありません。
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