# InfoSec World 2026完全ガイド:日本企業のための参加判断 URL:https://www.withexpa.ai/conf/2026/infosec-world 開催:InfoSec World(キシミー(オーランド近郊)) 最終更新:2026-08-06 InfoSec World 2026は、2026年10月11日〜15日にフロリダ州キシミーのGaylord Palms Resort & Convention Centerで開催される、30年以上の歴史を持つ米国のセキュリティカンファレンスです。結論から言えば、**セキュリティ組織を「運営する」立場の方には価値があり、製品を一望したい方や最新の攻撃研究を追いたい方には向きません**。登壇者の中心は研究者でもベンダー幹部でもなく、AbbVieやT-Mobile、JPMorgan Chaseといった米国の大企業で実際にセキュリティを回している現役のCISOです。一方で、参加費は最上位パスで$4,195とRSA Conferenceより高く、日本企業の参加実績はほぼ皆無です。この記事では、RSAやBlack Hatとの違い、費用の実際、そして日本人参加者が置かれる立場まで、判断に必要な材料を提示します。 - 来場者(主催者公称): 2,500人以上 - 出展社(2025年実績): 140社 - 参加費(標準): $2,495〜 - 日本企業の参加: ほぼゼロ ![芝生の前庭ごしに見たリゾートの正面外観。中央の植込みに「GAYLORD PALMS」の立体文字が並び、その手前に円形の水盤がある](https://www.withexpa.ai/conf/2026/infosec-world/gaylord-palms-exterior.jpg) ## InfoSec Worldとは何のカンファレンスか InfoSec Worldは、**セキュリティ責任者が「組織をどう守り、どう回すか」を語る実務者向けカンファレンス**です。2026年で30年以上の歴史があり、2025年の回は第31回として開催されました。主催はCyberRisk Alliance(CRA)です。 **性格を最もよく表しているのは、過去に実際に組まれたセッションの題名です。** 2023年のプログラムには「Confessions of a QSA: Navigating PCI DSS 4.0」「Beyond Burnout: Where we are Today and What We Need to do Now」(燃え尽き)、「Selling Security to Executives」(経営層への説得)、「Ten Legal Issues for CISOs」、「Chief Incident Scapegoat Officer (CISO)?」(責任を押しつけられるCISO)、「Stress Management for Security」が並んでいました。 燃え尽き、責任の押しつけ、ストレス管理、法的責任、経営層への説得。**これは技術の会議であると同時に、セキュリティ責任者という職業そのものについての会議です。** 2026年の34の対象領域にも「Board Relations」(取締役会との関係)と「Personal Legal Liability」(個人としての法的責任)が明記されています。純粋な技術イベントには通常存在しない項目です。 歴史の長さも押さえておく価値があります。InfoSec Worldはマサチューセッツ州のMIS Training Instituteが立ち上げ、2019年2月にCyberRisk Allianceが買収しました。買収時点で「25年」と表現されており、2025年の回は第31回とされています。**つまり創設は1994年か1995年で、Black Hat(1997年創設)より古い、米国で最も長く続いている商用セキュリティ会議の一つです。** RSAとBlack Hatしか知らない日本の読者にとって、この30年の継続性がこのイベントの最も確かな部分です。 主催者の性格も理解しておいてください。CyberRisk Allianceは2018年11月に設立された、プライベートエクイティを背景に持つB2Bメディア企業です。SC Media、Security Weekly、MSSP Alertなどの媒体と、InfoSec WorldやIdentiverseなどのイベントを併せ持っています。**スポンサーが買っているのは展示スペースではなく、イベントと媒体をまたぐメディアパッケージです。** 出展料金表が公開されていないのも、この構造から説明できます。 そしてもう一つ、MIS Training Institute時代から引き継がれている性格があります。CPEクレジットが前面に出ていること、有料ワークショップが独立した収益源であること、全セッションに技術レベルが明示されていること。**InfoSec Worldは構造的には「展示会を併設した専門教育イベント」であり、この理解のほうが価格を説明できます。** ## RSA ConferenceやBlack Hatと何が違うのか **三つは競合ではなく、目的が異なるイベントです。** 当社が別途ガイドを公開している[RSA Conference](/conf/2027/rsa-conference)と[Black Hat USA](/conf/2027/black-hat-usa)と並べると、選び方がはっきりします。 | | InfoSec World 2026 | RSA Conference | Black Hat USA | | --- | --- | --- | --- | | 規模 | 2,500人以上 | 4.3万人以上 | 2万人以上 | | 出展社 | 140社(2025年実績) | 600社以上 | 400社以上 | | 会場 | Gaylord Palms(フロリダ州キシミー) | Moscone Center(サンフランシスコ) | Mandalay Bay(ラスベガス) | | 中心にあるもの | 現役CISOの実務と組織運営 | 業界全体の製品と動向 | 査読を通した攻撃研究の発表 | | 歴史 | 2025年で第31回 | 2026年で第35回 | 1997年創設 | **規模の差は17倍以上あります。** RSAが4.3万人を集める業界の総覧であるのに対し、InfoSec Worldは2,500人規模です。Black Hatは2万人規模で、その中心にあるのは査読を通した攻撃研究の発表です。 ここで、日本企業が価格だけを見ると必ず判断を誤る点を書いておきます。 **InfoSec Worldの最上位パスAll Accessは標準$4,195で、RSA Conferenceの最上位パス$2,995より約4割高い水準です。** 規模は17分の1、出展社は4分の1です。さらに**RSAには$149の展示会のみのパスがあります**が、InfoSec Worldの2026年の公開価格に展示会のみのパスは掲載されておらず、最も安い入口が政府・非営利・教育機関向けの$1,895、一般は$2,495からです。 これは必ずしも批判ではありません。**巨大な展示フロアで収益を上げる大衆型イベントと、参加費で収益を上げる小規模で密度の高いカンファレンスの違い**です。ただし「安いほうがRSA、高いほうが上位イベント」という直感は完全に逆であり、そこを取り違えたまま稟議を通すと説明がつかなくなります。 もう一つ、標準を測るための正直な材料を出しておきます。**Splunkが公開している2026年のセキュリティ会議ガイドは12件のイベントを挙げていますが、そこにInfoSec Worldは入っていません。** RSA Conference、Black Hat USA、[DEF CON](/conf/2027/def-con)、SANSのサミット、GartnerのIAM Summitなどが並ぶ中で、選から漏れています。InfoSec Worldが30年続く実在の会議で固定客を持つことと、すべての実務者の第一候補ではないことは、両立します。 ## いつ・どこで開催されるのか 2026年10月11日(日)〜15日(木)の5日間です。**中心となる本会議は10月12日〜14日の3日間**で、11日が事前ワークショップ、15日が事後ワークショップにあてられます。 **会場について、最初に警告があります。多くの情報源が間違った会場を載せています。** | 年 | 会場 | | --- | --- | | 2018 | Disney's Contemporary Resort | | 2023、2024、2025 | Disney's Coronado Springs Resort | | **2026** | **Gaylord Palms Resort & Convention Center(キシミー)** | 2023年から2025年まではウォルト・ディズニー・ワールド内のコロナドスプリングスで開催されていたため、参加記や二次情報のほとんどがその会場名のままです。**2026年の会場Gaylord Palmsはディズニー系列ではなく**、Marriott系列のGaylordブランドのリゾートで、場所もキシミーです。「ディズニーのホテルに泊まれる」という前提で計画すると崩れます。 渡航は正直に言って楽ではありません。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | **日本〜オーランドの定期直行便はありません** | | 所要時間 | 成田〜オーランドは最短でも約16時間3分(1回乗継)、成田〜シカゴ〜オーランドで17時間5分 | | 主な乗継地 | シカゴ、ダラス、アトランタ、ワシントン | | 空港から会場 | オーランド国際空港(MCO)から車で約20分。鉄道の選択肢はありません | 2026年2月から3月にかけて、ZIPAIRがオーランドと成田の間でチャーター便を4便運航しました。フロリダ州として初のアジア直行便でしたが、**需要を測るための期間限定チャーターであり、通年路線ではありません**。10月には飛んでいません。片道17時間前後、乗継1回を前提に計画してください。 気候と、もう一つの現実的な論点があります。10月のオーランド周辺は最高気温が月初の30°Cから月末の27°Cへ下がっていき、最低気温は18〜22°C程度、湿度は高めです。 そして**10月11日〜15日という日程は、大西洋のハリケーンシーズンの統計的なピーク(8月中旬〜10月中旬)の内側にあります**。シーズン自体は11月30日まで続きます。過去にこのイベントがハリケーンで中止や延期になった記録は見つかりませんでしたが、乗継を伴う17時間の移動をする以上、**変更可能な航空券と旅行保険は検討する価値があります**。 **知っておくと役立つこと** Gaylord Palmsは総会議面積50万平方フィート、客室1,718室を持つ大規模リゾートで、4.5エーカーのアトリウムを館内に抱えています。展示ホールだけで178,500平方フィートあり、これは州内最大の館内展示施設で、10ft×10ftのブースを900近く置ける広さです。**InfoSec Worldの出展社は2025年実績で140社ですから、この会場のごく一部しか使いません。** そのぶん、**宿泊も食事もセッションも展示もすべて同じ建物の中で完結し、会期中に一度も外へ出る必要がありません**。キシミーには旅行者が使える公共交通がないため、これは制約ではなく利点です。会場は空港から車で約20分、送迎の相場はライドシェアが$35〜65、タクシーが$65〜85、乗合シャトルが1人$17〜18程度です(近隣ディズニー地区の実勢価格からの目安)。 ## 誰が登壇し、誰が参加しているのか **登壇者の顔ぶれが、このカンファレンスの最大の特徴です。** 2026年の基調講演には、元ホワイトハウスCIOのTheresa Payton氏に加えて、AAA NationalのCISO、AbbVieのグローバルCISO、米海軍予備役の情報戦指揮官、MarshのグローバルCISO、Legendary Entertainmentのサイバー・コンテンツセキュリティ担当VPらが並びます。 登壇者にはほかにも、T-Mobileの最高セキュリティ責任者Mark Clancy氏、JPMorgan Chaseのサイバー脅威インテリジェンス製品担当VPであるCandice Biamby氏、Capital Oneの内部脅威・技術調査ディレクターDina Atwell氏、ExperianのシニアセキュリティマネージャーBen Rothke氏、Tyson Foodsのリードセキュリティエンジニアなどがいます。 **AbbVie、Marsh、T-Mobile、JPMorgan Chase、Capital One、Cardinal Health、Tyson Foods、Floor & Decor。研究者でもベンダー幹部でもなく、米国の普通の大企業で実際にセキュリティを回している人たちの名簿です。** これがBlack Hat(研究発表が主役)やRSA(基調講演がベンダーと著名人に寄る)との実質的な違いです。 2025年の目玉登壇者は**NISTのフェローであるDr. Ron Ross氏**でした。NISTのRisk Management FrameworkとSP 800-53を書いた人物であり、この分野でこれ以上ないほど明確な信用の証です。 参加者の構成は次のとおりです。 | 役職層 | 割合 | | --- | --- | | ディレクター | 30% | | 実務担当者 | 23% | | マネージャー | 20% | | VP・SVP・EVP | 11% | | C level | 11% | | その他 | 5% | **ディレクターとマネージャーで合わせて50%を占める、中間層に厚い構成です。** C levelとVP層は合わせて22%にとどまります。日本のベンダーにとっての実務的な意味は明確で、**この会場にいる人は仕様を決められるが、必ずしも決裁はできない**ということです。決裁者が過半を占めるイベントより商談期間は長く見ておく必要があります。 2025年の回では、金融、医療、政府・公共、エネルギー・公益、製造、小売、物流・旅行、テクノロジー、教育の各分野から、**20ヶ国**の参加があったと発表されています。 ### 日本企業の参加は、正直にいってほぼゼロです これは本ガイドで最も率直に書くべき点です。**2026年の参加予定企業リスト(約500組織)を調べたところ、日本企業は一社も含まれていませんでした。** トレンドマイクロ、NTT、日立、富士通、NEC、ソニー、楽天、ソフトバンク、東芝、キヤノン、パナソニック、LAC、セコムのいずれも該当がありません。 **エコシステム全体で唯一の日本企業は、Goldスポンサーとして名を連ねるトレンドマイクロです。** 同社は1988年創業、東京都新宿区に本社を置き、1998年から東証に上場しています(証券コード4704)。ただしこれはスポンサーであって、参加者ではありません。 日本からの参加記録として確認できたのは、**湘南工科大学の梅澤研究室が2018年のInfoSec Worldに参加したという一行の記録だけ**です。研究室の活動記録に「米国フロリダのDisney's Contemporary Resort in Lake Buena Vistaで行われたInfoSec World 2018 Conference & Expoに参画しました.」とあります。報告書も写真も所感もありません。 2025年の「20ヶ国」に日本が含まれていたかどうかは、国別内訳が公開されていないため確認できませんでした。 **つまり、日本人参加者はこの会場で例外的な存在になります。** 日本人交流会のようなものはなく、日本語で話す人もいません。これは関係構築の面では明確な不利です。裏返せば、**日本のセキュリティチームが揃ってRSAに人を送っている中で、ここに行く会社はほぼないため、持ち帰る情報は差別化されます。** ## 会場では実際に何が起きるのか 本会議の3日間は、**8本の並行トラック**で進みます。基調講演が各日の前後を挟み、休憩と昼食は展示ホールで供されます。朝は7時の受付・朝食から始まり、夕方17時30分から19時のレセプションまで続きます。2日目の朝には6時30分のファンラン/ウォークも設定されていました。 ![ガラス屋根に覆われた大規模なアトリウム。熱帯樹木の庭園と遊歩道を、バルコニー付きの客室棟が四方から囲んでいる](https://www.withexpa.ai/conf/2026/infosec-world/gaylord-palms-atrium.jpg) **非英語話者にとって実用的な仕組みが一つあります。全セッションに技術レベルがLOW・MEDIUM・HIGHの3段階で明示されており、印刷物では黒丸の数で表されます。** 英語のセッション名だけでは難易度が読めないため、事前に予定を組むうえでこれは実際に役立ちます。 3日間の本会議に加えて、有料のワークショップが前後に配置されます。過去には2日間のAdversarial Purple Teaming(実習)、Cloud Security Masterclass、CISO向けの取締役会対応講座などが組まれました。2026年はAI Agents、DevOps Security、Purple Team Best Practicesが公表されています。 本会議と並行して**3つのサミット**(AI、Leadership、Women in Cyber)も開催されます。過去にはZero Trust、クラウドセキュリティ、IAM、重要インフラ防護といった技術テーマ別のサミットが組まれていました。**技術テーマ別から参加者層別へと編成が移っており、これはイベント全体が実務担当者よりCISO側に寄ってきている流れと一致します。** 展示フロアについては、期待値を正しく設定してください。出展社は2025年実績で140社、スポンサーは2026年で44社が公表されています。最上位のPlatinum 7社はAnvilogic、Huntress、Strike48、Teramind、Thales、ThreatLocker、Veracodeです。**Thalesを除けば中堅・成長段階のセキュリティベンダーが中心で、Microsoft、Palo Alto Networks、CrowdStrike、Cisco、Fortinet、Zscaler、Oktaはいずれも名前がありません。** **この不在は、このイベントの立ち位置をそのまま示しています。InfoSec Worldは、RSAでは費用対効果が合わない挑戦者側のベンダーが、ディレクター層に直接会うために買う場です。** 出展社の側から見た実際の目標も控えめで、2025年にPlatinumスポンサーだったVeracodeの告知は「ブース#217でデモの予約を」というものでした。契約を締結する場ではなく、デモを予約する場です。 最後に、この記事で最も正直に書かなければならないことがあります。**InfoSec Worldについて、参加者自身が書いた独立した記録は、英語でも日本語でも見つかりませんでした。** 見つかる記事はすべて、主催者CyberRisk Alliance自身の媒体(SC World、CyberRisk TV、Security Weekly)か、スポンサー企業が書いたものです。主催者が媒体を保有し、自社の会場から自社の媒体で放送しているためです。その報道は質が高く引用にも値しますが、**第三者の目ではありません**。したがって「会場の雰囲気がどうだったか」を語る材料は、本ガイドにも存在しません。 ## 参加にいくらかかるのか 参加費は明確に公開されています。**購入時期で4段階に分かれ、2026年8月9日が早期割引の最終期限**です。 | パス | 早期割引3(8/9まで) | 標準(8/10以降) | | --- | --- | --- | | All Access Pass | $3,895 | $4,195 | | Main Conference Pass | $2,295 | $2,495 | | 政府・非営利・教育機関 | $1,795 | $1,895 | ワークショップは別売りで、半日が$495(早期)〜$595(会場)、1日以上が$695(早期)〜$795(会場)です。**ただしAll Access Passの保有者はすべてのワークショップが無料になります。** 含まれるものは次のとおりです。**Main Conference Pass**は基調講演、分科会、朝食・昼食、夜のレセプション2回、展示会場、モバイルアプリ、そして**最大16CPE**。**All Access Pass**はこれに前後のワークショップ、少人数の登壇者セッション、優先席、VIP受付、VIPレセプション、ラウンジ利用が加わり、**約36CPE**になります。 **CPEクレジットが、このイベントの費用対効果を説明する最も現実的な材料です。** CISSPやCISMなどの資格保有者は毎年の継続教育単位が必要ですが、All Access Passはおよそ36CPEを一週間でまとめて取得できます。セッションの内容とは別に、これは社内稟議で数字として説明できる価値です。なお各資格の年間必要単位数までは確認していないため、貴社の保有資格に当てはめて計算してください。 注意点も2つ書いておきます。 **1つ目は、2025年に販売されていた展示会のみのパス(標準$895)が、2026年の公開価格表に見当たらないことです。** 海外からの視察者にとって最も安い入口だっただけに、廃止されたのか別経路で販売されているのかは確認できていません。現時点で公開されている最安の入口は政府・非営利・教育機関向けの$1,895、一般では$2,495です。 **2つ目は、価格が近年かなり上がっていることです。** 2023年に配布された案内資料には翌年分として最上位$2,995、Main Conference $1,595という価格が載っています。2026年の標準価格は$4,195と$2,495です。ただしこの2024年の数字は販促資料のもので早期価格の可能性があり、**正確な上昇率として提示できる根拠がありません**。上がっている方向は明らかですが、割合は断定を避けます。 渡航費・宿泊費・参加費を合わせた出張総額は、乗継の有無と滞在日数で大きく変わります。貴社の条件での概算は、下のツールで数分で試算できます。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか 判断基準は一つです。**貴社が知りたいのは「製品」か「運営」か**です。製品と業界動向ならRSA、攻撃研究ならBlack Hat、そして**自社のセキュリティ組織をどう作り、どう回し、どう経営層に説明するかならInfoSec World**です。 **行く価値がある方。** 事業会社でセキュリティ組織を率いている、あるいはこれから立ち上げる立場の方です。理由は登壇者にあります。AbbVie、Marsh、T-Mobile、JPMorgan Chase、Capital Oneで実際に現場を回している人が、自分の組織の話をします。取締役会への説明、燃え尽き対策、CISO個人の法的責任といった、日本ではまだ言語化されていない論点が正面から扱われます。「**製品を選びたい」ではなく「制度と組織を作りたい」段階の方には、4.3万人のRSAより2,500人のこちらのほうが密度が高くなります。** 同じ経営層向けの論点をアナリストの整理で聞きたい場合は、[Gartner Cybersecurity & Risk Management Summit](/conf/2027/gartner-cybersecurity-risk-management-summit)が競合します。あちらは調査会社の枠組み、こちらは現役CISOの実務という違いです。 **CISSPやCISMを保持している方にも、明確な計算が立ちます。** All Access Passで約36CPE、しかもワークショップがすべて無料になります。資格維持の継続教育を一週間でまとめられる点は、参加費$4,195に対する現実的な回収根拠になります。 **行かなくてよい方。** 製品を横断的に比較したい方、調達先の候補を一度に見たい方です。出展社は140社で、しかもMicrosoft、Palo Alto Networks、CrowdStrike、Cisco、Fortinetといった主要ベンダーは出ていません。同じ目的なら、出展社600社超で$149の展示会パスがあるRSA Conferenceのほうが圧倒的に効率的です。**最新の攻撃手法や脆弱性研究を追いたい方も対象外です。** そちらはBlack Hatの領域です。 **関係構築や人脈づくりを主目的にする方にも勧めません。** 参加予定企業リスト約500社に日本企業は一社もなく、日本人交流会もありません。[KubeCon + CloudNativeCon North America](/conf/2026/kubecon-cloudnativecon-north-america)のように日本人参加者が集まる仕組みがあるイベントとは前提が違います。**貴社の担当者は、この会場で終始一人になります。** 英語で議論に入れる人材を出せない場合、投じた$4,195と17時間の移動に見合う成果は出ません。 **費用について、最後に率直な注意を。** InfoSec Worldの最上位パス$4,195は、RSA Conferenceの最上位$2,995より高額です。規模は17分の1です。これは「小さいのに高い」のではなく「規模ではなく密度と教育に課金している」という設計ですが、**その説明を社内でできないなら、稟議は通りません。** CPEクレジットと登壇者の実名を根拠にするのが、最も通しやすい書き方です。 判断の前提として、2つの空白も共有します。 **一つ目は、来場者数が一度も検証されていないことです。** 主催者は2025年の回について「record attendance(過去最高の来場者数)」と発表しましたが、**数字を公表していません**。監査された参加者数はどの回にも存在せず、唯一の数字である「2,500人以上」も将来に向けたマーケティング上の表現です。出展料金表も公開されていません。 **二つ目は、参加者自身の声が存在しないことです。** 英語でも日本語でも、独立した参加記が見つかりませんでした。主催者が媒体を保有しているため、記事はすべて主催者かスポンサーが書いています。日本語の情報に至っては、2006年のITmediaによるセッション報道と、2018年の大学研究室の一行の記録しかありません。**このイベントの実像を日本語で調べても何も出てこないのは、貴社の調べ方の問題ではありません。** 貴社の体制と目的を踏まえた参加判断のご相談は、下記からどうぞ。 ## よくあるご質問 ### InfoSec World 2026の参加費はいくらですか? Main Conference Passが標準$2,495、全日程が含まれるAll Access Passが$4,195です。政府・非営利・教育機関向けは$1,895です。2026年8月9日までの早期割引なら、それぞれ$200〜$300安くなります。 ### 会場はディズニーのコロナドスプリングスですか? 違います。2026年からGaylord Palms Resort & Convention Center(フロリダ州キシミー)に変わりました。2025年までのディズニー系会場を載せたままの情報サイトが多いため、注意してください。 ### RSA Conferenceとどちらに行くべきですか? 目的が違います。RSAは4.3万人規模で製品と業界動向を一望する場、InfoSec Worldは2,500人規模で現役CISOの実務を聞く場です。ただし価格は逆転しており、InfoSec Worldの最上位パス$4,195はRSAの$2,995より高い水準です。 ### 日本企業は参加していますか? ほとんどしていません。2026年の参加予定企業リスト約500社に日本企業は一社も含まれていません。日本企業はトレンドマイクロがGoldスポンサーとして名を連ねるのみです。日本からの参加記録は2018年の大学研究室が一件だけです。 ### 日本からの直行便はありますか? ありません。東京からオーランドへの定期直行便はなく、シカゴ、ダラス、アトランタなどで乗り継いで片道およそ16〜17時間かかります。空港から会場までは車で約20分です。 ### CPEクレジットは取得できますか? できます。Main Conference Passで最大16CPE、All Access Passで約36CPEです。CISSPやCISMの資格維持に必要な継続教育単位を1週間でまとめて取得できるため、社内稟議で説明しやすい費用対効果があります。