Licensing Expo · ラスベガス

Licensing Expoに国別の共同館はあるか:韓国は4年連続、日本は各社個別です

最終更新:2026年9月15日

Licensing Expoに日本の共同館はありません。韓国にはあります。 韓国コンテンツ振興院(KOCCA)は2023年から2026年まで4年連続で韓国共同館を運営し、参加企業のブース費用を負担しています。2025年と2026年はいずれも20社が参加し、2026年にはHYBE、NAVER WEBTOON、カカオが並びました。日本側は2014年に4社でジャパンパビリオンを設けたきりで、ジェトロがジャパンパビリオンを設ける展示会の一覧にも、この見本市は入っていません。2026年に出展した日本企業48社は、いずれも自社の予算で個別にブースを構えています。出展の全体像はLicensing Expo 2027完全ガイドにあります。

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韓国共同館はどれだけの規模でやっているのか

開催年参加企業数確認できる実績
2023年16社約300社のバイヤーが来場、商談375件
2024年公表値を確認できず共同館の設置自体は現地報道と会場写真で確認
2025年20社CJ ENMなどが参加。商談額3,129万ドル、前年比20%増
2026年20社HYBE、NAVER WEBTOON、カカオ、グラビティ、アイコニックスなど

4年で参加企業は16社から20社に増え、顔ぶれの中身も変わりました。 初期はキャラクター事業者が中心でしたが、2026年はK-POP、ゲーム、ウェブトゥーン、アニメーションまで広がっています。2024年の参加企業数だけは公表資料から確認できず、表にもその旨を記しています。共同館が設けられたこと自体は、現地の報道と会場で撮影された写真で確認しました。

参加企業は何を負担するのか

ブース費用はKOCCAが負担します。 参加企業が自社で出すのは渡航費、宿泊費、展示物の輸送費です。KOCCA側が用意するのは次のものです。

  • 共同館のスペースと入場バッジ
  • テーブルとキオスクを備えた共用の商談スペース
  • 展示什器などの基本的な設営支援
  • バイヤーの紹介と、合同カタログへの掲載
  • オンラインの商談マッチング

採択順位が上位の企業は、アーチ看板、天井バナー、SNSでの告知といった追加枠も使えます。

参加企業は公募で決まります。KOCCAは開催の数か月前に募集告知を出し、採択された企業が共同館に入る仕組みです。参加したい企業の側に必要なのは、予算ではなく応募の締切に間に合わせることです。 日本側にこの入口がないことが、費用の差より実務に効いています。

効いているのは費用面だけではありません。単独ブースでは自社に来た相手としか話せませんが、共同館は韓国コンテンツを見て回る動線を1か所に作ります。バイヤーから見れば、20社を1か所で回れるということです。 2025年の商談額3,129万ドルという数字は、その動線が実際に働いた結果として読めます。

日本に同じ枠組みはあるのか

ありません。確認できた事実を順に並べます。

ジェトロの支援展示会一覧に、Licensing Expoは入っていません。 ジェトロはジャパンパビリオンを設ける展示会を一覧で公開していますが、そこにこの見本市の名前はありません。同じ一覧にはコンテンツ分野からAnime Expoが入っていますので、掲載漏れではなく対象外と読むのが自然です。ジェトロはWinter Fancy Food ShowやCESでジャパンパビリオンを運営していますので、枠組みを作れないのではなく、この見本市には配置されていないということです。

日本のジャパンパビリオンは2014年に1度確認できます。 VIPO(映像産業振興機構)の当時の補助制度のもとで、4社が合同で出展しました。それ以降の開催で同じ形が再現された形跡は見つかりません。ただし2015年から2021年までの各回について「設置されなかった」と明示する資料も見つかりませんでしたので、1度きりとまでは断定しません。確実に言えるのは、2022年以降の開催で日本の共同館は確認できないことです。

VIPOのJ-LOD補助金は、個社のブースを支援する制度です。 2022年にはソニーミュージックグループがこの枠組みで出展し、『鬼滅の刃』などのコンテンツで商談を行っています。ただしこれは同社が自社名で構えたブースであり、日本企業が並ぶ共同スペースではありません。KOCCAが共同館ごと費用を持つのとは、支援の単位が違います。

日本企業は実際にどう出展しているのか

各社が個別に、自社の予算で出展しています。ジェトロ・ニューヨーク事務所が2026年の会期を現地取材した報告から引きます。

2026年は日本企業が48社出展し、そのうち新規コンテンツ出展社数も11社増加した。ソニーやセガなどの大手企業が規模感のあるブースを展開する一方、タツノコプロ(アニメ制作会社)やスパイラルキュート(キャラクター・IP管理会社)などの中小企業も積極的に参加し、国際市場における認知拡大を図った。(ジェトロ ビジネス短信、2026年6月16日)

48社は、韓国共同館の20社より多い数字です。 日本企業がこの見本市に来ていないわけではありません。違うのは出方です。48社はそれぞれ床を借り、それぞれブースを建て、それぞれ渡航と輸送を手配しています。共同館なら1回で済む交渉と発注を、48社が別々に繰り返している構造です。

個社出展に不利な点だけがあるわけではありません。ブースの位置、面積、見せ方、誰を呼ぶかを自社で決められますし、共同館の募集枠や締切に縛られません。ジェトロの取材でも、出展した日本企業は世界各国のライセンシーや玩具メーカーと直接話せる点を評価しています。判断すべきは優劣ではなく、初期費用を全額自社で持つ前提で採算が合うかどうかです。

予算と準備にどう効くか

日本の権利者が実務で受ける違いは4つです。

  1. 床代と施工費を全額自社で見る前提になります。 補助金は支出の一部を後から戻す制度で、支払いそのものは先に発生します。金額の目安はLicensing Expoの出展費用にまとめています。
  2. 共用の商談スペースがありません。 韓国共同館の共用テーブルに相当するものは、自社ブースの中に自分で作ることになります。面積の設計に効きます。
  3. 使える制度は個社単位で探すことになります。 VIPOのJ-LOD補助金と、自治体の展示会出展助成が主な選択肢です。制度の一覧は海外展示会の出展補助金にあります。
  4. バイヤーの紹介は自力で作ることになります。 KOCCAが担っている引き合わせに相当するのは、主催者の商談システムです。パスの種別で送れる面談リクエストの上限が変わりますので、パスを選ぶ段階から逆算してください。

会場で共用の拠点にいちばん近いのは、ライセンシングインターナショナルジャパンの運営です。会場のブースA-119が会員専用ラウンジを兼ねており、会員は1日2回まで予約できます。会期中のアジア向けネットワーキングも同団体が運営します。国の共同館ではありませんが、座れる場所と紹介の経路が事前に用意されているという点では、最も近い機能を持ちます。

率直な判断

単独で出展する前提で予算を組んでください。 2027年開催に向けて日本の共同館が新設されるという告知は出ていません。共同館ができるかもしれないという前提で申込を遅らせると、良い区画から埋まります。

共同出展という選択肢はあります。 国の枠組みがないだけで、現地代理店、商社、同じジャンルの権利者と床を分ける組み方は各社の判断でできます。初年度の負担は確実に下がりますし、共用の商談テーブルも自前で作れます。

韓国共同館は会場で見学できます。 2027年も設置されれば、20社をどう並べ、共用スペースをどう運用しているかを現場で確認できます。日本側で同じ形を作る提案を業界団体に持ち込むつもりなら、実物を見て記録してくることが最も強い材料になります。ジェトロが他の展示会でジャパンパビリオンを運営している以上、制度上できない話ではありません。要望を上げる先は、ジェトロ、VIPO、ライセンシングインターナショナルジャパンの3つです。

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よくある質問

Licensing Expoに日本の共同館はありますか?
ありません。ジェトロがジャパンパビリオンを設ける展示会の一覧に、Licensing Expoは載っていません。2014年にVIPOの枠組みで4社によるジャパンパビリオンが1度設けられましたが、その後の開催で再現された形跡は見つかりません。
韓国はどのような形で出展していますか?
韓国コンテンツ振興院(KOCCA)が韓国共同館を運営しています。2023年から2026年まで4年連続で確認でき、2025年と2026年はいずれも20社が参加しました。2026年はHYBE、NAVER WEBTOON、カカオなどが名を連ねています。
韓国共同館に参加する企業は費用を負担しますか?
ブース費用はKOCCAが負担します。参加企業が自社で負担するのは渡航費、宿泊費、展示物の輸送費です。採択順位が上位の企業は、看板やバナーの追加、プロモーションの支援を受けられる仕組みもあります。
日本企業はどのように出展していますか?
各社が個別にブースを構えています。ジェトロによると2026年は48社が出展し、ソニーやセガの大型ブースの隣でタツノコプロやスパイラルキュートも商談していました。VIPOのJ-LOD補助金は個社のブースを支援する制度で、共同館そのものを作る制度ではありません。
日本企業が使える支援はありますか?
個社単位の制度になります。VIPOのJ-LOD補助金のほか、自治体の展示会出展助成があります。ライセンシングインターナショナルジャパンの会員であれば、会場のブースA-119を会員ラウンジとして1日2回まで予約でき、パスは10%引きになります。

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