# Innovation Sandbox 2027応募ガイド:条件と提出資料 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/rsa-conference/innovation-sandbox 開催:RSA Conference(サンフランシスコ) 完全ガイド:https://www.withexpa.ai/conf/2027/rsa-conference 最終更新:2026-09-11 RSAC Innovation Sandboxに応募できるのは、非公開株式で、売上またはARRが$5M未満で、直近に市場投入した製品を審査の場でライブデモできる企業です。条件はもう1つあります。Top 10に選ばれた場合、**$5MのSAFE出資を受け入れることが必須**で、辞退という選択肢がありません。2027年の募集要項は2026年9月11日時点で未公表ですが、直近2回の日程から締切は2026年11月ごろと見込めます。コンテストを含めた会議全体の位置づけは[RSA Conference 2027完全ガイド](/conf/2027/rsa-conference)に、ブースという別の入口は[RSA Conference 2027の出展費用](/conf/2027/rsa-conference/exhibit-cost)にあります。 ![夜のHoward Street越しに見るMoscone North(左)とMoscone South(右)、両館を結ぶ照明付きの連絡橋とサンフランシスコ中心部の高層ビル群](https://www.withexpa.ai/conf/2027/rsa-conference/venue.jpg) ## 応募条件は4つある RSACが2025年の回について公表した条件は、次の4つです。文言は回ごとに更新されますが、20年続いた枠組みは動いていません。 | 条件 | 内容 | | --- | --- | | 資本 | 非公開株式であること。上場企業の関連会社でないこと。関連会社とは、支配する、支配される、または共通の支配下にある法人を指します | | 規模 | 売上またはARRが$5M未満 | | 製品 | 締切日を終端とする約14か月以内に市場投入済み。顧客のベータ利用または購入で検証済み。会場でライブデモができること | | 経営陣 | 製品を市場に出した実績のあるチーム | 製品の窓は毎回動きます。2025年の回では**2023年12月1日〜2025年2月14日**と明示されていました。締切日そのものが窓の終端です。開発中の製品では応募できず、逆に何年も前に出した製品でも応募できません。 地域の制限もあります。規約はプエルトリコおよび一部の米国領、キューバ、シリア、イラン、ロシア、北朝鮮を対象外としており、**日本は対象外に含まれていません**。政府職員および米国商務省・財務省・国務省の各種制裁リストに載る個人・法人は応募できません。準拠法はニューヨーク州法です。 ## 応募から登壇までの日程 2027年の告知はまだ出ていません。RSACの直近のプレスリリースは2026年3月27日の閉幕発表で、公式のInnovation Sandboxページも2026年の内容のまま更新されていません。判断材料になるのは直近2回の実績です。 | 段階 | 2025年の回 | 2026年の回 | | --- | --- | --- | | 応募開始 | 未確認 | 2025年10月14日 | | 応募締切 | 2025年2月14日 | 2025年11月14日 | | ファイナリスト発表 | 2025年4月8日 | 2026年2月10日 | | ピッチ当日 | 2025年4月28日 | 2026年3月23日 | | 会期初日と締切の間隔 | 約2か月半 | 約4か月半 | 締切が会期の4か月半前に前倒しされたのが、直近の変化です。RSAC 2027の初日は4月5日ですから、2026年の回と同じ形なら**締切は2026年11月ごろ**になります。これは推定であって公式発表ではありません。ただし社内の準備、特に既存株主との調整に必要な時間を考えると、告知を待ってから動き出すと間に合いません。 ## 提出物と当日の進行 応募はオンラインで行い、審査は世界規模の審査員団が担当します。Top 10に選ばれると、月曜の午前に登壇します。2026年は午前9時30分に始まり、正午ごろには優勝が決まりました。 壇上の持ち時間は**3分間のピッチと質疑**です。審査基準は5つで、問題解決力、独創性、市場戦略、市場検証、チーム力です。3分は、日本語の資料を英訳して読み上げる長さではありません。製品を動かして見せる時間も含めての3分です。 2026年の審査員の顔ぶれは、この場が誰に向けたものかを示しています。Morgan StanleyのDavid Chen氏、JPMorganChaseのLarry Feinsmith氏、Capitol Meridian PartnersのNiloofar Razi氏、独立研究者のPaul Kocher氏、VerizonのSVP兼CISOであるNasrin Rezai氏です。**5人のうち3人が金融側**で、買い手のCISOが1人、暗号研究者が1人という構成です。技術者向けの品評会ではありません。 提出物の扱いは、応募前に確認してください。RSACの規約は、提出資料を評価、表示、複製、翻案、翻訳、配布する非独占的かつ永続的で取り消し不能なライセンスをRSACに与えると定めており、そこには**AI技術の学習に使う権利と、その出力をRSACが所有すること**が明記されています。提出後の差し替えもできません。 ## 出資と実績、そして日本企業の現在地 2025年以降、Top 10の全社が上限なしのSAFEによる$5Mの出資を受けます。優勝者だけではありません。年間$50Mの投資プログラムであり、資金はCrosspoint Capital Partnersの関連会社が出します。 ここが応募判断の核心です。SecurityWeekの取材に対し、RSACの広報担当は次のように述べています。 > As part of being a Top 10 Finalist, applicants are required to accept the $5M RSAC ISB SAFE Top 10に入ることの一部として、応募者は$5MのSAFEを受け入れることが求められる、という説明です。つまり**受賞は資本政策の決定になります**。同記事は、既存投資家が希薄化と投資家適合をどう評価するかは未知数だと書いています。加えて、コンテストを主宰するHugh Thompson氏はRSACのExecutive Chairman兼プログラム委員長であると同時に、Crosspoint Capital Partnersのマネージングパートナーです。いずれも各所で公開されている事実です。 実績は相応にあります。20年で200社超がファイナリストとなり、100件を超える買収が生まれました。ただし投資総額はRSAC自身が3通りに述べています。 | 数字 | 出典 | 基準日 | | --- | --- | --- | | $17.8Bとその後の$18.1B | RSACのプレスリリース | Crunchbase、2025年9月9日および2026年2月9日時点 | | $50.1B | RSACのInnovation Sandboxプログラムページ | 基準日の記載なし | 基準日と出典が付いているのは前者だけです。代表的なイグジットは、2021年ファイナリストのWizをGoogleが320億ドルで買収することに2025年3月に合意した件と、2025年ファイナリストのCalypsoAIをF5が1億8,000万ドルで2025年9月に買収完了した件です。直近3回の優勝はHiddenLayer、ProjectDiscovery、Geordie AIでした。 日本企業については、**Top 10に選ばれた日本発の企業を確認できませんでした**。RSACは歴代200社超の完全な一覧を公開しておらず、ゼロと断定はできません。ただし公表されている過去ファイナリスト名にも、日本語圏の参加報告にも、該当する企業は出てきません。 ## 率直な判断 応募を勧められるのは、3つを同時に満たす会社です。米国に参照できる顧客がいること。英語で3分のライブデモができること。そして既存株主が米国のプライベートエクイティ系のSAFEを受け入れられること。3つ目を社内で通せないなら、応募すべきではありません。選ばれてから断る道はないからです。 見送るべきなのは、売上が$5Mを超えている会社、製品の市場投入が14か月より前の会社、そして製品が日本国内向けにしか出ていない会社です。審査基準の5つのうち2つが市場戦略と市場検証で、ここでいう市場は米国市場を指します。 RSACに関わる道は他にもあります。より初期の企業には、3社が5分ずつVCにピッチするRSAC Launch Padがあります。過去15社のファイナリストのうち2社がInnovation Sandboxの舞台に進み、2社が買収され、累計で$255M超を調達しています。審査を受けずに枠を買いたい場合は、創業5年未満で売上$5M未満なら[Early Stage Expo](/conf/2027/rsa-conference/exhibit-cost)のキオスクが選択肢になります。米国のどの展示会から始めるかを決めかねている段階なら、先に[米国セキュリティ展示会比較](/conf/2027/rsa-conference/us-security-shows)をご覧ください。 ## よくあるご質問 ### Innovation Sandboxの応募条件は何ですか? 非公開株式であること、売上またはARRが$5M未満であること、直近に市場投入して顧客に検証された製品を会場でライブデモできること、製品を市場に出した実績のある経営陣がいることの4つです。上場企業の関連会社は応募できません。 ### 2027年の応募はいつ締め切られますか? 2026年9月11日時点で未公表です。直近の回では2025年10月14日に応募が開き、11月14日に締め切られ、ファイナリストが2026年2月10日に発表されました。同じ形なら2027年の締切は2026年11月ごろになりますが、これは推定です。 ### ファイナリストになると何がもらえますか? 上限なしのSAFEによる$5Mの出資です。優勝者だけでなくTop 10全社が対象で、資金はCrosspoint Capital Partnersの関連会社が出します。ただしこれは賞品ではありません。RSACはTop 10に選ばれた時点で受け入れが必須だとしています。 ### 日本企業がファイナリストに選ばれたことはありますか? 確認できた範囲では見つかりませんでした。20年で200社超がファイナリストになっていますが、RSACは全社の一覧を公開していないため、ゼロと断定はできません。直近3回の優勝はHiddenLayer、ProjectDiscovery、Geordie AIです。 ### 応募に費用はかかりますか? 応募自体は無料です。ただし提出物にはライセンス条件が付きます。RSACの規約は、提出資料を評価、複製、翻訳、二次的著作物の作成に使う権利に加えて、AI技術の学習に使う権利も取得すると定めています。提出前に法務の確認をお勧めします。