# NPE2027完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/npe-plastics-show 開催:NPE2027: The Plastics Show(オーランド) 最終更新:2026-08-06 NPE2027: The Plastics Showは、2027年5月3日〜7日にフロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催される、米州最大のプラスチック展示会です。結論から言えば、射出成形機・押出機・金型・材料・リサイクル設備を扱う企業で、すでに米国に生産か販売・サービスの拠点を持っているなら、3年に1度しか巡ってこない北米最大の商談機会です。米国に足場のない企業にとっては、まず買い手として歩く展示会であって、いきなり出展する場所ではありません。前回のNPE2024は5日間で51,396人が登録し、うち15,156人(約30%)が133カ国からの海外来場者でした。この記事では、公開されているブースの単価表、日系5社の出展実績、直行便がないオーランドへの渡航条件、そして日本語対応が用意されていないという事実まで、判断材料をすべて提示します。 - 登録者(2024年実績): 5.1万人 - 出展社(2024年実績): 2,202社 - 海外からの来場比率: 約30% - ブース単価(会員): $27.00〜 ![青空の下のOrange County Convention Center。扇状に重なるガラス屋根のアーチを中心に、屋根付きの歩行者通路と芝生が手前に広がっている](https://www.withexpa.ai/conf/2027/npe-plastics-show/occc-arches.jpg) ## NPEとは何の展示会か NPEは、米国の業界団体Plastics Industry Association(略称PLASTICS)が3年に1度開催する、プラスチック産業の総合展示会です。射出成形機、ブロー成形機、押出機、金型、材料、リサイクル設備が実機で並ぶ産業見本市で、K(デュッセルドルフ)、Chinaplasと並ぶ「四大プラスチック展示会」の1つに数えられます。住友重機械工業は自社リリースで、NPEを「米州最大のプラスチックショー」と呼んでいます。 規模の感覚は、数字よりも面積の比喩のほうが伝わります。NPE2024を取材した日本のプラスチック専門メディアPlaBaseの松本編集長は、会場をこう書いています。 > NPEは、3年に1回開催される四大プラスチック展示会の1つです。東京ドーム2.4個分の広さの建屋に、MATERIALS SCIENCE(材料)、BOTTLE(容器)、RECYCLING & SUSTAINABILITY(リサイクルとサステナビリティ)、Advanced Manufacturing(先端製造)、MOLDMAKING(金型)、PACKAGING(パッケージング)の6ゾーンに分かれた展示会場に2000社(うち800社以上が新規出展)を超える企業が集結しました。(PlaBase 松本編集長、2024年9月25日) 東京ドーム2.4個分、実測で1,106,767平方フィートです。比較の目安として、北米最大級のマテリアルハンドリング展示会である[ProMat](/conf/2027/promat)の2025年の純展示面積は659,000平方フィートでした。NPEはその約1.7倍あります。 開催の周期には、日本企業が予定を組むうえで重要な癖があります。 | 開催回 | 会期 | 会場 | | --- | --- | --- | | NPE2018 | 2018年5月7日〜11日 | Orange County Convention Center(オーランド) | | NPE2021 | 新型コロナウイルスにより中止 | - | | NPE2024 | 2024年5月6日〜10日 | Orange County Convention Center(オーランド) | | NPE2027 | 2027年5月3日〜7日 | Orange County Convention Center(オーランド) | 2021年が中止になったため、**NPE2024は6年ぶりの開催でした**。 出展社2,202社という数字が2018年比10.3%増となり、初参加者が約40%を占めたのは、6年分の需要が一度に出たからです。2027年は2018年以来はじめての通常サイクルの回にあたります。2024年の数字をそのまま2027年の期待値にするのは、やや強気すぎます。 もう一つ、**3年に1度という周期は、1回を逃す重みが年次展示会とはまったく違うことを意味します**。 見送れば次は3年後です。年次のPLASTEC Westや隔年のProMatのように「来年もある」という判断は、この展示会では成立しません。 ## いつ・どこで開催されるのか 2027年5月3日(月)〜7日(金)の5日間、フロリダ州オーランドのOrange County Convention Center(9800 International Drive)で開催されます。開場時間は月曜から木曜が9:00〜17:00、金曜のみ9:00〜15:00です。 **金曜は実質半日だという点は、帰国便を取る前に確認してください**。 最終日だけ2時間早く閉場するため、金曜夕方の便に合わせて動くと、5日目はほぼ午前中だけになります。 会場は2033年まで契約でオーランドに固定されています。PLASTICSはラスベガスとシカゴを比較検討したうえでオーランドを選んでおり、巡回する展示会ではありません。米国での複数サイクルの出展計画を、同じ都市・同じ会場を前提に立てられるのは、この規模の展示会では珍しい条件です。 渡航条件については率直に書きます。**NPEは、当ガイドで扱ってきた米国の展示会のなかで最も行きにくい場所にあります**。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | 日本からオーランド(MCO)への定期直行便はありません。ZIPAIRがチャーター便を運航した実績があるのみです | | 標準的な経路 | アトランタ乗り継ぎ(成田〜アトランタ約13時間、アトランタ〜オーランド約1.5時間)、ほかにダラス、ヒューストン | | 直行との差 | ZIPAIR自身の説明では、直行が約14時間、乗り継ぎは最短でも約18時間 | | 乗り継ぎ時間 | 米国最初の到着空港で入国審査と税関を通るため、約3時間を見込むこと | | ドアツードア | 片道18〜20時間。往復とも移動に丸1日を充てる前提で組むこと | | 入国 | ESTA(電子渡航認証)。2026年1月1日の改定で$40.27、有効期間2年。帰国時はVisit Japan Webを登録 | 気候も、サンフランシスコやシカゴの展示会とは逆方向の準備が必要です。**5月上旬のオーランドは摂氏30〜33度、乾季の終わりで日差しが強く、午後にスコールが降ります**。 会場内は強く冷房が効いているため、重ね着は「寒さ対策」ではなく「屋内外の温度差対策」になります。Orange County Convention CenterはInternational Driveという広く伸びたリゾート街道沿いにあり、ホテルと会場のあいだを炎天下で歩く距離は現実的な検討事項です。 **知っておくと役立つこと** 来場登録の開始は**2026年9月14日**です。ビザ申請用の招待状(Letter of Invitation)は、この登録フローのなかで自動生成されます。出展社はExhibitor Resource Center経由で申請します。ただしNPEは「米国大使館・領事館へ直接送付することはできません」と明記しているため、発行された書類は自分で申請に持ち込む必要があります。会場にはInternational Business Loungeがあり、無料のWi-Fi、コーヒー、通訳サービスが提供されます。 ## 誰が主催しているのか 主催はワシントンD.C.に本部を置く業界団体、Plastics Industry Association(PLASTICS)です。公式ページはどこも「Produced and owned by Plastics Industry Association」と記載しており、NPEは団体の所有物です。社長兼CEOはMatt Seaholm氏、チーフエコノミストはDr. Perc Pineda氏が務めています。 **主催者が業界団体であることから、この展示会の性格がほぼ導けます**。 PLASTICSの収入はフロアのスペース代と会員の年会費で、会場で主催者自身の製品を売る人はいません。採用すべき製品ロードマップも、認定資格のトラックもありません。**出展社が顧客であり、来場者は出展社に届けられる商品です**。 会場設計もプログラムも、ブースに購買権限のあるバイヤーを立たせるために組まれています。 PLASTICSがこの展示会をどう位置づけているかは、Pineda氏の総括の切り口によく出ています。同氏はNPE2024を来場者数ではなく貿易統計で語り、2023年に米国へ供給した上位10カ国のうち6カ国が欧州勢で合計16億ドル、米国から中南米への機械輸出は年率6.5%で伸びていると説明しました。**NPEは米国国内向けの展示会ではなく、世界の機械貿易の集合地点として運営されています**。 海外来場者が3割を占める構造は、その方針の結果です。 ## どんな企業が出展・来場しているのか NPE2024は2,202社が1,106,767平方フィートに出展し、51,396人が登録しました。うち15,156人(約30%)が133カ国からの海外来場者です。**この約30%という海外比率は、当ガイドが調べてきた米国の展示会・カンファレンスのなかで最も高い数字です**。 | 区分 | NPE2024実績 | | --- | --- | | 総登録者 | 51,396人 | | 米国内 | 36,123人(70%) | | 海外 | 15,156人(約30%)、133カ国から | | 初参加者 | 20,378人(約40%) | | 有料展示面積 | 1,106,767平方フィート | | 出展社 | 2,202社(NPE2018比10.3%増) | 日本からの参加を考える読者にとって、この海外比率は実務的な意味を持ちます。**会場は、訛りのある英語にも、長距離を飛んできた訪問者にも慣れています**。 世間話ではなく仕様の話を求めるバイヤーが集まる部屋です。 ただし内訳には限界があります。公表されているのは中南米4,438人(海外の29.3%、2018年比9.9%増)と欧州2,801人(同18.5%、23%増)の2地域だけで、**アジアは区分されていません。日本からの来場者数は、どの回についても公表された数字が存在しません**。 数字をもう2つ、正確に扱っておきます。**公式サイトが掲げる「55,000+ plastics leaders from 110+ countries」は2027年の目標であって実績ではありません**。 検証済みの2024年実績は51,396人・133カ国で、国数はむしろ目標値より多いです。また初参加者比率について、イベント業界メディアのPCMAは63%、30歳未満が3割と報じていますが、PLASTICS自身の発表(51,396人中20,378人)から計算すると約40%です。**本ガイドは公式の40%を採用します**。 ### 日本企業は何社出ているのか NPE2024で出展を確認できた日本の成形機メーカーは5社です。 | 企業 | 2024年ブース | 出展内容と米国拠点 | | --- | --- | --- | | 住友重機械工業 | West hall W3343 | PAC-E 350(日独共同開発の全電動高速機、ハイサイクル容器向け)、IntElect 180とSAM-Sロボット | | 芝浦機械 | #W2743 | 全電動射出成形機。出展名義は米国子会社SHIBAURA MACHINE COMPANY, AMERICA(イリノイ州) | | 日精エー・エス・ビー | 非公表 | ASB-150DP。プリフォームから最終製品まで1台で成形。本社は長野県小諸市、販売・サービス拠点は米国ジョージア州 | | UBEマシナリー | 非公表 | UM1200emX-160、型締力1,000tfの電動2プラテン機。ドライサイクル約40%短縮。**米国ミシガン州工場で製造** | | 日精樹脂工業 | 非公表 | 出展。米国テキサス州に射出成形機の生産工場。会期中に依田穂積社長が日経クロステックの取材に応じています | **この5社に共通する構造が、日本企業にとって最も重要な示唆です。全社が米国法人を通じて出展しており、うち3社は米国内で機械を製造しています**。 UBEマシナリーの主力展示機はミシガン州工場製、日精樹脂工業はテキサス州に工場、芝浦機械はイリノイ州の米国子会社名義、日精エー・エス・ビーはジョージア州に販売・サービス拠点を構えています。住友重機械工業のブースに至っては日本の展示ではなく、グループのグローバル構成そのものでした。 > ブースでは、当社グループの日本製・ドイツ製成形機に、グローバルなネットワークでアジア・欧州・米州の機器や自動機を組み合わせ、多様なニーズへの対応力を示します。(住友重機械工業、2024年4月25日) **数十トンの成形機は、現地に保守技術者がいない供給者からは買われません**。 NPEが米国内の製造・サービス能力を持つ企業を優遇するのは、展示会の方針ではなく購買の現実です。 なお、**日本製鋼所(JSW)とファナックについては、NPE2024の出展を確認できませんでした**。 両社とも米国向けの体制を持っていますが、公開情報からブースを特定できていません。確認できたのは5社ですが、2,202社の名簿を全件照合したわけではないため、実際の日系出展社数はこれより多いはずです。 ### 日本の機械メーカーがNPEに来る理由 芝浦機械がNPE2024の会場で語った市場分析が、最も明快な答えになっています。 > EV自動車の射出成形において、日本では電動機が約8割を占める一方、米国市場では50%が油圧式です。製造工程でのCO2削減には電動射出成形機が有効で、Shibaura Machineには50トンから3000トンまで幅広いラインアップになっています。(芝浦機械、PlaBase取材、2024年9月25日) **日本が約8割まで電動化した領域で、米国市場はまだ半分が油圧式です。この差がそのまま市場です**。 転換を促す論拠は2つ、製造工程でのCO2削減と、米国の製造業従事者の減少です。芝浦機械は後者に対して、AIが成形条件を自動補正するシステムで応えています。 そして、日本の技術者にとって逆方向の発見もあります。同社のクラウドサービスmachiNetCloudはデータ監視とリモートメンテナンスに対応していますが、**取材時点で日本での提供は協議中でした**。 米国市場で先に提供されているサービスが、日本ではまだ検討段階にある。カタログではなくフロアを歩かないと出てこない情報です。 ## 会場では実際に何が起きるのか NPEは、実機が動いているフロアです。出展社は数十トンの成形機を米国まで運び、会期中に実際に成形して見せます。日精エー・エス・ビーのブースについてのPlaBaseの記述が、この展示会の性格を端的に表しています。 > 展示されていた成形事例には、アルコール容器、米国で最も売れているエナジードリンクの容器、窪みが施され減圧収縮に耐えられる耐熱容器など、様々な大きさや形状のものがありました。これらは全て展示機器で作られたものです。(PlaBase、2024年9月25日) **スタンドに並んだサンプルは、そのスタンドの機械が作ったものです**。 ウェビナーでも動画でも代替できないのがこの部分で、5日間・110万平方フィートという規模が成立している理由でもあります。 会場はゾーンで区切られています。2024年は材料、容器、リサイクルとサステナビリティ、先端製造、金型、パッケージングの6ゾーン構成でした。**2027年に向けて最初に完売したのは、西側のリサイクル・サステナビリティ技術ゾーンです**。 新設が予定されている唯一の目玉も、Tangerine Ballroomに設けられるSustainability Parkです。展示会の重心が、循環型と再生材へ明確に動いています。 技術の方向性については、日経クロステックに寄稿した小松技術士事務所の小松勝男氏の総括が的確です。 > 北米市場への展開を入念に見据えた技術の出展に力を入れている。(日経クロステック、小松勝男氏、2024年9月26日) K 2022の18ヶ月後に開かれたNPE2024で、各社が持ち込んだのは北米市場向けに調整した技術でした。同氏は離型動作の高速化と、微小射出成形(マイクロ射出成形)を2024年の技術テーマとして挙げています。 セッションについては期待値を下げておくほうが正確です。**NPEの重心は壇上ではなくフロアです**。 PLASTICSは教育プログラムとゾーン内のシアターを運営していますが、2027年のセッション数は公表されていません。講演の公募(CFP)も見つかりませんでした。**壇上に立つ経路は、出展したうえでゾーンやシアターの枠を確保することであって、応募することではありません**。 ### 日本語は用意されていないと考えてください 言語について、正直な注意が3点あります。 1. **ビザ申請用の証明書は6言語で発行されますが、日本語は含まれません**。 英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、中国語、ポルトガル語です。 2. **International Business Loungeの通訳サービスは、対応言語が公表されていません**。 日本語が含まれるかどうかは確認できませんでした。 3. **ジェトロのジャパンパビリオンは、どの回にも確認できませんでした**。 補助のついた小間クラスターも、スタートアップ枠もありません。 **英語で行く前提で準備してください**。 上の6言語の並びは、PLASTICSが自社の海外来場者をどこから来るものと想定しているかを、そのまま示しています。 ### 買い手として行くなら、窓口は米国大使館です 日本企業の思い込みと逆方向になるので、はっきり書きます。**NPEの国際代表団プログラムは、米国商務省のTrade Event Partnership Program(TEPP)と共同で運営されています**。 世界各国の米国大使館・領事館にあるU.S. Commercial Serviceのネットワークを通じて海外バイヤーを募り、各国の商務担当官が探している設備を見つける手助けをし、会場で米国出展社との商談を設定します。 **ジェトロは日本の「売り手」を海外に送り出す機関、U.S. Commercial Serviceは海外の「買い手」を米国に呼び込む機関です**。 成形工場や材料調達の側としてNPEを視察するなら、問い合わせ先は在日米国大使館の商務部です。この構造はProMatとまったく同じで、米国の産業見本市が海外バイヤーを集める標準的な仕組みだと考えて差し支えありません。 ## 参加・出展にいくらかかるのか **来場登録の価格は、2026年8月時点でまだ公表されていません**。 登録開始は2026年9月14日で、価格はそれまで出ません。渡航費と宿泊費の見積もりは先に進められますが、入場料は9月まで確定しないという前提で稟議のスケジュールを組んでください。 一方、**出展のスペース単価は公式PDFで全面的に公開されています**。 費用を事前に正確に積める展示会は多くありません。 | 区分 | 1平方フィートあたり | | --- | --- | | PLASTICS正会員・準会員(400平方フィートまで) | $30.50 | | 同(401〜1,000平方フィート) | $29.50 | | 同(1,001〜4,000平方フィート) | $28.50 | | 同(4,001平方フィート以上) | $27.00 | | サービスプロバイダー会員 | $39.50 | | 非会員 | $51.50 | ブースサイズに直すと、次のようになります。 | ブース | 平方フィート | PLASTICS会員 | 非会員 | 非会員の割増 | | --- | --- | --- | --- | --- | | 10ft×10ft | 100 | $3,050 | $5,150 | +69% | | 10ft×20ft | 200 | $6,100 | $10,300 | +69% | | 20ft×20ft | 400 | $12,200 | $20,600 | +69% | | 40ft×40ft | 1,600 | $45,600 | $82,400 | +81% | **非会員は入口サイズで69%、大型区画では81%高く払います**。 会員には面積による段階割引があり、非会員にはないため、区画が大きいほど差が開く設計です。参考までに、ProMatを主催するMHIの会員・非会員差は$40と$50の25%です。**PLASTICSの非会員ペナルティは、その3倍近い水準にあります**。 ここに1つ穴があります。**PLASTICSの年会費は公開されていません**。 会員になる価値は差額との比較で決まるのに、その片側が分からない状態です。**トークン的な小間を超える規模を考えている企業は、区画を借りる前にPLASTICSに会費を問い合わせてください**。 20ft×20ftで年会費$8,400分の差額が出る計算になるため、多くの場合は入会が先です。 ### スペース代は本当の費用の5分の1程度です 上の単価は**区画代のみ**です。スタンドの設計施工、輸送、搬入出(ドレイエージ)、電源、天吊り、人件費はすべて別で、しかもNPEではこれが特に重くなります。**出展社は稼働する射出成形機を運び込むからです。** 米国のスタンド施工会社は、カスタムのアイランド型ブースを1平方フィートあたり$125〜$250以上と提示しています。400平方フィートのアイランドなら、**$12,200のフロア代に対して施工だけで$50,000〜$100,000**が乗ります。数十トンの機械の海上輸送と据付は、さらにその外側です。**スペース代を出展費用として稟議に書いてはいけません。** なお、Orange County Convention Centerでのドレイエージ、電源、天吊りの実額は公開情報からは把握できませんでした。**機械を持ち込む展示会ではここが費用の主役になるため、米国のスタンド施工会社から見積もりを取る以外に方法はありません**。 ### 良い区画はもう残っていません 2027年の販売状況は、主催者自身が公表しています。 | 時点 | 販売状況 | | --- | --- | | 2026年3月2日〜5日のSpace Selection終了時 | 906,194平方フィート、フロアの82%が成約 | | 2026年6月3日 | **総面積の87%が販売済み。West Hallは完売**。新規出展社300社超が確定 | > This level of early commitment and the strong pace of exhibit sales reflect the excitement building around NPE2027.(Matt Seaholm、PLASTICS社長兼CEO) **開催の11ヶ月前に87%が埋まっているという事実を、日本企業は実務的に読む必要があります**。 West Hallと、そのなかのリサイクル・サステナビリティ技術ゾーンはすでに完売しました。いま申し込む企業が選べるのは、South Hallと、新設のSustainability Parkが入るTangerine Ballroomです。**需要が最も強い区画から順に埋まっているため、出展を検討しているなら、社内の意思決定より先に空き区画の確認を進めてください**。 ![Orange County Convention CenterのSouth Hall A入口。ヤシの木が並ぶ遊歩道の先に、庇の下のエスカレーターとSouth Hall Aの表示が見える](https://www.withexpa.ai/conf/2027/npe-plastics-show/occc-south-hall-a.jpg) 渡航費・宿泊費・出展費を合わせた総額は、人数と規模で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで数分で試算できます。 ## NPEとK、Chinaplas、PLASTEC Westはどう使い分けるか **NPEは米州の基準展、Kは世界の基準展、Chinaplasはアジアの基準展、PLASTEC Westは米国の年次接点です**。 米国市場を取りに行く日本企業にとって、NPEが軸になり、その間の年をPLASTEC Westで埋めるのが基本形になります。 | 展示会 | 開催頻度 | 開催地 | 規模 | | --- | --- | --- | --- | | NPE | 3年に1度 | オーランド(2033年まで固定) | 51,396人、2,202社、110万平方フィート | | K | 3年に1度 | デュッセルドルフ | 世界の基準展 | | Chinaplas | 毎年 | 中国(開催都市は巡回) | アジアの基準展 | | PLASTEC West | 毎年 | アナハイム(MD&M Westと併催) | NPEより大幅に小規模、複数展の一部 | **NPEとKは同じ3年周期でありながら開催年が異なるため、2つを組み合わせるとおよそ18ヶ月ごとに世界の動向を確認できます**。 これは3年に1度の展示会を1つだけ追いかけるより、はるかに実用的なリズムです。 PLASTEC Westは性格がまったく違います。カリフォルニア州アナハイムで毎年、医療機器展のMD&M Westと併催される複合イベントの一部で、規模はNPEと比べものになりません。**NPEを逃した年の米国接点として、あるいは西海岸の顧客に会う手段として使う展示会であって、NPEの代わりにはなりません**。 正直に書いておくと、**NPEとK、Chinaplasを実際に比較検討した記録は、日本語でも英語でも見つかりませんでした**。 3年に1度の出張予算をどこに置くかは、プラスチック業界の日本企業が現実に悩む問題であるにもかかわらず、判断材料が公開されていない領域です。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか 判断基準は一つです。**貴社が米国に生産か保守の拠点を持っているかどうかで、出展か視察かが決まります**。 **出展すべき企業**。 射出成形機、押出機、ブロー成形機、金型、材料、リサイクル設備を売っていて、**すでに米国に工場か販売・サービス拠点がある企業**です。日本が約8割まで電動化した領域で米国市場はまだ半分が油圧式という差が、そのまま商談機会になります。住友重機械工業、芝浦機械、日精エー・エス・ビー、UBEマシナリー、日精樹脂工業がすでにこのフロアにいるという事実は、競合が来ている場に不在でいることの費用も示しています。10ft×20ftのスペース代は会員価格で$6,100です。**とくにリサイクル・再生材・バイオ由来の技術を持つ企業は、需要が最も強く、空き区画が最も少ない領域に立つことになります。** **視察に行くべき企業**。 成形工場、材料調達、包装容器の企画部門など、**買い手側の企業**です。世界のプラスチック機械が5日間で一望できる機会は、この規模では3年に1度しかありません。海外来場者が3割を占めるため、日本から来たことが特別扱いにならず、仕様の議論に入りやすい会場でもあります。在日米国大使館のU.S. Commercial Serviceを通じて代表団に参加すれば、商務担当官が会場での商談設定を手伝います。包装の完成ラインまで一気に見たい場合は、偶数年10月シカゴの[PACK EXPO International](/conf/2026/pack-expo-international)が同じ買い手層の続きです。医療グレードの樹脂に絞るなら、2月アナハイムの[Plastec West](/conf/2027/plastec-west)が3年待たずに毎年開かれます。 **まだ出展すべきでない企業**。 米国に法人も保守体制もない機械メーカーです。**スペース代が公開されていて計算しやすいことと、出展が正解であることは別の話です**。 現地に保守技術者がいない供給者から数十トンの成形機を買う購買担当はいません。まず1回、買い手として歩き、フロアと競合と顧客を見てから決める順序が正しいです。 **行かなくてよい企業**。 プラスチックの成形・材料・金型・包装と直接の関係がない企業です。5万人という数字は魅力的に見えますが、来場者の中身はプラスチック加工業とその周辺に強く偏っています。そして**この展示会は、当ガイドで扱った米国の展示会のなかで最も渡航が重い**(ドアツードア片道18〜20時間、直行便なし)ため、目的が曖昧なままの視察は費用に見合いません。 最後に、判断の前提として4つの空白を共有します。 **第一に、来場登録の価格が未公表です**。 2026年9月14日の登録開始まで、入場料込みの総額は確定しません。 **第二に、PLASTICSの年会費が非公開です**。 非会員は69%高く払いますが、会員になる費用が分からないため、この計算はまだ閉じられません。出展を検討する企業が最初に問い合わせるべき項目です。 **第三に、日本からの来場者数が、どの回についても存在しません**。 PLASTICSは中南米と欧州を区分して公表する一方、アジアは区分していません。**その沈黙自体が、PLASTICSが海外来場者をどこから来るものと想定しているかの情報です**。 **第四に、日本語のNPE参加レポートが1件も見つかりませんでした**。 存在するのはPlaBaseと日経クロステックという業界メディア2社の取材記事、そして出展社自身のプレスリリースだけです。批判的な記事も、出展のROIを検証した記事も、英語を含めて1本も見つかりませんでした。**貴社がNPEについて調べても実感の伴う情報が出てこないのは、探し方の問題ではありません**。 会場を歩いた日本人の記録が、そもそもほとんど公開されていません。 貴社の製品と北米での立ち位置を踏まえた視察・出展判断のご相談は、下記からどうぞ。 ## よくあるご質問 ### NPE2027はいつ、どこで開催されますか? 2027年5月3日〜7日の5日間、フロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催されます。開場は月曜から木曜が9:00〜17:00、金曜のみ9:00〜15:00です。3年に1度の開催で、会場は2033年までオーランドに固定されています。 ### NPE2027の参加費はいくらですか? 2026年8月時点で未公表です。来場登録は2026年9月14日に開始され、価格はそれまで公開されません。一方、出展のスペース代は公開済みで、PLASTICS会員が1平方フィートあたり$27.00〜$30.50、非会員が$51.50です。 ### 日本からオーランドへの直行便はありますか? 定期便はありません。アトランタ、ダラス、ヒューストンでの乗り継ぎが標準的な経路です。ドアツードアで片道18〜20時間を見込んでください。米国最初の到着空港で入国審査と税関を通るため、乗り継ぎ時間は約3時間空けることが推奨されています。 ### 日本企業も出展していますか? しています。2024年は住友重機械工業(West hall W3343)、芝浦機械(#W2743)、日精エー・エス・ビー、UBEマシナリー、日精樹脂工業の5社を確認しました。全社が米国法人を通じた出展で、うち3社は米国内に生産工場を持っています。 ### 日本語のサポートはありますか? ほぼありません。会場のInternational Business Loungeに通訳サービスがありますが、対応言語は公表されていません。ビザ申請用の証明書は英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、中国語、ポルトガル語の6言語で、日本語は含まれません。ジェトロのジャパンパビリオンもありません。 ### ブースはまだ空いていますか? 残りわずかです。2026年6月3日時点で総展示面積の87%が販売済みで、West Hallと西側のリサイクル・サステナビリティ技術ゾーンは完売しました。残るのはSouth Hallと、新設のSustainability Parkが入るTangerine Ballroomです。