# MD&M Midwest 2026完全ガイド:日本の医療機器サプライヤーが行く価値はあるか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2026/md-m-midwest 開催:MD&M Midwest(ミネアポリス) 最終更新:2026-08-06 MD&M Midwest 2026は、2026年10月28日〜29日にミネアポリス・コンベンションセンターで開催される、米国中西部最大規模の医療機器・先端製造の展示会です。結論から言えば、医療機器向けの精密部品、素材、計測機器、受託加工を手がける日本企業にとっては、渡航費のほかはほぼ無料で回れる、確度の高い2日間です。ただし規模は控えめで、アナハイムの旗艦展示会MD&M Westの約3分の1しかありません。**この展示会の価値は人数ではなく、買い手が住んでいる場所にあります。** メドトロニックが本社を置き、ボストン・サイエンティフィックとアボットが主要拠点を持ち、メイヨー・クリニック本部が90分南にある州で開かれる展示会です。この記事では、日本企業23社の顔ぶれ、長野県のグループブースという1社25万円の出展ルート、羽田からの直行便、そして「誰が行くべきで誰が行くべきでないか」まで示します。 - 来場者(5区画合計・2026年目標): 5,000人 - 出展社(5区画合計・2026年目標): 575社 - 日本親会社の出展社(2026年): 23社 - 展示会パス: 無料〜$199 ![夜のコンベンションセンター正面入口。円形の庇の下に赤い石張りの壁が回り、MINNEAPOLIS CONVENTION CENTERの金属文字とガラスの自動ドアが並んでいる](https://www.withexpa.ai/conf/2026/md-m-midwest/convention-center.jpg) ## MD&M Midwestとは何の展示会か MD&M Midwestは、Informa Marketsが主催する医療機器の設計・製造を中心とした先端製造業のBtoB展示会です。医療機器メーカーの設計・購買・品質・製造の担当者が、部品、素材、受託製造、検査装置、滅菌・認証サービスを買いに来るフロアであり、完成した医療機器を医療機関に見せる場ではありません。この一点が、この展示会の性格をほぼすべて説明します。 **最初に押さえるべき構造変化があります。** かつてミネアポリスでは、MD&M Minneapolis、ATX Minneapolis、Design & Manufacturing、Plastec Minneapolis、MinnPackの5ブランドが「Advanced Manufacturing Minneapolis」という傘の下で併催されていました。Informaはこの傘をたたみ、5ブランドをMD&M Midwestという1つの展示会の5区画に統合しました。 | 旧ブランド | 現在の区画 | | --- | --- | | MD&M Minneapolis | MedTech & Digital Health | | ATX Minneapolis | Automation & Robotics | | Design & Manufacturing | Design & Manufacturing(名称そのまま) | | Plastec Minneapolis | Plastics & Polymers | | MinnPack | Packaging | 証拠は明確です。2026年8月6日に確認したところ、advancedmanufacturingminneapolis.comとminnpack.comはmdmmidwest.comへ301リダイレクトされ(minnpack.comはPackaging区画のページに直接着地します)、atxminneapolis.comとplastecminneapolis.comは名前解決しません。公式サイトのWhy Attendページは、5ブランドを「one advanced manufacturing event」に統合したと明記しています。同じ判断はMD&M West、MD&M East、MD&M Southにも適用された、ポートフォリオ全体の決定です。 **実務上の結論。** 旧名で検索して迷った方も、行き先はこの展示会です。登録は1回、バッジは1枚、出展社リストも1つで、医療機器もオートメーションもプラスチックも包装も同じ登録で回れます。**2026年にMinnPackやATX Minneapolisの単独出展パッケージを提示してくる相手がいたら、その情報は更新されていません。** **数字の読み方には注意が必要です。** この記事に出てくる来場者5,000人・出展社575社は、いずれも**5区画を合わせたフロア全体の2026年目標**です。区画別の来場者数も出展社数も、主催者はどの年も公表していません。オートメーション区画を単独で評価したい方は、[ATX Minneapolis 2026の完全ガイド](/conf/2026/atx-minneapolis)を先に読んでください。 ## 実績はどのくらいの規模か **検証済みの直近実績は2024年の4,346人・572社です。** 5,000人・575社は2026年の目標値であって、実績ではありません。出展社が自社の告知で「5,000人超・575社」と書いている例がありますが、それも同じ目標値の引用です。 | 指標 | 2019年 | 2024年 | 2026年(目標) | | --- | --- | --- | --- | | 出展社 | 601社 | 572社 | 575社 | | 来場者 | 5,000人超 | 4,346人 | 5,000人 | | 参加国 | 記載なし | 30カ国 | 30カ国超 | | 展示面積 | 記載なし | 77,890平方フィート | 77,900平方フィート超 | 2019年の数字はJETROが現地で数えたもの、2024年は主催者が出展社向け資料に掲載した実績値、2026年は公式サイトの掲載目標です。 **この展示会は横ばいです。成長していません。** 2019年の601社に対し2024年は572社で、5年で5%減。2026年の目標575社を達成しても2019年の水準には戻りません。来場者も同じ形で、2019年に5,000人超だったものが2024年は4,346人です。この展示会が拡大していると説明された場合は、どの年を起点にした比較か確認してください。 **2026年の出展社リストも実際に数えました。** 公式のMap Your Show出展社リストを2026年8月5日時点でPDF取得したところ、掲載行は536行、重複を除いた区画数は523、ブース番号は1345〜3926の範囲です。目標575社に対して開催12週間前で約91%が埋まっている計算になります。地域展示会としては普通の進捗であり、警戒すべき兆候ではありません。ただし**8月に見るリストと10月に歩くフロアは同じではない**ことは意識してください。 来場者の顔ぶれは、この展示会を選ぶかどうかの判断材料そのものです。以下はすべて2024年の実績として主催者が公表しているものです。 | 項目 | 数値 | | --- | --- | | 中西部在住の来場者 | 82% | | 来場者が来た州の数 | 46州 | | 購買の決定・指定・推薦に関与 | 70%(2026年公式サイトは「80%が影響または決定」と表記) | | 進行中または24カ月以内に予定のある案件を持つ | 64% | | 初回来場 | 54% | | 経験11年以上 | 41% | | 従業員1,000人以上の企業 | 32% | | 従業員1〜50人の企業 | 28% | | 翌年の出展社への予定支出(平均) | $101,000 | | 会期中に翌年のブースを再予約した出展社 | 50% | **82%が中西部というのが、この展示会を定義する数字です。** 全国区の来場者を集める展示会ではありません。そしてそれは弱点ではなく、買い手がこの地域に住んでいるからそうなっている、という話です。企業規模が1,000人以上32%と50人以下28%の両端に厚く、中間が薄いのも特徴で、メドトロニックのエンジニアと10人の機械工場が同じ通路にいます。 **主催者自身の数字で最も重いのは、最後の行です。** 会期中に翌年のブースを再予約した出展社が50%。出展社の半分が、建物を出る前に翌年の参加を決めています。5つ並んだ推薦コメントより、この1行のほうが信頼できる指標です。 ## いつ・どこで開催されるのか 2026年10月28日(水)〜29日(木)の2日間、ミネアポリス・コンベンションセンター(1301 Second Avenue South, Minneapolis, MN 55403)で開催されます。 | 区分 | 時間 | | --- | --- | | 展示フロア | 水 10:00〜17:00、木 10:00〜16:00 | | カンファレンス | 水 08:30〜16:15、木 08:30〜15:00 | | 受付 | 火 08:30〜17:00、水 08:00〜17:00、木 08:00〜16:00 | **受付は前日の火曜から開いています。** 火曜到着の便を取れば、その日のうちにバッジを受け取り、水曜の朝は列に並ばずにフロアへ入れます。 **日本からのアクセスは、この展示会を選ぶ実務上の最大の理由です。** | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | デルタ航空が羽田〜ミネアポリス・セントポール(MSP)を毎日1往復。同路線の唯一の運航会社 | | 往路 | DL120、羽田16:05発、所要約11時間40分 | | 復路 | DL121、MSP 10:40発、翌日13:05羽田着、所要約11時間25分 | | 機材 | Airbus A330-900neo。2023年3月26日にデイリー運航で再開 | | 参考運賃 | 片道¥126,720〜(2026年8月時点のExpedia日本サイトの表示) | | 空港から会場 | MSPからダウンタウンまで12マイル。METRO Blue Lineで約25分、$2.00〜$2.50。タクシー$39〜$49、配車サービス$20〜$40 | **荷物があるならタクシーです。** Blue Lineはコンベンションセンターに停まりません。Nicollet MallまたはGovernment Plazaの駅から徒歩16〜20分あり、サンプルケースや什器を持って歩く距離ではありません。 なぜミネアポリスに羽田直行便があるのか。ミネアポリスはノースウエスト航空のハブで、同社は米国キャリアで最も厚い日本路線網を持っていました。2008年の合併でデルタがハブと路線を引き継いだ結果です。デンバーもフェニックスもシャーロットも日本からの直行便を持たない中で、この規模の都市が直行便を持っている理由がこれです。 **10月末のミネアポリスは寒く、雪の可能性があります。** 平均最高気温は約11°C、平均最低気温は約2°C、10月の降雪量は月合計1.4インチ、日照は約10時間半、日の出は7時45分頃、日の入りは18時15分頃です。ツインシティーズの初雪は2022年が10月14日、2023年が10月30日でした。会期は10月28日〜29日です。**東京基準のコートでは足りません。** **知っておくと役立つこと** ミネアポリスのダウンタウンには、世界最大の連続屋内歩道橋網「スカイウェイ」があります。空調の効いた2階レベルの通路が9.5マイル分、80ブロックを結び、コンベンションセンターもこの網に接続しています。スカイウェイに面したホテルを取れば、10月末の中西部でスーツのまま外気に触れずに会場まで歩けます。もう一つ、会場の規模から展示会の規模を推測しないでください。展示フロアは77,900平方フィート超ですが、建物全体は約475,000平方フィート、会議室87〜90室、固定席3,400席の講堂を持つ大型施設です。この展示会が使っているのは建物の約16%です。ビザレターは登録手続きの中で申請できます。通訳や日本語対応は公式サイトのどこにも用意がありません。 ![雪の積もった通りをまたぐガラス張りの屋内歩道橋。橋の中を上着姿の人々が列になって歩いている](https://www.withexpa.ai/conf/2026/md-m-midwest/skyway.jpg) ## 誰が主催しているのか 主催はInforma Markets、ロンドン証券取引所上場のInforma PLCの製造業部門(旧Informa Markets Engineering)です。同部門は世界12カ国で50を超えるイベントを運営し、130万件規模の製造業データベースを保有していると自社で説明しています。 MD&Mは米国4都市の巡回ブランドです。**行き先を決める前に、この梯子を見てください。** | 展示会 | 都市 | 会期 | 規模 | | --- | --- | --- | --- | | MD&M Midwest | ミネアポリス | 2026年10月28〜29日 | 2日間、575社/5,000人(目標) | | MD&M West | アナハイム | 2027年2月9〜11日 | 3日間、1,700社超/13,800人超 | | MD&M East | ニューヨーク | 2027年5月19〜20日 | 2日間 | | MD&M South | シャーロット | 未定 | 2日間 | **アナハイムが旗艦で、ミネアポリスはその約3分の1を2日間で回る地域展示会です。** 米国出張を1回だけ入れる日本企業は、リーチ(アナハイム)と買い手の密度(ミネアポリス)のどちらを取るかを選ぶことになります。 収益構造も知っておくと、この展示会が誰のためのものか分かります。稼ぎ頭はブース代とスポンサー費、そして有料カンファレンスです。展示会パスは9月16日まで無料、事前$50、当日$199で、入場料では稼いでいません。Informaが売っているのは、30年かけて集め、入口で資格審査した中西部の買い手層へのアクセスです。 **メディアパートナーの読み方には注意が必要です。** 公式にパートナーとして並ぶDesign News、MD+DI、Packaging Digest、PlasticsToday、Powder & Bulk Solids、Battery Technology Onlineの6誌は、**すべてInforma自身の媒体です。** これらがMD&M Midwestについて書いた記事は、主催者の出版部門が主催者のイベントについて書いたものであり、独立した報道ではありません。そして英語圏では、それがほぼ唯一の記事でもあります。 一方、フロア上の団体・機関には実質があります。ミネソタの医療技術業界団体Medical Alley Associationが公式サイトに名を連ね、SPE(米国プラスチック技術者協会)の医療用プラスチック部会は2025年版でプログラムを運営しました。MN ASQ(米国品質協会ミネソタ支部)はブース1604を持ちます。**そして認証・試験機関が5社出展しています。** BSI Group America(2928)、Bureau Veritas(3046)、CSA Group(3246)、DEKRA North America(2746)、TÜV SÜD America(2627)。米国市場への参入を検討している日本の医療機器メーカーにとっては、この5社に2日間で会えることだけでも渡航理由になります。 ## どんな企業が出展しているのか 523区画の中心はMedTechで、受託製造業者と部品サプライヤーが最大の集団を形成しています。Cirtec Medical(3403)、Cretex Medical(3003)、Confluent Medical Technologies(2626)、Resonetics(2602)、Freudenberg Medical(2726)、Nordson MEDICAL(2815)、Teleflex Medical OEM(3321)、Phillips Medisize(3520)、Tegra Medical(2831)、Biomerics(2403)、Nextern(3614)といった名前が並びます。買う側のOEMも来ています。B. Braun Medical(3537)、Cardinal Health(3908)、Cordis(2336)、ICU Medical(3127)、Argon Medical Devices(3538)、Solventum(3834)。 ほかの区画も、医療機器の製造工程に沿って並んでいます。設計・製造ではProtolabs(2302)、Stratasys Direct(2426)、Dassault Systèmes Americas(2408)、IPG Photonics(3503)。プラスチックではFoster Corporation(3113)、Putnam Plastics(3426)、RTP Company(2903)、Davis-Standard(2320)。包装ではAmcor Flexibles North America(2717)、Nelipak(3320)、Prent Corporation(3115)、TEKNIPLEX Healthcare(3903)。**滅菌・試験・認証は5区画を横断するこの展示会の隠れた強みで**、STERIS Applied Sterilization Technologies(3408)、E-BEAM Services(2713)、Advanced Sterilization Products(3434)などが出展します。 ### 日本勢は23社。すべて「売りに来ている」側です 2026年の公式出展社リストから、日本に親会社を持つ企業を手作業で抽出し、判別が難しいものは企業側の情報で確認しました。 | 出展社 | ブース | 親会社・備考 | | --- | --- | --- | | AMADA WELD TECH Inc. | 2921 | アマダグループ | | CASTEM Technology Laboratories | 3334 | 株式会社キャステム(広島県福山市) | | Elematec Corporation | 3639 | エレマテック株式会社(豊田通商グループ) | | EPSON Robots | 2035 | セイコーエプソン(長野県諏訪市) | | Furukawa Techno Material | 2423 | 株式会社古河テクノマテリアル、形状記憶・超弾性NiTi合金 | | Hirata Corporation | 1717 | 平田機工株式会社(熊本県) | | IKO International, Inc. | 2042 | 日本トムソン株式会社 | | Imada, Inc. | 3646 | 株式会社イマダ(愛知県豊橋市)、フォースゲージ | | I-PEX | 2926 | I-PEX株式会社(京都府)、コネクタ | | Junkosha Inc. | 3527 | 株式会社潤工社、PTFEおよびカテーテル関連製品 | | Kanomax USA | 3631 | 日本カノマックス株式会社(大阪府) | | Keyence Corporation of America | 2434 | 株式会社キーエンス | | Mabuchi Motor America | 2917 | マブチモーター株式会社 | | Macoho America, Inc. | 1917 | マコー株式会社(新潟県長岡市)、ウェットブラスト | | Micro MIM USA Inc | 3339 | 太盛工業・日本マイクロMIMホールディングス(大阪府) | | NB Corporation of America | 2026 | 日本ベアリング株式会社 | | Nissha Medical Technologies | 3609 | NISSHA株式会社(京都府)、Isometric Micro Molding併設 | | Nitto Kohki USA Inc. | 3225 | 株式会社日東工器 | | Oak-Mitsui Technologies LLC | 3528 | 三井金属の合弁 | | Proterial Cable America | 3443 | 株式会社プロテリアル(旧日立金属) | | Sugino Corp. | 2128 | 株式会社スギノマシン(富山県) | | Thinky USA | 3214 | 株式会社シンキー(東京都) | | TOPPAN | 1920 | TOPPANホールディングス | | **長野県** | **2527** | **県のグループブース** | **数え方の限界も書いておきます。** これは社名に基づく抽出であり、日本の親会社が米国で日本語要素のない社名で営業している場合は捕捉できません。23社は下限であって総数ではありません。逆に、名前が日本風でも日本企業ではない例も除外しました。Mitotec Precision(2406)は1963年からウィスコンシン州で操業する米国企業、Noanix Corporation(3827)は韓国企業、Suntium(3902)は台湾企業です。 **日本勢の中心は、精密部品と素材です。** 潤工社(PTFE・カテーテル)、古河テクノマテリアル(形状記憶合金、日本の生産者が実際に強い材料)、I-PEX(コネクタ)、Micro MIMとキャステム(金属射出成形・精密鋳造)、日本トムソンと日本ベアリング(直動)、NISSHAとIsometric(低侵襲デバイス向けマイクロ成形)。第二の集団が計測・工程装置で、キーエンス、イマダ、カノマックス、シンキー、スギノマシン、マコー、日東工器、アマダウェルドテックが並びます。 **そして、いない顔ぶれのほうが重要です。** テルモ、オリンパス、HOYA、ニプロ、朝日インテックといった日本の医療機器メーカーは2026年のリストにいません。**日本はこの展示会に、買い手ではなくサプライヤーとして来ています。** これが、参加を検討する日本企業が持つべき正しい前提です。ここは米国の医療機器メーカーに部品と工程を売る場であって、彼らから調達する場ではありません。 **日本の参加は15年以上続いています。** JETROは2019年の回で日系企業20社超、2021年の回で30社超(当時の過去最多)を数えました。私たちの2026年の23社は、その間に収まります。**新しい動きではなく、安定した定着です。急拡大もしていません。** もう一つ、来場者側の数字が効いてきます。**2024年の来場者数の国別上位10カ国は、米国、カナダ、日本、ドイツ、英国、フランス、コスタリカ、イタリア、中国、オーストリアの順でした。日本は3位、ドイツより上です。** 来場者の82%が中西部というフロアでこの順位に入っているのは、日本からの参加が孤立していないことの最も強い証拠です。ただし主催者は順位だけを示し、人数を出していません。順位は主張されていますが、規模は主張されていません。 ## 会場では実際に何が起きるのか 2日間の中身は、523区画の展示フロア、無料の展示会場内セッション、有料のカンファレンスとワークショップの3層です。**初回の来場であれば、無料枠とフロアだけで十分です。** **無料(展示会パスに含まれる):** 基調講演、展示会場内の3つのシアターでのセッション(サイバーセキュリティ、オートメーション、ワークフォース・イノベーションなど)、積層造形・成形・サイバーセキュリティ・サプライチェーンをテーマにしたCoffee TalkとLunch & Learn。主催者は無料教育を合計30時間超と表示しています。 **有料:** 2日間の「MD&M MedTech Conference」(設計、次世代技術、法規制対応、サイバーセキュリティ、サプライチェーン強靭化、品質の6分野)と、別売りのワークショップ4本です。ワークショップは「Diving Deeper into Lean and Smart Manufacturing Synergies」、「Smart Manufacturing: Why it Matters and How to Achieve it」(半日)、「The Future of Sterilization Workshop」(1日、米国・EU・カナダの規制動向)、「MD&M Midwest Leadership Summit」(半日)。 **初回の日本からの来場者に有料カンファレンスを勧めない理由は単純です。** セッションはすべて英語、ネイティブの速度で進み、公式サイトのどこにも通訳の用意がありません。米国の展示会で日本からの来場者が初日に最も価値を取り出しにくいのがセッションです。$529はフロアでの商談時間に回したほうが確実です。 **2026年の登壇者は、2026年8月6日時点で未発表です。** 主催者はセッション形式だけを公表し、氏名を出していません。ここには構造的な問題があります。**最安の超早期価格の締切は2026年8月14日で、プログラムが発表される前です。** 中身を確認してから最安値で買うことはできません。 出展社の実感として、主催者が自社資料に採用したコメントを2つ挙げます。ミネソタの受託製造大手Cretex Medicalのコーポレートコミュニケーション担当。 > It's (Adv. Manufacturing Minn.) a really good opportunity to connect with a lot of people in the industry and also a great opportunity to connect/ have conversations with customers and potential customers. 包装区画から、Nexternの研究開発エンジニア。 > Great place to catch up on broad industry developments, learn about new manufacturing and prototyping technologies, and meet people who are both directly and indirectly involved in your business process. **5つの推薦コメントのどれにも、数字がありません。** 何件の商談があったのか、いくらの案件になったのか、ブースにいくら払ったのか、翌年も来たのかは、誰も言っていません。**主催者が出した数字で価値があるのは1つだけで、それは前述の「会期中に翌年のブースを再予約した出展社が50%」です。** ## 参加・出展にいくらかかるのか **展示フロアを歩くだけなら、2026年9月16日までに登録すれば無料です。** 価格ラダーは5区画共通で1本です。以下はすべて米ドル、公式のPasses & Pricingページの2026年8月6日時点の掲載価格です。 | パス | 超早期(8月14日まで) | 早期(8月15日〜9月16日) | 事前(9月17日〜10月21日) | 当日(10月22日〜29日) | | --- | --- | --- | --- | --- | | 2日間カンファレンス | $529 | $629 | $749 | $879 | | 1日間カンファレンス | $319 | $379 | $479 | $579 | | 展示会パス | 無料 | 無料 | $50 | $199 | **無料から$199へ4倍に跳ね上がるので、渡航の可否が決まる前に登録だけ済ませておくのが合理的です。** カンファレンスパスの団体割引は3〜5名で10%、6〜9名で20%、10名以上で25%。$150のキャンセル料は2026年9月21日まで免除されます。 **登録前に読むべき条項が3つあります。** 1. **無料の展示会パスは「有資格者限定」で、営業・事業開発職は対象外です。** 出展していないサプライヤーの営業担当者は無料枠に入れません。 2. **出展していない製造業者は1名あたり$499です。** ブースを出さずにフロアを歩いて開拓する計画の日本のサプライヤーは、この条項に該当します。航空券を押さえる前に確認してください。 3. **展示会パスの含有範囲について、公式ページ同士の記載が一致していません。** 価格ページは全パスにネットワーキングランチと水曜のウェルカムレセプションが含まれると読める書き方をしていますが、来場者向けFAQは展示会パスの内容を展示会場内シアター、基調講演、ブースクロールに限定しています。前提にせず、問い合わせてください。 **ブース出展の価格は公開されていません。** 2025年版の出展社向け資料はブース予約を電話窓口(1-844-826-6466)に、スポンサーシップを`sponsorships.ime@informa.com`または877-683-5251に誘導するだけで、平米単価も最小区画も掲載がありません。これはMD&M Westでも同じで、Informaはこのポートフォリオでブース価格を公開していません。第三者サイトの平米単価は出典のないものと考えてください。 ### 中小企業向けの1社25万円のルート **このフロアで唯一公開されている出展価格が、長野県のグループブース(2527)です。** 運営は信州医療機器事業化開発センター(公益財団法人長野県産業振興機構の一部門)。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 会期 | 令和8年(2026年)10月28日(水)、29日(木)の2日間 | | 会場 | Minneapolis Convention Center | | 募集社数 | 最大4社 | | 参加費 | **250,000円(不課税)** | | 対象製品 | 医療機器、医療機器用部品、医療消耗品、健康関連製品など | | 問い合わせ | 信州医療機器事業化開発センター、TEL 026-217-1634、med@nice-o.or.jp | **2026年分の募集はすでに終了しています**(募集ページは受付終了と表示されています)。したがってこれは2027年に向けた選択肢です。なお締切について、2つの公式情報源が令和8年6月30日と7月31日という異なる日付を示しており、延長されたと読むのが自然ですが確認は取れていません。**いずれにせよ、会期の3〜4カ月前には締め切られます。県の予算措置まで含めれば、動き出しはさらに前です。** 25万円という金額は、区画、装飾、輸送、人員を自社で手配して単独出展する場合と比べて桁が一つ違います。**米国の医療機器フロアに乗るルートとして、私たちがこれまで調べた中で最も安い公開価格です。** **日本の入り口が「県」であることには、はっきりした傾向があります。** MD&M Westでは茨城県、福島県、信州大学(信州メディカル産業振興会)の共同ブースを確認しており、ミネアポリスでは長野県です。**2026年の出展社リストにJETROのジャパン・パビリオンはありません。** 日本の中小企業がこのフロアに乗るルートは、東京の国の制度ではなく、自県の産業振興部門を通っています。まず自治体に聞いてください。 渡航費、宿泊費、出展費を合わせた出張総額は、為替と人数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで試算できます。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか 判断基準は一つです。**貴社が売っているものを、米国の医療機器メーカーの設計・購買部門が買うかどうか。** 規模の話ではありません。 規模で選ぶのであれば、出展社1,876社・日系73社のアナハイム開催、つまり[MD&M West](/conf/2027/md-m-west)が本命です。東海岸の顧客が中心なら5月ニューヨークの[MD&M East](/conf/2027/md-m-east)になります。 この問いに最も正確に答えているのは、主催者ではなく、2019年にJETROの取材に応じた日本の出展企業です。 > 他のMD&M開催地と比べてミネアポリスの来場者はそれほど多くないが、単なる視察ではなく、特定の目的を持った来場者がほとんど 同じ企業は、毎年顔を合わせる関係から何が生まれるかについても述べています。 > 急ぎの発注に直結することもある **これが、この展示会の正直な取引条件です。** 来場者は少ない。しかし目的を持っている。そして成果は1回の出展ではなく、継続的な関係から出てきます。**毎年来る企業には報い、1回の訪問で商談パイプラインを作ろうとする企業には報いない展示会です。** なぜ買い手の目的意識が高いのかは、州を見れば分かります。ミネソタは医療技術の集積で世界1位、ペースメーカー関連特許の人口あたり件数で全米1位、医療機器製造と電気医療・電気治療機器製造でいずれも全米2位です(いずれもミネソタ州DEEDによる、USPTO 2024年のデータ)。ライフサイエンス事業所7,750、同分野の雇用334,500人、GDP寄与516億ドル。メドトロニックが本社を置き、ボストン・サイエンティフィック、アボット、3Mが主要拠点を構え、年間130万人以上を診療するメイヨー・クリニック本部は90分南のロチェスターにあります。**82%が中西部というのは、買い手がこの地域に住んでいるという意味です。** **行くべき企業。** 医療機器向けの精密部品、素材、樹脂、医療用チューブ、コネクタ、計測・検査機器、受託加工、微細成形を手がける企業です。2026年の日本勢23社の構成が、そのまま答えになっています。加えて、米国市場への参入準備段階にある医療機器メーカーにとっては、認証・試験機関5社に2日間で会えることが独立した来場理由になります。 **特に向いているのは、中西部にすでに顧客や生産拠点がある企業です。** JETROが2019年に日本の出展企業から聞いた出展理由も、この地域に工場を持つ顧客とのコミュニケーションでした。**2日間の展示会そのものより、前後に組む顧客訪問のほうが価値が大きくなります。** 2010年に大阪商工会議所が近畿経済産業局の委託で組んだミネソタ・ミッションは、10日間のうち展示会に2日、ミネソタ州の企業・大学・研究機関の訪問に4日を充てていました。**この旅程を職業として設計した人たちは、15年前から展示会を「出張の目的地」ではなく「中西部滞在の起点」として扱っていました。** 11時間飛んで2日の展示会だけを見て帰る計画は、いま一度見直す価値があります。 **行かなくてよい企業。** 完成した医療機器そのものを医療機関に売りたい企業です。ここは部品と製造工程を買いに来るフロアであり、病院の購買担当が歩く場所ではありません。**一般的な産業用オートメーションを売る企業も対象外です。** 世界の産業用ロボット大手4社は出展しておらず、有料カンファレンスは医療機器向けで、2021年にJETROの取材でオートメーション分野の出展企業が商談件数は半数以下だったと述べています。詳しくは[ATX Minneapolis 2026の完全ガイド](/conf/2026/atx-minneapolis)で扱っています。 **そして、規模を期待して来る企業も向きません。** これは2日間の地域展示会です。アナハイムのMD&M Westは3日間で出展社1,700社超、来場者13,800人超あり、規模で比べれば約3倍です。**リーチが欲しいならアナハイムです。** 2つを混同したまま「米国最大級」の期待で来ると、フロアの大きさに落胆します。 **判断を保留してよい企業。** 2026年の登壇者は未発表、ブース価格は非公開、長野県ブースの2026年分募集も終了済みです。ただし展示会パスは9月16日まで無料なので、**まず無料枠を確保し、渡航の稟議は後から通す**という順番が取れます。無料の枠を押さえるために出張の決裁を先に取る必要はありません。 なお、日本語の下見需要はすでに商品として成立しています。ハルカゼ旅行社はMD&M Midwest 2026の視察モデルプランをMedTech区画向けとPackaging区画向けの2本立てで販売しており、案内には次の文言があります。 > イベント初日のホテル⇒会場(往路)へ日本語(または英語)ガイドのアテンドもお手配承ります。☆見本市の代理登録、入場チケットの代理購入承ります。 **「代理登録」「入場チケットの代理購入」がサービスとして売られている点は、示唆的です。** 日本から米国の展示会に登録するのは、有資格者審査を含めて、対価を払って回避したくなる程度には面倒だということです。 貴社の製品構成と顧客の所在地での参加・出展判断は、下記からご相談ください。 ## よくあるご質問 ### MD&M Midwest 2026の参加費はいくらですか? 展示会パスは2026年9月16日までの登録なら無料、9月17日以降は$50、当日は$199です。有料のMD&M MedTech Conferenceは2日間$529〜$879、1日間$319〜$579です。初回の来場なら無料枠とフロアだけで十分に元が取れます。 ### ATX MinneapolisやMinnPackは別の展示会ですか? 別ではありません。Informaが5ブランドを統合し、ATX Minneapolis、MinnPack、Plastec Minneapolis、Design & Manufacturing、MD&M Minneapolisは会場内の区画名になりました。バッジ1枚、出展社リスト1つで5区画すべてを回れます。 ### 日本企業も出展していますか? しています。2026年の出展社リストからは、日本に親会社を持つ企業23社と長野県のグループブースを確認しました。JETROは2019年に20社超、2021年に30社超と報告しており、参加は15年以上安定して続いています。 ### 中小企業でも出展できますか? 長野県内の企業であれば、信州医療機器事業化開発センターのグループブースに1社25万円で参加するルートがあります。2026年分の募集は終了済みで、次は2027年分です。それ以外の県には、この展示会向けの同等プログラムは確認できていません。 ### 長野県以外の企業が使える出展補助はありますか? 都内中小企業であれば東京都中小企業振興公社の展示会出展助成事業が海外展示会にも使え、助成限度額150万円、助成対象経費の3分の2以内です。対象は出展小間料・小間内の装飾費・輸送費で、航空券とホテル代は含まれません。ただし同事業は共同出展を対象外としており、社名板や会場案内図に他社名が並ぶ出し方も共同出展とみなされます。県のグループブースに乗る道とこの助成は、両立しないとお考えください。 ### 日本からミネアポリスへの直行便はありますか? あります。デルタ航空が羽田〜ミネアポリス・セントポールを毎日1往復、A330-900neoで運航しています。往路は約11時間40分です。日本からの直行便を持つ米国内陸都市はごく少なく、これがアナハイムの旗艦展示会にはない実務上の利点です。 ### アナハイムのMD&M Westとどちらに行くべきですか? リーチを求めるならアナハイム、買い手の密度を求めるならミネアポリスです。MD&M Westは3日間で出展社1,700社超、来場者13,800人超。ミネアポリスはその約3分の1を2日間で回ります。ただし買い手が住んでいるのはミネソタです。