# DTECH 2027(旧DISTRIBUTECH)完全ガイド:日本企業のための出展・参加判断 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/dtech 開催:DTECH (formerly DISTRIBUTECH International)(アトランタ) 最終更新:2026-08-23 DTECH 2027(旧DISTRIBUTECH International)は、2027年3月1日(月)から4日(木)まで、米国ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Centerで開かれる、北米最大の送配電(T&D)展示会です。結論から言えば、行く価値が最も高いのは、変電・配電機器、開閉装置、変圧器とその部品、保護リレー、計測・監視機器を米国の電力会社に売りたい日本のメーカーです。米国の電力需要はデータセンターと電化で実際に増えており、そこから生まれる系統への投資は、補助金の設計変更や政権交代に比較的強い需要です。逆に、発電設備を売る企業、ジャパンパビリオンや日本語サポートを前提にしている企業、ブースに人を置くだけの体制で臨む企業には向きません。この記事は2026年8月23日時点で公開されている一次情報だけを使い、2027年の確定事項と過去の実績値を分けて整理します。 - 来場者(2026年実績): 18,000人超 - 出展社(2026年実績): 684社 - 電力会社の比率(2026年実績): 42% - 日本からの出展社(2027年): 1社 ## DTECHとは何のカンファレンスか DTECHは、電力の送配電を対象とした北米最大の商談型展示会と技術会議です。主催者自身の表現では「the largest and most influential T&D utility event in North America」で、扱う範囲は送電線、変電所、配電網、スマートメーター、系統運用ソフトウェアです。発電設備はこの展示会の対象ではありません。 名前について先に片付けます。**この展示会は2025年にDISTRIBUTECH InternationalからDTECHへ改称しました**。改称を告知したプレスリリースは主催者のプレスページに存在せず、時期はリリースのタイトルから挟み込むしかありません。2024年11月21日のリリースは「DISTRIBUTECH 2025」、2025年3月26日のダラス開催も旧名、そして2025年7月15日のリリースが「DTECH®」で始まっています。つまり2025年3月下旬から7月中旬の間です。改称の理由は公表されていません。 紛らわしいのは、旧名がまだ現役で残っている点です。ドメインは`distributech.com`のまま、ページのタイトルタグは「DISTRIBUTECH International 2027」と表示され、LinkedInのハンドルも`distributechintl`です。日本語で検索した場合、ヒット件数は旧名のほうが圧倒的に多く、「DTECH 2027」で日本語の情報はほぼ出てきません。社内で共有するときは両方の名前を書いてください。 日本の専門家の評価も記録しておきます。米国在住のエネルギー研究者である阪口幸雄氏(クリーンエネルギー研究所)は、この展示会を「電力業界で最も権威のある学会・展示会」と表現しています。日経xTECHは、米国ではエネルギー関連の展示会が毎週のように開かれるとしたうえで、こう書いています。 > DistribuTECHは別格の存在だ ## 2027年はいつ・どこで開催されるのか 2027年3月1日(月)から4日(木)までの4日間、アトランタ市中心部のGeorgia World Congress Centerで開催されます。ただし**展示ホールが開くのは3月2日(火)から4日(木)の3日間です**。この1日のずれは渡航予算に直接効きます。 ![赤い庇にGEORGIA WORLD CONGRESS CENTERの文字が並ぶ会場正面と、手前の芝生広場](https://www.withexpa.ai/conf/2027/dtech/georgia-world-congress-center.jpg) 主催者のサイト自体が2つの日付を出しています。本文は「March 1-4, 2027」、meta descriptionとSNS用のカードは「March 2-4, 2027」です。2027年のアジェンダが答えを出しました。 | 日付 | 内容 | | --- | --- | | 3月1日(月) | Grid University、出展社の搬入、Meeting House | | 3月2日(火) | 展示ホール開場、基調講演、Exhibit Hall Reception | | 3月3日(水) | 展示ホール、基調講演、ネットワーキングパーティー | | 3月4日(木) | 展示ホール、撤去 | ブース要員は3月1日の設営から4日の撤去まで、現地4日間です。展示ホールだけを見に行く人は、見出しの日付より1日遅く着いても何も逃しません。主催者の推奨渡航枠は2月28日(日)着、3月5日(金)発です。 会場のGeorgia World Congress Centerはダウンタウンにあり、運営するGWCC Authorityは「全米で4番目に大きいコンベンションセンター」「390万平方フィートの施設」と説明しています。ただしこの数字の出所は2012年のプレスリリースで、その後キャンパスは建て替えられています。桁の目安として読んでください。展示ホール単体の面積は、施設側のfacts & figuresページが404を返すため確認できませんでした。DTECH側の説明は「surrounded by a variety of walkable hotel and dining options」で、ホテルとレストランは徒歩圏です。 次回以降の予定も出ています。2028年は2月14日から17日、ニューオーリンズ開催です。 ## 誰が主催しているのか 主催はClarion Events, Inc.で、拠点は米オクラホマ州タルサです。英国本社の展示会グループのエネルギー部門にあたり、タルサのオフィスは旧PennWellのエネルギー出版事業を引き継いだ組織です。Clarionは送配電のDTECHと発電のPOWERGEN Internationalの両方を持っており、この2つで米国の電力バリューチェーンを分担しています。 主催者よりも重要なのが、開催都市ごとに変わるホストユーティリティです。**2027年のホストユーティリティはSouthern Companyです**。主催者の説明によれば、ホストユーティリティは技術会議プログラムの中核を担い、電力会社側が定義したセッションと自社設備の見学ツアーを提供し、運用スタッフへのアクセスを開きます。2026年サンディエゴはSDG&E、2027年アトランタはSouthern Companyという順番です。 供給側にとっての意味は単純です。アトランタ回は、Southern Companyの技術部門と調達部門が大量に来る年になります。特定の電力会社への納入を狙っている企業にとって、これは開催都市より重い情報です。 技術教育の層を作っているのも主催者ではありません。Grid Universityの講師はEPRI(米国電力研究所)と共同で手配されており、サイトにはEPRIの講師契約ページと講演者契約ページが実在します。産業パートナー23社にはEPRIのほかSEPA、PLMA、AESP、UCAIugなどが並び、**政府機関は1つも入っていません**。JETROも、米国エネルギー省も、州の通商事務所もリストにありません。 個人名のリーダーシップは公開されておらず、窓口は機能別の連絡先だけです。出展社サービスは`dtech.es@clarionevents.com`、登録は`info@distributech.com`。日本語の窓口はありません。 ## どんな企業が出展・参加しているのか 2026年の実績は主催者発表で684社、ディレクトリ上の掲載件数では753件です。2027年は2026年8月23日時点で511社が予約済みで、ホールはおよそ3分の2が埋まった段階です。買い手側の中心は電力会社で、来場者の42%を占めます。 | 指標 | 2026年実績 | | --- | --- | | 来場者 | 18,000人超(Total Professionals) | | 電力会社の比率 | 42% | | 電力会社来場者の前回比 | +20% | | マネージャー職以上 | 69% | | 意思決定権者 | 81% | | 参加国・州 | 73カ国、全50州 | | 初出展の出展社 | 30% | | ネットワーキングが主目的 | 50% | 数字の扱いで1つ注意があります。主催者のトップページには「800+ Utility Attendees」というタイルがありますが、**この数字はそのまま引用しないでください**。同じ主催者の事後レポートは「42% of Attendees were Utilities」と書いており、18,000人超に対して約7,500人になります。800という数字は電力会社の「社数」を指しているのに、ラベルが「来場者」になっている可能性が高いと考えられます。主催者に定義を確認できなかったため、この記事では42%側だけを使っています。 モバイルアプリの実績値も、この展示会の性格を示しています。2026年はアプリ上で4,987件のコネクションと1,786件の商談予約が成立しました。ここでの商談は偶然すれ違って始まるものではなく、事前に予約して埋めるものです。 出展社の構成は、日本の系統機器メーカーの製品領域とよく重なります。以下は2027年ディレクトリから実際に確認できた社名です。 - **変圧器**:CES Transformers、CORE Transformers、Emerald Transformer、Maddox Industrial Transformer、Sunbelt Solomon、TMC Transformers USA、Ritz Instrument Transformers、Reinhausen Manufacturing(負荷時タップ切換器) - **電線・導体**:Southwire、Priority Wire and Cable、American Wire Group、Hellenic Cables Americas、Prysmian Group、TS Conductor、Bahra Advanced Cable - **変電所・配電機材**:S&C Electric、GW Electric、Cleaveland/Price、Piedmont Bushings & Insulators、Staubli Electrical Connectors、Tech Products - **保護・監視・計測**:Schweitzer Engineering Laboratories、Camlin Energy、LineVision、Exacter、Sensorlink、Fischer Block、Powerside、Hioki USA、AEMC Instruments、Vision Metering - **メーター・AMI**:Itron、Landis+Gyr、Sensus(Xylem)、Olameter、Utilismart - **系統ソフトウェア(DERMS・ADMS)**:OATI、AspenTech(旧OSI)、Survalent、Bidgely、Utilidata、Trilliant、COPA-DATA、Autodesk - **通信・ネットワーク**:Nokia、Ericsson、Verizon、Phoenix Contact USA、Wirepas、Westermo、1NCE、Sequans - **点検・現場サービス**:Osmose Utilities Services、Fugro、Genics、Volatus Aerospace、Skydio、Sharper Shape、Technosylva スポンサーは5階層で約105社です。最上位のPremierは21社で、ABB、Siemens、GE Vernova、Schneider Electric USA、Eaton Electrical、Itron、Landis+Gyr、Sensus、Schweitzer Engineering、AWS、S&C Electric、GW Electricなどが並びます。**このうち2社が日本資本で、HitachiとMitsubishiです**。フロアに実際に立っている事業体は、日立エナジーと三菱電機Power Products, Inc.でした。 中堅サプライヤーにとっての読み方を書いておきます。Premier階層は競合がABB、Siemens、GE Vernova、Schneider、Eatonになる場所で、中堅の打ち手ではありません。部品メーカーと計測器メーカーが実際に座っているのはTrendsetterとSupporterの階層で、Cleaveland/Price、Reinhausen Manufacturing、WAGO、MTE、Lovinkといった顔ぶれです。 ### 日本からの出展は、実質1社です ディレクトリの国フィルターで日本の住所を登録している出展社は、2026年が2社、2027年は1社です。同じ方法で数えた各国の数を並べます。 | 国 | 2026年 | 2027年(進行中) | | --- | --- | --- | | 米国 | 572 | 397 | | カナダ | 36 | 34 | | 中国 | 27 | 13 | | 英国 | 11 | 6 | | 韓国 | 5 | 10 | | インド | 5 | 5 | | ドイツ | 5 | 4 | | 日本 | 2 | 1 | **韓国は、ホールがまだ3分の2しか埋まっていない段階で、前回の倍にあたる10社をすでに押さえています**。日本は1社です。2027年の出展社名にはCHERYONG ELECTRIC(韓国)、Transformers and Rectifiers(インド)、Beijing Yahua Boxin Technology、Suzhou CLOU-MGE Electric、Bahra Advanced Cable(サウジアラビア)が並び、アジアと中東のハードウェアメーカーが席を取りに来ている構図がはっきり見えます。 ただし、この国フィルターは日本勢を過小に数えます。日本の大手は米国子会社の名義で登録するため、日本国籍としてはカウントされません。ディレクトリ全件を日本の親会社名で検索した結果が以下です。 | 企業 | 2026年ブース | 2027年ブース | | --- | --- | --- | | Hitachi Energy | 1819、3725、会議室14a・14b | 50033 | | Mitsubishi Electric Power Products, Inc | 2512 | 47015 | | Toshiba America Energy Systems | 4715 | 53059 | | Panasonic Connect North America | 1808 | 24041 | | Hioki USA | UL120 | 84015 | | Fujitsu Limited | UL722 | 未掲載 | | 株式会社Grid Solutions | 5947 | 43117 | 正直な数え方をすると、753件のうち日本に紐づく出展は6社から7社で、そのうち日本法人が自社名義で出しているのは株式会社Grid Solutions(VPP事業者)の1社だけです。同社は2026年のブース番号5947を自社の日本語プレスリリースで公表しており、これが名寄せの裏付けになっています。2027年も43117で再出展します。 日立エナジーについては注記が必要です。日立傘下ですが本社はスイスで、ABBの送配電事業を買収して作られた会社です。欧州の系統機器ベンダーとして動いており、「日本企業が出ている」と数えるのは形式的には正しくても、実態を見誤ります。 日本の読者が名前を探しそうな企業で、2026年と2027年のどちらのディレクトリにも存在しないのは、住友電気工業、古河電気工業、富士電機、横河電機、明電舎、ダイヘン、東光高岳、日本ガイシ、日新電機です。**住友電気工業は2023年のDISTRIBUTECH(サンディエゴ、ブース901、レドックスフロー電池)に出展しています**。つまりこれは「日本の大手は来たことがない」ではなく「来て、やめた」という記録です。 買い手側は事情が違います。日経xTECHは「もちろん、日本の電力会社も参加している」と書いています。日本勢は観る側には居て、売る側にはほぼ居ない、というのがこの展示会の現状です。 ## 会場では実際に何が起きるのか 展示ホールの3日間に加えて、Grid University、技術会議プログラム、ホール内のKnowledge Hubs、商談マッチングのDTECH Source、個室のMeeting House、スタートアップコンペのInitiate、そして夜のレセプションが動きます。2027年のアジェンダには2026年8月時点で205項目が公開されています。 - **Grid University**(3月1日ほか):EPRIと共同で運営される集中講義形式の枠 - **Technical Conference Program**:本会議のセッション群で、週を通じて4ブロック - **Knowledge Hubs**:展示ホール内のシアターセッション、Expo-Onlyパスでも入れます - **DTECH Source**:買い手と売り手のマッチングプログラム - **Meeting House**:3月1日から4日まで動く個室の商談スペース - **Initiate**:スタートアップコンペとStart-Up Awards。公開の応募フォームがあり、スポンサー予算のない企業が壇上に立つ最も安いルートです - **Peer-to-Peer Roundtables / Breakfast Roundtables**:少人数の非公開形式 - **Megawatt Mixer、Exhibit Hall Reception、Networking Party**:夜の枠 2027年ならではの企画として、アトランタの現地ツアーが3本アジェンダに入っています。Georgia Transmissionの設備見学、Georgia PowerがTech Squareで運用するLiving Microgrid Lab、そしてGeorgia Techによる集中型変電所保護のデモです。米国の電力会社の実物の資産の中に入れる枠で、機器メーカーにとってはブースの半日より価値が高い場合があります。 基調講演には偏りがあります。2026年の顔ぶれはZiplineとLego・Pixar・YouTube・SpaceXの元幹部で、業界外の語り手に寄ります。電力の中身は技術会議プログラムとホストユーティリティのセッション側にあり、基調講演を目的に旅程を組む必要はありません。2027年の登壇者は2026年8月時点で127名が公開済みで、完了した2026年の「490+ Speakers」に対してまだ編成の途中です。Call for Committeeが公開された段階なので、登壇を狙うならいま動く時期にあたります。 フロアで買い手が何を求めているかは、出展側の記録が具体的です。IQGeoのAdrian McNulty氏(VP Utility Solutions)は2026年についてこう書いています。 > 電力会社が理論的なロードマップや単発の実験ではなく、今日から測定可能な価値を提供する技術を望んでいるのは当然のことです。 会った電力会社に共通していた条件についても書き残しています。 > すべての公益事業者は共通の課題を抱えていました。人員は逼迫し、ネットワークは複雑化の一途をたどり、現場作業量は増加し続けています。 AIについては、議論の段階そのものが変わったと述べています。 > 公益事業者はもはやIQGeoのようなソフトウェア提供者にAIの説明を求める段階を脱した。 ブースで話す内容の設計に、そのまま効きます。会社の歴史と仕様表を並べるプレゼンは刺さりません。どの電力会社で、何が、どれだけ改善したかを1枚で出せるかどうかが分かれ目になります。 需要側の背景も、複数の観察者が同じことを言っています。Tata Consultancy Servicesは2025年のダラス開催の総括でこう書きました。 > Utilities companies are receiving power requests that exceed their current capacities, prompting increased investments and advanced infrastructure. 電力会社に来ている接続要求が現有容量を超えており、その結果として投資が増えている、という観察です。阪口幸雄氏は2026年の報告会のアジェンダで、同じ状況を「無謀なデータセンター計画と、送電計画・系統接続・負荷成長という現実問題」と表現しています。英語圏と日本語圏の観察者が別々の立場から同じ結論に達している点が、この需要を一過性のトレンドではなく物理的な制約として扱ってよい根拠です。 反対側の証言も同じ人物から出ています。阪口氏の同じアジェンダには「グリッド近代化とレジリエンスはなかなか進まないが」という項目が入っています。需要はあるが、米国の電力会社の調達は遅い。両方とも本当だと考えてください。 ## 参加・出展にいくらかかるのか 参加費は、買い手か売り手かで倍以上変わります。日本の系統機器サプライヤーが出展せずに参加する場合、該当するのは最上位のSolution Provider枠です。 | 区分 | Expo-Only(1/31まで / 2/1以降) | All Access(1/31まで / 2/1以降) | | --- | --- | --- | | Utility(電力会社) | $500 / $600 | $1,325 / $1,425 | | General(一般) | $825 / $925 | $1,675 / $1,775 | | Solution Provider(ベンダー) | $959 / $1,059 | $1,875 / $1,975 | | 出展社バッジ | ブーススタッフ $275 / $325(当日) | $975 / $1,025(当日) | 2つのパスの違いは主催者の説明が明快です。All Accessは技術セッション、ワークショップ、Grid University、ラウンドテーブル、ネットワーキングイベント、そしてPDH(継続教育単位)の対象を含みます。Expo-Onlyは展示ホール、基調講演、Knowledge Hubs、ウェルカムレセプションまでです。 **この価格差は、この展示会のビジネスモデルそのものです**。電力会社の担当者は補助されて安く入り、売りたい側が高く払う。81%が意思決定権者という数字は、その設計の結果として買われている数字です。 そのほかの実費も確定しています。配偶者や子供の同伴パスは$125。キャンセルは2027年1月8日までに書面で通知すれば$110の事務手数料を差し引いて返金され、それ以降は返金されません。参加者の変更は認められています。 前回との比較では、電力会社側の価格は据え置きから微減です(2026年はAll Access $1,395、当日$1,495)。一方で**出展社バッジは1年でAll Accessが26%、ブーススタッフが83%上がりました**。2026年はAll Access $775、ブーススタッフ$150でした。ブース要員を10人連れて行く計画なら、この改定だけで$1,250増えます。 ブース本体については、正直に書きます。**ブースの価格は公開されていません**。平方フィート単価は公式サイトのどこにも出てきません。prospectusページは価格を含まない絞り込みフォームで、`/calculate-dtech-roi`は来場者向けの出張費節約計算機であって出展社向けの見積もりツールではありません。金額はすべて`dtech.es@clarionevents.com`との個別のやり取りになります。 含まれるものは公開されているので、そこから逆算できます。 - ブース1つにつき本会議登録2名分 - 購入した100平方フィートごとにブーススタッフパス2名分 - オンラインディレクトリ、モバイルアプリ、会場ガイドへの掲載 - インラインブースの場合、8フィートのドレープバックウォールと3フィートのサイドディバイダー、社名サイン - パーティー券2枚 10フィート×10フィートのインラインブースなら、本会議登録2名とブーススタッフ2名の計4名分のバッジが付いてきます。5人目からは1人$275の追加です。 ## 日本から行くと、実際どうなるのか アトランタは、この種の米国展示会の開催都市としては日本から最も行きやすい部類です。デルタ航空が羽田(HND)とアトランタ(ATL)を結ぶ唯一の直行便を毎日運航しており、機材はAirbus A350-900、東行きの平均飛行時間は12時間27分、西行きは14時間35分です。 これは見た目以上に効きます。ハーツフィールド・ジャクソン空港はデルタの主力ハブで、DTECH自身のページも「the world's most connected transit hub」と書いています。同種の電力・エネルギー系展示会が開かれるラスベガスやサンディエゴには東京からの直行便がなく、往復で乗り継ぎが2回増えます。アトランタ回はその2回が消えます。 入国にはESTAが必要です。**申請料は1人あたり40.27ドルで、2026年1月1日に引き上げられました**。日本語の旅行情報サイトの多くは旧料金の21ドルのままです。人数分の実費を積む際は現行額で計算してください。 ビザ用の招待状には順序の制約があります。主催者の国際来場者向けページによれば、招待状はRegistration Resource Centerから自分で取得する方式で、**登録を完了した後にしか発行されません**。B-1ビザが必要な人員がいる場合、先に登録を済ませないと申請が始まりません。ビザの取得期間を逆算して、登録の締切ではなく登録の開始日を管理してください。 宿泊はConnections Housingが唯一の公式手配会社です。2027年のホテルブロックの料率は2026年8月時点で未公表(「Housing Details Coming Soon!」)のため、アトランタ週の1泊単価はまだ提示できません。 そして、この展示会には固有の注意点があります。**宿泊詐欺が実際に起きています**。公式サイトはこう警告しています。 > Unauthorized housing companies have been contacting DTECH® exhibitors and attendees via email and phone and in general, misrepresenting themselves as an official housing vendor. 専用の`/scams`ページまで用意されています。英語で「DTECHの割引ルームブロックを押さえてある」という電話やメールが届いたら、まず詐欺を疑ってください。公式はConnections Housingだけです。 日本語の支援層についても、期待しないでください。国際来場者向けページには、カントリーパビリオンも、視察団プログラムも、通訳サービスも、日本やJETROへの言及も一切ありません。英語だけで完結する展示会です。 **出張を組む前に確認しておくこと** 1つ目、日程。展示ホールは3月2日から4日で、3月1日はGrid Universityと搬入です。ブースを出すなら現地は3月1日から、見るだけなら3月2日着で足ります。主催者の推奨枠は2月28日着、3月5日発です。2つ目、招待状。ビザ用の招待状は登録完了後にしか発行されません。3つ目、値上げ。2027年2月1日に全区分の参加費が上がります。4つ目、キャンセル期限。2027年1月8日を過ぎると返金されません。5つ目、宿泊。公式はConnections Housingのみで、2027年の料率は未公表です。6つ目、POWERGENとの併催はありません。発電側も見るなら、2027年1月18日から21日のソルトレイクシティに別途行く必要があります。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか **貴社が変電・配電のハードウェアを作っているなら、米国向けに1回だけ出張先を選ぶとして、これが最有力です**。開閉装置、変圧器と変圧器部品、ブッシング、避雷器、保護リレー、計測・監視機器、センサ、ケーブル附属品。買い手の42%が電力会社という18,000人規模のフロアに、3日間で会える米国のイベントは他にありません。 **行くべき企業、その1。系統ハードウェアのメーカーです**。理由は展示会の規模ではなく、需要の質にあります。米国の電力需要増はデータセンターと電化が牽引しており、電力会社には現有容量を超える接続要求が来ています。変電所と配電網への投資は、負荷が増えた分だけ物理的に必要になる支出です。再生可能エネルギー関連の展示会が補助金制度と政権交代に振り回されるのに対して、系統機器の需要はそこに比較的鈍感です。買い手が投資せざるを得ない、というのがこの分野の強みです。 **行くべき企業、その2。保護・監視・計測の機器メーカーです**。IQGeoの観察どおり、米国の電力会社は人員が逼迫したまま設備と現場作業量が増え続けています。人を増やさずに設備を見るための機器は、そのまま解決策になります。日本勢でこの領域を先行しているのは日置電機で、2026年はUL120、2027年は84015に出ています。 **行かなくてよい企業もはっきりしています**。発電所の中に入る部材であれば1月の[POWERGEN International](/conf/2027/powergen-international)、再生可能エネルギーの発電側であれば5月の[CLEANPOWER](/conf/2027/cleanpower)や11月の[RE+](/conf/2027/re-plus)が対象です。買い手が電力協同組合であれば、2月の[TechAdvantage](/conf/2027/techadvantage)に830の協同組合が集まります。 **条件付きの企業。すでに米国法人を持つグループです**。日立エナジー、三菱電機Power Products、東芝アメリカ、パナソニックコネクトのように現地法人がある場合、日本から人を送るより現地の営業・技術部門が出るほうが合理的です。日本本社から人を出す意味があるのは、製品仕様の決定権が日本側にある場合だけです。 **行かなくてよい企業、その1。発電設備のメーカーです**。DTECHは送配電の展示会で、発電はPOWERGEN Internationalが受け持ちます。2027年のPOWERGENは1月18日から21日、ソルトレイクシティ開催で、DTECHとは6週間離れた2,000マイル先の別の出張です。2022年のダラスのように両者が同じフロアに並んだ年もありますが、2027年は併催ではありません。 **行かなくてよい企業、その2。ジャパンパビリオンや公的補助を前提に計画している企業です**。どちらも存在しません。日本の業界団体もJETROも、この展示会には関与していません。日本語の資料も通訳も、自前で用意する前提になります。 **行かなくてよい企業、その3。米国内の導入実績がまだない、ソフトウェア単体の企業です**。買い手はAIの説明を求める段階を過ぎており、小さく始めて速く広げられる実証済みの成果を求めています。米国の電力会社の名前が入った実績スライドがないまま行くと、この会場は厳しいです。 **行かなくてよい企業、その4。ブースに人を置くだけの体制の企業です**。来場者の50%はネットワーキングを主目的に来ており、2026年はモバイルアプリ上で1,786件の商談が事前に予約されました。DTECH SourceとMeeting Houseで先に予定を埋めていない出展社は、この展示会の半分しか使っていないことになります。 **日本勢が少ないことを、そのまま好機と読まないでください**。韓国は2027年にすでに10社、中国は2026年に27社を出しています。同じ需要を見て、先に席を取っているサプライヤーがいるということです。日本が1社なのは席が空いているからではなく、日本の系統機器メーカーが米国の電力会社向け市場でまだ戦っていないから、と読むほうが自然です。住友電気工業は2023年に出展して、その後の2回は出ていません。撤退の理由は公表されていないので、出展を決める前に、貴社の既存顧客に米国の電力会社が何社あるかを数えてください。ゼロであれば、ブースを買うより先に、Solution Providerパスで1回歩いて調達側の話を聞くほうが投資対効果は高いはずです。 **動くなら2026年内です**。ブース価格が非公開である以上、社内の予算枠を作るにはClarionの営業とのやり取りが要ります。2027年2月1日に全区分の参加費が上がり、1月8日を過ぎるとキャンセルの返金がなくなります。ホールは2026年8月時点で511社が予約済みで、2026年の753件に対しておよそ3分の2です。区画の質は初年度には選べません。2025年に出展したTC Communicationsは、来場動線の良い区画を先に押さえたうえで翌年の再出展を決めています。その会社が展示会をこう評価していることも、判断材料として書き添えておきます。 > DISTRIBUTECH attracts more attendees who are decision makers or end users, a major positive for us 貴社の製品構成と既存の米国顧客に照らして、出展から始めるべきか来場から始めるべきかは変わります。判断のご相談は下記からお受けしています。 ## よくあるご質問 ### DTECH 2027はいつ・どこで開催されますか? 2027年3月1日(月)から4日(木)まで、米国ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Centerで開催されます。ただし展示ホールが開くのは3月2日(火)から4日(木)の3日間で、3月1日はGrid Universityと出展社の搬入日です。ホストユーティリティはSouthern Companyです。 ### DTECHとDISTRIBUTECHは同じイベントですか? 同じイベントです。DISTRIBUTECH Internationalが2025年3月下旬から7月中旬の間にDTECHへ改称しました。ドメインはdistributech.comのまま、ページのタイトルタグも「DISTRIBUTECH International 2027」と表示されます。改称の理由は主催者から公表されていません。 ### DTECH 2027の参加費はいくらですか? 区分によって倍以上変わります。ベンダー枠のSolution ProviderはAll Accessが$1,875、展示会のみが$959です。電力会社は$1,325と$500、一般は$1,675と$825。出展社バッジはAll Access $975、ブーススタッフ$275です。2027年2月1日に全区分が値上がりします。 ### ブース出展の費用はいくらですか? 公表されていません。公式サイトのどこにも平方フィート単価がなく、見積もりはdtech.es@clarionevents.comへの問い合わせになります。ブース料金には本会議登録2名分、100平方フィートごとにブーススタッフパス2名分、8フィートのドレープバックウォール、パーティー券2枚が含まれます。 ### 日本企業もDTECHに出展していますか? ほとんど出展していません。日本の住所で登録した出展社は2026年が2社、2027年は1社です。日立エナジー、三菱電機Power Products、東芝、パナソニックコネクト、日置電機は米国法人としてブースを出しています。ジャパンパビリオンも公的な補助ルートもありません。 ### 出展費用の補助や視察団はありますか? 日本の業界団体による視察団は確認できていません。使えるのは自治体の助成で、都内中小企業であれば東京都中小企業振興公社の展示会出展助成事業が海外展示会も対象です。助成限度額150万円、助成対象経費の3分の2以内で、出展小間料・小間内の装飾費・輸送費が対象になります。航空券とホテル代は含まれません。同公社は東京パビリオンの枠も持っていますが、2026年度に選んだ海外9件にDTECHは入っていません。 ### 日本からアトランタへの直行便はありますか? あります。デルタ航空が羽田(HND)とアトランタ(ATL)を毎日1便、Airbus A350-900で運航しています。東行きの平均飛行時間は12時間27分、西行きは14時間35分です。ハーツフィールド・ジャクソン空港はデルタの主力ハブで、米国内の乗り継ぎ選択肢も豊富です。 ### POWERGEN Internationalと併催ですか? 2027年は併催ではありません。POWERGEN International 2027は1月18日から21日、ユタ州ソルトレイクシティのSalt Palace Convention Centerで開かれます。DTECHの6週間前、2,000マイル離れた別の出張です。2022年のダラス開催では両者が同じフロアを共有していました。