B2B Marketing Exchange · カールスバッド

B2B Marketing Exchange 2027完全ガイド:日本企業のための参加・出展判断

最終更新:2026年8月7日

カールスバッド南部の丘陵地帯から見たBatiquitos Lagoonと、その先に広がる太平洋。手前の斜面には瓦屋根の住宅が点在する
会場のあるカールスバッドは人口11万人の海沿いの街です。写真は市内のBatiquitos Lagoon周辺(2013年撮影、会期外)。会場のOmni La Costa Resortもこのラグーンに近い一帯にあります。写真:Visitor7(CC BY-SA 3.0)

B2B Marketing Exchange(B2BMX)2027は、2027年2月22日〜24日にカリフォルニア州カールスバッドのOmni La Costa Resort & Spaで開かれる、来場1,000人規模のB2Bマーケティング実務家カンファレンスです。結論から言えば、米国市場で自社のデマンドジェネレーションやABMを実際に回している、または回そうとしている日本企業のマーケティング責任者には行く価値があります。逆に、ブースを出して日本製品を売り込みたい企業には向きません。主催者は登録者を実務家とベンダーに選別しており、ベンダー扱いになった時点でパスは$7,995になるからです。この記事では、2027年について確定している事実と2026年までの実績をはっきり分けたうえで、費用の構造、日本からの行き方、そして「2026年の日本人参加者は1名だった」という事実まで並べます。

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1,000人超

来場者(主催者公表)

65社超

出展社(主催者公表)

50本超

セッション(主催者公表)

$7,995

ベンダー向けパス

B2B Marketing Exchangeとは何のカンファレンスか

B2B Marketing Exchange(B2BMX)は、ABM、デマンドジェネレーション、GTM戦略を扱う年次カンファレンスで、来場者は1,000人規模です。展示会ではありません。主催者自身が公式FAQで、この点をはっきり言い切っています。

B2BMX is built around practitioners, not vendors.

「ベンダーではなく実務家を中心に組み立てている」という宣言です。登壇者は現役でプログラムを回しているCMO、デマンドジェネレーション責任者、ABMプログラムリード、マーケティングオペレーション責任者が中心で、ベンダーの製品紹介枠ではありません。

規模は5年間ほとんど動いていません。2022年はコロナ禍で完全オンライン開催となり1,500人超、2023年のスコッツデール開催は約1,000人、2026年のカールスバッド開催も主催者発表で1,000人超です。2027年の公式サイトのカウンターも来場者1,000人超、出展社65社超、セッション50本超、Expo開催3日間となっています。成長中のイベントではなく、規模を意図的に固定しているイベントです。公式FAQもその設計を認めています。なお2022年は完全オンラインなので、1,500人という数字は現地の頭数とは比較できません。

The Omni La Costa Resort & Spa setting is deliberately intimate, making peer networking more accessible than it typically is at stadium-scale events.

会場をあえて小さく保ち、スタジアム級のイベントより人に会いやすくしている、という説明です。

2027年のトラックは7本です。AI、GTM Strategy & Advanced ABM、B2B Creators & Content、Customer Growth & Experience、Measurement & Data、Martech & Integration、Leadership & Cultureで構成されます。ここで、社内共有の前に潰しておくべき食い違いがひとつあります。米国マーケティング協会(AMA)のイベント掲載など、外部サイトの多くは今も「5トラック」と書いています。これは2025年スコッツデール開催時の構成で、当時の登壇者告知も「5 tracks, 80+ sessions」でした。2027年の公式サイトが表示しているのは7トラックです。古い5トラック表記を引用すると、そのまま社内資料に前回開催の情報が混ざります。

日本語で検索するときの注意も先に書いておきます。B2B Marketing Exchangeと、マイアミなどで開かれる入場無料の展示会B2B Marketing Expoは、まったく別のイベントです。前者は有料の実務家カンファレンスで来場1,000人規模、後者は入場無料の総合展示会です。名前が似ているうえ、日本語の情報がどちらもほとんどないため、社内の企画書段階で取り違える事故が起きやすい組み合わせです。

2027年はいつ・どこで開催され、日本からどう行くのか

2027年2月22日(月)〜24日(水)の3日間、カリフォルニア州カールスバッドのOmni La Costa Resort & Spaで開催されます。

ここは、過去の参加レポートを読む前に押さえておくべき点です。カールスバッド開催になったのは2026年からで、2023年から2025年まではアリゾナ州スコッツデールでした。2024年(2月26日〜28日)と2025年(2月24日〜26日)の会場はThe Phoenician Resortです。つまり2027年は2回目のカールスバッド開催であり、日本語で読める参加レポートのうち2026年のもの以外は、すべて別の州の別のホテルの話です。カンファレンスの設計は引き継がれていますが、館内の動線や部屋割りの記述はそのまま使えません。

日程についても、よくある誤読を先に潰しておきます。2026年の3月9日〜11日と比べると2027年は約2週間前倒しですが、これは新しい動きではありません。2024年は2月26日〜28日、2025年は2月24日〜26日で、もともと2月下旬が定位置でした。むしろ3月開催だった2026年のほうが例外で、その年に会場が移っています。2027年は元の時期に戻っただけです。

会場はコンベンションセンターではなく、ゴルフとスパを備えた滞在型リゾートです。Omni La Costaは1965年開業、2013年からOmni Hotels & Resortsが所有しています。2026年のプログラムは、Valley Promenade、Las Palmas、Villa Courtyardといったリゾート内の各スペースを使って組まれていました。会場と宿泊と夜の交流会が同じ敷地内で完結する設計だと考えてください。

日本からの移動は、米国の主要カンファレンスの中ではかなり楽な部類です。

項目内容
最寄り空港サンディエゴ国際空港(SAN)。主催者は会場まで車で約40分と案内しています
直行便JALが成田〜サンディエゴ線を運航。機材はボーイング787-8または787-9
時刻(2026年8月時点)JL66が成田17:15発・サンディエゴ11:35着、JL65がサンディエゴ13:35発・成田16:45着(翌日)
所要時間約9時間35分〜10時間20分
空港からの移動各自手配。主催者はシャトルを用意していません
2月の気候冬でも温暖で、霜は沿岸部ではまれ。年間の晴天日は約263日
入国ESTAが必要です

便数だけは油断できません。成田〜サンディエゴ線は2026年8月1日に週4便(火・水・金・日)からデイリー運航へ増便されました。サンディエゴ空港側の発表は「daily year-round」(通年デイリー)と表現していますが、日本の航空専門メディアは、確定しているのは2026年夏ダイヤ最終日の10月24日までだと指摘しています。実際、前年の冬は10月26日からデイリー、1月17日からは火・水・金・日の週4便に戻っていました。2027年2月の便数は、この冬ダイヤの前例を前提に確認してください。仮に週4便に戻っても、日曜発の往路と水曜または金曜発の復路はいずれも運航日にあたるため、月曜開幕・水曜閉幕の日程自体は成立します。

旅客機の窓から見下ろした南カリフォルニア沿岸。右上に主翼が写り込み、海岸線に沿って低層の市街地が広がる。高層ビル群は見当たらない
サンディエゴ郡北部の海岸線を旅客機から見たところです(2026年1月7日撮影、会期外)。左手前がオーシャンサイドの港、右手がカールスバッド方面にあたります。会場周辺には高層のビジネス街がないことが上空からも分かります。写真:Joe Mabel(CC BY-SA 4.0)
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誰が主催しているのか

主催はEmerald X, LLCです。表に出てくる名前は3つありますが、実体は1社です。

表記実体
Emerald X, LLC法的な所有者。全ページのコピーライト表記と参加規約はEmerald名義です
Demand Gen Report企画・運営を担うB2Bメディアブランド。Emerald Media Networkの一員です
Advertising Week2027年から前面に出た冠ブランド。これもEmeraldの資産です

経緯はこうです。B2BMXを立ち上げたのは2007年設立のG3 Communicationsで、同社はB2BメディアのDemand Gen ReportとABM In Actionも運営していました。2019年11月4日、当時のEmerald ExpositionsがG3を買収します。発表文はG3を「producers of the B2B Marketing Exchange event series」と説明し、約50名の社員が創業者のAndrew Gaffney氏とともにEmeraldへ移り、Gaffney氏はSVPとして残りました。買収時点のEmeraldは米国で55を超える展示会を運営し、2018年の年間動員は50万人超でした。

そして、2026年7月14日に所有者そのものが変わりました。Apollo Global Management傘下のファンドがEmerald HoldingとQuestexの買収を完了し、両社を1つのB2Bイベント・メディア事業に統合しています。Emerald自身の発表文は「Emerald's common stock has ceased trading and will no longer be listed on the New York Stock Exchange.」と書いており、Emeraldはニューヨーク証券取引所の上場企業ではなくなりました。統合後のCEOにはPaul Miller氏が就き、前CEOのHervé Sedky氏はシニアアドバイザーに退いています。買収の発表は2026年5月11日、完了は7月14日、そして2027年の開催は翌年2月です。

つまり所有の連鎖はこうなります。1,000人規模の編集主導カンファレンスが、B2Bメディアの下にあり、そのメディアが展示会運営会社の下にあり、その運営会社が7か月前にプライベートエクイティ傘下で別会社と統合された、という構造です。この統合が小さな編集カンファレンスにどう作用するかは、2026年8月時点では誰にも分かりません。単年で参加するだけなら気にする必要はありませんが、複数年のスポンサー契約を検討しているのであれば、営業担当に直接聞くべき論点です。

一方で、開催時期の変更を運営体制の変化と結び付けるのは誤りです。2月下旬はもともとの定位置で、例外だったのは3月開催の2026年のほうです。

収益構造も展示会とは違います。入場料で稼ぐモデルではなく、実務家からカンファレンス参加費を、ベンダーからは$7,995のパス代とスポンサー料を取る設計です。そのために主催者は、誰が実務家で誰がベンダーかを自ら選別します。参加登録ページには「All Registrations are subject to approval.」と明記され、規約はEmeraldが登録を拒否する権利を留保しています。2026年版の登録ページは、団体割引について「Vendors or Solution Providers are not eligible for the reduced rates.」と書いていました。

もうひとつ、名前の整理が必要です。カールスバッドのこのイベントは、公式サイト内部ではB2B Marketing Exchange Westという名称です。別途Demand Gen Reportは「B2B Marketing Exchange East」を持ち、10月のAdvertising Week New Yorkには「B2BMX @ Advertising Week NY」という枠があります。B2BMXという略称だけでは、どのイベントを指しているのか一意に決まりません。

どんな企業の、どんな人が来ているのか

来場者は、B2B企業でマーケティングの数字に責任を持っている実務家と管理職です。主催者が挙げる典型的な参加者は、CMOおよびVP級のマーケティング責任者、デマンドジェネレーションのディレクターとマネージャー、ABMプログラムリード、マーケティングオペレーションおよびRevOpsの担当者、コンテンツ・クリエイティブ責任者、そしてB2Bの営業責任者です。

来場者の所属企業として公式サイトが掲げているロゴは、SAP、Salesforce、Oracle、Microsoft、IBM、Cisco、Google、Amazon、Adobe、HubSpot、ServiceNow、Siemens、Honeywell、Deloitte、Mastercard、JPMorgan Chase、Nasdaq、UPS、Comcast、NASA、MetLife、Zoom、Forresterなどです。ただしこれらの画像ファイル名はすべて2024年版を示す接頭辞が付いており、2024年開催時の来場者所属企業のロゴです。出展社一覧ではない点にも注意してください。

登壇者も実務家中心です。2026年の基調講演は4名で、独立アナリストのBenedict Evans氏、OpenAIでHead of B2B Marketingを務めるDane Vahey氏、Butterfly EffectのCEOであるElfried Samba氏、AtlassianでHead of Lifecycle Marketingを務めるAshley Faus氏でした。セッション登壇者の所属には、Dell Technologies、Snowflake、NetApp、Deloitte Canada、Docket、Knak、MontyCloud、pharosIQ、Digitalzone、Accelera、LinkedIn、Salesforce、GitLabが並びます。

なお、当社データベースはこのイベントの登壇者を14名分保有していますが(内部DB、confidence 85)、これは公式サイトの「2026 Speakers」ページの先頭14名です。2027年の登壇者は2026年8月時点で未発表です。

出展側は「Solution Provider」と呼ばれ、フロアは「Marketplace」と呼ばれます。2027年の出展社は65社超の見込みで、2023年の実測は約70社でした。2026年8月時点で公表されている2027年スポンサーは8社です。

ティア企業
PlatinumINFUSEmedia
GoldActivate Marketing Services、DemandArc、Enhancio、Intentsify、Lead2Pipeline、Demand.com、Ignitium

この一覧の読み方は簡単です。8社すべてが、B2Bマーケター向けにデマンドジェネレーション、インテントデータ、リード供給、マーケティング支援を売る会社です。クラウド基盤もCRMベンダーも大手アドテクも入っていません。このイベントのスポンサー基盤は、B2Bリードジェネレーションのサプライチェーンそのものです。

そして、日本企業にとって最も重要な事実がここにあります。スポンサー一覧にも、登壇者一覧にも、来場企業ロゴにも、日本企業は1社も見当たりません。JETROのジャパンパビリオンも、共同出展枠も、日本語の登録導線もありません。

参加者側も同じです。2026年の会場から書かれた日本語の現地レポートは、シーラベル代表の渡辺敬吾氏によるnoteの連載1本だけです。初日の記事には、こうあります。

サンディエゴからほど近い、海辺の会場。500〜1000人規模のカンファレンスですが、見た限り日本人は私1人だけのようです。

会場では実際に何が起きるのか

3日間の中身は、朝の基調講演、50本超のブレイクアウトセッション、ハンズオンのワークショップ、Marketplaceの滞在時間、そして夜の交流イベントに分かれます。2026年はここにAIハッカソン「The B2B Prompt Playoff」が加わりました。

このイベントの特徴は、雑談が偶然ではなく設計によって起きることです。2023年に参加したアンダーワークスの稲又氏の記録が、最も具体的です(開催地はスコッツデール、会場は現在と別のホテルですが、設計思想はそのまま引き継がれています)。

会場では朝と昼に軽食の提供があります。意図してかはわかりませんが、食べる場所は円卓しか用意されていないので、同じテーブルについた人たちが自然と会話をし、ネットワーキングが生まれていました。

円卓しか置かない。それだけで、隣に座った相手と話す以外の選択肢がなくなります。朝食と昼食はパスに含まれており、この時間そのものがプログラムの一部です。主催者側もHosted Buyer Program(実務家とSolution Providerの事前調整済みミーティング)、ワークショップ形式のラウンドテーブル、コミュニティラウンジといった仕掛けを用意しています。

夜も同様です。2026年にはON24主催の「Glow Golf After Dark」(招待制、ON24ブースで枠を確保する方式)、KnakとTechnologyAdvice共催の「West Coast Connections」、Marketplace内での「Happy Hour & VIP Speed Networking」、さらにIntegrateと6senseによる会期前のゴルフイベントが並びました。

セッションの中身が営業トークに堕していないかは、当然の疑問です。同じ稲又氏の評価が参考になります。

協賛企業が登壇する講演も多いですが、営業的な自社サービスの紹介に留まらず、実務的なノウハウや事例が盛り込まれており、参加者にとって有益な情報が出し惜しみなく提供されていました。

一方で、日本から行く場合に最も効く注意点は運営ではなく会話の作法です。渡辺氏の記録がそのまま実務的な警告になっています。

日本のような「効率的な名刺交換」はほぼありません。立食形式のミートアップでしたが、一度話し始めたらそのままじっくり深く対話するスタイルが主流です。2時間ほどの時間で、メインでお話ししたのは4、5名ほど。

2時間で4〜5名です。名刺を50枚配る種類のイベントではありません。このイベントの投資対効果は、会った人数ではなく1件あたりの会話の深さで決まります。そして深い会話を英語で成立させられるかどうかが、そのまま費用対効果を決めます。

ただし、1,000人規模だからこそ起きることもあります。同じ渡辺氏は最終日のレポートで、登壇者や運営委員会の側から声をかけられ、イベントの狙いについて主催者と直接話したと記録しています。4万人が来る展示会では、一参加者にこの経路は開きません。「主催者と登壇者に手が届く」という一点は、規模が小さいことの副産物ではなく、このイベントを選ぶ理由そのものです。

内容面のギャップについても、同氏が的確に整理しています。

アメリカでは、GTM、デマンドジェネレーション、ABMの3つが、当たり前の前提として語られています。日本ではまだ混同されがちなこれらの概念が、米国では明確に役割分担されていました。

同じ構図は3年前にも観測されています。2023年の稲又氏の記録では、ABMを施策に取り入れることはすでに「前提事項」として語られていました。米国側では議論の出発点が「ABMをやるべきか」ではなく「ABMをどう運用し、どう測るか」に移って久しい、ということです。

年ごとの主題の移り方も、日本語で追えます。2024年に参加したシンフォニーマーケティングは、2023年が「AI祭り」だったのに対して2024年は生成AIの実務的な使いどころ、とりわけコンテンツ制作へ議論が移り、ABMの話題もテクノロジー寄りから運用寄りへ動いたと記録しています。同社が繰り返し挙げているキーワードは「Buying Signal」です。このイベントで拾えるのは製品情報ではなく、米国のB2Bマーケターがいま何を当たり前とみなしているかという水準線です。

参加・出展にいくらかかるのか

2027年の実務家向け価格は、2026年8月時点で未公表です。公式サイトの参加導線はすべて「JOIN THE WAITLIST」(ウェイトリスト登録)に置き換わっており、料金ページは404を返します。したがって2027年の予算組みは、確定価格ではなく構造で立てる必要があります。

公式サイトに現在載っている唯一の2027年価格は、ベンダー向けのパスです。

The 2027 Solution Provider pass will maintain a rate of $7,995 from registration launch to onsite.

登録開始から会場での当日購入まで一律$7,995、早割なしという意味です。この1行が、このイベントの経済を要約しています。ブースを持たずにフロアを歩くだけで$7,995かかります。

実務家向けの価格帯については、確度を明示したうえで参考値を出します。当社データベースは2026年7月25日時点の公式登録ページから、All-Accessパスの4段階を保有しています(内部DB、confidence 85)。

パス(内部DB、2027年想定)価格期限として記録されている日付
All-Access(Super Early Bird)$1,4952026年12月7日まで
All-Access(Early Bird)$1,6952027年1月20日まで
All-Access(Standard)$1,8952027年2月19日まで
All-Access(On-site)$2,0952027年2月19日〜24日

この表は目安であって、引用できる2027年価格ではありません。2026年8月時点の公式登録ページには、この価格表そのものが載っていないからです。過去の別バージョンの登録ページ(アーカイブ取得日2026年2月9日、旧開催回の内容)でも、標準価格はDay Pass $1,895、Standard Pass $2,095、All-Access Pass $2,295と記録されており、いずれにせよフルパスは$1,500〜$2,300の帯に収まるという理解で予算を置けば大きくは外れません。正式な価格は登録開始時に必ず確認してください。

公表されている割引条件は、2027年についても明確です。

人数割引
3〜5名10%
6〜8名20%
9名以上30%

条件が2つあります。全員を1回の決済で登録する必要があり、後からの遡及適用はありません。10名以上を送る場合は主催者に個別相談する導線が用意されています。また、チケットは理由を問わず返金不可で、開催前であれば別の人へ無償で名義変更できます。稟議に時間がかかる日本企業にとって、意味を持つのは価格の締切ではなく「全員分をまとめて1回で決済できる状態にする」という運用条件のほうです。

出展・スポンサー費用は非公開です。公式サイトに料金表は存在せず、すべて「Request Pricing」フォーム経由の個別見積もりです。2027年版のプロスペクタスはCeros上で公開されており、パッケージの構成は確認できますが金額は載っていません。

金額が出ていないぶん、階層の並びが情報になります。2027年プロスペクタスが立てている枠は、Title、Platinum、Gold、Silver、Bronze、Digital Experience、Industry Insider、Ambassador、B2Bvip Cocktail Hour、Logo & Merchandiseの10種類です。出展社が65社規模のフロアに対して、名前の付いた枠が10種類あるという構成です。このイベントのスポンサー費用は、ブースの面積ではなく「何に自社名を付けるか」で決まります。カクテルアワー、ラウンジ、ホストディナー、基調ステージの講演枠といった単位で買う設計であり、価格が交渉制であることもここから読めます。当社データベースにもブースパッケージのレコードは1件もありません。見積もりの窓口はプロスペクタス記載のconference@demandgenreport.comです。

もうひとつ、日本企業だけが踏む段差があります。主催者側の売り文句は、スポンサーが買い手に会えるのは「予算が動き出すQ1の頭」だから、というものです。1月決算・12月決算の米国企業にとってはその通りです。しかし3月決算の日本企業にとって、2月下旬は期末の直前です。翌期予算の枠取りに間に合わせるなら、現地で得た情報を持ち帰ってから稟議を書くのでは遅く、行く前に「この出張で何を決めるか」を確定させておく必要があります。渡航そのものより、この社内タイミングのほうが実務上は効きます。

渡航費と宿泊費については、日本発の公式パッケージも日本の旅行会社の商品も確認できませんでした。会場のOmni La Costa Resortはリゾートホテルであり、都市部のビジネスホテルとは単価の前提が違います。貴社の人数と日程での概算は、下のツールで試算してください。

費用を試算する

日本企業にとって行く価値はあるか

判断基準は1つです。貴社が米国で自社のパイプラインを自分の手で作る段階にいるかどうか。いるなら、これは費用対効果の高い3日間です。いないなら、1,000人規模のカンファレンスに片道10時間かけて行く合理性は成立しません。

行くべき企業。 第一に、米国市場で自社のデマンドジェネレーションやABMを実際に回している、または半年以内に回し始める日本のSaaS企業・AI企業です。ここは製品を見に行く場ではなく、運用のやり方を見に行く場です。米国では2023年の時点でABMが「前提事項」として語られており、2026年には統合されたプラットフォームとして運用する企業が主流でした。日本側の議論とは2〜3年ぶんの段差があり、その段差を1度に確認できる場所は多くありません。第二に、米国拠点のマーケティング責任者を採用したばかりで、その人の判断基準を経営側が理解したい企業です。同じセッションを一緒に聞くだけで、その後の社内議論の速度が変わります。

行かなくてよい企業。 まず、ブースを出して日本の製品やサービスを売りたい企業です。このイベントの設計は、それを歓迎していません。登録は承認制で、ベンダーと判断されればパスは$7,995、団体割引の対象からも外れます。フロアに立ちたければスポンサー契約が必要で、その価格は公開されていません。次に、公的な補助や共同出展を前提に計画を立てている企業です。JETROのジャパンパビリオンも共同出展枠も存在せず、日本語の窓口もありません。そして、規模や話題性を求める企業です。来場者は1,000人で、この数字は5年間ほぼ変わっていません。米国の展示会らしい熱気を体験したいのであれば、1月ニューヨークのNRF: Retail's Big Showが4万人規模、3月オースティンのSXSWが850本のセッションを抱えています。中小企業向けの実務であれば4月マイアミのB2B Marketing Expo Miamiが入場無料です。

英語について、正直に書いておきます。 このイベントの価値の大半は、円卓での雑談と1対1の会話から生まれます。通訳を挟む前提の設計にはなっていません。2026年に参加した渡辺氏は、1対1の会話は想像以上にスムーズで、相手もこちらのレベルに合わせて話してくれたと書いていますが、それでも2時間の交流会でじっくり話せたのは4〜5名です。同氏は最終日に「自分の専門領域なら、言葉の壁は意外と低い」とも書いています。裏を返せば、専門領域の外に出た瞬間に壁は元の高さに戻るということです。英語で議論できる人を1人送るほうが、英語が不安な人を3人送るより確実に成果が出ます。人数を増やして団体割引を取りにいく判断は、この点を確認してからにしてください。

出展を検討している企業へ。 最初にやることは見積もり依頼であって、登録開始を待つことではありません。価格が非公開で交渉制である以上、社内の予算枠を作るには営業担当とのやり取りが先に必要です。加えて、いきなりスポンサーになる前に、1年目は実務家として参加して来場者の質を自分の目で確かめる方法があります。ただしベンダー企業がその選択を取る場合、パスは$7,995です。この金額を「市場調査費」として妥当と判断できるかどうかが、実質的な最初の意思決定になります。複数年の契約を検討するのであれば、2026年7月にEmeraldがApollo傘下でQuestexと統合され、CEOが交代した点も交渉の場で確認しておくべきです。統合直後の運営会社に対して、規模1,000人の編集主導カンファレンスをこのまま維持するのかどうかを聞く権利があります。

判断を1年遅らせる選択も合理的です。 2027年は登録がまだ開いておらず、実務家向けの価格も、登壇者も、2026年8月時点では未発表です。会場が変わって2回目、運営会社が変わって最初の開催でもあります。手元の予算が限られていて、いま決め切る材料が足りないと感じるなら、2027年は公開情報で追いかけ、2028年に人を送るという順序に無理はありません。このイベントは毎年同じ規模で続いており、来年行けなくなる種類のリスクは見当たりません。

最後に、このイベントの位置づけを最もよく表す事実を置いておきます。2026年の会場にいた日本人は、確認できる限り1名でした。それは日本企業がこのイベントを不要だと判断した結果ではなく、そもそも誰も判断材料を持っていなかった結果です。日本語で読める資料は、コンサルティング会社と事業会社の学習レポートが6本あるだけで、費用も出展条件も書かれていません。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。

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よくある質問

B2B Marketing Exchange 2027はいつ・どこで開催されますか?
2027年2月22日(月)〜24日(水)の3日間、カリフォルニア州カールスバッドのOmni La Costa Resort & Spaで開催されます。カールスバッド開催は2026年からで、2025年まではアリゾナ州スコッツデールでした。展示会場ではなくゴルフリゾートを3日間借り切る形式です。
参加費はいくらですか?
2027年の実務家向け価格は2026年8月時点で未公表です。公式サイトに出ている唯一の2027年価格は、ベンダー向けのSolution Providerパス$7,995で、これは登録開始から会期中まで一律です。参加登録はまだ開いておらず、ウェイトリスト受付のみです。
B2B Marketing Expoとは違うイベントですか?
まったくの別物です。B2B Marketing Exchange(B2BMX)はカールスバッドで開かれる有料の実務家カンファレンスで、来場は約1,000人です。B2B Marketing Expoはマイアミなどで開かれる入場無料の展示会です。日本語で検索すると混ざりやすいため、主催者名と会場で見分けてください。
日本からカールスバッドへはどう行きますか?
成田からサンディエゴ(SAN)へJALの直行便があり、会場までは車で約40分です。空港からの移動は各自手配です。ただし冬ダイヤでは週4便に減る年があるため、2027年2月の便数は予約前に必ず確認してください。
日本企業の出展や参加の実績はありますか?
出展実績は確認できませんでした。スポンサー一覧、登壇者一覧、来場企業ロゴのいずれにも日本企業は見当たりません。参加については2026年に日本人1名の現地レポートがあり、本人は「見た限り日本人は私1人だけ」と書いています。
ベンダーでも普通のパスで参加できますか?
できません。主催者は登録者を実務家とSolution Providerに選別しており、登録は承認制です。ベンダーと判断されると$7,995のパスに回されます。過去には団体割引も実務家パス限定で、ベンダーは対象外と明記されていました。
参加費の補助を受けられる制度はありますか?
ありません。ベンダーに割り当てられる7,995ドルはパスであって出展小間料ではないため、日本の展示会出展助成の対象になりません。都内中小企業向けの東京都中小企業振興公社・展示会出展助成事業も、申請には出展小間料の計上が必須です。登録が承認制でベンダーが選別される構造上、費用を公的制度で下げる余地はないとお考えください。
英語ができないと意味がないイベントですか?
その傾向は強いです。価値の大半が1対1の会話と円卓での雑談から生まれる設計で、通訳を挟む場面が想定されていません。2026年の日本人参加者は、2時間の交流会でじっくり話したのは4〜5名だったと記録しています。

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