# ACT Expo 2027完全ガイド:会期4日でも展示は2日だけ URL:https://www.withexpa.ai/conf/2027/act-expo 開催:ACT Expo(ラスベガス) 最終更新:2026-09-15 ACT Expoは、米国の商用車フリート(車両群)を運用する事業者が、次に何を買うかを決めるために集まる年次イベントです。2027年は5月17日(月)から20日(木)、ラスベガスのLas Vegas Convention Centerで開かれます。結論から申し上げると、**トラックやバスに載る部品・サブシステム、あるいは充電機器を米国のフリートとOEMに売る意思があり、米国側の販売・保守の受け皿をすでに持っているか用意する意思がある企業には、行く価値があります**。それ以外の日本企業には、費用に見合いません。会場の8割は供給側で、実際の買い手であるフリート関係者は主催者公表で2,400人強にとどまるからです。 この記事では、2027年に展示フロアが3日間から2日間へ短縮された事実、日本企業4社の顔ぶれと不在の顔ぶれ、供給側と買い手側で3倍以上開く料金構造、そして米国の政策が2025年に反転した後もこの市場が動き続けている理由を、出典付きで整理します。 - 来場者(主催者公表): 12,000人超 - うちフリート関係者: 2,400人超 - 出展社(2026年実績): 400社超 - 2027年の展示フロア: 2日間 ![商用車の展示会フロアを描いたイラスト。箱型トラックやキャブオーバートラック、路線バスが通路の両側に並び、手前のトラックの脇に充電ケーブルを巻いた充電スタンドが置かれている](https://www.withexpa.ai/conf/2027/act-expo/expo-floor.jpg) ## ACT Expoとは何のカンファレンスか ACT Expoは、米国の商用車フリートに対して「今すぐ買える技術」を見せる展示会です。乗用車のショーではなく、部品見本市でもありません。トラック、バス、ヤードトラクター、建機を実際に運用している事業者が、次の車両更新で何を選ぶかを決めるために来ます。 主催者はこの展示ホールを「北米最大の商用車展示ホール」と説明しています。2026年の実績は、出展社400社超、展示車両約200台、登壇者360人でした。これは創業者のErik Neandross氏が2026年5月4日の基調講演で述べた数字です。公式の広報資料では「出展社・協賛社500社超」「登壇者275人超」となっており、両者は数え方が違います。500社超は出展社と協賛社の合計、400社超は出展社だけの数です。 扱う領域は4つのトラックに整理されています。 | トラック | 内容 | | --- | --- | | Advanced Powertrains & Vehicle Innovations | クリーンディーゼル、ハイブリッド、天然ガス、プロパン、バッテリーEV、水素、そしてEPA27規制 | | Digital Solutions for Peak Performance | テレマティクス、自動化、測位、V2X、ソフトウェア定義プラットフォーム、TCO | | Efficiency, Productivity & Safety | 空力、軽量化、制動・安定制御、センサー、予知保全 | | Fuels, Energy & Infrastructure | ディーゼル燃費改善、低炭素・再生可能燃料、天然ガス、プロパン、水素、EV充電 | 注目すべきは1つ目のトラックです。**クリーンディーゼルとハイブリッドが、バッテリーEVや水素と同じ行に並んでいます**。これはこの数年で起きた変化で、イベントの名称そのものにも表れました。 2025年9月24日、主催者は2026年大会から名称を単に「ACT Expo」とすると発表しました。それまでの正式名称は「Advanced Clean Transportation Expo」で、頭字語のCはCleanのCです。主催者はこの変更を「advanced、autonomous、connected、cleanという拡大した領域を反映するため」と説明しています。**Cleanは4つのうちの1つに降格しました**。名称の読み替えは、この市場で何が起きたかを主催者自身が要約したものです。 ## いつ・どこで開催されるのか 2027年5月17日(月)から20日(木)の4日間、Las Vegas Convention Centerで開催されます。会議は4日間ですが、**展示フロアが開くのは18日(火)と19日(水)の2日間だけ**です。公式サイトは「May 17-20, 2027. Expo floor dates are May 18-19」と明記しており、ページ内の日程表示もCONFERENCE: MAY 17/EXPO: MAY 18となっています。当社データベースの記録(信頼度95、2026年8月23日に一次情報で更新)とも一致します。 この2日間という点は、出展を検討する企業が最初に確認すべき事項です。**2026年大会の展示ホールは3日間開いていました**。Internet Archiveに残る2026年3月時点の登録ページには「Conference: May 4 - 7, 2026 | Expo Hall: May 4 - 6, 2026」とあります。会議日数は4日のまま、展示日数だけが3日から2日へ1日減りました。出展料の料率が据え置かれたとしても、**1営業日あたりの出展コストは5割上がる計算になります**。この変更が恒久的なものか、2027年限りの会場都合なのかについて、主催者の説明は公表されていません。 開催地の変遷も安定していません。2023年はアナハイム、2024年はラスベガス、2025年は再びアナハイム、2026年と2027年はラスベガスです。ロングビーチから始まり、需要に合わせて会場を移してきた経緯があります。前回の出張記録がそのまま次回に使える種類のイベントではありません。 ## 誰が主催しているのか 主催はTRC CompaniesのClean Transportation Solutions部門です。展示会運営会社ではありません。TRCは米国のエンジニアリング・環境コンサルティング会社で、ACT Expoは買収によって手に入れた事業です。 経緯はこうです。ACT Expoを立ち上げて育てたのは、クリーン輸送分野のコンサルティング会社**Gladstein, Neandross & Associates**(GNA)でした。GNAは展示会屋ではなく、フリートの車両導入プロジェクト設計と補助金獲得支援を本業とし、業界紙の報道によれば北米で30年間、他のどの企業よりも多くのクリーンフリート導入案件を手がけてきました。同社のFunding 360は、フリートによる10億ドル超の補助金獲得を支援したとされています。TRCは2023年6月にGNAを買収し、2024年7月1日にGNAの社名を廃止してTRCのClean Transportation Solutions部門に統合しました。創業者のErik Neandross氏は同部門のPresidentとして残り、毎年の基調講演に立っています。 **この構造は、出展交渉の相手が誰なのかを意味します**。カウンターパートは、フリートに補助金申請と導入設計を助言し、業界で最も引用される年次市場レポートを発行しているコンサルティング会社です。InformaやRXのような純粋な展示会運営会社とは、交渉の前提が違います。展示会はコンサルティング事業の見込み客源であり、コンサルティング事業があるからフリート側が集まる、という関係です。実務面では、登録の連絡先が`registration@trccompanies.com`、イベント事務局が`events@trccompanies.com`で、展示会専用の別法人ドメインは存在しません。 TRCはこのほか、ACT Shipper-Carrier Connect、ACT Virtual、California Hydrogen Leadership Summit、Renewable Gas 360を運営し、業界メディアのACT Newsも保有しています。**会場の様子を報じるメディアが、主催者と同じ会社に属している**点は、開催報道を読むときに知っておく価値があります。 ### 主催者自身が出す市場レポートは、出展を決める前に読めます TRCは毎年、**State of Sustainable Fleets Report**を発行し、ACT Expoの会場で公開しています。2026年版は、業界の現状を「peak uncertainty(不確実性の頂点)」という言葉で書き出しました。執筆責任者はTRCの市場開発担当バイスプレジデントNate Springer氏で、同氏も会場に登壇します。 このレポートは無償で読めます。**出展を検討している企業は、契約前にこれを読むべきです**。後述する需要側の数字は、すべてこのレポートから採っています。 ## どんな企業が出展・協賛しているのか 2026年大会の協賛社リストには、約90社が4つの階層で並んでいます。日本企業は4社です。 | 階層 | 日本企業 | | --- | --- | | プラチナ | Hino Trucks(日野自動車の米国法人) | | プラチナ | Isuzu Commercial Truck of America(いすゞの米国法人) | | プラチナ | Toyota | | ゴールド | Honda Motor Co, Inc | 最上位のプレゼンティング協賛はDaimler Truck North America、Penske Transportation Solutions、PlusAIの3社で、日本企業は入っていません。シルバー階層にも日本企業はありません。そして重要な点として、**日本の部品メーカー、充電機器メーカー、電池メーカーは、協賛社リストのどこにも名前がありません**。日本企業4社はすべて完成車メーカーの北米拠点です。 社名で照合した結果、**パナソニック、デンソー、矢崎総業、住友電工、ニデック、日立、東芝、明電舎、ブリヂストン、日本ガイシ、豊田自動織機は、いずれも2026年の協賛社リストに名前がありません**。米国の商用車電動化で名前の挙がる日本の部品・電池メーカーが、この展示会の協賛社としては1社も現れないという意味です。完成車側でも、三菱ふそうとUDトラックスの名前はありません。 協賛社リスト全体の構成を見ると、市場の形が読めます。 | セグメント | 2026年の協賛社(一部) | | --- | --- | | トラック・バスOEM | Daimler Truck North America、Volvo、MACK Trucks、Kenworth、Peterbilt、International Trucks、Blue Bird、Hino Trucks、Isuzu、Autocar Trucks、Workhorse Trucks、ZM Trucks | | パワートレイン・エンジン | Cummins、Accelera by Cummins、Bosch、Westport Fuel Systems、Volvo Penta、Optimus Technologies | | 充電・エネルギー | ABB E-Mobility、ChargePoint、Alpitronic、Kempower、Tritium、Zerova Technologies USA、Power Electronics、Rocsys、Autel | | 燃料・ガス | Chevron、ExxonMobil、Air Liquide、Linde、Opal Fuels、Hexagon Agility、ANGI、Love's Alternative Energy | | 自動運転 | PlusAI(プレゼンティング)、Aurora、Kodiak、TORC、Waabi | | ティア1部品 | Bosch、Valeo、Bendix Commercial Vehicle Systems、Eaton、Parker Hannifin、BorgWarner、ZF、Schunk Carbon、OP Mobility | | フリート・リース | Penske、Ryder、Prologis、ABM | **この表の6行目が、日本の部品メーカーにとっての要点です**。約90社の協賛社のうち、ティア1部品メーカーは9社しかいません。欧州勢(Bosch、Valeo、ZF、Schunk、OP Mobility)と米国勢(Bendix、Eaton、Parker Hannifin、BorgWarner)で占められ、日本勢はゼロです。**買い手が集まる場に、日本の同業がいない状態です**。 なお、この4社という数え方には注意点があります。2026年の出展社ディレクトリは公開停止となっており(`actexpo2026.mapyourshow.com`は2027年のトップページへ転送されます)、Internet Archiveにも出展社個別ページの記録が残っていません。400社超の出展社全体を社名で照合することは、2026年8月23日時点では不可能です。上記は主催者が現在も公開している協賛社リストと車両展示リストから確認できる範囲であり、**協賛していない小規模な日本企業が出展していた可能性は残ります**。 ### 日本企業4社が2026年に何を出したか - **日野自動車**は、中型のバッテリーEV新シリーズ**Le Series**を発表しました。GVWR 25,950ポンド版と33,000ポンド版の2構成、AcceleraのIntegrated e-Axle(260kW/348馬力)を搭載し、衝突被害軽減ブレーキと車線逸脱警報を標準装備、量産は2026年第3四半期からとしています。 - **トヨタ**は、Toyota Hydrogen Solutionsとしてブース2767に出展しました。ANSI/CSA FC 1およびFC 6認証を取得した定置型燃料電池、Rehlkoとの1MW発電機統合、Hyroad Energyとの水素充填提携を発表し、2027年初頭までに自社の商用物流フリートへ燃料電池クラス8トラックを投入する計画を示しています。トヨタと共同開発したKenworth T680 FCEVも会場に展示されました。 - **ホンダ**は、交換式バッテリー**Mobile Power Pack e:**(B2B向け提供は2026年6月から)、GMと共同開発した燃料電池モジュール(耐久性2倍・コスト3分の1と説明)、そしてFastport eQuadを出しました。 - **いすゞ**はプラチナ協賛かつ車両展示社として名前がありますが、2026年の個別発表は今回調査した情報源からは確認できませんでした。 ### 3年前のジェトロの記録と読み比べてください 日本語で残っているこの展示会の記録は、ジェトロが2023年5月16日にビジネス短信で出したロサンゼルス発の1本だけです。当時の記述はこうでした。 > 来場者は約1万2,000人で、当初想定の8,500人を大きく超える大盛況となった 同記事は、日野自動車がクラス8の大型EVトラック「Hino's XL」を展示し、**2023年内に米国での販売価格を発表、2024年から受注開始を目指す**と報じています。いすゞは2025年モデルのクラス5中型EVトラックを展示していました。 3年後の2026年、日野が会場で発表したのは、クラス8ではなく中型のLe Seriesで、量産開始は2026年第3四半期です。**2023年に語られた計画と、2026年に実際に立ち上がった製品の間にある差が、米国商用EV市場の実際の進み方です**。この差を織り込まずに2027年の出展計画を立てると、想定が2年ずれます。 ### 日本語の参加レポートは1本も存在しません 「ACT Expo 参加レポート」「ACT Expo 出展レポート」「ACT Expo 視察」で検索しても、PR TIMES、note、はてなブログのいずれにも記事はありません。ジェトロのJ-messeにはACT Expo 2025が見本市として登録されていますが、掲載のみで、ジェトロの出展支援対象ではありません。**ジャパンパビリオンも、自治体の共同出展枠も、業界団体の視察団も、この展示会には存在しません**。 プラチナ・ゴールド階層に日本の完成車メーカー4社が並んでいながら、日本語で会場の経験を書いた人が誰もいない。この空白は、2027年に出展を検討する企業が、**参考にできる前例を1つも持たない**という意味です。 ## 会場では実際に何が起きるのか プログラムは6つの形式で構成されます。 | 形式 | 内容 | | --- | --- | | Mainstage | CEOクラスの基調講演。2026年はFedEx Freight、Mack Trucks、Rivianのトップが登壇 | | Technical Sessions | フリート種別・運用課題別の実務セッション | | Expo Hall Theater | 展示フロア上での短時間デモと解説 | | Ride & Drive | 商用車の試乗。**フリート来場者限定**で、主催者は「北米最大の商用車ハンズオン展示」と説明 | | Media Events | 新型車・新製品の発表枠 | | Partner Events | 提携団体が主催するセッションと交流会 | 登壇者の顔ぶれが、この展示会の性格を最もよく表しています。2026年の基調講演はStephen Roy氏(Mack Trucks社長、Volvo Group North America会長)、RJ Scaringe氏(Rivian創業者兼CEO)、John Smith氏(FedEx Freight次期社長兼CEO)でした。それに続く登壇者には、Steve Hanson氏(PepsiCoフリート運用担当シニアディレクター)、Mustafa Samiwala氏(Amazonフリート開発プリンシパル)、Paul Rosa氏(Penske Truck Leasing調達・車両計画担当シニアバイスプレジデント)、Daragh Mahon氏(Werner Enterprises執行副社長兼CIO)、Keith Kerman氏(ニューヨーク市全市行政サービス局チーフフリートオフィサー)が並びます。 **買い手が壇上で話す構成です**。これは技術カンファレンスとの決定的な違いで、出展社が会場で何を語るべきかを決めます。 一方で、**日本人の登壇者は1人もいません**。当社データベースの28件と、公式サイトが公開している2026年の全登壇者リストを照合しても、日野、いすゞ、トヨタ、ホンダ、および日本のサプライヤーからの登壇者はゼロです。3社がプラチナ協賛でありながら、壇上には出ていません。韓国は登壇しています(LG Energy SolutionsのBob Lee氏、North America President)。 ### 2026年の会場で主催者が語った「潮目」 2026年5月4日、Erik Neandross氏は開幕の基調講演でこう述べました。 > The tremendous tailwinds that the industry had over the last couple of years have really shifted pretty dramatically in the last 12 to 15 months. (ACT News、2026年5月4日) 同じ人物が、2024年5月9日の開催前リリースではこう語っていました。 > In spite of some recent mixed headlines, we see tremendous forward momentum within the clean transportation industry. (GlobeNewswire、2024年5月9日) 同じ主催者、同じ展示会、2年の間隔です。「forward momentum」が「shifted pretty dramatically」に変わりました。**主催者が自分の壇上で追い風の反転を認めている**という事実は、この展示会を評価するうえで、どの第三者記事より重い情報です。 ただし同氏は、そのすぐ後にこうも述べています。 > In spite of the challenges, particularly on the financial side, the market has mandated that investments in advanced technologies in the commercial vehicle sector must continue. There's no pause. There's no rollback there. そして2026年大会のテーマを「great product providing real value to customers」と要約し、来場するフリートの関心をこう表現しました。 > Fleets always want to know what's real. Is it really commercial? Is it available? Where do I buy it? How do I buy it? What's working? この5つの問いが、そのままブースでの想定問答です。**技術の新規性ではなく、商用化の可否、入手経路、稼働実績が問われます**。 水素分野のパネルでも同じ調子でした。BoschのDr. Stefan Becher氏(燃料電池ソリューション担当バイスプレジデント)の発言です。 > We've been through a dramatic up-and-down cycle. […] In many ways, we're back where we were five years ago, just a lot smarter. (Clean Trucking、2026年5月11日) ## 参加・出展にいくらかかるのか **2027年の参加費も出展料も、2026年8月23日時点で未発表です**。公式サイトは2027年のサイクルに切り替わっていますが、`/register/`、`/attend/`、`/hotels/`はいずれもトップページを返します。以下は**2026年の実績**として、構造と桁を見るために掲載します。出典はInternet Archiveに残る2026年3月12日時点の登録ページです。 区分は5つ、価格改定は5段階です。**1日券は販売されません**。 ### Industry区分(部品・技術サプライヤー、充電・燃料事業者、販売店、コンサルタント、公的機関、業界団体、投資家) 日本のサプライヤーはこの区分に入ります。 | 時期 | 展示会のみ | Full Conference | | --- | --- | --- | | Early Bird(2025年10月21日〜12月12日) | 295ドル | 995ドル | | Value(12月13日〜2026年2月6日) | 395ドル | 1,395ドル | | Regular(2月7日〜4月3日) | 475ドル | 1,595ドル | | Last Chance(4月4日〜4月24日) | 525ドル | 1,895ドル | | Onsite(4月25日〜5月7日) | 595ドル | 2,095ドル | ### Fleet & Shipper区分(フリート事業者・荷主に直接雇用されている人のみ。サプライヤーとコンサルタントは不可、全件審査) | 時期 | 展示会のみ | Full Conference | | --- | --- | --- | | Early Bird | 75ドル | 395ドル | | Value | 75ドル | 495ドル | | Regular | 75ドル | 595ドル | | Last Chance | 100ドル | 650ドル | | Onsite | 100ドル | 695ドル | このほか、創業5年以内かつ従業員25人以下のStartup区分(Regular期で展示会のみ395ドル、Full Conference 995ドル)、学生・教員のAcademic区分(同350ドル/695ドル)、報道関係者のMedia & Creator区分(Full Conference無償)があります。Full Conferenceを5枚以上まとめて買うと15%引きになりますが、展示会のみのパスを混ぜた注文では、Full Conferenceの分にしか適用されません。 ### この料金表で読むべきは、金額ではなく差です Regular期で並べると、こうなります。 | | Industry(供給側) | Fleet & Shipper(買い手側) | 差 | | --- | --- | --- | --- | | Full Conference | 1,595ドル | 595ドル | 買い手が**約63%安く**なります | | 展示会のみ | 475ドル | 75ドル | 買い手が**約84%安く**なります | **主催者は買い手の来場を価格で買っています**。しかも資格審査付きで、サプライヤーとコンサルタントは明示的に除外されます。展示フロアで貴社の隣に立っているフリート担当者は、75ドルで入場しています。貴社は475ドルです。 これは不公平ではなく、設計です。この展示会の商品は展示スペースではなく、審査を通った買い手2,400人へのアクセスです。**出展の費用対効果は、来場者1万2,000人ではなく、その2,400人に対して計算してください**。 ### 出展料は公開されていません **公式の料率表もプロスペクタスPDFも存在しません**。`/exhibit/`は404を返し、`/sponsor-exhibit/`は概要と問い合わせフォームだけで、金額もフロアプランも締切も掲載されていません。同ページには「Exhibitor Resource Center Coming in Fall 2026」と書かれており、2027年の出展社向け資料は2026年秋に公開される見込みです。当社データベースにも、この展示会の出展パッケージとチケット階層の記録は1件もありません。**金額は主催者から直接取り寄せるほかありません**。 その際、あわせて確認すべき点が3つあります。第一に、**展示フロアが2日間になったことによる料率の変更の有無**です。第二に、指定業者の見積もりです。2026年の指定業者は、総合施工がFreeman、電力・清掃・ブース設計審査もFreeman、ブース内ケータリングはSodexoの独占、AVはAlliant、通信はLVCCとCox、リード獲得はGripでした。**ラスベガスの組合労務の枠組みに入る**ため、施工費は日本の感覚では見積もれません。第三に、キャンセル条件です。2026年の登録は開催の約11週間前(2026年2月13日)が返金期限で、それ以降は一切返金なしでした。 ### 会場運営で先に知っておくべき3点 2026年のイベントポリシー(2025年10月21日発効)から、日本企業がつまずきやすい規定を挙げます。 1. **バッジは全員が現地で、自分で受け取ります**。事前郵送はありません。政府発行の写真付き身分証が必要で、代理受領は認められません。紛失時の再発行は50ドルです。渡航メンバー全員分をまとめて受け取ることはできない前提で、初日の動線を組んでください。 2. **ホテルでの商談会は禁止です**。会場外(ホテルのスイート、レストランなど)で商談やデモを設定し、来場者を会場から連れ出す行為は「アウトボーディング」として明示的に禁じられ、違反者は返金なしで即時退場となります。日本の展示会でよく行われる会場近隣での個別商談会は、この展示会では設計できません。 3. **バッジのスキャンで、氏名・会社・役職・メールアドレスが上位協賛社に共有されます**(メールでオプトアウト可能)。参加者としてリードを取られる側にもなる、という前提で参加してください。 ## 米国の政策は2025年に反転しました。それでも市場が動く理由 出展判断の前提として、**この分野の米国政策が2025年に大きく後退した**事実を正確に押さえてください。曖昧にすると需要見通しを誤ります。 | 時期 | 何が起きたか | | --- | --- | | 2025年1月13日 | カリフォルニア州大気資源局(CARB)が、EPAが未承認だった3件の適用除外(waiver)申請を自主的に取り下げ。中心はAdvanced Clean Fleets規則でした | | 2025年6月12日 | 議会がCRA(議会審査法)に基づく3本の決議を可決し、大統領が署名。Advanced Clean Cars II、Advanced Clean Trucks、Heavy-Duty Low-NOx OmnibusのEPA適用除外が取り消されました | | 同上の効果 | カリフォルニア州と、同州基準を採用していた州(Section 177州)は、これら3規則を執行する権限を失いました。Advanced Clean Trucksは、2035年までに州内で販売されるクラス8トラックの75%をゼロエミッション車とすることを求める内容でした | | CRAの副作用 | CRAで否決された規則は、実質的に同一の内容で再び承認を求めることができません | | 2025年 | 商用ゼロエミッション車向けの4万ドルの税額控除が失効しました | | 2026年時点 | EPAの2027年重量車排出基準(EPA27)は依然として議論中。エンダンジャーメント・ファインディングの変更により、Phase 3温室効果ガス規則は事実上終了したと主催者は説明しています | 規制による強制需要は、この2年で大きく削られました。**「カリフォルニアが買わせてくれる」という前提の事業計画は、もう成立しません**。 一方で、需要そのものは消えていません。TRC自身の2026年State of Sustainable Fleets Reportは、次の数字を示しています。 - 州・自治体・電力会社によるクリーン輸送向け資金は、**年間およそ50億ドル**の規模で継続しています。 - カリフォルニア州単独で、**約10億ドル**の補助金プログラムが動いています。 - **650社を超える電力会社**が、フリート向けのインフラ補助、マネージドチャージング、優遇料金などのプログラムを提供しています。 - オレゴン、ワシントン、ニューメキシコの各州のLow Carbon Fuel Standardが、低炭素燃料の採用を後押ししています。 - 中型のバッテリーEVの新規登録は、**2025年に21%増**でした。ただし連邦補助の消滅により2026年は減速の可能性があり、フリートは導入対象を絞り込む方向にあります。 - フリート管理者の**約48%が**、配車最適化・予知保全・ディスパッチにAIツールを使っています。 - **約38%のフリート**が燃費改善技術を導入し、一部のクラス8トラックは10〜11MPGに達しています。 構図はこうです。**連邦の強制と補助は引き、州・自治体・電力会社の資金と、燃料費・稼働率というフリート自身の経済合理性が残りました**。買い手は「規制対応のために買う」から「元が取れるなら買う」へ移りました。だからこそ、Neandross氏が会場で言った「Is it really commercial? Where do I buy it? What's working?」が、そのまま商談の入口になります。 ## 日本からどう行くのか **日本とラスベガスを結ぶ定期直行便は存在しません**。当社が別の展示会(PACK EXPO Las Vegas 2027)の調査で確認した内容と同じで、2027年についても日本発の新規路線の発表はありません。 唯一の例外が、毎年1月のCES期間に約10日間だけ運航される臨時便です。**航空券比較サイトにはこれが路線として表示されるため、5月の渡航を計画する人が信じると、存在しない旅程を組むことになります**。 | 経路 | 内容 | | --- | --- | | 米国内乗り継ぎ | ロサンゼルス(LAX)、サンフランシスコ、シアトル、ダラス経由。日本から西海岸まで約9.5〜11時間、乗継便が1〜1.5時間。入国審査と手荷物受取は最初の到着地で行うため、LAXでの乗り継ぎは最低2時間程度を見込んでください | | ソウル仁川経由 | 大韓航空が仁川〜ラスベガスの直行便を毎日運航(約11時間45分〜13時間30分)。日本から仁川への短距離便と組み合わせると米国内乗継より早い場合があり、入国審査が規模の小さいラスベガスになる利点があります | 出発地から現地ホテルまでの実移動時間は、いずれの経路でも**13〜17時間以上**を見込んでください。ハリー・リード国際空港(LAS)から会場までは約3.1〜3.5マイル、通常10〜15分です。 入国にはESTAが必要です。**申請料は1人あたり40.27ドルで、2026年1月1日に引き上げられました**。日本語の旅行情報サイトの多くは、いまだに旧料金の21ドルを掲載しています。人数分の実費として見積もる際は、現行額で計算してください(米国税関・国境取締局のESTA公式サイト、2026年8月23日時点)。 **5月中旬のラスベガスで効いてくる小さな事実** 5月のラスベガスは、日中の平年最高気温が月初の29℃から月末の34℃まで上がります(1991〜2020年の平年値)。会期にあたる中旬は32℃前後です。屋外のRide & Driveと、駐車場に並ぶ車両展示を見て回る日程が入るため、会場内の空調を前提にした服装だけでは足りません。乾燥も日本の比ではないので、水分は意識して取ってください。なお展示フロアが2日間しかない一方、会議は4日間あります。**展示だけが目的なら3泊で足ります**。会議に出るなら5泊です。渡航人数と日程で総額が大きく変わるので、先に目的を決めてから航空券を押さえてください。 ## Work Truck Week、EV Charging Summitとどう違うのか 米国の商用車まわりには、名前の似た大型イベントが3つあります。**買い手の関心が違うため、間違えると1年を無駄にします**。 | | ACT Expo 2027 | Work Truck Week 2027 | EV Charging Summit & Expo 2027 | | --- | --- | --- | --- | | 会期 | 5月17〜20日(展示は18〜19日) | 3月9〜12日 | 3月1〜3日 | | 会場 | Las Vegas Convention Center | Indiana Convention Center(インディアナポリス) | Caesars Forum(ラスベガス) | | 主催 | TRC(Clean Transportation Solutions) | NTEA(業界団体) | 本記事では未確認 | | 規模 | 来場者1万2,000人超(主催者公表)、出展社400社超 | **実来場者1万5,646人**(2026年実績、29カ国・全50州) | 来場者5,000人超、出展社240社 | | 買い手の関心 | パワートレイン、燃料、充電、AI・自動運転を含むフリート運用全般 | 架装、ボディ、特装車、アップフィッター | 充電インフラの経済性、用地、資金調達、施工 | **規模の比較には注意が必要です**。Work Truck Weekの1万5,646人は主催者が検証済みとして公表した実来場者数で、2025年から約1,000人減ったことも同時に公表されています。ACT Expoの1万2,000人超は広報資料の数字で、監査済みの実来場者数はどの年についても公表されていません。**数え方が違うものを並べているという前提で読んでください**。 使い分けの目安です。 - 車体の架装や特装、アップフィッターへの販売が目的なら、**Work Truck Week**です。2027年からGreen Truck SummitがFuture Truck Summitに改称され、NAFAと共催でソフトウェアと先進車両技術を扱うようになりました。 - 充電器そのものや充電サイトの運営・施工・資金調達が事業なら、**EV Charging Summit & Expo**です。買い手が充電事業者(CPO)と用地オーナー側になります。 - トラック・バスに載る部品やサブシステム、あるいは車両を運用するフリートに直接売る製品なら、**ACT Expo**です。 なお、ACT Expoの提携団体にはCharIN Globalが入っており、2026年はCharIN会員向けに125ドルの割引コードが提供されていました。**すでにCharINに加盟している日本企業は、登録前に確認する価値があります**。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか 判断は1つの問いに収れんします。**米国のフリートとトラックOEMに、車両に載る部品・サブシステム、または充電機器を売る意思が実際にあるか**。あるなら価値があります。ないなら、この展示会に行く理由はほとんどありません。 補修部品やアフターマーケットの流通を取りに行く企業も対象が違います。ディーラーと販売店の購買に会うのは1月の[HDAW](/conf/2027/heavy-duty-aftermarket-week)、ドライバーとオーナーオペレーターに会うのは3月の[Mid-America Trucking Show](/conf/2027/mid-america-trucking-show)です。 **行くべき企業。** 第一に、商用車向けの部品・サブシステムを持ち、米国市場に本気で入る意思がある企業です。約90社の協賛社のうちティア1部品メーカーは9社しかおらず、日本勢はゼロでした。買い手が集まる場に同業がいないという状況は、そのまま空白です。第二に、充電・エネルギー機器のメーカーです。ABB E-MobilityとChargePointがプラチナ、Alpitronic、Kempower、Tritium、Power Electronics、Rocsysがゴールド・シルバーに並んでおり、欧州勢がこのセグメントを押さえています。第三に、米国のトラック輸送・物流業界での認知獲得が目的の企業です。メディアパートナー16媒体が張り付き、新型車発表の枠が正式なプログラムとして用意されている展示会は、この分野では他にありません。 **行かなくてよい企業。** まず、米国側の販売・サービス・部品供給の受け皿がまだない企業です。会場での問いは「Where do I buy it?」であり、答えられなければ商談は前に進みません。次に、車体架装や特装が事業の中心である企業です。それは3月インディアナポリスの[Work Truck Week](/conf/2027/work-truck-week)です。同様に、充電事業者や用地オーナーが顧客なら、3月ラスベガスの[EV Charging Summit & Expo](/conf/2027/ev-charging-summit-expo)のほうが密度が上です。そして、名刺交換の枚数で成果を測る企業です。展示フロアは2日間、審査を通ったフリート来場者は2,400人強という設計で、日本の大型展示会の感覚とは合いません。 **冷静に見ておくべき点が4つあります。** 1つ目は、**2027年の展示フロアが2日間しかない**ことです。2026年の3日間から1日減りました。料率が据え置きなら、1営業日あたりのコストは5割上がります。契約前に、この変更を踏まえた料率かどうかを主催者に確認してください。 2つ目は、**日本企業4社がいずれも完成車メーカーの米国事業による出展**である点です。協賛社リストの表記はHino Trucks、Isuzu Commercial Truck of America、Toyota、Honda Motor Co, Incで、2025年の出展社ディレクトリではホンダはAmerican Honda Motor Co, Inc(ブース2927)として登録されていました。米国内に販売・サービス網を持つ現地事業の営業活動であり、日本の本社から数人を乗り継ぎ便で送るのとは、費用構造も期待値も違います。 3つ目は、**日本語の参加レポートが1本も存在しない**ことです。ジェトロの2023年の記事1本を除けば、会場の様子を日本語で書いた記録はありません。前例に学べません。 4つ目は、**主催者自身が追い風の反転を認めている**ことです。連邦の規制も4万ドルの税額控除も消えました。残っているのは州・電力会社の年間50億ドル規模の資金と、フリート自身の経済合理性です。**需要はありますが、規制に守られた需要ではありません**。ROIで説明できない製品は、この会場では通りません。 **それでも行くと決めた場合。** 順序を1つだけ提案します。**ブースより先に、講演公募に出してください**。2027年の締切は2026年9月10日(木)午後5時(米太平洋時間)で、この記事の公開時点から3週間を切っています。主催者は募集要項にこう書いています。 > Presentations led by fleet operators or featuring fleet direct participation are strongly preferred and will receive priority consideration. サプライヤー単独の技術紹介は通りにくい設計です。逆に言えば、**米国のフリートと組んで、実運用の数字を持つ事例として出せば、通る確率が上がります**。まだ米国に導入実績がなければ、2027年は視察に留め、2028年の登壇を狙って実績づくりに1年を使う。これは消極的な先送りではなく、この展示会の設計に沿った正当な進め方です。 貴社の製品と体制で行く価値があるかどうかの判断は、下記からご相談ください。 ## よくあるご質問 ### ACT Expo 2027はいつ・どこで開催されますか? 2027年5月17日(月)から20日(木)の4日間、米ネバダ州ラスベガスのLas Vegas Convention Centerで開催されます。ただし展示フロアが開くのは18日(火)と19日(水)の2日間だけです。会議は4日、展示は2日という構成で、2026年の3日間から1日減りました。主催はTRCのClean Transportation Solutionsです。 ### 参加費はいくらですか? 2027年分は未発表です。2026年の実績では、部品・技術サプライヤーが該当するIndustry区分のFull Conferenceが通常期1,595ドル、展示会のみが475ドルでした。一方、フリート事業者は同じ通常期でFull Conferenceが595ドル、展示会のみが75ドルです。買い手側が大幅に優遇される料金構造です。 ### 出展料はいくらですか? 公開されていません。公式サイトに料率表もプロスペクタスPDFも存在せず、出展ページは404、協賛・出展ページは問い合わせフォームだけです。当社データベースにも出展パッケージの記録はありません。金額は主催者から直接取り寄せる必要があります。2027年の出展社向け資料は2026年秋公開と告知されています。 ### 日本企業は出展していますか? 2026年の協賛社リストには4社が載っています。プラチナ協賛が日野自動車の米国法人Hino Trucks、いすゞの米国法人Isuzu Commercial Truck of America、そしてToyota。ゴールド協賛がHonda Motor Co, Inc。いずれも完成車メーカーの北米拠点です。日本の部品・充電機器サプライヤーは1社も名前がありません。 ### 出展費用の補助や視察団の枠はありますか? この展示会向けの枠はありません。ジェトロのJ-messeに掲載はあるものの出展支援の対象外で、自治体の共同出展枠も業界団体の視察団も確認できていません。残るのは個社で申請する助成で、都内中小企業向けの東京都中小企業振興公社・展示会出展助成事業は海外展示会も対象、助成限度額150万円、助成対象経費の3分の2以内です。ただし同公社は、申請前に対象可否を回答しない方針を募集要項に明記しています。 ### Work Truck WeekやEV Charging Summitとどう違いますか? 買い手の関心が違います。ACT Expoはパワートレインと燃料、そしてAI・自動運転を含むフリート運用全般です。Work Truck Weekは架装・ボディ・特装車で、2026年の実来場者は1万5,646人とACT Expoより多い規模です。EV Charging Summitは充電事業者と用地・資金調達の側です。 ### 登壇するにはどうすればよいですか? 2027年の講演公募(Call for Speakers)の締切は2026年9月10日(木)午後5時(米太平洋時間)です。主催者は「フリート事業者自身が主導する、または実運用のフリートが直接登壇する提案を優先する」と明記しています。サプライヤー単独の技術紹介は通りにくい設計です。 ### ホテルでの商談会は開いてよいですか? 禁止されています。2026年のイベントポリシーは、ホテルのスイートやレストランなど会場外で商談やデモを設定し、来場者を会場から連れ出す行為を「アウトボーディング」として明示的に禁じ、違反者は返金なしで退場と定めています。会期中の個別商談は会場内で完結させる設計にしてください。