RE+ · ラスベガス

RE+とThe Battery Showの違い:日本の部材メーカーはどちらに出るべきか

最終更新:2026年9月15日

RE+は系統用の太陽光・蓄電の展示会、The Battery Show North Americaはセルとパックと車載サプライチェーンの展示会です。重なるのは定置用蓄電の一部だけで、それ以外の領域では会場にいる買い手が別人です。判断の軸は、貴社の製品が最後に収まる場所です。系統につながるコンテナ型の蓄電システムや変換装置に入るならRE+、車両に載るセルやパックの工程に入るならThe Battery Showです。日系出展社の数は前者が8社前後、後者が60社余りで、この差は市場の大きさではなく、日本の産業構造がどちらに厚いかを示しています。

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2つの展示会は何が違いますか

主催者の性格から違います。RE+は米国の業界団体SEIAとSEPAが所有し、自前の興行会社RE+ Eventsが運営する、非営利団体が母体のイベントです。The Battery Showは英Informa PLC傘下のInforma Markets Engineeringが運営する商業見本市で、Electric & Hybrid Vehicle Technology Expo North Americaと同一会場・同一バッジで一体運営されています。

領域はこう分かれます。

RE+The Battery Show North America
中心の領域事業用太陽光、系統用蓄電、マイクログリッド、インバーターセル、電極、パック、熱管理、生産設備、計測
買い手EPC、開発事業者、IPP、ディストリビューター自動車OEMの調達、セルメーカー、生産技術
日本から見た位置づけ完成システムの構成部品を売る場作り方を売る場

同じ「蓄電池」という言葉が、2つの会場で違うものを指します。RE+の来場者の79%が関心を示す蓄電池は、系統に据え付けるシステムとしての蓄電池です(2025年実績)。The Battery Showの蓄電池は、量産ラインで作られる対象としてのセルです。重なるのは定置用蓄電だけで、The Battery Showはこれを5トラックのうちTrack Eで扱っています。

規模と費用を並べるとどうなりますか

年号を付けて並べます。実績年が違うため、同じ年の比較ではありません。

項目RE+The Battery Show North America
直近の会期2027年11月15〜18日2026年10月12〜15日
会場・都市Las Vegas Convention Center、ラスベガスHuntington Place、デトロイト
来場者37,000人(2025年実績)21,000人超(2025年実績)
出展社1,325社(2025年実績)1,300社超(2025年実績)
日系の出展社1社(2026年大会、2026年8月23日時点の登録住所ベース)60社余り(2025年実績、ジェトロ)
ブース料率1平方フィート52ドル、会員42ドル(2026年大会)1平方フィート48.75〜56.50ドル(2026年大会)
展示会場の入場価格表が非公表2026年8月28日までの登録で無料、以降69〜99ドル
ジャパンパビリオンなしなし

数字に付いている注意書きを、そのまま持ち越します。RE+の37,000人は出展社スタッフを分離していない入場者総数で、主催者の大会後報告はその内訳を出していません。The Battery Showの2026年大会は主催者が16,000人以上と告知していますが、これは2024年と2025年の21,000人超より低い保守的な見通し値で、減少の予告ではありません。出展社数も、RE+の1,325社は2025年の実績、The Battery Showの1,300社超は2025年の実績で、2026年大会について実数として確認できるのは2026年8月5日時点の953社です。どちらも第三者監査を受けた数字ではありません。

スペース単価はほぼ同じです。差が出るのは、出展しない場合の費用です。The Battery Showは展示会場を歩くだけなら事前登録で無料ですが、電池業界に売る企業はNon-Exhibiting Supplier区分となり、時期を問わず一律399ドルが課されます。日本の部材・装置メーカーはここに該当します。RE+は逆に、参加費の価格表そのものが公開されておらず、登録フローに入るまで金額が分かりません。視察の予算を先に確定できるのはThe Battery Showのほうです。RE+側の出展費用の積み上げはRE+ 2027の出展費用にまとめています。

日本企業はどちらに来ていますか

数を並べると一方的です。The Battery Showは2025年大会に日系企業60社余りが出展したと、ジェトロ・シカゴ事務所が現地で実施した視察プログラムの報告に記録しています。2026年大会も、2026年8月5日時点の公式出展社リストから日本親会社の38社が確認できます。東レ、TDK、三菱電機、島津製作所、積水化学工業、HIOKI、堀場製作所といった名前が並び、8社は試験計測メーカーです。

RE+は1社です。2026年大会の出展社ディレクトリで日本の住所を登録しているのはGreen Battery Inc.のみで、同社は部材サプライヤーではなく日本の系統用蓄電池の開発事業者です。ただしこの数え方はディレクトリ上の住所を数えています。TMEIC、三菱電機、住友電工、安川、ニデック、GSユアサ、英弘精機は米国法人として登録されているため米国にカウントされており、日本発の実質的な出展は8社前後です。

公的支援の形も違います。ジェトロは2025年10月7〜8日、The Battery Showに合わせて日系12社16人の2日間の視察プログラムを実施し、約20社との面談をアレンジしました。ミシガン州経済開発公社とDetroit Regional Partnershipが支援し、州知事との質疑応答も設けられています。RE+については、パビリオンもジェトロの関与も確認できていません。2025年大会ではデンマーク、ドイツ、カナダ、オーストリア、トルコ、韓国の6カ国がナショナルパビリオンを出しましたが、日本は含まれていません。助成制度そのものは海外展示会の出展補助金にまとめています。

日本からの行きやすさはどう違いますか

どちらも直行便がありますが、出発空港が違います。

RE+(ラスベガス)The Battery Show(デトロイト)
直行便成田〜ラスベガス、American Airlines。羽田発はなし羽田〜デトロイト、デルタ航空が週7便。全日空は未就航
所要往路約10時間15分、復路約12時間25分往路約11〜12時間、復路約13時間
空港から会場ストリップの1ブロック東。公式ホテルは徒歩、モノレール、シャトルに分類約35km、車で25〜35分。配車は35〜45ドル

宿泊の読み方が大きく違います。デトロイトの公式レートは1泊250〜300ドルの実勢で、会場まで徒歩圏です。ラスベガスはRE+がFormula 1ラスベガスGPと同じ11月の枠に移ったため、通常のコンベンション相場では組めません。ホテル単価はレースウィークの相場で見積もってください。

会期が1か月離れている点は、実務上の利点です。2026年実績でThe Battery Showが10月、RE+が11月なので、同じ年度の予算で両方に出る設計は成立します。ただし会場はデトロイトとラスベガスで、1回の渡航にまとめることはできません。

率直な判断:どちらに出るべきか

RE+に出るべき企業。系統につながる側に製品がある企業です。パワーエレクトロニクス、インバーター部品、ケーブル、コネクタ、架台、日射計や監視機器、コンテナ型蓄電システムの構成部材。日系の同業がほぼいない代わりに、共同出展の受け皿もパビリオンも通訳の共有もありません。単独でスペースを買い、単独で立つ前提で計画してください。

The Battery Showに出るべき企業。セルとパックの作り方に関わる企業です。電極材料、セパレータ、接着剤、熱対策部材、溶接・巻線装置、試験計測機器。日系60社余りがすでにいる会場で、競合が来ている場に不在でいるコストのほうが出展費より高くつく可能性があります。

両方に意味がある企業。定置用蓄電の部材を売る企業です。同じ製品が、RE+では系統事業者向けの部材として、The Battery ShowではTrack Eの定置用蓄電として扱われます。費用の面では、無料または399ドルで入れるThe Battery Showを1年目の視察先にし、手応えを見てからRE+のブースを買う順序に無理がありません。

どちらも先送りでよい企業。米国側に保証と保守の受け皿がない企業です。この質問は、どちらの会場でも製品の話より先に来ます。貴社の製品構成に照らした絞り込みは、下記からご相談ください。

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よくある質問

RE+とThe Battery Show North Americaは何が違いますか?
買い手が違います。RE+は系統用の太陽光・蓄電で、来場者はEPC、開発事業者、IPPです。The Battery Showはセル、パック、車載サプライチェーンで、来場者は自動車OEMとセルメーカーの調達・生産技術です。重なるのは定置用蓄電の一部だけです。
日本企業はどちらに多く出ていますか?
The Battery Showです。2025年大会は日系企業60社余りが出展したとジェトロが報告しています。RE+は2026年大会の出展社ディレクトリで日本住所の登録が1社、日本親会社の米国法人を含めても8社前後です。
ブースの費用はどちらが高いですか?
スペース単価はほぼ同じです。RE+は1平方フィートあたり52ドル、会員42ドル(2026年大会)、The Battery Showは48.75〜56.50ドル(2026年大会)です。違いが出るのは出展しない場合で、RE+は参加費が非公表、The Battery Showは供給業者に一律399ドルが課されます。
視察だけなら費用はどちらが安いですか?
The Battery Showです。2026年大会は8月28日までの登録なら展示会場の入場が無料でした。ただし電池業界に売る企業はNon-Exhibiting Supplier区分となり一律399ドルです。RE+は参加費の価格表そのものが公開されていません。
公的な支援はどちらにありますか?
The Battery Showに実績があります。ジェトロ・シカゴ事務所が2025年10月、日系12社16人の視察プログラムを実施しました。RE+にはジャパンパビリオンもジェトロの関与も確認できていません。どちらにもジャパンパビリオンはありません。
両方に出る意味はありますか?
定置用蓄電の部材を売る企業には両方に意味があります。会期は2026年実績でThe Battery Showが10月、RE+が11月と1か月離れており、同じ年度に並べられます。ただし会場はデトロイトとラスベガスで、同一渡航にはまとめられません。

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北米最大の太陽光・蓄電展示会RE+ 2027(11月15〜18日、ラスベガス)に行く価値はあるか。補助金縮小で減った需要と残った需要、日本住所の出展社1社という現実、費用を出典付きで整理します。

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