IPC APEX EXPO · アナハイム

IPC APEX EXPO 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断

最終更新:2026年8月6日

IPC APEX EXPO 2027は、2027年4月3日〜8日にカリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Centerで開催される、北米最大のエレクトロニクス製造技術展です。結論から申し上げます。この週の価値の中心は展示フロアではなく、規格委員会です。IPC-A-610やJ-STD-001が貴社または貴社の顧客の受入基準に組み込まれている企業、とりわけ車載向けのサプライヤーには、行く価値があります。逆に、米国に販売代理店も現地法人も持たないまま「現地で代理店を見つける」ことを目的に出展を検討されている企業には、おすすめしません。来場者数は主催者が公表しておらず、業界紙の推定で7,000〜9,000人規模、RSA Conferenceのおよそ5分の1です。この記事では、2027年について確定している事実と2026年の実績値をはっきり分けたうえで、$25のフロアパスから1平方フィートあたり$52のブース単価まで、実際にかかる金額を出典付きで並べます。

4月6日〜8日

展示会(2027年)

$25

フロアパス(2026年実績)

$3,500から

ブース100平方フィート

12社を確認

日本企業の出展・登壇

IPC APEX EXPOとは何のカンファレンスか

IPC APEX EXPOは、電子機器製造の業界団体が年1回開く、展示会・規格委員会・技術会議・教育講座の4つで構成された週です。展示会だけのイベントではありません。ここが他の米国大型展示会と決定的に違う点で、判断のすべてがここから派生します。

主催はGlobal Electronics Association、2025年6月23日までIPCと名乗っていた団体です。イベント会社ではなく、規格を作り、認証を出し、教育を提供する業界団体です。展示フロアは複数ある収入源の1つにすぎず、この週の骨格は展示会がなくても成立する規格委員会のほうにあります。

構成は、出展したジャパンユニックスの2026年報告が最も正確に整理しています。

展示会、標準化委員会、テクニカルカンファレンス、プロフェッショナルデベロップメント(講義)で構成され、設計・実装・材料・信頼性・標準の各領域における議論および情報共有の場となっています。

規模については、主催者が来場者数を公表していないという事実から書く必要があります。公式サイトが出しているのは到達範囲だけで、来場者は47か国・米国49州から集まると記載されています。人数はありません。業界紙のExhibition Showcaseは2026年3月17日、会期中の記事で出展社400社超、来場者7,000〜9,000人と報じましたが、これは記者の推定値であり、主催者の確定値ではありません。閉幕後の訂正も発表もありませんでした。

したがって、この展示会を「北米最大」と説明する場合、それはエレクトロニクス製造という分野の中での話です。絶対的な規模ではありません。推定値どおりなら来場者はRSA Conferenceの約5分の1、CESとは桁が2つ違います。小さく、専門的で、同じ産業の人しかいない場です。この性格を理解せずに規模を期待して行くと、確実に失望します。

一方で、規格委員会の熱量は別の話です。2026年のIPC-A-610/J-STD-001タスクグループについて、ジャパンユニックスはこう記録しています。

なお、本年の参加者は過去最高を更新し、170名を超える専門家が世界中から集結し議論を重ねました。

展示会の来場者数は公表されないのに、委員会の参加者数は過去最高として記録される。この団体が何を本体だと考えているかが、そのまま表れています。

2027年はいつ・どこで開催されるのか

2027年4月3日(土)〜8日(木)、Anaheim Convention Centerで開催されます。ただし会期は3つの層に分かれており、展示会は4月6日〜8日の3日間だけです。ここを間違えると、フロアが開く前に3日間を過ごすことになります。

会期日程内容
Meetings & Courses4月3日〜8日規格開発委員会、プロフェッショナルデベロップメント講座(講座は4月4日〜5日と8日)
Conference4月5日〜8日Advanced Electronic Packaging Conference(技術発表は4月5日〜7日)
Exhibition4月6日〜8日展示会フロア

参考までに、2026年の展示会は3日目が半日で終わりました。タムラ製作所が公表した会場時間は、初日10:00〜18:00、2日目9:00〜18:00、3日目9:00〜14:00です。最終日の午後に商談を入れると、会場はもう閉まっています。

会場のAnaheim Convention Centerは、市の公式サイトが米国西海岸で最大のコンベンションセンターと明記している施設です。総面積は約180万平方フィート、うち展示面積が813,607平方フィートあります。1967年7月開業で、以後6回の増築を経ています。2026年に日本企業が使ったブースはHall CとHall Dに集中していました。

日本からの渡航には、他の米国カンファレンスにはない事情が1つあります。

項目内容
直行便羽田・成田・関西からロサンゼルス国際空港(LAX)へ直行便
LAXから会場約34マイル(約55km)、標準39分、渋滞込みで40〜60分
SNAから会場約12〜13マイル、約20分。ただし日本からの直行便はありません
4月上旬の気候日中21℃前後、朝晩12℃前後。降水は月12mm程度、雨は5〜6日
公式ホテルonPeakのみ。他社からの営業は主催者非公認

アナハイムに空港はありません。日本からの経路は必ずLAX着で、そこから55kmの陸路が追加されます。会場に近いジョン・ウェイン空港(SNA)は車で20分ですが、日本便は飛んでいません。サンフランシスコの会議のように「直行便で着いて徒歩圏」という移動にはならないので、初日の朝一番から会場に入る予定であれば、前日入りを前提に組んでください。

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誰が主催しているのか

主催はGlobal Electronics Association、法人名はIPC International Inc.です。1957年にInstitute of Printed Circuitsとして発足し、1999年にIPCへ改称、そして2025年6月23日にGlobal Electronics Associationへ再度改称しました。会員企業は3,000社超、本部はイリノイ州Bannockburnにあります。

この改称は日本の読者にとって実務的な混乱の種なので、正確に整理します。団体名は変わりましたが、規格と認証は今もIPCの名前で発行されています。IPC-A-610もJ-STD-001もIPC規格のままです。イベント名も公式サイト上では「APEX EXPO 2027」となり、IPCが外れました。一方で、日本の出展社の告知も、業界のディレクトリも、検索クエリも、いまだにほぼすべてが「IPC APEX EXPO」です。同じ展示会を指す名前が3通り流通している状態だとご理解ください。

改称の理由について、団体は次のように説明しています。

The electronics industry has fundamentally changed. The Association has expanded well beyond its beginning in printed circuit boards, we're enabling AI, autonomous vehicles, next-generation communications, and much more.

プリント基板から始まった団体が、AIや自動運転や次世代通信まで扱う範囲に広がったので名前を合わせた、という説明です。

経営体制で押さえる名前は2人です。President兼CEOのDr. John W. Mitchell氏、そしてBoard ChairのTom Edman氏です。Edman氏はPCBメーカーTTM TechnologiesのPresident兼CEOでもあります。規格を作る団体の理事長が、その規格の適用対象である製造業の経営者でもある、という構図です。業界団体としては通常の姿ですが、規格改訂の議論を読むときには知っておく価値のある事実です。

日本企業にとって最も重要な事実は、この団体が東京に拠点を持っていることです。Global Electronics Associationは東京・永田町の山王パークタワーに事務所を構えており、日本語のサイトと日本語の窓口があります。主要なIPC規格には日本語訳があり、トヨタ自動車、オムロン、アドバンテスト、GMがIPC規格を導入した理由についての日本語の事例インタビューも公開されています。アナハイムへ行く前に、日本語で、東京で、この団体と話ができます。米国の展示会としては例外的な条件です。

どんな企業が参加・出展しているのか

2024年から2027年の一次情報で、12社の日本企業の関与を社名で確認しました。出展が8社、スポンサードが1社、規格委員会と技術会議への登壇が3社です。ここで重要なのは、日本企業の存在感が展示ブースよりも規格委員会と技術発表の側に偏っている点です。

出展を確認できた企業は次のとおりです。

企業出展年ブース内容
ジャパンユニックス2026メインエントランス正面自動はんだ付け装置、レーザーはんだ付け装置
サキコーポレーション2026#28053D SPI/AOI、大型LED・バックプレーン基板向けX線検査装置を世界初公開
エレファンテック2024、2026Hall C-D 4629インクジェットによるアディティブPCB製造、HDIマイクロビア、TGV
日本スペリア社2025、2026#2206(2025)、#1129(2026)鉛フリーはんだ、SN100C
エステック(島根県松江市)2026(初出展)Hall C-D 4341マイルドプラズマ表面改質技術を米国初公開
タムラ製作所2026タムラ化研(アメリカ)名義ソルダーペースト、ソルダーレジスト、感光性カバーレイ、窒素リフロー炉
タカヤ(岡山県井原市)2025、2026非公表フライングプローブテスタ
マコー(新潟県長岡市)2024Hall C 3842ウェットブラストによる表面処理

加えて、オムロンは2027年の来場者ネックストラップのスポンサーです。会場にいる全員が3日間オムロンの名前を首から下げることになります。会員価格$13,000の枠で、この展示会で最も費用対効果の高い露出の1つです。

そして、規格委員会と技術会議です。ここが日本企業の本当の主戦場です。

  • 東海理化の鈴木氏が、001/610オートモーティブ委員会の日本グループ委員長を務めています。
  • トヨタ自動車の西森氏が同グループの副委員長で、両氏が日本からの提案事項を国際会議の場で説明しています。
  • 同じくトヨタ自動車の柴田氏が、パッドオンビアがはんだ接合と凝固過程に与える影響について技術発表を行いました。
  • 太陽インキの角谷氏が、イオン汚染測定の試験条件依存性について発表しました。
  • エレファンテックは2026年、ブースに加えて技術会議とTechnology Pavilionの2枠で登壇しています。

この構造を、ジャパンユニックスの報告が端的に記録しています。

本グループは日本でも活動しており、本会議には日本グループの委員長、副委員長である鈴木氏(東海理化)と西森氏(トヨタ自動車)が代表して参加し、日本からの提案事項を説明しました。

日本の自動車産業が、車載電子機器の受入基準そのものを書く側の席に座っている、ということです。展示会の来場者数を心配する話ではありません。

出展の形にも一貫したパターンがあります。日本企業は自社単独ではなく、米国側の代理店または現地法人を通して出展しています。ジャパンユニックスは現地代理店FANCORTとの共同出展で、しかもブースに立ったのは日本の営業ではありませんでした。

出展内容は自動はんだ付け装置、レーザーはんだ付け装置を中心としており、弊社の北米オフィスおよびメキシコオフィスのスタッフが参加しました。主に北中米からの来場者との対面での技術説明および商談が実施されました。

タムラ製作所も同様で、出展会社名は「タムラ化研(アメリカ)株式会社」です。日本から営業チームを送り込んでブースを回す形は、確認できた範囲では1社もありませんでした。

日本以外の顔ぶれも押さえておきます。2027年の最上位スポンサー(Premier Sponsor、$25,000枠)は韓国のKoh Young Americaで、すでに売り切れています。他にKurtz Ersa(ドイツ)、Kyzen、Chemcut、Cetec ERP、そしてイリノイ州の経済開発公社がスポンサー枠を押さえています。2026年の技術会議にはBosch、Hyundai Mobis、Atotech、MacDermid Alpha、Indium Corporation、Zestronが発表し、教育講座ではUnimicronがチップレットと2.5D/3D実装を、NASA Goddard Space Flight CenterのBanhu氏が物理故障ベースの信頼性評価を講義しました。

なお、JETROのジャパンパビリオンはありません。共同出展枠も、この展示会に固有の公的補助ルートも確認できませんでした。日本のSME支援コンサルタントがJETROの海外見本市出展支援や中小機構のハンズオン支援が「活用できる場合あり」と記載していますが、これは一般制度についての記述であり、この展示会向けの枠ではありません。

会場では実際に何が起きるのか

4日間の中身は、規格開発委員会、技術会議(AEPC)、教育講座、そして展示フロアの4つです。参加報告を読むと、記述量の配分がそのまま価値の配分になっています。

規格開発委員会が中心です。ここでIPC-A-610やJ-STD-001の改訂が実際に議論されます。2026年の議題を見ると、この場が形式的な承認機関ではないことがよく分かります。はんだ濡れ性の図版について、受入基準と不適合基準に同じ画像が使われているという不具合が指摘され、修正が合意されました。スルーホール部品のリード識別については、片側で確認できれば不適合としない方向で整理されました。その理由が、この委員会の思考様式をよく表しています。

これは、識別性確保のための追加加熱やリワークが、熱ストレスによる信頼性低下を引き起こす可能性を考慮したものです。

検査で見えるようにするための追加加熱が、かえって信頼性を下げる。だから見え方の要求を緩める。外観基準と実物の信頼性を天秤にかけた判断です。

車載向けの議論はさらに実務的でした。

主に車載用途の追加版では、量産実態と規格の乖離が論点となりました。

そして、結論に至らなかった議題も記録されています。マスキング残渣とイオン汚染の扱いは、評価方法のばらつきと定義の曖昧さから継続検討となりました。合意できないものは合意しないまま持ち越す。生きている委員会の姿です。

技術会議(Advanced Electronic Packaging Conference)は査読付きの技術発表の場で、2027年は4月5日〜7日です。2026年の発表は、はんだ接合信頼性、材料特性、PCB製造プロセス、清浄度評価、環境対応にわたりました。日本企業の発表も複数あります。太陽インキの角谷氏の結論は、日本の品質保証部門がそのまま持ち帰れる内容です。

イオン汚染測定は試験条件依存性が高く、単一基準での評価は不適切です。

教育講座(Professional Development)は、委員会や技術会議とは目的が違います。

委員会やテクニカルカンファレンスが議論や研究成果の共有を目的とするのに対し、本プログラムはそれらを実務に適用可能な形で理解することに主眼が置かれています。

基調講演について、2027年の登壇者は2026年8月6日時点で未発表です。2026年の顔ぶれは、IBM QuantumのDr. David Lokken-Toyli氏が量子コンピュータの部材サプライチェーンについて、IntelのDr. Ravi Mahajan氏がヘテロジニアスインテグレーションと先進パッケージについて、そして元OpenAIのZack Kass氏がAIについて講演しました。Mahajan氏はIntelのEMIB技術の基礎となったシリコンブリッジの原特許保有者で、2022年に全米工学アカデミー会員に選出された人物です。技術系の2本は会議登録者限定、AIの1本だけが全来場者に開放されていました。$25のフロアパスで聞けたのはKass氏の講演です。

そして展示フロアです。参加報告での扱いは、正直に言って控えめです。ジャパンユニックスの記述はこうです。

展示会全体としては、設計・製造・材料・シミュレーションなどの各領域における企業・技術が集約され、対面での情報交換およびパートナーシップ構築の場として機能していました。

パートナーシップ構築の場、という表現に注目してください。受注の場とは書かれていません。実際、調べた範囲のどの日本語・英語の参加報告にも、この展示会で獲得した受注や売上の話は出てきませんでした。

参加・出展にいくらかかるのか

2027年の参加登録は2026年8月6日時点で開いておらず、料金も未公表です。公式サイトの登録リンクは空のままで、サイトマップにも登録ページがありません。以下の参加費はすべて2026年の実績で、2027年を見積もる際の最も確度の高い基準です。

パス会員非会員含まれるもの
Event Essentials Pass$25$25展示フロア、基調講演、ウェルカムレセプション、ポスター発表、Learning Lounge、Technology Pavilion(3月14日以降は$50)
Committee Meetings$225$280規格開発委員会、技術会議1セッション、Golden Gnomes夕食会、月曜昼食会、上記すべて
Committee Networking Meetings$400$500上記に各種昼食会を追加
One-Day Conference$425$515技術発表を1日分
EMS Leadership Summit$695$850月曜の会議、昼食、EMS交流夕食会(EMS企業のマネージャー以上限定)
Full Conference$745$900技術発表全セッションとオンライン予稿集
Committee Meetings Plus Conference$940$1,175委員会と技術発表全セッション
All-Access$1,820$3,020上記すべてと教育講座4本まで
教育講座(半日)$385$4753時間の講義と教材、1本あたり

2026年には5名以上の同時申込で各20%引きという団体割引もありました。

ここが他の米国大型カンファレンスと最も違う点です。フロアに入るのに$25しかかかりません。同じ2026年、RSA Conferenceでフロアに入る最安パスは$149でした。しかも$25のパスには基調講演もレセプションもTechnology Pavilionのセッションも含まれます。さらに規格委員会に座るパスが会員$225です。この展示会において、費用は参加の障壁ではありません。

出展費用は、参加費と違って2027年の正規料金が公開されています。しかも早期割引の窓口はすでに閉まっています。

料金区分締切会員非会員
Loyalty(2026年出展社のみ)2026年5月15日1平方フィート$281平方フィート$44
Advanced2026年6月12日1平方フィート$301平方フィート$47
Standard(現行)2026年6月12日以降1平方フィート$351平方フィート$52

2026年8月6日時点で適用されるのはStandardです。最小構成の100平方フィート(約9.3平方メートル)で、会員$3,500、非会員$5,200になります。支払条件は、Standardの場合は50%が契約時に返金不可、残り50%が2026年12月31日期限です。開催前に会員資格が切れると非会員料金が適用される点にもご注意ください。

ブース造作込みのターンキーもあります。注文期限は2027年2月26日、キャンセル料$100です。

パッケージ会員非会員
10フィート角(現行料金)$6,500$8,200
10フィート×20フィート(現行料金)$12,000$15,400

10フィート角のターンキーには、スペース、グレー布バックウォールのハードウォールブース、鍵付きキャビネット、スツール、黒カーペット、電源、ごみ箱、設営作業が含まれます。素のスペースが会員$3,500、ターンキーが$6,500ですから、造作と什器の差額が約$3,000です。海外から什器を送らない初出展であれば、輸送費と現地施工業者を積み上げるよりターンキーのほうが安く済みます。

スポンサーシップは、この展示会の意外な穴場です。

会員非会員状況
Premier Sponsor(独占)$25,000$31,250売切(Koh Young America)
Attendee Lanyards(独占)$13,000$16,250売切(オムロン)
Opening Keynote$10,000$12,500空きあり
Supporting Sponsor$5,000$6,250空きあり
Newcomer's Networking Reception$4,000$5,000空きあり
Technology Theater(30分枠)$2,500$2,500先着、出展社限定

最上位が$25,000で、多くの枠が$3,500〜$5,000です。CESや大型ITカンファレンスの感覚からすると、桁が1つか2つ小さい水準です。オムロンが会場全員の首にかける露出を$13,000で買っているのが、その具体例です。

渡航費と宿泊費を含む出張総額については、参考にできる日本語の実例が見つかりませんでした。ハルカゼトラベルが2027年の視察モデルプランを販売していますが、価格は個別見積もりです。したがって本記事では総額の目安を提示しません。貴社の人数と日程での概算は、下のツールで試算してください。

費用を試算する

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は1つです。IPC規格が、貴社または貴社の顧客の受入基準に組み込まれているかどうか。組み込まれているなら、この週に行く価値は展示会ではなく委員会にあります。組み込まれていないなら、そもそも対象外の展示会です。

行くべき企業。 第一に、車載向けの電子部品・実装サプライヤーです。理由は明快で、貴社の製品が合否判定される基準そのものが、あの部屋で書き換えられているからです。日本の001/610オートモーティブ委員会の委員長は東海理化の鈴木氏、副委員長はトヨタ自動車の西森氏で、日本からの提案は実際に国際会議の議題に上がっています。2026年の議論の中心は「量産実態と規格の乖離」でした。この乖離に困っている企業が、議事録を後で読む側に回る理由はありません。会員$225で座れます。

第二に、はんだ材料・はんだ付け装置と、検査・試験装置のメーカーです。確認できた日本企業8社のうち、実に7社がこの2分野に集中しています。日本の産業が世界的に強い領域と、この展示会の中心分野が正確に重なっているためです。ただし出展の形には条件があります(後述)。

第三に、独自の工程技術を持っていて、それを国際的な技術文脈に置きたい企業です。エレファンテックが2026年に得た反応は、ブースではなく2本の登壇に対するものでした。エステックも、受注ではなく販売パートナーと共同研究パートナーの獲得を目的として初出展しています。2027年の技術発表の応募締切は2026年9月18日です。この記事の公開時点から6週間しかありません。この記事の中で最も期限が近い事実です。

行かなくてよい企業。 まず、米国に販売代理店も現地法人も持たず、現地でそれを見つけることを目的に出展を考えている企業です。これは厳しめに申し上げます。確認できた日本企業の出展はすべて、現地代理店との共同出展か米国子会社名義でした。ジャパンユニックスのブースに立ったのは北米とメキシコのスタッフで、日本の営業ではありません。来場者は7,000〜9,000人と推定される規模で、しかも大半が北中米の同業者です。非会員でブース$5,200に輸送費と渡航費を積むより、その予算で現地代理店探しに時間を使うほうが確実です。代理店は展示会で見つけるものではなく、展示会に一緒に立つために事前に見つけておくものです

次に、公的な共同出展枠や補助金を前提に出展計画を立てている企業です。JETROのジャパンパビリオンはなく、この展示会に固有の補助ルートも見つかりませんでした。ブースが必要なら主催者と直接契約する以外に道はありません。

そして、規模を期待している企業です。来場者数は主催者が公表しておらず、推定でRSA Conferenceの5分の1です。「北米最大」はエレクトロニクス製造という分野の中での話であって、絶対的な規模の話ではありません。広い会場で多くの人に会うことが目的なら、この展示会は選択を誤っています。

出展を検討している企業へ、実務的な順序を3つ。 1つ目、料金です。早期割引は2026年5月15日と6月12日で締め切られており、いま契約すると正規料金です。次の割引は2027年の出展社として2028年の契約をする時まで来ません。急ぐ理由がないなら、初回は出展せずに$25で見に行き、翌年Loyalty料金で入るという順序も合理的です。2つ目、初出展ならターンキーを選んでください。素のスペースとの差額は約$3,000で、輸送と現地施工を手配するより安く、確実です。3つ目、スポンサー枠を見てください。$3,500〜$5,000の枠が複数空いており、ブースより費用対効果が高い可能性があります。

最後に、この週の性格を最もよく表しているのは、ジャパンユニックスが報告を締めくくった一文です。

全体を通じて、設計、材料、製造プロセス、評価手法を統合したアプローチの重要性が共通して示されており、特に実環境を前提とした信頼性評価および量産適用性が主要な論点となっていました。

量産適用性。この展示会が扱っているのは、最終的にそこです。行くかどうかを決める前に、貴社が持ち帰りたいものが受注なのか、規格の解釈なのか、技術的な検証なのかをはっきりさせてください。受注であれば、この展示会は最適解ではありません。残り2つであれば、$25から$225で始められる、費用対効果の極めて高い場です。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。

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よくある質問

IPC APEX EXPO 2027はいつ・どこで開催されますか?
2027年4月3日〜8日、カリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Centerで開催されます。会期は3つに分かれており、委員会と講座が4月3日〜8日、技術会議が4月5日〜8日、展示会は4月6日〜8日の3日間だけです。展示会だけが目的であれば、4月6日到着で足ります。
IPC APEX EXPOの参加費はいくらですか?
2026年実績で、展示会に入るEvent Essentials Passが$25(会期直前以降は$50)でした。規格委員会に入るパスが会員$225、技術会議込みの全部入りAll-Accessが会員$1,820、非会員$3,020です。2027年の料金は2026年8月6日時点で未公表です。
日本企業もIPC APEX EXPOに出展していますか?
しています。2024年〜2027年の一次情報で、ジャパンユニックス、サキコーポレーション、エレファンテック、日本スペリア社、エステック、タムラ製作所、タカヤ、マコーの出展と、オムロンのスポンサードを確認しました。トヨタ自動車、東海理化、太陽インキは規格委員会と技術会議に登壇しています。
ブース出展にいくらかかりますか?
2027年の正規料金は1平方フィートあたり会員$35、非会員$52です。100平方フィート(約9.3平方メートル)で会員$3,500、非会員$5,200になります。ブース造作込みのターンキーは会員$6,500です。早期割引の窓口は2026年6月12日で締め切られています。
IPCとGlobal Electronics Associationは何が違うのですか?
同じ団体です。IPCは2025年6月23日にGlobal Electronics Associationへ改称しました。ただしIPC-A-610やJ-STD-001などの規格と認証は、今もIPCの名前のまま発行されています。イベント名も公式サイト上ではAPEX EXPOとなり、IPCが外れています。
日本からアナハイムへはどう行きますか?
羽田・成田・関西からロサンゼルス国際空港(LAX)への直行便を使い、そこから陸路で移動します。LAXから会場までは約34マイル(約55km)、渋滞込みで40〜60分です。会場に近いジョン・ウェイン空港(SNA)は約20分ですが、日本からの直行便はありません。
技術発表の応募締切はいつですか?
2027年の技術発表とプロフェッショナルデベロップメント講座の応募締切は2026年9月18日、技術ポスターは2026年12月4日です。対象分野は設計・シミュレーション、材料、PCB製造、実装・試験、品質・信頼性・計測、デジタル製造、サステナビリティです。
IPC APEX EXPO 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断