# Black HatとDEF CONの違い:2027年の技術視察をどう組むか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/black-hat-usa/defcon-week 開催:Black Hat USA(ラスベガス) 完全ガイド:https://www.withexpa.ai/conf/2027/black-hat-usa 最終更新:2026-09-11 Black HatとDEF CONは、同じ週に同じ街で開かれる別のイベントです。運営会社も会場もバッジも共通ではありません。2027年はBlack Hat USAが7月31日〜8月5日にMandalay Bay Convention Center、DEF CON 35が8月5日〜8日にLas Vegas Convention Center West Hallと、どちらも公式に発表済みです。重なるのは8月5日の1日だけなので、両方に出るなら現地滞在は8日間になります。Black Hat単体の判断材料は[Black Hat USA 2027完全ガイド](/conf/2027/black-hat-usa)、DEF CON単体は[DEF CON 35完全ガイド](/conf/2027/def-con)にあります。 ![空港の駐機場越しに見えるMandalay Bayのタワーと、背後に連なる乾いた山並み](https://www.withexpa.ai/conf/2027/black-hat-usa/from-airport.jpg) ## 2027年の日程はどこまで確定しているか | イベント | 2027年の日程 | 会場 | 状況 | | --- | --- | --- | --- | | Black Hat USA 2027 | 7月31日(土)〜8月5日(木) | Mandalay Bay Convention Center | 公式サイトに掲載済み | | DEF CON 35 | 8月5日(木)〜8日(日) | Las Vegas Convention Center West Hall | 公式サイトに掲載済み | | BSides Las Vegas 2027 | 未発表 | 2026年はThe Tuscany | 2026年は8月3日〜5日 | 確定しているのは6日間と4日間という外枠だけです。**Black Hatの内訳は2027年分が出ていません**。 Trainingsが何日からで、Briefingsが何日なのかは未発表です。2026年はTrainingsが8月1日(土)〜4日(火)、Briefingsが8月5日(水)〜6日(木)でした。同じ形になる可能性は高いものの、確定情報として扱わないでください。 BSides Las Vegasも2027年の日程は出ていません。2026年は8月3日(月)〜5日(水)、つまりBlack HatのTrainings期間と丸ごと重なっていました。3つとも回るという言い方をよく見かけますが、実際には日程が競合します。 3つをまとめて「Hacker Summer Camp」と呼びますが、主催者は別々で、公式に束ねられた週ではありません。 ## チケットの買い方が根本的に違う | 項目 | Black Hat USA | DEF CON | BSides Las Vegas | | --- | --- | --- | --- | | 2026年の価格 | $799〜$3,399 | 当日現金$520、事前$560〜$600 | $110 | | 支払い方法 | オンライン、法人一括にも対応 | 事前はオンライン、当日は現金 | オンライン | | 事前販売の締切 | 現地登録も可 | 7月31日で終了、以降は当日の列 | 事前登録制 | | 割引 | 早期、グループ6名以上、学術 | なし | ボランティア、登壇、CTF優勝で無償 | | 当日の飛び込み | 可 | 可(現金) | 不可 | ここで日本企業が読み違えやすいのは、**DEF CONは事前登録のほうが高い**という点です。2026年のDEF CON 34は当日現金が$520、事前オンラインが決済手数料$20を含めて$560から$600でした。早く買うほど高くなります。運営が個人情報と決済情報を持たない方針のためで、当日の列に並ぶことが安く済ませる手段になっています。 実務的な帰結は2つです。$520前後を米ドルの現金で用意すること、そして当日の列はLineConと呼ばれるほど長く、初日の午前を丸ごと使う可能性があることです。半日を潰す価値が$40から$80の差額にあるかは、滞在日数で決まります。 Black Hat側には抜け道があります。2026年の登録ページでは、Briefings PassとTraining Passに**DEF CONの事前購入オプション**が付いていました。両方に行くと決めているなら、Black Hatの登録画面でこの欄を確認してください。2027年分の価格と有無は未発表です。 現金の扱いと経費精算の実務は、[DEF CON 35完全ガイド](/conf/2027/def-con)で詳しく扱っています。 ## 会場で起きていることが違う Black Hatは、査読を通った研究発表と400社超のBusiness Hall、有料のTrainingsで構成されます。バッジには氏名と所属が入り、CPEクレジットの対象で、請求書払いができます。企業が経費で参加できるよう設計された場です。 DEF CONの中心はVillageです。DEF CON 34の公式サイトには、Adversary Village、Car Hacking Village、ICS Village、Lockpick Village、Voting Villageなど30を超えるVillageが掲載されました。それぞれが独立した運営で、講演よりもハンズオンとコンテストに重心があります。同じ意味での商業展示フロアは存在しません。 BSides Las Vegasは規模が小さく、2026年はThe Tuscanyで3日間でした。 誰を送るかは、ここでほぼ決まります。買い手、CISO、事業開発の担当者はBlack Hatです。手を動かすエンジニアと研究者はDEF CONのほうが得るものが多くなります。NI&Cの山本仁一氏は2024年にBlack Hat USA 2024とDEF CON 32を同じ出張で回っています。 ## 8日間の視察をどう組むか 以下は骨組みです。Black Hatの内訳とBSidesの2027年日程は未発表なので、2026年の型を当てはめています。 | 日付 | 動き | | --- | --- | | 7月29日(木) | 日本発。乗り継ぎ1回で同日ラスベガス着 | | 7月30日(金) | 時差調整、現金の引き出し、会場の下見 | | 7月31日(土)〜8月3日(火) | Black Hat Trainings(2026年の型) | | 8月2日(月)〜4日(水) | BSides Las Vegas(2026年の型。Trainingsと競合) | | 8月4日(水)〜5日(木) | Black Hat Briefings と Business Hall(2026年の型) | | 8月5日(木)〜8日(日) | DEF CON 35(公式発表済み) | | 8月9日(月) | ラスベガス発 | | 8月10日(火) | 日本着 | 1人で全部は回れません。TrainingsとBSidesが重なるからです。2名以上を送るなら、分担するほうが取りこぼしが減ります。 **解析・運用の担当者**は、Trainings 4日間からBriefings、DEF CONまで通しで9泊です。ハンズオンの密度が最も高い組み方になります。 **研究・CTFの担当者**は、Trainingsを外してBSidesから入り、BriefingsとDEF CONで7泊です。費用は下がり、コミュニティ側の情報は多く取れます。 **事業開発の担当者**は、Business Hallが開く火曜から木曜だけの4泊で足ります。DEF CONに商談相手はいません。 滞在日数の差はそのまま宿泊費に出ます。1泊$330の想定で、4泊と9泊では$1,650の開きです。参加費と渡航費を含めた総額の試算は[参加費と出張予算](/conf/2027/black-hat-usa/pass-cost)にまとめました。登壇を狙う場合は日程より先に締切が来ます。USAのCFPは1月下旬から3月中旬で、提出物の違いは[BriefingsとArsenalの応募比較](/conf/2027/black-hat-usa/cfp)で扱っています。 ## 8月の暑さは、日程ではなく体力の問題です 米国NCEIの1991〜2020年平年値で、ラスベガスの8月は平均最高39°C、平均最低27°C、降水量は月8mmです。夜になっても27°Cを下回りません。問題になるのは気温そのものより、屋外の39°Cと強く冷房の効いたボールルームを1日に何度も往復することです。Mandalay BayからLas Vegas Convention Centerまでは約6kmあり、午後にストリップを歩いて移動するのは避けてください。8日間の滞在では、初日から全開にしないことが最も効きます。FFRI Securityの松尾和輝氏は2025年の登壇報告で、これを2度書いています。 > ラスベガスで病気になったら本当に地獄です。 ## 率直な判断 **両方に出るべき組織**。 セキュリティ研究部門と、脆弱性診断やインシデント対応を実務でやっているチームです。日本からの往復に2日かかる以上、片方だけで帰るのは移動コストの使い方として弱くなります。 **Black Hatだけでよい組織**。 製品の比較検討、ベンダーとの商談、経営層の情報収集が目的の場合です。DEF CONにはスポンサーも来場者名簿も商業展示フロアもありません。営業と事業開発の担当者を4日間送れば足ります。 **DEF CONだけでよい組織**。 CTFに出る、Villageで手を動かす、コミュニティに接続することが目的なら、$520前後で済みます。Black Hatの$2,799から$3,399を払う理由は、査読を通った研究発表とCPEクレジットにあるので、そこに用がなければ不要です。 **見送るべき組織**。 セキュリティ製品を売りたい日本のSIerやコンサルティング会社です。Black Hatの上位スポンサーは製品ベンダーとハイパースケーラーで占められ、DEF CONにはそもそも出展枠がありません。米国で商談相手を探すなら、[RSA Conference](/conf/2027/rsa-conference)のほうが目的に合います。 ## よくあるご質問 ### DEF CON 2027の日程はいつですか? DEF CON 35は2027年8月5日(木)から8日(日)、会場はLas Vegas Convention Center West Hallです。公式サイトに掲載されています。参加費は2026年9月11日時点で未発表で、詳細は追って告知するとされています。 ### Black HatとDEF CONのバッジは共通ですか? 共通ではありません。運営会社も会場も別で、それぞれ購入します。ただしBlack HatのBriefings PassとTraining Passには、DEF CONの事前購入オプションが付きます。会場間は約6km離れており、移動が必要です。 ### DEF CONは現金しか使えませんか? 当日購入は現金です。2026年のDEF CON 34は当日現金で$520、事前オンライン登録は決済手数料$20込みで$560から$600でした。事前販売は7月31日で終了し、それ以降は当日の列だけになります。当日のほうが安いという珍しい構造です。 ### Black HatとDEF CONの両方に出ると何日必要ですか? 2027年は最短で8日間です。Black Hat USAが7月31日から8月5日、DEF CON 35が8月5日から8日で、重なるのは8月5日だけです。日本からの往復を足すと10日前後の出張になります。 ### BSides Las Vegasも同じ週に開かれますか? 同じ週です。2026年は8月3日から5日、会場はThe Tuscanyで、参加費は$110でした。2027年の日程は未発表です。バッジがないと入場できず、当日の飛び込みは受け付けていません。 ### 8日間の滞在で体調を崩さないために何が必要ですか? 屋外の移動を減らすことです。8月の平均最高気温は39°C、平均最低は27°Cで、会場間は約6km離れています。午後に歩かず、ライドシェアを使ってください。強い冷房の屋内と屋外を往復することが、体調を崩す最大の要因です。