# ATX West 2027完全ガイド:MD&M Westの自動化セクターに行く価値はあるか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/atx-west 開催:ATX West(アナハイム) 最終更新:2026-08-06 ATX West 2027は、2027年2月9日〜11日にカリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Centerで開催されます。**ただし単独の展示会としてではありません**。 ATX Westは現在、MD&M Westの「自動化(Automation)」セクターであり、atxwest.comはmdmwest.comへ転送されます。会期も会場もフロアも従来どおりで、バッジ1枚で全セクターを回れます。結論から言えば、直動案内、減速機、軸受、センサー、空圧機器といった部品を機械メーカーに売る日本企業にとっては、顧客である米国のシステムインテグレーターが数通路の中に十数社集まる、効率の高いフロアです。ロボット本体を売る企業には向きません。以下では、自動化の展示がフロアのどこにあるかをブース番号で示したうえで、日本企業12社の顔ぶれと費用まで、判断に必要な材料を並べます。 - 来場者(2026年実績・全5セクター合計): 13,800人超 - 出展社(2026年実績・全セクター): 1,876社 - 日本企業(2027年・自動化セクター): 12社 - 展示会場パス: 無料〜$199 ## ATX Westは今も開催されているのか **開催されています。名前が変わっただけです**。 「ATX West 2027」で検索して公式サイトが見つからないのは、展示会が中止になったからではありません。Informa Marketsがブランドを統合し、ATX WestはMD&M Westの中の一区画になりました。 証拠は3つあります。atxwest.comはHTTP 301でmdmwest.comへ転送されます。旧IME WestのATX Westブランドページは、現在MD&M Westの自動化セクターページと同一の内容を配信しています(転送ではなく、中身が上書きされています)。そして会期は2027年2月9日〜11日、会場はアナハイムのままです。 **ATXは Automation Technology Expo の略です**。 この正式名称はInformaの現行サイトのどこにも書かれていないため、記録から確認する必要があります。タキゲンは「Automation Tachnology Expo(ATX)West 2016」として、2016年2月9日〜11日にアナハイムで開催された同展への出展を報告しています。運営会社だったUBM Canonは2014年の発表で、ATX Westを「国内で最も成長の速い自動化イベントの一つ」と説明していました。 ### ブランドは7つから5つ、そして1つになりました 重要なのは、**この統合で来場者が失ったものは何もない**という点です。1枚のバッジで複数の展示会を回れる形は、10年以上前からこの会場の商品でした。2014年のUBM Canonの発表は、ATX Westの登録で入れる併設展として WestPack、MD&M West、Pacific Design & Manufacturing、Electronics West、PLASTEC West、AeroCon の6つを挙げています。**当時からフロアには7ブランドが同居していました。** | 時期 | 構造 | | --- | --- | | 2014年 | UBM Canonが7ブランドを併設開催。バッジ1枚で全館 | | 2019年頃〜2024年 | 「IME West」の傘の下に5ブランド | | 2025年〜 | MD&M West 1ブランド、5セクター | Informaは会場から何かを取り上げたのではなく、**同じフロアに5つのブランド名を掲げるのをやめた**というのが実態です。会場の歴史はさらに古く、MD&M West自体は1985年にディズニーランド・ホテルで始まり、2000年代前半にUnited Business Mediaへ、2018年にInforma Marketsへと運営が移っています。 なお、ATX West 2016の会期は**2月9日〜11日**でした。2027年のMD&M Westと同じ日付です。 ## いつ・どこで開催されるのか 2027年2月9日(火)〜11日(木)、Anaheim Convention Center(800 W Katella Ave, Anaheim, CA 92802)です。展示時間は9日と10日が10:00〜17:00、11日が10:00〜16:00で、Hall Eのみ9:30に開きます。実質的な商談時間は**3日間で約19時間**です。 ![ヤシ並木が続く片側3車線の広い通りと、右側に並ぶ低層のホテル。左手前の街灯に「Welcome to Anaheim」のバナーが掛かる](https://www.withexpa.ai/conf/2027/atx-west/katella.jpg) 規模については、数字の読み方に注意が必要です。 | 指標 | 2026年実績 | 2027年の主催者予告 | | --- | --- | --- | | 来場者 | 13,800人超(検証済み) | 14,100人超(バイヤー) | | 出展社 | 1,876社 | 1,800社超 | | 参加国 | 43か国 | 54か国 | | 展示面積 | 319,000平方フィート超(約29,600平方メートル) | 334,000平方フィート超 | **これらはすべて5セクター合計の数字です**。 Informaはブランド統合以降、自動化セクター単独の来場者数も出展社数も公表していません。社内資料に「ATX Westの来場者13,800人」と書くと誤りになります。自動化セクターだけの規模を示す公開データは、現時点で存在しません。 ## このセクターは何を扱うのか Informaが掲げる自動化セクターの柱は3つです。**ロボットと精密組立**(速度、精度、再現性で生産を効率化する組立システム)、**マテリアルハンドリングと加工**(レーザー切断、金属加工、自動搬送)、そして**AIと機械学習**(予知保全から適応的なプロセス最適化まで)です。 製品分類は8つあります。自動化装置、モーションコントロール、レーザー・打抜き加工、モーター/ドライブ/コントローラー、製造装置、精密加工、マテリアルハンドリング・搬送、ロボットおよびロボット周辺機器です。 対象産業は10分野です。航空宇宙・防衛、自動車・輸送機器、食品製造・包装、ロボティクス、民生用電子機器、電子部品・サブアセンブリ、産業機械、学術・研究、医療機器製造、消費財。 **この一覧に含まれていないものに注意してください。半導体がありません**。 ここは医療機器と一般製造業の自動化のフロアであり、電子デバイス生産のフロアではありません。米国で半導体前工程の自動化を売りたい日本企業は、この展示会では顧客に会えません。 セクターに紐づくプログラムは、**Advanced Manufacturing Stage**(ロボティクスとモーションコントロールから、AI、スマートファクトリー、試作技術まで)、**リーン・スマート製造ワークショップ**、**製造業向けサイバーセキュリティ・ワークショップ**、そして2日間の**サステナブル製造カンファレンス**です。 **2027年の登壇者は、2026年8月6日時点で一人も発表されていません**。 講演の公募が開いている段階です。過去の自動化コンテンツは基調講演型ではなく実務者型で、2024年にはJR AutomationのFrank Richardi氏が「Design Alley」で医療機器の自動化について話し、2020年にはSuperTrak CONVEYANCEのSimon Drexler氏がスマート製造サミットで登壇しました。**技術的な深さを求めて渡航する技術者は、基調講演ではなくフロアとワークショップを軸に予定を組んでください**。 ## 自動化の展示はフロアのどこにあるのか **ブース番号でおよそ4800番台から5600番台が自動化の区画です**。 これは公式サイトのどこにも書かれていない情報で、出展社リストのブース番号を企業ごとに突き合わせて特定しました。 この区画に並ぶ顔ぶれは次のとおりです。 | 種別 | 出展社(ブース番号) | | --- | --- | | インテグレーター | ATS Life Sciences(5100)、HAHN Automation(5104)、ATC Automation(5111)、JR Automation(5201)、BBS Automation(5215)、STIWA(5421)、Koops(5431)、Convergix(5515) | | ロボット本体 | **DENSO Robotics(4901**)、Mecademic(5029)、Doosan Robotics(5521) | | モーション・部品 | SCHUNK(5011)、**IKO(5035**)、**Harmonic Drive(5225**)、Planar Motor(5239)、**US Tsubaki(5245**)、SCHNEEBERGER(5252)、**KURODA JENATEC(5321**)、HIWIN(5331)、**NB(5349**) | | ビジョン・センシング | Cognex(5025)、LMI Technologies(5332)、SiLC(5353) | | 制御 | Rockwell Automation(5423)、Motion Ai(5301) | **1,800社のフロアを2日で歩く前提なら、4900番台から5500番台の通路を最初に回ってください**。 これは主催者のどのページにも書かれていない、具体的な歩き方の指示です。 この区画の性格を決めているのは、**受託自動化メーカー(インテグレーター)の密度**です。十数社が大型ブースを構え、しかも数通路の中に固まっています。日本の部品メーカーにとって、この会社群こそが顧客です。同じ顔ぶれを3日間で個別に訪問しようとすれば、はるかに大きな労力がかかります。 ## 日本企業は何を出しているのか **2027年の自動化セクターには12社の日本企業が確定しています**。 うち8社が4900〜5550番台の自動化区画に入っています。 | 企業 | 番号 | 製品 | 日本の親会社 | | --- | --- | --- | --- | | DENSO Robotics | 4901 | 小型組立ロボット | デンソー | | IKO International | 5035 | 直動案内、ニードルベアリング、カムフォロア | 日本トムソン | | Harmonic Drive LLC | 5225 | 波動歯車装置、精密減速機 | ハーモニック・ドライブ・システムズ | | US Tsubaki | 5245 | チェーン、動力伝達 | 椿本チエイン | | KURODA JENATEC | 5321 | 高精度モーションコントロール製品 | 黒田精工 | | NB Corporation of America | 5349 | ボールスプライン、直動ブッシュ、クロスローラガイド | 日本ベアリング | | Hitachi Industrial Equipment & Solutions America | 5520 | 産業機器 | 日立 | | Anritsu Product Inspection Systems | 4935 | 検査・検出装置 | アンリツ | | Keyence Corporation of America | 4121 | センサー、画像処理、計測 | キーエンス | | SMC Corporation of America | 2475 | 空圧機器、アクチュエータ | SMC | | Nitto Kohki USA | 2596 | カプラ、ポンプ、可搬式工作機械 | 日東工器 | | MinebeaMitsumi | 1370 | ミニチュアベアリング、精密部品 | ミネベアミツミ | **日本のこのフロアでの存在感は、ロボットではなく、その中身にあります**。 直動案内、ボールスプライン、精密減速機、チェーン、ミニチュアベアリング、センサー、空圧機器。いずれも米国と欧州の機械メーカーが自社の装置の中に組み込む部品です。ロボット本体を出しているのはDENSOの1社だけで、Informaが公表する「Top Automation Exhibitors」16社のうち日本企業もDENSOのみです。 **この位置づけは、そのまま出展判断の基準になります**。 部品を機械メーカーに供給する企業なら、このフロアの来場者は貴社の顧客です。完成したロボットを売る企業なら、競合は欧米と韓国であり、この会場の米国インテグレーターはすでに採用するアーム供給元を決めています。 ### THKが不在です 一つ、指摘しておくべき空白があります。**THKは2026年・2027年のいずれの出展社リストにもありません**。 一方で、直動製品で競合するIKO、NB、黒田精工の3社はいずれも自動化区画にブースを構えています。理由は公表されていませんが、日本の直動機器メーカーにとっては、混み合った通路ではなく空いた通路として読める状況です。 ### ロボットメーカーの顔ぶれは毎年入れ替わります 2025年はFANUC、エプソン、DENSOの3社がブースを構えていました。2026年は不二越(Nachi Robotic Systems)とオムロンがフロアにいました。2027年に確定しているのはDENSOだけです。 2026年に出展していて2027年にまだ登録がないのは、**オムロン、不二越、NSK、山洋電気、ニデックコンポーネンツ、EZO(SPB-USA**)です。ただし、2027年の出展社リストは1,800社目標に対して1,345社の段階で、**開催6か月前でおよそ75%の充足率**です。これらの企業が撤退したと読むのは誤りですし、出展すると期待するのも早すぎます。**渡航直前にリストを再確認してください。** ### 自社製品が他社ブースの中にあるのは、この会場では成功です 日本の部品メーカーが知っておくと役に立つ現象があります。カナダの小型ロボットメーカーMecademicは2025年、自社ブースとは別に、HAHN Automation、Planar Motor、International Innovation Network、Asyril、ReeR Safetyの5社のブースで自社ロボットが稼働していたと報告しています。日本人参加者も2025年に「ファナックの黄色いロボットアームは他ブースでも採用例を数多く見かけ」たと書いています。 **部品メーカーはこの会場で、インテグレーター経由で見られます**。 自社ブースの大きさで存在感が決まる展示会ではありません。 ## 現地では実際に何が起きているのか **このフロアは、新しいものを追いかける段階を終えています**。 独立した2つの証言が、2年の間隔をおいて同じことを述べています。 米国のインテグレーターJR Automationは、2024年の総括で協働ロボットについてこう書いています。 > In previous years, collaborative robots, or cobots, were the darlings of the automation world, promising to revolutionize manufacturing by working alongside humans. However, this year saw a noticeable decrease in the number of cobots on display. This shift suggests a maturing market where manufacturers are now looking beyond cobots and focusing on other areas of automation to drive efficiency and productivity. (協働ロボットは以前は自動化業界の花形だったが、今年は展示数が目に見えて減った。市場が成熟し、メーカーの関心が協働ロボットの先へ移りつつあることを示している、という内容です) 2026年のConsilien最高経営責任者Eric Kong氏の総括は、さらに率直です。 > Everyone is talking about AI. Very few manufacturers are producing more units because of it. (誰もがAIを語っているが、それによって生産数を増やしているメーカーはごくわずかだ) **堅実で、地味で、精度の高い部品を売る日本企業にとっては、これは悪い知らせではありません**。 実験段階を過ぎたフロアでは、仕様と実績が評価されます。 買い手側の視点は、Informaが自社ページに掲載している来場者の言葉が最も正確です(主催者が選んだ推薦文である点は割り引いて読んでください)。Tenomix最高技術責任者のMike Lavdas氏の一文です。 > It's the best place to actually handle motors, actuators and drives from all the major manufacturers in one place. It can be so difficult to tell from a spec sheet how robust a component is or what kind of customer support you can expect. (主要メーカーのモーター、アクチュエータ、ドライブを一か所で実際に手に取れる最良の場だ。仕様書だけでは、その部品がどれだけ堅牢か、どんなサポートが受けられるかは判断しづらい) **部品を手に取らせることが商談の起点になる、というのがこのフロアの経済です**。 商談の需要側には、具体的な信号もあります。JR Automationは2024年、来場者が**医療機器向けの蓄電デバイスとウェアラブル機器用のカスタム電池**の自動化ソリューションを明確に探していたと報告し、持続血糖測定器、スマートインスリンポンプ、遠隔患者モニタリングをその用途として挙げています。あわせて高速の医療用包装、精密投与、無菌包装への需要も記録しています。小型電池、コネクタ、精密組立、シール部品を持つ日本企業には、フロアに立つ具体的な理由があります。 一つだけ、全員が同じことを言っている警告があります。**1日では回りきれません**。 SuperTrak CONVEYANCEのSimon Drexler氏は2020年に「展示会があまりに大きいため、全部は見きれなかったという感覚になりやすい」と書き、日本人参加者は2025年に「一日かけても全てを回り切るのは困難なほどでした」と書いています。米国人と日本人が5年の間隔をおいて同じ結論に達しています。**これは印象ではなく、日程を組むうえでの事実として扱ってください**。 ## 日本からどう行き、現地でどう動くか **LAX(ロサンゼルス国際空港)を使ってください**。 羽田と成田からANA、JAL、ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空が直行便を運航しています。会場までは34〜40マイル、車で45〜90分です。 | 空港 | 会場までの距離 | 所要時間 | 日本からの直行便 | | --- | --- | --- | --- | | **LAX** | 34〜40マイル | 車で45〜90分 | **あり**(ANA、JAL、ユナイテッド、デルタ、アメリカン) | | SNA(ジョン・ウェイン) | **14マイル** | **車で20〜30分** | なし | SNAは会場に近いものの、日本からの直行便がありません。荷物とサンプルを持って乗り継ぐことを考えれば、**羽田からの直行便+60分のドライブのほうが、乗り継ぎ+25分のドライブより確実です**。米国内線から乗り継ぐ日程であれば、SNAのほうが合理的です。 **渡航前に知っておくべきこと** **2月はアナハイムで最も雨の多い月です**。 南カリフォルニアは常に晴れているという先入観で行くと外します。平均最高気温は20℃前後、平均最低気温は9〜10℃、月間降水量はおよそ56〜79ミリです。気温だけ見れば穏やかな3月の東京に近い体感ですが、午後と夜で10℃以上の寒暖差があります。上着と傘を用意してください。 **ただし、雨で人が減るわけではありません**。 JR Automationは2024年の総括を「2月のアナハイムは通常とても晴れているが、今年は会期の大半が本格的な雨に見舞われた」と書き出したうえで、「それでも来場を思いとどまらせた様子はなく、フロアは初日から最終日まで前から後ろまで混雑し、ブースへの人の流れも毎日多かった」と続けています。 **会場はディズニーランド・リゾートの真隣です**。 周辺のホテルは数が多く、ほぼ徒歩圏という米国の展示会としては恵まれた条件です。ただし宿泊料金はテーマパークの需要で決まるため、公式ブロックの外を取っても他都市ほど安くなりません。救いは、**2月がディズニーランドの閑散期**にあたることです。 ## 参加・出展にいくらかかるのか **フロアを歩くだけなら、早期に登録すれば無料です**。 展示会場のExpo Passは早期登録期間中は無料、直前登録で50ドル、当日で199ドルでした(2026年実績)。**2027年の価格は2026年8月6日時点で未発表です**。 公式の料金ページは2026年の期間表示のままで、2027年の日付だけが置かれています。例年どおりなら2026年秋に発表されます。 登録は資格審査つきです。会社名と職種の申告を求められます。 自動化セクターに関係する有料プログラムは次のとおりです(いずれも2026年価格)。 | プログラム | 価格 | | --- | --- | | リーン・スマート製造ワークショップ | $325 | | 製造業向けサイバーセキュリティ・ワークショップ | $325 | | サステナブル製造カンファレンス | $329〜$449 | **ブース出展の費用は公開されていません**。 平米単価も最小区画も締切も示されておらず、営業窓口(1-844-826-9378)への問い合わせが唯一の経路です。 ### 中小企業には、医療機器とは別の出展ルートがあります MD&M West全体で知られている共同ブースの多く(茨城県、福島県、信州大学など)は、**医療機器の振興プログラム**です。医療機器と接点のない自動化・部品系の中小企業には、別の入口があります。 **東京都中小企業振興公社**は、ATX West 2024で「Tokyo SME Support Center」の共同ブース(ブース番号4290)を運営し、選定された都内中小企業がそこから出展しました。株式会社ヘルヴェチアは「東京都中小企業振興公社の採択により」出展したと記録しています。**2027年にこの枠が設けられるかは未確認です。** 公社は支援対象の海外展示会を年度ごとに公表しているため、出展を検討するなら早めに直接確認してください。 なお、日本企業がこのセクターに出展してきた歴史は10年以上あります。2016年にはタキゲンと鍋屋バイテック(NBK)がいずれもATX Westに出展しています。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか(率直な評価) 判断基準は一つです。**貴社の製品が、他社の機械の中に組み込まれるものかどうかです**。 **行くべき企業**。 直動案内、減速機、軸受、チェーン、センサー、空圧機器、コネクタ、シール部品などを機械メーカーに供給する企業です。理由は来場者数ではなく、来場者の構成にあります。Informaがこのセクターについて公表している来場者像には、「**ロボティクス・インテグレーター」と「調達・購買責任者」の両方**が明記されています。ガイドレールと減速機を仕様に落とすのは前者、発注書に署名するのは後者です。**米国の展示会で、この2つが同じフロアにいるのは当たり前ではありません。** しかも受託自動化メーカーが十数社、数通路の中に3日間固まっています。 費用面の理屈も強く働きます。**フロアは早期登録なら無料**で、費用は実質的に航空券と宿泊費だけです。米国製造業の視察としては最も安い部類に入ります。 具体的な需要信号もあります。医療機器向けの蓄電デバイス、ウェアラブル機器用カスタム電池、高速の医療用包装、精密投与、無菌包装。これらは現場のインテグレーターが名指しで挙げた探索対象です。 そして、**THKが不在で競合3社がいるという状況**は、日本の直動機器メーカーにとって読み方の分かれる材料です。 **行かなくてよい企業**。 完成したロボット本体を売る企業です。この会場の米国インテグレーターは採用するアーム供給元をすでに持っており、競合は欧米と韓国です。半導体前工程の自動化を売る企業も対象外です。対象産業10分野に半導体は入っていません。同じ会場の隣の区画をあわせて見るなら、設計と検証の道具は[Design & Manufacturing West](/conf/2027/design-manufacturing-west)、樹脂と成形は[Plastec West](/conf/2027/plastec-west)にまとまっています。東海岸で同じ自動化区画を探しているなら5月の[ATX East](/conf/2027/atx-east)ですが、規模はこちらの6分の1です。 **Automateと迷っている企業へ**。 性格がはっきり違います。ATX Westは**医療機器メーカーと一般製造業に自動化を売る場**、[Automate](/conf/2027/automate)は**自動化業界に自動化を売る場**です。ATX Westには米国自動化協会(A3)との提携がなく、A3自身が主催するのがAutomateです。Automate 2027は5月10日〜13日、ラスベガスで開催され、直近の登録者は5万人超、出展社は1,230社、展示フロアは同じく無料です。**顧客が機械メーカーならATX West、顧客が自動化業界そのものならAutomateです。** 両方に行く体力があるなら、2月と5月で時期も重なりません。 **この記事の限界も書いておきます**。 本文で示した来場者数と出展社数は、すべて5セクター合計の数字です。**自動化セクター単独の規模を示す公開データは存在しません**。 また、**このセクターについて日本語で書かれた参加報告は1本も見つかりませんでした**。 日本語の報告はいずれもMD&M Westを医療機器展として扱い、自動化には触れる程度です。英語でも、自動化フロアを扱った独立した業界誌報道は1本しか確認できませんでした。日本企業がこのセクターに10年以上出展してきたことを考えると、記録の薄さは異例です。 展示会全体の構造、医療機器セクターの実情、県や大学の共同ブース出展ルートについては、[MD&M West 2027のガイド](/conf/2027/md-m-west)に詳しくまとめています。 貴社の製品と米国での目標を踏まえた出展・参加の判断は、下記からご相談ください。 ## よくあるご質問 ### ATX West 2027は開催されますか? 開催されます。ただし単独の展示会ではなく、MD&M Westの「自動化(Automation)」セクターとして、2027年2月9日〜11日にアナハイムで行われます。atxwest.comはmdmwest.comへ転送されます。バッジ1枚で全セクターを回れるため、行く先も会期も従来と変わりません。 ### 参加費はいくらですか? 展示フロアを歩くExpo Passは、早期登録期間中は無料です。2026年は直前登録で50ドル、当日199ドルでした。2027年の価格は2026年8月6日時点で未発表です。自動化関連の有料ワークショップは2026年に各325ドルでした。 ### 自動化の展示は会場のどこにありますか? ブース番号およそ4800番台から5600番台が自動化の区画です。DENSO Robotics(4901)、Cognex(5025)、JR Automation(5201)、Harmonic Drive(5225)、Rockwell Automation(5423)などが並びます。時間が限られるなら、この通路から歩いてください。 ### 日本企業も出展していますか? しています。2027年の自動化セクターには12社が確定しており、うち8社が自動化区画に入っています。中身は直動案内、減速機、軸受、センサー、空圧機器などの部品が中心です。ロボット本体はDENSOの1社のみです。 ### Automateとどちらに行くべきですか? 顧客が機械メーカーならATX West、自動化業界そのものならAutomateです。ATX Westは医療機器や一般製造業に自動化を売る場で、Automateは自動化業界に自動化を売る場です。Automate 2027は5月10日〜13日、ラスベガスで開催されます。 ### 日本からアナハイムへはどう行きますか? LAXが便利です。羽田・成田からANA、JAL、ユナイテッド航空などが直行便を運航し、LAXから会場までは車で45〜90分です。SNA(ジョン・ウェイン空港)は会場から14マイルと近いものの、日本からの直行便はありません。