# SPIE Photonics West 2027完全ガイド:BiOS・LASE・OPTOの違いと日本企業の出展判断 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/spie-photonics-west 開催:SPIE Photonics West(サンフランシスコ) 最終更新:2026-09-06 SPIE Photonics Westは、世界最大の光学・フォトニクスのイベントです。**2027年は1月30日(土)から2月4日(木)まで、サンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されます**。参加者は2万3千人から2万4千人、出展社は1,500社台です。ただし日本の読者がまず知るべきは規模ではなく構造です。**この1つの名前の下に、学会が5系統と展示会が2つあり、その2つの展示会は会期がずれています**。BiOS Expoは1月30日〜31日の土日、Photonics West Exhibitionは2月2日〜4日の火〜木です。そして**展示会を見るだけなら参加費はかかりません**。何を買い、いつ現地にいるべきかを決めるのが、このガイドの仕事です。 - 2027年会期: 1月30日〜2月4日 - 展示社数(2026年実績): 1,580社 - 来場者数(2026年実績): 23,000人超 - ジャパン・パビリオン: 32小間 ![モスコーニ・ウエストの大階段の上から見下ろした登録ホール。正面の壇上に「SPIE. PHOTONICS WEST」の大型サイネージが光り、その上の壁面にサンフランシスコの夜景の壁画が回り込んでいる](https://www.withexpa.ai/conf/2027/spie-photonics-west/moscone-west-hall.jpg) ## まず構造を整理します Photonics Westという1つの名前が指しているのは、次の3つの層です。 **1層目は学会プログラムです**。6日間、同じ会場で並行して走ります。 | 略称 | 扱う分野 | 規模 | |---|---|---| | BiOS | 生体医用光学、バイオフォトニクス、医療診断・治療、神経光学、組織光学、顕微鏡・分光 | 単独で50の会議 | | LASE | 産業用レーザーの技術と応用 | - | | OPTO | 光電子デバイス、部品、材料と、その商用実装 | - | | AR|VR|MR | スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ向けの光学アーキテクチャ | - | | Quantum West | 量子2.0を支える技術としてのフォトニクス | - | | Embedded Vision Summit | 知能化する画像・センシング技術 | - | 全体で100を超える会議、60のショートコース、30名超の全体講演者という規模です。 **2層目は展示会です。ここが最も誤解されます**。 | 会期 | 展示会 | 場所 | |---|---|---| | 2027年1月30日(土)〜31日(日) | **BiOS Expo** | Moscone North / South 展示フロア | | 2027年2月2日(火)〜4日(木) | **Photonics West Exhibition** | Moscone North / South 展示フロア+Moscone West 1階 | 2つ合わせて1,600社です。BiOS Expoが150社超、本展が1,200社超で、その差が示すとおり本展のほうが圧倒的に大きい会場です。 **3層目は併設イベントです**。SPIE Global Business Forum(2027年2月1日、Marriott会場)と、SPIE Prism Awards(2027年2月3日)です。**どちらも別途登録が必要**とSPIEが明記しています。 **週末を落とさないでください** BiOS Expoは土日、本展は火〜木です。月曜に日本を出て月曜に到着する日程を組むと、BiOS Expoは終わっています。医療機器・バイオ光学が目的なら、遅くとも1月29日(金)には日本を発つ必要があります。日本の視察ツアーもこの2つを別の旅程として売っており、はるかぜトラベルの2027年モデルプランは、BiOS向けが1月29日(金)出発の展示会2日間、本展向けが2月1日(月)出発の展示会3日間と、はっきり分かれています。 ## チケットは1種類で足ります **Photonics Westに「BiOSのチケット」「OPTOのチケット」という区分はありません**。有料登録は1種類で、それがすべての技術プログラムとすべての展示会をカバーします。 2026年の実績価格です。2027年の価格は2026年10月に公表されます。 | 区分 | SPIE会員 | 非会員 | |---|---|---| | 発表者・著者・プログラム委員・座長 | 930ドル | 1,120ドル | | 一般参加(発表なし) | 930ドル | 1,120ドル | | 学生 | 540ドル | 1,120ドル | | ブース要員(出展社所属) | 無料 | 無料 | | **展示会のみの来場者** | **無料** | **無料** | 2026年は1月5日(月)を過ぎると170ドル上がりました。早期登録の締め切りは実質的にこの1本です。 **無料の行が、このガイドで最も実務に効く事実です**。SPIEは公式に、こう書いています。 > If you would like to only attend the exhibitions, the exhibition visitor registration is free and is required.(SPIE公式サイト、2026年登録ページ) つまり**展示会の入場は無料、ただし事前登録は必須**です。無料バッジで入れる範囲は、すべての展示会、3つのステージで行われるインダストリーセッション、そして就職フェアです。 有料登録との差は、技術発表と全体講演への入場、50本分の予稿ダウンロード、そして歓迎レセプションです。**製品を見て商談相手を探すだけなら、渡航費と宿泊費以外はかかりません**。 ショートコースは別料金で、締め切り後は15%上がります。コース単独の登録でも展示会には入れます。 ![Howard Street越しに見たモスコーニ・センターの入口。ひさしの上に「MOSCONE CENTER」の切り文字が並び、その下にSPIE Photonics Westの赤いバナーと出展社登録の表示が掲げられている](https://www.withexpa.ai/conf/2027/spie-photonics-west/moscone-west-entrance.jpg) ## 誰が主催しているのか SPIE(The International Society for Optics and Photonics)です。本部は米国ワシントン州ベリンガム、非営利の専門学会です。 **SPIEはまず出版社であり、学会です**。SPIE Digital Library、査読誌、会議予稿集、SPIE Press、光学分野の求人サイトを運営しています。Photonics Westが「100を超える技術会議に展示会が付いている」形をとっているのは、そのためです。有料登録に予稿50本分のダウンロードが付くのも、同じ理由です。 **日本側の窓口は事実上、株式会社オプトロニクス社です**。月刊OPTRONICSとoptronics-media.comを出す光学分野の専門出版社であり、同時に国際部がPhotonics Westのジャパン・パビリオンを主催しています。取材する側と小間を売る側を兼ねているという構造は、読者が知っておくべきことです。本ガイドでは同社の現地取材を報道として引用し、パビリオンの募集要項は営業資料として扱います。 ## ジャパン・パビリオンという選択肢 **Photonics Westにジェトロのジャパン・パビリオンはありません**。確認しましたが、j-messeにもジェトロのパビリオン事業にも、この展示会の掲載はありません。SEMIジャパン、JEITA、光産業技術振興協会(OITDA)の視察団も見つかりませんでした。 **存在するのは民間のパビリオンです**。株式会社オプトロニクス社が主催するJapan Pavilionで、2027年の募集要項の内容は次のとおりです。 | 項目 | 内容 | |---|---| | 募集小間数 | 32小間(前回好評につき拡大) | | ロケーション | ホールE、ドイツパビリオン近く | | 展示スペース代 | 3メートル×3メートル(9平方メートル)で7,703ドル | | 角小間 | 2,005ドル追加 | | ブース施工・什器・バナー・通路カーペット | 実費(バナーと通路カーペットは参加企業で均等割り) | | 代行手数料 | 88,000円(税込)。SPIEへの出展申込、施工・什器の手配、支払いの代行を含む | | 申込締切 | 定数になり次第 | | 支払い | 3回に分割。展示スペース代が2026年8月10日、装飾・備品代が2026年11月30日、最終精算が2027年3月31日 | **締め切りの現状(2026年9月6日時点)** オプトロニクス社の一覧では「受付中」のままですが、第1回の支払期限(2026年8月10日)は既に過ぎており、無料キャンセル期限(2026年7月22日)も過ぎています。締め切りは「定数になり次第」です。空きがあるかどうかは、同社国際部(TEL 03-3269-3550、intl@optronics.co.jp)に直接確認してください。 **このパビリオンの存在意義は、価格ではなく位置です**。展示スペース代の7,703ドルは、SPIEが公表する10フィート四方の非会員価格7,703ドルと同額です。つまり小間代自体は割引されません。オプトロニクス社の説明はこうです。 > 小間位置の選定は、過去の参加履歴や貢献度などの実績に依存するため、ポイントのない初めての出展社または参加回数の少ない出展社は「良い場所」を得ることができません。(Japan Pavilion 2027募集要項) **これは営業文句ですが、裏付けがあります**。日本電気硝子が自社サイトで公開した2025年の出展レポートに、こうあります。 > 昨年はブースの位置が悪く、周辺の人通りが少なくて苦戦したと前任者から聞いていましたが、今年は人通りの多い場所が得られたので良かったです。 2014年から出展を続けている企業が、位置の良し悪しで1年を落としたと書いています。**初出展でホールEの一角を確保できることに88,000円と実費を払う価値があるかどうかは、この事実を前提に判断してください**。 ## 出展の実費はいくらか SPIEが公表している2027年の小間価格です。 | パッケージ | 非会員 | SPIE法人会員 | |---|---|---| | 3フィート×5フィート キオスク | 4,745ドル | 4,033.25ドル | | 6フィート テーブル | 4,152ドル | 3,529.20ドル | | 6.5フィート×5フィート ミニブース | 8,025ドル | 6,821.25ドル | | 10フィート×10フィート ブース | 7,703ドル | 6,547.55ドル | | ペニンシュラ(100平方フィート単位、最低400平方フィート) | 84.50ドル/平方フィート | 71.83ドル/平方フィート | | アイランド(同上) | 102.50ドル/平方フィート | 87.13ドル/平方フィート | キオスクとミニブースには、布地グラフィック付きの背面壁、施錠可能なキャビネット、スツール、カーペット、ごみ箱、5アンペアの電源、設営と撤去が含まれます。 **準備期間の実務は、日本電気硝子の記録が具体的です**。 > 展示会の3か月前頃に社内でキックオフを実施しました。(中略)展示会の1か月前には展示品等の荷物をアメリカに発送しています。 告知は会期の2週間前からLinkedInに週3回投稿しています。**1月末開催なので、社内キックオフは前年の9〜10月、貨物の発送は12月末です**。2027年に出るなら、逆算はすでに始まっています。 ## どんな企業が出展しているのか 2027年のPhotonics West Exhibitionの内訳を、SPIEが公表している社数で見ます。 | 領域 | 出展社数 | |---|---| | 光電子(シリコンフォトニクス、半導体レーザー、ナノフォトニクス、LED、ディスプレイ、ホログラフィ) | 200社超 | | AR|VR|MR | 80社超 | | Vision Tech(ビジョン、センシング、イメージング) | 約40社 | | 量子 | 約30社 | | レーザー | 個別の社数は非公表 | | BiOS Expo(別会期) | 150社超 | 2025年の会場をオプトロニクス社が取材した記録では、TOPTICAが本展の巨大ブースに加えてレーザーダイオード専用ブースとQuantum West正面のブースを構え、MKSが量子分野をサイエンス・研究分野から独立させ、IPGが微細加工からレーザークリーニングまで用途別に展示し、コヒレントがライフサイエンスを独立させていました。**浜松ホトニクスも本展のブース内に量子コーナーを設けています**。 ### 日本企業の実名と小間番号 各社の公表資料から確認できたものだけを挙げます。 | 企業 | 実績 | |---|---| | 日本電気硝子 | 2026年は3389番(ジャパン・パビリオン)。2014年頃から毎年出展、2025年に初めてスポンサー | | NTTアドバンステクノロジ | 2026年は3487番、ホールE(ジャパン・パビリオン) | | レボックス | 2026年は3291番。COB/SMD LED | | 日亜化学工業 | 2026年は132番 | | カラーリンク・ジャパン | 2026年は134番 | | シンクロン | 2026年は166番。2027年の出展も公表済み | | QDレーザ | 2027年の出展を公表済み | | OSC Japan | 2026年に出展 | | 五鈴精工硝子 | 米国営業所がBiOS展と本展の両方に出展 | | 桂精機製作所 | 2026年はOptoSigmaのブース内で4製品を展示 | **小間番号の並びを読んでください**。3291、3389、3487は3千番台、つまりジャパン・パビリオンのあるホールEです。一方で132、134、166は別の場所です。**日本企業はパビリオンの内と外の両方に出ています。パビリオンは唯一の入口ではなく、選択肢の1つです**。 桂精機製作所のように、既に出ている企業のブース内に製品を置くという入り方もあります。初年度の費用を抑えるなら、検討に値する形です。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか **光学部品、光学材料、レーザー、光デバイスを作っている企業には、価値があります**。判断が割れるのは「どの層に、いくらで出るか」です。 **強く勧めるのは、まず無料の展示会バッジでの下見です**。参加費が0ドルで、1,500社超の会場と、日本企業のブースの入り具合を自分の目で確認できます。**2027年2月に下見をして2028年の出展を決める**という順序は、この展示会では特に合理的です。ブース位置が実績で決まる以上、いきなり初出展で良い位置を取るのは難しく、下見の1年は無駄になりません。 **出展を勧めるのは、部品・材料を世界の光学メーカーと研究機関に売る企業です**。会場に来るのは研究者と技術者が多く、調達だけの来場者ではありません。技術的な質問に即答できる人をブースに立たせられるなら、この客層は貴社に向いています。日本電気硝子が「例年以上の集客」と記録し、10年以上出展を続けているのはそのためです。 **慎重に判断すべきは、量子技術だけを目的とする出展です**。併設のQuantum Westは2025年時点で出展19社、会場も閑散としていたとオプトロニクス社が現地から報じています。SPIEの2027年案内でも量子は約30社です。**量子が主戦場なら、独立ブースではなく本展のブース内に量子コーナーを作るほうが人に会えます**。大手がそうしている理由がこれです。 **勧めないのは、次の2つです**。 1つ目は、**完成品システムを一般顧客に売りたい企業**です。ここは部品と材料と計測の場です。民生機器の商談なら[CES 2027](/conf/2027/ces)、高速デジタル設計の実装なら[DesignCon 2027](/conf/2027/designcon)のほうが目的に合います。 2つ目は、**半導体の前工程を売る企業**です。同じ半導体でも顧客が違います。装置と材料なら[SEMICON West 2027](/conf/2027/semicon-west)、後工程のパッケージング技術なら[IMAPS Device Packaging Conference 2027](/conf/2027/imaps-device-packaging-conference)が対象です。光電共封止(CPO)を扱うなら、Photonics Westで光デバイス側を、DPCでパッケージ側を見るという分担になります。 **最後に、規模の推移について正確に書いておきます**。2025年は出展1,500社超・来場24,000人超、2026年は出展1,580社・来場23,000人超です。**この展示会は伸びていません。横ばいです**。「世界最大」という枕詞は正しいものの、成長市場に乗るための出展ではなく、既にある市場で位置を守るための出展だと理解してください。そのうえで、参加費0ドルの下見という選択肢が用意されている展示会は多くありません。まずそこから始めるのが、費用対効果の最も高い入り方です。 ## よくあるご質問 ### SPIE Photonics West 2027はいつ、どこで開催されますか? 2027年1月30日(土)から2月4日(木)まで、サンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されます。会期は6日間ですが、展示会は2つに分かれています。BiOS Expoが1月30日〜31日、Photonics West Exhibitionが2月2日〜4日です。 ### BiOS、LASE、OPTOの違いは何ですか? 同じ会期に並行して走る学会プログラムの名前です。BiOSが生体医用光学とバイオフォトニクスで、単独で50の会議を抱えます。LASEが産業用レーザー、OPTOが光電子デバイス・材料とその実装です。ほかにAR|VR|MRとQuantum Westがあります。 ### チケットは会議ごとに買う必要がありますか? 必要ありません。2026年の実績では、有料登録は1種類で、BiOS、LASE、OPTO、AR|VR|MR、Quantum Westのすべての技術プログラムと、すべての展示会に入れました。会員930ドル、非会員1,120ドルです。ショートコースだけは別料金です。 ### 展示会だけを見る場合はいくらかかりますか? 2026年は無料でした。Exhibition visitor登録という区分があり、費用はかからず、すべての展示会とインダストリーセッション、就職フェアに入れます。ただし事前の登録手続きは必要です。2027年の料金は2026年10月に公表されます。 ### ジャパン・パビリオンはありますか? あります。株式会社オプトロニクス社が主催し、2027年は32小間、会場はホールEでドイツパビリオンの近くです。ジェトロの事業ではなく民間企業の企画です。参加費は3メートル四方の展示スペースが7,703ドル、角小間は2,005ドル追加、代行手数料が88,000円(税込)です。 ### 日本企業は出展していますか? しています。2026年は日本電気硝子が3389番、NTT-ATが3487番、レボックスが3291番、日亜化学工業が132番、カラーリンク・ジャパンが134番、シンクロンが166番で出展しました。QDレーザとシンクロンは2027年の出展をすでに公表しています。 ### ブース出展の費用はいくらですか? 2027年の主催者価格は、10フィート四方のブースが非会員7,703ドル、SPIE法人会員6,547.55ドルです。3フィート×5フィートのキオスクなら非会員4,745ドル、ペニンシュラは1平方フィートあたり84.50ドルからです。装飾、電気、什器、輸送は別途実費です。 ### 量子技術の展示に出す価値はありますか? 現時点では本展のブース内に量子コーナーを設けるほうが効果的です。オプトロニクス社の2025年の現地取材によれば、併設のQuantum Westは出展19社で会場も閑散としていました。SPIEの2027年案内でも量子は約30社です。人の流れは本展のホールにあります。