# NVIDIA GTC 2027完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/nvidia-gtc 開催:NVIDIA GTC(サンノゼ) 最終更新:2026-08-06 NVIDIA GTC 2027は、2027年3月15日〜18日にカリフォルニア州サンノゼで開催される、NVIDIA主催のAI・アクセラレーテッドコンピューティングのカンファレンスです。結論から言えば、**発表内容を知ることが目的なら渡航する必要はありません。** 基調講演は無料でライブ配信され、セッションは無料のバーチャルパスでオンデマンド視聴でき、日本語の「Japan Virtual AI Day」まで用意されています。渡航が正当化されるのは、NVIDIAのエンジニアに自社の課題を直接ぶつけたい企業、GPU基盤を実際に調達・運用する企業、そしてフィジカルAIの実機を見たい企業です。この記事では、価格の実勢と2027年の見通し、成田〜サンノゼの直行便、1泊10万円を超えるホテルの回避策、そして**ブースを買わずに登壇する2つの方法**まで、判断に必要な材料を出します。 - 来場者(2026年): 3〜3.5万人 - セッション数(2026年): 1,000以上 - 日本企業の出展(2026年): 約11社 - 参加パス(2026年実績): $2,525 ![San Jose McEnery Convention Centerの外観を高所から捉えた写真。左に赤いタイル装飾の既存棟、中央に樹木を模した金属製のアート、右にガラス張りの増築棟とHilton San Jose](https://www.withexpa.ai/conf/2027/nvidia-gtc/mcenery.jpg) ## NVIDIA GTCとは何のカンファレンスか GTCは、NVIDIAが年1回開催する自社主催のカンファレンスです。名称はGPU Technology Conferenceの略ですが、現在のブランドは「GTC AI Conference」で、内容もGPUコンピューティングからAI全般へ移りました。第1回は2009年10月2日、サンノゼのFairmontホテルで参加者約1,500人という規模でした。当時から需要は過剰で、登録は2週間前倒しで締め切られています。 規模の推移が、このイベントの性格の変化そのものです。 | 開催年 | 現地参加者 | オンライン | | --- | --- | --- | | 2009(第1回) | 約1,500人 | なし | | 2024 | 約16,000人 | 非公表 | | 2025 | 25,000人 | 300,000人 | | 2026 | 3万〜3.5万人 | 300,000人超 | 2026年の人数には注意が必要です。NVIDIAは開催前に「190カ国以上から30,000人以上」と発表しましたが、出展した日立製作所は事後の報告で「約35,000人」と書いています。**NVIDIAは最終的な確定値を公表していません。** この記事では幅のまま扱います。 もう1つ、押さえておくべき構造があります。**GTCはチケット収入を必要としない会社が開くイベントです。** NVIDIAの2026会計年度の売上高は2,159億ドル、前年比65%増です。GTCの目的はCUDA上にエコシステムを築くこと、チャネルに販売の場を与えること、そして年に一度この産業の物語を決めることにあります。**したがって展示フロアはNVIDIAのサプライチェーンとチャネルであって、誰でも可視性を買えるオープンな商談市場ではありません。** ここを取り違えると、期待と現実がずれます。 2026年に現地入りしたNTTPCコミュニケーションズのエンジニアは、2024年にも参加した経験から、変化をこう要約しています。 > 「AIは『可能性を探る段階』から『実装し、運用する段階』へと明確に移行しました」 展示フロアで交わされる議論の単位も変わりました。 > 「推論処理をいかに効率的に実行するかという観点で『トークンあたりのコスト』やスループットといった指標が前提として語られていた」 FLUXのCTOであるEdwin Li氏は、2026年の基調講演を踏まえてこう総括しています。 > 「NVIDIA はもはやチップメーカーではなく、AI の OS 屋へと変化した」 ## いつ・どこで開催されるのか 本会議は2027年3月15日(月)〜18日(木)です。中心会場はSan Jose McEnery Convention Center(150 W. San Carlos St.)ですが、**このイベントは1つの建物に収まりません。** 基調講演はNHLのアリーナであるSAP Centerで行われ、そのほかSan Jose Civic、Montgomery Theater、San Jose Marriott、Hilton San Jose、科学館のThe Tech Interactive、屋外の展示エリアとGTC Parkまで、市内10会場ほどに分散します。**会場間は屋外を歩いて移動します。** 日程表記に1点だけ食い違いがあります。NVIDIAのFAQは「3月14日〜18日」と書いており、他のNVIDIAのページはいずれも「3月15日〜18日」です。2026年と同じ構成であれば、日曜の3月14日は終日ワークショップと受付、ウェルカムレセプションの日にあたります。**2027年の詳細スケジュールが公開されるまでは確定しません。** 日曜のワークショップを取る予定なら、1日早く着く前提で航空券を検討してください。 移動については、日本企業にとって有利な事実が1つあります。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | **ZIPAIRが成田〜サンノゼ(SJC)を運航。** 日本とSJCを結ぶ唯一の直行便です。2022年12月12日就航、2026年半ば時点で週3往復程度 | | 所要時間 | 成田発が約9時間40分、サンノゼ発が約10時間45分 | | 空港から会場 | **SJCは会場から約3マイル。** サンフランシスコ(SFO)は38マイル、オークランド(OAK)は39マイル | | 代替ルート | 東京〜SFOをフルサービス系で飛び、SFOから配車アプリで約1時間。BARTとCaltrainなら1.5〜2時間 | | 入国 | ESTA。GTCはビザ招へい状も発行し、**ビザ却下の場合は参加費を全額返金**します | **ZIPAIRはJALグループのLCCで、フルサービス便ではありません。** また路線のスケジュールは1〜2シーズン先までしか公開されず、過去には運休の観測も流れました。**2027年3月の運航は、予約前に必ず直接ご確認ください。** 2025年に参加したKyndryl Japanのエンジニアは、当時直行便を把握していなかったためSFO経由を選び、そこから「Uber や Lyft などの配車アプリで約1時間」と記録しています。 時差対策を工程に組み込んだ例もあります。2026年に参加したGoldrush Computingは、こう書いています。 > 「昨年は時差ボケがひどくて夜まったく寝れなかったので、今回は3日前に前入りして、時差ボケの調整をしようと旅程を組んだ」 気候は、平年値だけを見ると読み違えます。サンノゼの3月は日中18〜20°C、朝晩8〜9°Cで、雨季の終わりにあたります。ところが2026年3月は記録的な熱波となり、現地は約30°Cに達しました。**18°Cを前提に、30°Cにも対応できる服装にしてください。** **知っておくと役立つこと** ホテルが最大の想定外です。GTC 2025週は7,500室分が予約され、1泊$1,800に達する部屋もありました。2025年に参加した日本人エンジニアは、ダウンタウンが「1泊10万円超という価格帯に跳ね上がっていた」ため、車で約15分のSantana Rowに滞在しています。石畳とレストランの多いエリアで、実際に使われた回避策として参考になります。公式の宿泊手配はEventSphereのみで、NVIDIAは他社が公式を装うと明示的に警告しています。食事も期待しないでください。2025年の記録では「朝食:提供なし」「昼食:GTC Park にて配布(大行列あり)」で、内容は常温のブリトーやサンドイッチが中心でした。コーヒーと水は終日あります。そして10会場を屋外で歩き回るため、靴は歩けるものを用意してください。初参加の英語圏の記者は総括をこう締めています。「Next year: I'll be back, in tennis shoes.」 ## 誰が主催しているのか 主催はNVIDIA Corporationです。業界団体でも展示会運営会社でもなく、製品を売っている当事者が開くイベントです。1993年にJensen Huang氏とChris Malachowsky氏らが創業し、Huang氏は創業以来一貫して社長兼CEOを務めています。共同創業者のMalachowsky氏は現在もGTCの登壇者リストに名前が載ります。 **基調講演はHuang氏本人が、原稿もテレプロンプターも使わず約2時間話します。** これがイベントの中心であり、2025年に同氏はGTCを「AIのスーパーボウル」と呼びました。現地の空気について、FLUXのCTOはSAP Centerが3万人超で埋まり、Huang氏の登場時にスタンディングオベーションが起き、入場列が建物の外まで伸びたと報告し、こう表現しています。 > 「テックカンファレンスというよりライブ会場」 近年の発表内容を並べると、この会社が何を売る場なのかが分かります。2022年はHopperとH100、2024年はBlackwell、2025年はBlackwell UltraとVera Rubin以降のロードマップ、ヒューマノイド基盤モデルのIsaac GR00T N1、そして初のQuantum Day。2026年はVera Rubinのプラットフォーム全体が量産段階に入り、Feynman世代が予告され、CUDAが20周年を迎えました。Huang氏はBlackwellとVera Rubinの受注を**2027年までで1兆ドル**と述べています。前年に示した5,000億ドルからの倍増です。 **GTCに日本開催はありません。** 地域版はサンノゼ(3月)のほか、COMPUTEXに併設するGTC Taipei(2026年は6月1日〜4日)、GTC Berlin(2026年は10月20日〜22日)などです。日本には代わりに2つの受け皿があります。GTC週にあわせた日本語・オンライン・無料の**Japan Virtual AI Day**(2026年は3月19日9時から17時、日本時間)と、GTCとは別イベントの**NVIDIA AI Summit Japan**(直近は2024年11月12日〜13日、ザ・プリンス パークタワー東京、Huang氏も来日)です。なおNVIDIAはnvidia.com/ja-jp/gtc/で日本語版サイトを提供しており、価格ページも日本語で読めます。 ## どんな企業が参加・出展しているのか 2026年、NVIDIAのスポンサーページには**8つのティアに431組織**が掲載されました。現地レポートは「450社超」と報じており、開催前の集計との差と見られます。ティア構成そのものが、NVIDIAが何を売っているかの説明になっています。 | ティア | 社数 | 顔ぶれ | | --- | --- | --- | | Elite | 8 | AWS、CoreWeave、Dell、Google Cloud、HPE、Microsoft Azure、Nebius、Oracle | | Diamond | 19 | ASUS、Cisco、DDN、Delta Electronics、Foxconn、GIGABYTE、Lenovo、Schneider Electric、Supermicro、Vertiv ほか | | Platinum | 22 | Accenture、Akamai、CrowdStrike、Deloitte、HP、IBM、Micron、Mistral AI、NetApp、SAP、Samsung Semiconductor、SK hynix ほか | | Gold | 33 | **日立製作所**、Meta、Databricks、Cadence、Synopsys、Nokia、Equinix ほか | | Silver | 58 | **NTTデータ**、**KIOXIA America**、**DDC Solutions(ダイキングループ)**、ABB、Intel、Red Hat、Siemens ほか | | Exhibitor | 233 | **三菱重工業**、**村田製作所**、**EIZO Rugged Solutions** ほか | | Inception Startup | 54 | **SpiralAI** ほか | Eliteはクラウドです。ハイパースケーラーと、GPUを10万台単位で買うネオクラウドが並びます。Diamondはハードウェアのサプライチェーンで、台湾のODMに電力・冷却が加わります。GoldとSilverはSIとエンタープライズソフトウェアの層です。**233社のExhibitorティアが長い裾野で、54社のInceptionティアはNVIDIAの無償スタートアップ支援プログラム枠です。** **日本企業は431組織のうち11社程度、およそ2.5%です。** | 企業 | ティア | 内容 | | --- | --- | --- | | 日立製作所 | Gold | 「Physical AI in Action」。屋内と屋外の2ブース、HMAX、産業向けエージェント、Hitachi iQ。**NVIDIA Partner Network Award 2026のBest Software Partnerを受賞** | | NTTデータ | Silver | AIソリューションとアクセラレーテッドコンピューティング | | KIOXIA America | Silver | ストレージ | | DDC Solutions(ダイキングループ) | Silver | データセンター設備 | | 三菱重工業 | Exhibitor | データセンター向けの発電・高効率冷却・次世代配電 | | 村田製作所 | Exhibitor | 電子部品 | | EIZO Rugged Solutions | Exhibitor | ディスプレイ | | SpiralAI | Inception | スタートアップ枠 | このほかEnactic、APPRO Photoelectron、Future TechがExhibitorティアに含まれます。日本経済新聞系の媒体は事前記事で「日本からは日立製作所や三菱重工業などがブースを構える。」と2社だけを挙げました。NTTPCコミュニケーションズは出展ではなく参加側ですが、**Best NPN of the Yearを2年連続で受賞**し、同社エンジニアが新設のBest Personal Awardに選ばれています。 **ここで日本企業にとって重要な事実を1つ、はっきり書いておきます。2026年の主要登壇者リストに日本人は1人もいません。** 2025年のプレスリリースにも名前はありませんでした。基調講演の周辺に並ぶのはMira Murati氏(Thinking Machines Lab)、Jeff Dean氏(Google DeepMind)、Chelsea Finn氏(Stanford/Physical Intelligence)、Ashok Elluswamy氏(Tesla)といった顔ぶれです。**日本企業は出展も参加も受賞もしていますが、メインステージには立っていません。** これは確認可能な空白であり、狙う価値のある空白でもあります。 なお、JETROや自治体のジャパンパビリオンは確認できませんでした。日本企業は個別にブースを買うか、NVIDIA Inception経由で入っています。公的なパビリオンを足がかりにしたい場合、当社が調べた範囲でその仕組みがあるのは[CES](/conf/2027/ces)だけです。 ## 会場では実際に何が起きるのか ![SAP Centerの外観。青空の下、三角形のガラス屋根と金属パネルの外壁を持つアリーナの正面に「SAP center」の看板](https://www.withexpa.ai/conf/2027/nvidia-gtc/sap-center.jpg) 1週間の構造には、知らないと時間を無駄にする偏りがあります。2026年の実際の進行は次のとおりで、2027年も同じ形と考えて差し支えありません。 | 曜日 | 中身 | | --- | --- | | 日曜 | 終日ワークショップ(8時30分〜17時)、一般受付は16時30分から、ウェルカムレセプションとポスターレセプション | | 月曜 | **11時〜13時にSAP Centerで基調講演。** 展示は13時開場、セッションは15時開始。夕方にレセプション、夜19時からナイトマーケット | | 火曜・水曜 | セッション9時〜12時と13時〜17時、展示12時〜19時、レセプション、ナイトマーケット | | 木曜 | 半日。セッション9時〜13時と14時〜16時、展示は11時〜14時のみ、受付は14時終了 | **実務上の読み方はこうです。月曜はほぼ基調講演と展示だけで、本当のセッションは午後3時から始まります。木曜は半日です。稼働する中核は火曜と水曜の2日間しかありません。** 基調講演は席ではなく行列です。NTTPCコミュニケーションズのエンジニアは、11時開始に対して**7時30分からSAP Centerの外に並び**、会場周辺は大規模な道路規制が敷かれたと記録しています。通常のセッションでも、ソフトバンクの参加者は人気セッションには20分前から並ぶ必要があり、会場は「歩き回るのも困難なほどの人で溢れかえって」いたと書いています。 そして**現地でしか得られないものは、セッションではありません。** セッションは終了後にオンデマンドで公開され、無料のバーチャルパスで視聴できます。富士通研究所の参加者は、最も価値のあったプログラムとして**Connect With the Experts**を挙げています。NVIDIAのエンジニアと30分、自社の課題を直接議論する枠です。同氏は講演についても、事前に質問を用意し、20分の入れ替え時間に登壇者本人へ聞きに行く方法を勧め、こう総括しています。 > 「その場で直接話せることが現地参加の最大のメリット」 展示フロアの見どころも2026年ははっきりしていました。同研究所は出展の傾向をこう記録しています。 > 「既存のシステムや業務ツールにどう接続し、実際の業務をどこまで自律的に回せるかを訴求する展示が目立ちました」 会場には110体を超えるロボットが稼働しました。初参加の英語圏の記者は、配送ロボットがバッジをスキャンして景品を配り、受付にいるのが身長6フィートのヒューマノイドだったと書いています。同記者はフロアの語彙についてもこう述べています。 > "I don't think there was a single booth or session that didn't feature the term 'AI factory.'" NVIDIAが主催しない**非公式の夜の回路**も無視できません。2026年はCoreWeaveのハウスパーティー、WEKAとNebiusの合同イベント、NTTの深夜パーティーが並走し、2025年には25軒のダウンタウンのレストランが交流ディナーを主催しました。事業開発が目的なら、商談はむしろこちらで起きます。 有料ワークショップを取る場合の実務的な注意も1つあります。Goldrush Computingの記録です。 > 「演習環境のDLIインスタンスがワークショップ中しか動かないため、Jupyter Notebook はその場でローカルに保存しておくべき」 **演習環境はワークショップ終了と同時に消えます。** 部屋を出る前にローカル保存してください。 ## 参加・出展にいくらかかるのか **2027年の価格は未公表です。登録開始は2026年秋の予定です。** 判断材料になるのは直近2回の実績で、以下は2026年開催前にNVIDIAが掲示していた価格です。 | パス | 早期割引 | 通常 | 内容 | | --- | --- | --- | --- | | Conference(4日間) | $2,172 | $2,525 | 基調講演の座席、全セッション、展示、昼食、レセプション | | Conference(1日) | $1,083 | $1,260 | 基調講演は月曜パスのみ。3名以上は$758 | | Exhibits Only(4日間) | $820 | $930 | 展示、レセプション、Connect With the Experts。セッション不可 | | Exhibits Only(木曜のみ) | $110 | $110 | 3名以上は$77 | | 終日ワークショップ(日曜) | $495 | $495 | 8時間、ハンズオン、昼食込み | | Training Labs追加 | $500 | $500 | 4日間パス保有者のみ。90〜120分のラボ40本、着席保証なし | | バーチャル(オンライン) | 無料 | 無料 | 基調講演のライブ配信とオンデマンド視聴 | 割引は3種類あり、**いずれも幅が大きいので必ず確認してください。** - **GTC同窓割引が40%。** 過去のGTCに現地・オンラインを問わず登録したことがあれば対象で、同じメールアドレスで登録すると適用されます。2026年は通常$2,525が$1,515になりました。**無料のバーチャルパスで一度登録しておけば、翌年から対象になります。** - **学術・政府・非営利が40%。** 該当するドメインのメールアドレスで登録し、受付で資格を提示します。 - **グループ割引が30%以上。** 同じ種類のパスを3枚以上まとめて購入する場合です。 2025年と2026年を比べると、主要な価格帯はいずれもほぼ10%上がっています($2,295→$2,525、$1,145→$1,260、$845→$930)。**同じ傾きが続けば2027年の4日間パスは通常$2,750〜2,800前後、早期割引で$2,400前後になります。ただしこれは2点からの外挿であって、出典のある数字ではありません。** 予算取りの目安としてのみ使ってください。 **より重要なのは締切です。2026年は4日間のConferenceパスが開催の約1ヶ月前に完売しました。** NVIDIA自身の価格ページに「Sold Out」が出て、日本の代理店も顧客に完売を案内しています。早期割引は2月上旬に終わります。**2027年に行くなら、買うのは早期割引の窓であって2月ではありません。** キャンセル規定も厳しく、2026年は期限前でも$50の手数料、期限後は返金なしでした。名義変更は開催直前まで受け付けられたため、人選が固まらない場合は席を先に押さえるのが実務的です。 **出展・スポンサー費用は公表されていません。** ティアの構成は分かっていますが、価格表もプロスペクタスも存在せず、問い合わせ先はGTC-Sponsors@nvidia.comのみです。この記事で出展費用を示せないのは、推測で書かないためです。 ホテルはGTC週のダウンタウンで1泊$1,800に達することもあり、**参加費より宿泊費のほうが変動要因として大きくなります。** サンノゼ市は2026年6月にホテル税を10%から12%へ引き上げる住民投票案を出しており、結果は未確認です。総額を見積もる際は税率も確認してください。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか(率直な評価) **発表内容を知ることが目的なら、行く価値はありません。** これは辛口の意見ではなく、NVIDIA自身が用意している選択肢から導かれる結論です。基調講演は無料でライブ配信され、1,000本を超えるセッションは無料のバーチャルパスでオンデマンド視聴でき、さらに日本語・無料のJapan Virtual AI Dayが用意されています。**世界で最も情報公開に積極的なテックカンファレンスの1つであり、それが渡航の必要性を自ら下げています。** **行くべき企業。** 第一に、自社の技術課題を抱えていて、NVIDIAのエンジニアに直接ぶつけたい企業です。富士通研究所が最も価値のあった枠に挙げたConnect With the Expertsは30分の1対1で、日本では代替できません。講演直後に登壇者を捕まえる20分も同じ性質の時間です。第二に、GPU基盤を実際に調達・運用する企業です。クラウド、データセンター、電力・冷却の当事者にとって、Eliteティアの顔ぶれとサプライチェーンが一堂に会するのはここだけです。第三に、フィジカルAIとロボティクスの実機を見たい企業です。110体を超えるロボットが動く床は、動画では代替できません。同じ主題を消費者向けの文脈で1月に見るなら[CES](/conf/2027/ces)、産業用ロボットの実装に絞るなら6月ボストンの[Robotics Summit & Expo](/conf/2027/robotics-summit-expo)が続きます。そして事業開発が目的なら、非公式の夜の回路に出る価値があります。 **行かなくてよい企業。** 発表内容を追いたいだけの企業は、無料のバーチャルパスとJapan Virtual AI Dayで足ります。NVIDIAのエコシステムに供給側でも調達側でも接点がない企業も向きません。GPUそのものではなく、その周りの電源、冷却、光通信、メモリを売る企業であれば、[AI Infra Summit](/conf/2026/ai-infra-summit)や[Data Center Anti-Conference](/conf/2026/data-center-austin-conference-dcac)のほうが買い手との距離が近くなります。**展示フロアはNVIDIAのサプライチェーンとチャネルであって、誰でも商談を持ち込めるオープンな市場ではありません。** 日本語のサポートを期待している企業も避けるべきです。現地は英語のみで、日本語はオンラインの別枠として切り出されています。 **出展を検討すべき企業へ、ブースを買わない2つの道があります。** これがこの記事で最も実用的な部分です。 1つ目は**ポスターセッション**です。モーションコントローラーを手がけるMovensysは、ブースを買わずにポスターの採択を勝ち取りました。内容はWMXとNVIDIA Isaac、ROS2、Jetson Orin/Thorを1台のPCに統合し、AI推論と1msのEtherCAT通信を同一筐体内で閉じてシミュレーションと実機の差を縮め、追従誤差を約85%削減したというものです。同社の報告によれば、2026年の選考は「今回のポスターセッションはGTC史上、最も競争率が激しかったそうです」という水準でした。それでも通っています。そして成果は明確でした。NVIDIAのGEAR Labを共同で率いるYuke Zhu氏がポスターの前に立ち、こう言ったと記録されています。 > 「それは素晴らしい。そんな解決策は考えてもみなかった。」 2026年のポスターは150件超で、公募が行われます。**本物の技術を持ちながら6桁ドルのブース予算がない日本企業にとって、建物の中で最も費用対効果の高い扉であり、かかるのは参加パス代だけです。** 2つ目は**NVIDIA Inception**です。無償で、ステージを問わずテック系スタートアップが対象で、2026年は240社超が展示スペースを得ています。 **最後に、この記事の判断が拠って立つ限界も書いておきます。** NVIDIAは参加者の職種、役職、業種の内訳をいっさい公表していません。この規模のイベントとしては異例です。したがって「誰に会えるか」は、公表された来場者属性ではなく、スポンサーのティア構成と会場の設計から推測しています。また日本企業の11社という数字は社名からの判定を含むため、概数として扱ってください。確実なのは日立製作所、NTTデータ、KIOXIA、DDC Solutions、三菱重工業の5社です。 出展でも参加でも、日本企業がまだ立っていない場所が1つあります。メインステージです。 貴社の人数と為替を前提にした出張総額の試算、そしてポスター応募を含めた出方のご相談は、下記からどうぞ。 ## よくあるご質問 ### NVIDIA GTC 2027はいつ・どこで開催されますか? 本会議は2027年3月15日〜18日、カリフォルニア州サンノゼです。中心会場はSan Jose McEnery Convention Centerですが、基調講演のSAP Centerを含め市内10会場ほどに分散します。NVIDIAのFAQは3月14日〜18日と記載しており、14日(日)は終日ワークショップの日と見られます。 ### GTC 2027の参加費はいくらですか? 2027年の価格は未公表で、登録開始は2026年秋の予定です。2026年の実績は4日間のConferenceパスが早期$2,172、通常$2,525でした。展示会場のみのパスは$820〜$930、オンラインのバーチャルパスは無料です。過去2年は毎年約10%上がっています。 ### 日本からサンノゼへの直行便はありますか? あります。ZIPAIRが成田〜サンノゼ(SJC)を運航しており、日本とSJCを結ぶ唯一の直行便です。所要は往路約9時間40分、週3往復程度です。SJCは会場から約3マイルと近い一方、ZIPAIRはLCCです。運航スケジュールは季節ごとに変わるため、予約前に必ずご確認ください。 ### 日本語で参加できますか? 現地は英語のみです。日本語の同時通訳やセッションは確認できていません。代わりにGTC週にあわせて「Japan Virtual AI Day」が日本語・オンライン・無料で開催されます。2026年は3月19日の9時から17時(日本時間)で、無料のバーチャルパスだけで視聴できました。 ### 日本企業も出展していますか? しています。2026年はNVIDIAが掲載した431組織のうち11社程度が日本企業で、日立製作所がGold、NTTデータとKIOXIA America、DDC Solutions(ダイキングループ)がSilverでした。三菱重工業や村田製作所はExhibitorです。ただし主要登壇者に日本人は1人もいませんでした。 ### セッションはオンラインで見られますか? 見られます。無料のバーチャルパスで基調講演のライブ配信とセッションのオンデマンド視聴ができます。発表内容を知ることが目的なら渡航は不要です。現地でしか得られないのは、NVIDIAのエンジニアと1対1で話せるConnect With the Expertsや、ポスター会場、実機の展示です。