DCAT Week · ニューヨーク

DCAT Weekと展示会の違い:ブースのない商談週間をどう使い分けるか

最終更新:2026年9月15日

DCAT Weekと米国の医薬品展示会を分けるのは、規模ではありません。会う相手がどう決まるかです。DCAT Weekには展示フロアがなく、招待された相手のホテルの商談室に入る以外に会う手段がありません。通りすがりの来場者は1人も存在しません。一方、CPHI Americas、TIDES USA、Excipient Worldにはブースが並ぶフロアがあり、面識のない相手が歩いてきます。この違いが、貴社がそもそもDCAT Weekに行くべきかどうかを決めます。開催日程や費用はDCAT Week 2027完全ガイドをご覧ください。

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DCAT Weekのブース数

369社

商談室を構えた企業(2026年)

270社超

出展社(CPHI・2026年)

43社

出展社(Excipient World・2026年)

4つのイベントは「会い方」が違います

2027年の4イベントを、規模ではなく仕組みで並べます。数字はすべて主催者の公表値で、年を明記しています。

イベント(2027年)会う仕組み初対面売り手が話せる枠
DCAT Week(3月15日〜18日・ニューヨーク)自社で組んだ非公開商談のみ起きません月曜朝7分、上級役員のみ
CPHI Americas(5月25日〜26日・マイアミビーチ)フロアへの立ち寄りと事前マッチング起きます有料セッション枠、価格非公開
TIDES USA(4月26日〜29日・ボストン)展示ブースと講演の合間起きますスポンサー枠のみ、価格非公開
Excipient World(5月17日〜19日・ナショナルハーバー)小規模フロアと全員参加の食事・懇親会起きます20分$950、45分$1,900(2026年)

規模の話を先に片づけます。DCAT Weekは2026年に1万人超が街に集まり、369社が商談室を構えました。CPHI Americas 2026は来場者2,650名と出展社270社超、Excipient World 2026は出展社43社で年間平均参加者は260名です。桁は3つ違いますが、この差は判断材料になりません。1万人のうち貴社が会えるのは、招待してくれた相手の部屋にいる数人だけだからです。

DCAT Weekには通りすがりが1人もいません

DCATの公式FAQは、商談を1件も組まないと明言しています。「Meetings for DCAT Week are predetermined by each company and DCAT does not schedule the meetings for its Member Companies.」。2026年には7つのホテルに590の商談スペースが設けられましたが、その中で誰が誰と会うかは、すべて各社が渡米前に自力で埋めた結果です。

入口も二重に閉じています。登録できるのは会員企業の社員だけで、FAQは非会員企業の登録可否に「No.」と答えています。非会員が商談に出られるのは招待された場合に限られます。さらに商談室には既存の借主の優先権があり、良いホテルの良い部屋は市場に出てきません。

この構造が効くのは、相手がすでに決まっている企業だけです。 2026年に商談室を構えた369社のうち、日本に親会社を持つ企業は9社、約2.4%でした。少ないのは日本企業の消極性というより、招待と会員資格という2つの関門を先に通る必要があるからです。

コの字型に囲まれた石造りの中庭と、その奥にあるアーチ状の正面玄関。門扉の上にLotte New York Palaceと記した鉄製の装飾看板が掛かっている
マディソン街に面するLotte New York Palace。中庭を囲む石造りの建物は1884年築のVillard Housesで、正面玄関はこのアーチの奥にあります。2026年は7館中最多の143社がここに商談室を構え、富士フイルム、ニプロ、テルモも部屋を取っていました(写真は2021年3月撮影で、会期中のものではありません)。写真:Epicgenius(CC BY-SA 4.0)

展示会には知らない相手が歩いてきます

ただし「歩いてくる」量は、期待されるほど多くありません。CPHI Americas 2025の主催者資料によると、事前マッチングのConnections Programでは245件が予約され、161件が実施され、参加した出展社は72社でした。1社あたり2.2件です。イベントアプリ経由では942件の面談が設定されています。展示会に出ても、事前に仕込んだ面談の本数は2桁に届きません。

来場者の質そのものは高い構成です。同じ2025年の資料では、参加者の73%が役員から管理職、30%がCレベルまたは部長級で、78%が購買に関与しています。一方で出展の入口は読みにくく、小間単価はどのページにも掲載されておらず、問い合わせフォームのみです。公表されている価格は2026年のスタートアップ枠$2,195だけでした。

数字の推移は正直に書きます。CPHI Americasの来場者は2025年の3,700名超から2026年の2,650名へ、出展社は295社超から270社超へ減りました。いずれも主催者自身の開催後レポートの数字です。2027年はフィラデルフィアからマイアミビーチへ移り、会期も3日から2日に短縮されます。

TIDES USAには、供給側の企業に固有の関門があります。Informaの申込フォームは、Industry料金の対象を医薬品・バイオ企業の在職者に限り、CDMO、CMO、CRO、サプライヤー、ベンダー、営業職を明示的に除外しています。つまり日本のCDMOや原薬メーカーは、公表されている$2,799〜$3,599(2026年10月23日までの早期価格)では登録できません。スポンサーか出展社として入ることになり、その価格は公表されていません。2026年の展示フロアは157小間、うち103小間が最小の10フィート四方でした。

壇上に立てるかどうかも違います

売り手が自社の話をする枠の性格が、4つで大きく分かれます。

イベント枠条件
DCAT Week月曜朝のMember Company Announcement Forum、7分会員企業の上級役員のみ。M&Aや大規模な設備投資に限定。「leading company」などの宣伝的表現は禁止
Excipient WorldQuick Talk 20分、セッション45分出展社であることが購入の前提。2026年価格で$950と$1,900
TIDES USAスポンサー枠価格は非公開、営業窓口への問い合わせのみ
CPHI Americas有料のセッション枠価格は非公開。2026年のマーケティング用パッケージは$3,366から

最も安く、最も専門的な聴衆に話せるのはExcipient Worldです。参加者の33%が品質・薬事、31%が製剤開発や技術サービスで、商業系は15%にとどまります。買い手を探す場としては薄い代わりに、技術で評価されたい企業には向いています。2027年は出展パッケージが1枠$4,950のまま、小間が10フィート四方から8フィート×10フィートへ2割縮みました。

DCAT Weekの7分間は、性格がまったく違います。発表できるのはM&Aと大規模投資だけで、新製品の発表も開発進捗も却下されます。サプライヤーの宣伝枠ではなく、経営判断を業界紙に伝える場です。

貴社はどちらに行くべきですか

判断は1つの質問で決まります。米国に、貴社の名前を出して「今年も会いたい」と言う担当者がいますか。

いる場合はDCAT Weekです。 その相手に招待を依頼すれば、DCATへの支払いはゼロで4日間の商談に入れます。展示会で同じ相手と会おうとすると、ブース、渡航、人員を用意した上で、相手がフロアに来る保証はありません。

いない場合は展示会が先です。 低分子の原薬と中間体ならCPHI Americas、核酸とペプチドならTIDES USA、添加剤ならExcipient Worldが対応します。DCAT Weekに通りすがりはいませんので、認知をつくる仕事をこの週に持ち込んでも成立しません。

率直な判断

順番を逆にしないでください。 展示会で面識をつくり、翌年その相手にDCAT Weekで招待してもらいます。この順番なら、初年度のDCAT参加費はゼロです。逆に、いきなりDCAT Weekの商談室を借りて予定表が埋まらなかった場合、非公開の賃料が丸ごと損失になります。

併用は無理がありません。 DCAT Weekは3月、TIDES USAは4月、Excipient WorldとCPHI Americasは5月です。会期が重ならず、同じ年度の予算で2つ組めます。ただし渡米は2回になりますので、往復の日数を先に確認してください。

貴社の製品分野と米国での取引状況に照らした使い分けは、下記からご相談ください。

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よくある質問

DCAT Weekと展示会は何が違いますか?
会う相手の決まり方が違います。DCAT Weekは招待制の非公開商談で、通りすがりの来場者が1人もいません。CPHI AmericasやExcipient Worldには展示フロアがあり、面識のない相手がブースに立ち寄ります。規模ではなく、初対面が起きる仕組みの有無が分かれ目です。
初めて米国市場に出る日本企業はどちらに行くべきですか?
展示フロアのある展示会です。DCAT Weekは招待がなければ商談室に入れず、非会員は登録もできません。既存の米国顧客がいない段階では、CPHI Americas、TIDES USA、Excipient Worldのいずれかで面識をつくるほうが先になります。
TIDES USAは供給側の企業でも登録できますか?
正規のIndustry料金では登録できません。主催者のInformaは、CDMO、CMO、CRO、サプライヤー、ベンダー、営業職をIndustry料金の対象外と明記しています。供給側はスポンサーまたは出展社として参加する形になり、その価格は公表されていません。
売り手が壇上で話せるのはどのイベントですか?
Excipient Worldが最も安価です。2026年の価格で20分のQuick Talkが$950、45分のセッションが$1,900でした。DCAT Weekは月曜朝の7分間だけで、登壇は会員企業の上級役員に限られ、宣伝的な表現は禁止されています。
4つのイベントに全部行く必要がありますか?
ありません。製品分野で1つに絞れます。低分子の原薬と中間体ならCPHI Americas、核酸とペプチドならTIDES USA、添加剤ならExcipient Worldです。DCAT Weekは、そのいずれかで相手ができた後に効いてきます。

このカンファレンスの完全ガイド

DCAT Week 2027完全ガイド:日本企業のための参加判断

医薬品サプライチェーンのDCAT Week 2027(3月15日〜18日、ニューヨーク)を日本企業の視点で解説します。展示会ではなくホテルの商談週間で、招待されれば非会員も無料で参加できます。年会費$2,500〜$7,000、教育セッション実費、日系9社の実績まで。

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