# SEMICON West 2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/semicon-west 開催:SEMICON West(フェニックス) 最終更新:2026-08-22 SEMICON Westは、北米最大の半導体製造装置・材料の展示会です。**2027年は3月30日〜4月1日、アリゾナ州フェニックスのPhoenix Convention Centerで開催されます。** この記事で最も重要な事実は、開催地と時期が両方変わったことです。SEMIは2026年7月30日のプレスリリースで、フェニックスをSEMICON Westの恒久的な開催地とし、開催時期を下期から春へ移すと発表しました。**サンフランシスコ・下期開催を前提に組んだ2027年度の出張予算は、そのままでは使えません。** 一方で、日本企業にとっての位置づけは明快です。スポンサー46社には東京エレクトロンとSCREENが名を連ねており、日本の装置メーカーはこの市場の参入希望者ではなく、すでに主要プレイヤーです。 - 2027年会期: 3月30日〜4月1日 - 開催地: フェニックス - アリゾナへの半導体投資: 2,000億ドル超 - 確認したスポンサー: 46社 ![3rd StreetとMonroe Streetの角から見上げたPhoenix Convention Center西館。ガラス張りの壁面の上に、金属の日除けが通りへ大きく張り出している](https://www.withexpa.ai/conf/2027/semicon-west/phoenix-convention-center.jpg) ## 最初に:開催地と時期が変わりました SEMIが2026年7月30日に発表した内容を整理します。 | 開催回 | 会期 | 会場 | |---|---|---| | SEMICON West 2026 | 2026年10月13日〜15日 | Moscone Center(サンフランシスコ) | | **SEMICON West 2027** | **2027年3月30日〜4月1日** | **Phoenix Convention Center(フェニックス)** | | SEMICON West 2028 | 2028年5月9日〜11日 | フェニックス | | SEMICON West 2029 | 2029年4月3日〜5日 | フェニックス | **フェニックスは一時的な開催地ではありません。** SEMIは「long-term home(恒久的な本拠地)」と明記し、2028年と2029年の日程まで同時に発表しています。 実務上の影響が2つあります。 **1つ目は、半年以内に2回開催されることです。** 2026年10月のサンフランシスコ開催と、2027年3月末のフェニックス開催の間隔は約5カ月半です。両方に行くのか、どちらかにするのかを決めておかないと、予算と人員の計画が崩れます。 **2つ目は、日本の会計年度をまたぐ位置にあることです。** 2027年3月30日開催は、3月決算の企業にとって当期の末日直前です。会期が年度をまたぐため、費用をどちらの年度に計上するかを事前に確認してください。 ## なぜ移転したのか 理由は2つあり、どちらもSEMIが明言しています。 **1つ目は、世界巡回スケジュールの調整です。** > Shifting SEMICON West earlier in the year to the spring creates space in an already full exhibition schedule in the second half of the year, including SEMICON India, SEMICON Taiwan, SEMICON Europa and SEMICON Japan.(SEMIプレスリリース、2026年7月30日) 下期がSEMICON India、Taiwan、Europa、そして**SEMICON Japan**で埋まっているため、Westを春に移すという説明です。 日本企業にとってはこれが朗報です。**従来は「WestかJapanか」という選択でしたが、2027年からは時期が分かれます。** SEMI自身が、同じ企業が複数のSEMICONに参加することを前提にスケジュールを組み直したと述べています。 **2つ目は、アリゾナの半導体産業の集積です。** SEMI Americas社長のJoe Stockunas氏の説明です。 > By establishing Phoenix as the long-term home of our flagship North American event, we're creating greater consistency for attendees while building on the tremendous momentum of Arizona's rapidly expanding semiconductor ecosystem.(同上) アリゾナ州には2020年以降、**2,000億ドルを超える半導体投資**が集まっています。チップメーカー、先端パッケージング企業、サプライヤーの投資が続き、州は人材育成にも投資しています。 **装置や材料を売る側にとって、これは会場の話ではなく顧客の所在地の話です。** 新しいファブが建っている場所で開催されるほうが、建設・運用の実務者に会える密度は上がります。 ![砂漠の造成地に建つ半導体工場群を上空から捉えた写真。手前は太陽光パネルの駐車場と仮設事務所が並び、奥では多数のクレーンが立ち工事が続いている](https://www.withexpa.ai/conf/2027/semicon-west/tsmc-fab21.jpg) ## 誰が主催しているのか **SEMI**です。半導体および電子機器の設計・製造サプライチェーンを対象とする世界的な業界団体で、営利の展示会運営会社ではありません。 SEMIはSEMICONブランドで世界巡回を組んでいます。West(北米)、Japan、Taiwan、Europa、India、Korea、China、Southeast Asiaです。 このネットワークの存在が、日本企業の判断を変えます。SEMICON Japanで会える顧客のために太平洋を越える必要はありません。**渡航して得られるのは、日本に来ない顧客と、米国のファブ建設に紐づく実務者への接触**です。 ## フェニックス開催が実務に与える影響 会場が変わるということは、下見も動線も宿泊も全部やり直しということです。日本企業にとって具体的に効くのは3点です。 **1つ目は、直行便がないことです。** 日本からフェニックス・スカイハーバー空港への直行便は運航しておらず、ロサンゼルスやサンフランシスコ、ダラスなどで乗り継ぐことになります。サンフランシスコ開催であれば羽田・成田からの直行便で入れましたので、**渡航の所要時間と乗り継ぎリスクは確実に増えます**。装置や重量物のサンプルを持ち込む場合は、この乗り継ぎが1本増える意味を先に見積もってください。 **2つ目は、会場そのものが別物であることです。** Phoenix Convention Centerはダウンタウンにあり、モスコーニ・センターとは建物も動線も搬入経路も違います。過去のサンフランシスコ開催で使った施工業者、宿泊、シャトルの前提は、そのままでは引き継げません。 **3つ目は、周辺に顧客の建設現場があることです。** これは移転の利点の側です。フェニックス北部ではTSMCの工場群が建設中で、州内には2020年以降2,000億ドルを超える半導体投資が集まっています。**展示会の前後に顧客のファブを訪問する日程が、同じ渡航の中で組めます。** サンフランシスコ開催では成立しなかった組み方です。渡航の総コストは上がりますが、1回の渡航で会える相手の数は増えます。 ## どんな企業が出展しているのか 当社が確認した2027年のスポンサーは46社です。顔ぶれを整理すると、この展示会の性格が見えてきます。 | 区分 | 確認できたスポンサー | |---|---| | 製造装置・材料の大手 | Applied Materials、ASML、ASM、KLA、Lam Research、**TEL(東京エレクトロン)**、**SCREEN**、Edwards、INFICON、VAT、Advanced Energy、3M、RENA Technologies | | デバイスメーカー・研究拠点 | Intel Foundry、NY Creates | | ソフトウェア・計算基盤 | NVIDIA、MathWorks、Rockwell Automation、Critical Manufacturing、Seeq、Spotfire、Arena by PTC、MOXA | | **建設・エンジニアリング** | **Exyte、Sundt、Gilbane、Gray、BHS Kinetics、Aquatech** | | **州・自治体の経済開発機関** | **Empire State Development(ニューヨーク州)、Michigan Economic Development、City of Peoria(アリゾナ州)** | | その他 | **日立**、**Kanomax**、**Santec USA**、Cargill、Enpro、Spirit Electronics、Pangaea Ventures ほか | **この表でいちばん見落とされやすいのは、下から2つの行です。** ファブ建設のエンジニアリング企業(Exyte、Sundt、Gilbane、Gray)と、州の経済開発機関が、装置メーカーと同じスポンサー一覧に並んでいます。半導体の展示会に建設会社と州政府がいるのは、**この展示会で売買されているものが装置だけではないから**です。米国では工場そのものが建設中で、その工場に何を入れるか、どこの州に建てるかが同時に議論されています。 日本のサプライヤーにとって、これは商談相手の幅の話です。プロセス装置を売る相手はチップメーカーですが、**用力設備、純水、排ガス処理、クリーンルーム部材を扱う企業の相手は、この建設・エンジニアリング側にいます**。サンフランシスコ開催のSEMICON Westでは、この層はここまで前面に出ていませんでした。 なお当社が扱ってきた他の分野とは、日本企業の立ち位置が根本的に違います。[POSSIBLE](/conf/2027/possible)には日本からの参加実績が確認できず、[Lead Generation World](/conf/2027/lead-generation-world)は米国国内の規制産業でした。半導体は違います。**日本企業はこの市場の当事者です。** ## 日本企業はどう関わっているのか 3つの層で関わっています。 **第1に、スポンサーです。** 2027年のスポンサー46社のうち、東京エレクトロン、SCREEN、日立、Santec USAが日本に本社または親会社を持ちます。加えてKanomaxの名前があり、これは日本カノマックス系の計測機器メーカーとみられますが、2027年の登録主体が日本法人か米国法人かは確認できていません。**東京エレクトロンは2024年、2025年、2026年と最上位のPlatinumを継続しており、単発のコミットメントではありません。** **第2に、出展社です。** 2024年の実績で、およそ645社中40社前後が日本企業でした。全体の6%強にあたります。社名として確認できているのは、東京エレクトロン、SCREEN、日立、Santec USA、Samco(京都、CVDとドライエッチング)、Accretech(東京精密)です。 **第3に、日本の公的機関です。ここが2027年のフェニックス開催では特に重要になります。** 2025年、SEMICON Westが初めてフェニックスで開催された回に、在ロサンゼルス日本国総領事館、JETRO、アリゾナ日本商工会議所(JCCIAZ)が共催する **Japan Forum 2025** が初日の10月7日、Phoenix Convention Centerの館内で開かれました。**1日を通じて600名以上が参加しています。** プログラムは7部構成でした。主催者挨拶とアリゾナ半導体市場の概観、半導体パッケージング材料のセッション、ランチセッション、先端パッケージング装置のセッション、新技術の事業環境のセッション、「アリゾナからの視点」と題した基調講演、そしてネットワーキングレセプションです。レセプションにはアリゾナ州商務局のKevin O'Shea氏、Greater Phoenix Economic CouncilのThomas Maynard氏、JCCIAZの増山CEOが登壇しています。 総領事館はこの開催の背景をこう記録しています。 > 「SEMICON Westは、これまで50年以上カリフォルニア州サンフランシスコで開催され、今回初めてアリゾナ州で開催されることで注目を集めていました。」 参加者の反応も記録されています。 > 「これだけ多くの人が集まっていることに驚いている。日本のプレゼンスの高さを感じることができた」 > 「多くの関係者と名刺交換ができてありがたい。次回の開催も期待している」 **2027年の会場は、このJapan Forumが開かれたのと同じPhoenix Convention Centerです。** 主催者が同じ枠を再び用意するかは未発表ですが、**JCCIAZはアリゾナの団体であり、フェニックスが恒久開催地になった以上、共催の条件は2025年より整っています**。日本語で入っていける枠が館内にある可能性は、サンフランシスコ開催より高いと考えてよいでしょう。渡航を決める段階で、JETROとJCCIAZの告知を確認する価値があります。 もう1つ、日本語の一次情報の入手経路があります。**日本語の一次情報を、JETROが毎年出しています。** 同機構は各回に職員を派遣し、ビジネス短信で現地レポートを公開しており、2022年から2025年までの各回分が残っています。日本企業への取材も含まれ、いずれも無料で読めます。渡航の可否を社内で議論する前に直近の回に目を通しておくと、議論の土台が揃います。 そして、この展示会には物を売る以外の用事もあります。**東京エレクトロンは2025年、自社ブースとは別に、Workforce Development Pavilionに人事担当者を配置しました。** 米国拠点向けに米国人エンジニアを採用したい日本企業にとって、フロアは採用の場でもあります。同社は同じ回で3日間に10本のプレゼンテーションを実施しており、テーマは先端パッケージング装置、PFASの透明性、AIが半導体インフラに与える影響、スマート製造の課題などでした。**つまりスポンサー料は、看板ではなく登壇時間として使い切ることができます。** 出展料をロゴ掲出の対価として見積もっている企業は、想定を組み替える余地があります。 ## 2027年について、まだ分かっていないこと ここは正直に列挙します。2026年8月時点で、**SEMICON Westの公式サイトは2026年10月のサンフランシスコ開催しか掲載していません**。トップページの日付表示も「October 13–15, 2026 | Moscone Center | San Francisco, CA」のままで、2026年分のCall for Abstractsはすでに締め切られています。 | 項目 | 2027年の状況 | |---|---| | 会期・会場 | **確定**(2027年3月30日〜4月1日、Phoenix Convention Center) | | 参加費 | 未発表 | | 出展料・小間単価 | 未発表 | | 来場者数の目標 | 未発表 | | 出展社数 | 未発表 | | プログラム・登壇者 | 未発表 | | Call for Abstracts | 2027年分は未公開 | | Japan Forumの有無 | 未発表 | 問い合わせ窓口はSEMIのsemiconwest@semi.org、本部はカリフォルニア州ミルピタスです。 参考として、2026年開催のテーマ設定は公開されています。AI、先端パッケージング、スマート製造、サステナビリティ、モビリティ、メドテック、そして人材育成の7分野です。対象来場者としてSEMIが挙げているのは、半導体メーカー、装置・材料サプライヤー、ファブレスとIDM、AI・モビリティ・メドテックの企業、エンジニア、経営層、研究者・スタートアップ・投資家、そして人材育成の責任者です。**2027年もこの枠組みが引き継がれる前提で準備して、大きく外れることはないでしょう。** ## 日本企業にとって行く価値はあるか **行くべき企業。** 第一に、米国に顧客基盤を築きたい、または既存顧客の米国拠点に食い込みたい装置・材料・部材のサプライヤーです。アリゾナへのファブ投資が2,000億ドル規模で進んでいる以上、そこに紐づく調達と技術評価の担当者に会える機会が、開催地の移転によって増えます。東京エレクトロンとSCREENがスポンサーとして押さえているのは、その価値を認めているからだと読むのが自然です。 第二に、**用力設備、クリーンルーム部材、純水・排ガス処理を扱う企業**です。スポンサー一覧にExyte、Sundt、Gilbane、Grayという建設・エンジニアリング企業が並んでいることが、この層の商談相手が会場にいる証拠です。装置メーカー向けの展示会だと思って見送ってきた企業は、2027年の顔ぶれで判断し直す価値があります。 第三に、**米国拠点の採用を抱えている企業**です。Workforce Development Pavilionという枠があり、東京エレクトロンが実際に人事担当者を置いた前例があります。 **行かなくてよい企業。** 第一に、顧客が日本国内の拠点で意思決定している企業です。2027年から時期がSEMICON Japanと重ならなくなったことで、この判断はしやすくなりました。まずSEMICON Japanで顧客に聞いてください。**米国拠点で誰が装置を選んでいるのかが分かれば、渡航すべきかどうかも決まります。** SEMICON WestはSEMICONファミリーで最大の展示会ではなく、日本で開かれるものより小さい、という事実も併せて考えてください。 第二に、半導体サプライチェーンの外にいる企業です。ここは装置、材料、部材、ファブ運営の場であり、一般的なエレクトロニクス製品の商談の場ではありません。完成品を売りたいのであれば[CES](/conf/2027/ces)が目的に合います。基板と実装が主戦場であれば、同じアリゾナ・カリフォルニア圏でも、4月アナハイムの[IPC APEX EXPO](/conf/2027/ipc-apex-expo)のほうが客層が合います。 **出展を検討する場合の順序。** 2027年は費用も規模も未発表で、しかも会場が変わる初年度です。**まず[2026年10月のサンフランシスコ開催](/conf/2026/semicon-west)(最後のSF開催)を視察し、そのうえで2027年のフェニックス出展を決める**のが、情報の少なさに対する現実的な対処です。2026年10月と2027年3月の間隔は約5カ月半しかないため、視察と出展判断を1つの会計年度に収める必要がある点だけ、先に社内で確認してください。貴社の状況を踏まえた参加・出展の判断は、下記からご相談ください。 ## よくあるご質問 ### SEMICON West 2027はいつ、どこで開催されますか? 2027年3月30日〜4月1日、アリゾナ州フェニックスのPhoenix Convention Centerです。2027年から開催地がサンフランシスコからフェニックスへ恒久的に移り、時期も下期から春に変わりました。過去の開催実績を前提に計画しないでください。 ### なぜサンフランシスコから移転したのですか? アリゾナの半導体エコシステム拡大と、SEMIの世界巡回スケジュールの調整です。SEMIは、下期がSEMICON India、Taiwan、Europa、Japanで埋まっているため、West を春に移すと明言しています。アリゾナには2020年以降2,000億ドル超の投資が集まっています。 ### 2026年の開催はどうなりますか? SEMICON West 2026は2026年10月13日〜15日、サンフランシスコのMoscone Centerで開催されます。これがサンフランシスコ最後の開催です。2026年10月と2027年3月末で、半年以内に2回開催される点にご注意ください。 ### 日本企業は出展していますか? しています。当社が確認した46社のスポンサーには東京エレクトロン(TEL)とSCREENが含まれます。Applied Materials、ASM、KLA、Lam Researchと並ぶ位置づけで、日本の装置メーカーは参入を目指す側ではなく、すでに主要プレイヤーです。 ### SEMICON Japanと両方に行く必要がありますか? 2027年からは時期が重ならなくなります。SEMIが春への移動理由として、下期にSEMICON Japanなどが集中していることを挙げています。「WestかJapanか」ではなく「別の四半期に両方」という設計に変わりました。 ### 参加費はいくらですか? 2027年分は未公表です。2026年8月時点で主催者サイトは2026年10月開催分の登録を受け付けており、2027年の価格は出ていません。