# CAMX 2026完全ガイド:日本企業が参加する価値はあるか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2026/camx 開催:CAMX(アトランタ) 最終更新:2026-08-06 CAMX 2026は、2026年9月21日〜24日にアトランタのGeorgia World Congress Centerで開催される、北米最大級の複合材料・先端材料の展示会です。主催は業界団体のACMAと技術者団体のSAMPEで、特定のベンダーが売りたい製品を持たない構造になっています。**日本企業にとってこの展示会が特別なのは、参入コストの低さです。展示フロアを見て回るだけなら参加費は$95、10フィート四方のブースは$4,100で、いずれも公開価格です**。 さらに羽田からアトランタへは毎日1往復の直行便があります。そして最も重要な点として、炭素繊維の世界上位3社は東レ、帝人、三菱ケミカルであり、**この業界で日本企業は買い手ではなく供給側です**。 この記事では、価格の全体像、日本企業の実際の出展実績、そして$2,000で買える登壇枠まで、判断に必要な材料を出します。 - 来場者(2025年実績): 約6,000人 - 出展社数: 約600社 - 展示会パス: $95 - ブース(10フィート角): $4,100 ## CAMXとは何の展示会か CAMX(the Composites and Advanced Materials Expo)は、複合材料と先端材料を扱う北米最大級の展示会です。2015年に、業界団体ACMAと技術者団体SAMPEがそれぞれ開いていた北米の展示会を統合して発足しました。それまで北米市場を狙う企業は2つの展示会から選ぶ必要がありましたが、現在は1つです。 **この展示会の性格を最もよく表すのは、対象市場のリストです**。 CAMXが掲げる21の市場セグメントは次のとおりです。 航空宇宙・航空機、建築、自動車、バス・浴槽、建設、消費財、電子機器、エネルギー(発電その他)、エネルギー(風力)、産業、インフラ、船舶、大量輸送、医療、軍事・政府向け、パイプ・タンク、レクリエーショナルビークル、ソリッドサーフェス・キャストポリマー、宇宙、スポーツ用品、プール。 **航空宇宙と風力発電が、浴槽とプールの隣に並びます**。 複合材料は1つの市場ではなく、互いに無関係な21の市場に売られる素材の一族であり、それを一度に扱う北米の展示会はCAMXだけです。 床にあるものの幅も、日本の読者が想像するより広いです。2023年のアトランタ開催に出展したミキ産業は、対象がFRP(繊維強化プラスチック)そのものに限られず、その周辺の副資材、離型剤、接着剤、加工ツールまで数多く展示されると説明しています。**炭素繊維や樹脂のメーカーでなくても関係がある展示会だという点は、日本企業が最も誤解しやすいところです**。 2025年に出展した積水化成品工業は、この展示会を日本語の告知でこう表現しています。 > 「複合材料、並びに先端材料に関する北米最大規模の展示会」 規模の数字には2通りの数え方があるので、両方を書いておきます。CAMX自身は**出展社数を「約600社」、そこに出展するブランド数を「800以上**」としています。一方、業界誌CompositesWorldは「500以上の出展」と書きます。600は企業を数えた数字、800はブランドを数えた数字、500は業界誌が使う数字です。 そして、来場者数の推移については正直に書く必要があります。 | 開催年 | 開催都市 | 来場者 | 出展社 | | --- | --- | --- | --- | | 2016 | アナハイム | 7,987人 | 非公表 | | 2019 | アナハイム | 7,600人(当時の最高) | 521社(当時の最高) | | 2023 | アトランタ | 非公表 | 525社(最高記録) | | 2024 | サンディエゴ | 6,300人超 | 非公表 | | 2025 | オーランド | 約6,000人 | 500社超 | | 2026 | アトランタ | 6,000人超(予定) | 約600社(主催者発表) | **来場者数は2016年の約8,000人を頂点に、6,000人前後まで落ちています**。 一方で出展社数はほとんど減っていません。2019年の521社に対して2025年は500社超です。**フロアの規模は当時のままで、そこを歩く人が2割ほど減った、というのが実態です**。 2023年の出展社数記録をもって成長中だと読むのは正確ではありません。 なお2026年がアトランタに戻る点には意味があります。**その出展社記録525社と、13万平方フィートを超える過去最大の展示フロアを記録したのが、2023年のアトランタ開催です**。 この都市はこの展示会に合っています。 ## いつ・どこで開催されるのか 会議は2026年9月21日(月)〜24日(木)、展示会は22日(火)〜24日(木)です。会場はアトランタのGeorgia World Congress Center Building C(285 Andrew Young International Blvd NW)です。 ![青空の下に立つGeorgia World Congress Centerの外観。正面のガラス面を白い鉄骨トラスが斜めに横切り、その上の赤い帯に施設名が掲げられている。手前は芝生と花壇](https://www.withexpa.ai/conf/2026/camx/gwcc-entrance.jpg) **会議と展示会は同じ4日間ではありません。ここを取り違えると日程が1日ずれます**。 | 曜日 | 展示フロアの開場時間 | | --- | --- | | 火曜 | 10時〜17時 | | 水曜 | 9時〜17時 | | 木曜 | **9時〜13時** | 展示フロアは木曜の13時に閉まります。**フロアを見ることだけが目的なら、必要なのは火曜から木曜昼までであって、月曜からの4日間ではありません**。 移動条件は、この一連の記事で扱ってきた米国の展示会の中で最も良い部類です。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | **デルタ航空が羽田〜アトランタを毎日1往復運航**(週7便) | | 所要時間 | 往路DL294が約12時間50分、復路DL295が約14時間 | | 乗り継ぎ | 不要 | | アトランタ空港 | 米国内150都市以上、40カ国以上の海外70都市以上に就航。1日の発着は約2,100回 | **乗り継ぎが不要な点は、想像以上に効きます**。 米国の展示会に行ったことのない日本の技術者にとって、渡航をためらわせる要因は乗り継ぎでの手荷物リスクと片道17時間の移動日です。羽田から12時間50分の1本で着く行程は、その両方を消します。アトランタはデルタの世界最大のハブなので、便のスケジュールも安定しています。 気候も日本人には扱いやすい条件です。アトランタの9月は、日中の最高気温が月初の約30°Cから月末には約25°Cまで下がり、最低気温は21°Cから16°Cへ推移します。湿度は71〜74%と高く、月間の降水量は85〜90mm程度です。**9月下旬のアトランタは、9月上旬の東京とよく似ています**。 荷造りを特別に変える必要はありません。 **知っておくと役立つこと** Georgia World Congress Centerは全米有数の規模で、施設全体は約390万〜410万平方フィート、展示スペースだけで約140万〜150万平方フィートを12のホールに分けて持ちます。CAMXが使うBuilding Cには4つの展示ホールと25,700平方フィートのGeorgia Ballroomがあります。ただしCAMXがこの建物を埋めるわけではありません。2023年のアトランタ開催で使ったのは13万平方フィート超、約12,100m²で、東京ビッグサイト東ホール1つ分(8,670m²)の1.5倍ほどです。巨大な建物の一角を使う展示会だと考えてください。混雑を心配する必要はなく、初日から落ち着いて歩けます。会場のあるBuilding Cは会議室も同じ建物内にあるため、KubeConやGTCのように市内を屋外で歩き回る必要もありません。 ## 誰が主催しているのか 主催は**ACMAとSAMPEの2団体**です。企業でもメディア企業でも展示会運営会社でもありません。この構造は、これまで扱ってきた展示会と根本的に違います。 | イベント | 主催者 | アジェンダを決めるもの | | --- | --- | --- | | Dreamforce、AWS re:Invent、Microsoft Ignite | ベンダー | 主催者の製品を売ること | | KubeCon | ソフトウェア財団 | 共有オープンソースの統治 | | Gartner IT Symposium | 調査会社 | 調査サービスの販売 | | **CAMX** | **業界団体+技術者団体** | **業界そのもの** | **ACMAもSAMPEも複合材料を売っていません**。 どちらも複合材料を売る企業に所有されてもいません。**この展示会には押し込むべき製品が存在しない**ということであり、だからこそ技術会議のプログラムは査読制で、展示フロアとは別の委員会が担当しています。 **ACMA(American Composites Manufacturers Association**) は「複合材料業界の統一された声」を掲げる業界団体で、北米のFRP複合材料サプライチェーン全体、つまり流通、供給、そしてあらゆる規模の製造業者を代表します。本部はバージニア州アーリントン、President and CEOはCindy Squires氏です。CAMXにACMAが持ち込むのは商業側です。成形業者、モルダー、流通、樹脂とガラスの供給者、そしてパイプ・タンクや船舶やプールの市場がここから来ます。来場者の39%が複合材料の製造・成形業者である理由も、対象市場リストがプールまで届く理由も、ここにあります。 **SAMPE(Society for the Advancement of Material and Process Engineering**) は1944年設立の技術者団体で、世界の会員は約15,000名です。組織は4つのリージョンに分かれ、**そのうち1つが日本です**。 CEOはRebekah Stacha氏です。CAMXにSAMPEが持ち込むのは技術側です。査読付きの会議プログラム、大学研究シンポジウム、学生ポスターセッション、そして大学と国立研究所からの参加者(来場者の6%)がここから来ます。 Stacha氏によるこの展示会の説明が、最も的確な一文です。 > "What makes CAMX so impactful is its ability to bring together every part of the supply chain, from researchers and engineers to manufacturers and end-users." 研究者と技術者から製造業者とエンドユーザーまで、サプライチェーンのあらゆる部分を一堂に集められることが、CAMXの影響力の源だという趣旨です。 **日本企業にとって重要なのは、SAMPEに日本の組織がある点です**。 SAMPE日本支部にあたる**一般社団法人先端材料技術協会(SAMPE Japan)は1984年設立**で、2024年に40周年を迎えました。同協会は東京ビッグサイトで**SAMPE Japan 先端材料技術展**を2018年から毎年開催しており、東レ、三菱ケミカル、三菱ガス化学、旭化成、芝浦機械などが出展しています。 **つまりCAMXと日本の展示会は、同じ組織が運営しています**。 SAMPE Japanは CAMXの競合ではなく姉妹組織であり、渡航を検討する日本企業にとって最初の相談先として自然な存在です。実際、CAMXの出展営業担当3名のうち、「西海岸および海外」を担当する2名はいずれもSAMPE所属です。**日本企業がブースを問い合わせた場合、応対するのは業界団体ではなく技術者団体の側になります**。 ## どんな企業が参加・出展しているのか 来場者の内訳は、CAMXが2025年の登録データとして公開しています。アンケートではなく登録実績である点で、他の展示会の自己申告より信頼できます。 | 企業種別 | 割合 | | --- | --- | | 複合材料の製造・成形・モルダー | **39%** | | サプライヤー | 18% | | エンドユーザー(消費財・産業財の製造) | 11% | | 流通 | 8% | | その他 | 7% | | 学術機関 | 6% | | 政府・軍 | 4% | | 団体・コンサルタント・第三者 | 4% | | 設計・エンジニアリング会社 | 3% | 職種の内訳が、この展示会の最大の特徴です。 | 職種 | 割合 | | --- | --- | | 技術者 | **21%** | | 営業・マーケティング | **21%** | | 社長・CEO・オーナー | **18%** | | 経営管理(財務・人事・事業責任者) | 10% | | 研究開発・研究者 | 9% | | 生産・製造 | 6% | | 購買・積算 | 4% | | その他 | 8% | | 学生 | 3% | **これは一連の記事で扱ってきた中で最もバランスの取れた会場です**。 技術者と研究者を合わせて30%、営業・マーケティングが21%、オーナーと経営管理を合わせて28%。Gartner IT Symposiumは経営層が56%で技術者が2%、KubeConは実務技術者が61%で商業側が20%でした。CAMXは両方が同じホールにいます。素材を選定する人と、それを買う人が、50人規模の会社では同じ人物であることが多い業界だからです。 **そして18%が社長・CEO・オーナーです**。 中小の成形業者が数多く存在するこの業界では、意思決定者本人がフロアを歩きます。**日本のサプライヤーが購買部門を突破する必要がありません**。 来場者が挙げる参加目的の第1位も重要です。CAMXの調査では「**まだ知らない企業を見つけて知ること**」が最も長い棒グラフで、業界動向の把握、業界理解、商談、競合調査がそれに続きます。**初出展の外国企業は、この会場では邪魔者ではなく、来場者が探しに来ているものそのものです**。 ### 日本企業はすでにここにいます これは、これまで扱ってきた展示会と正反対のパターンです。KubeConの日本企業出展社数はゼロ、Gartner IT Symposiumは1社でした。**CAMXでは日本の素材メーカーが定着しており、一部は運営にも関わっています**。 CAMXが名前を挙げるパートナーは、Airtech、Composites One、Interplastic、Owens Corning、**帝人**、**東レ**の6社です。**うち2社が日本企業です**。 米国最大のガラス繊維メーカーであるOwens Corning、北米最大の複合材料流通であるComposites Oneと同じ列に、東レと帝人が並びます。 | 企業 | CAMXでの実績 | | --- | --- | | 東レ | 公式パートナー。Toray Advanced Compositesが2025年の出展社名簿に掲載。ステアリング委員会にも同社の名前があります(ただし公開されている委員名簿は2020年時点のものです) | | 帝人 | 公式パートナー。Teijin Carbon Americaが2023年に小間S8、2025年に小間N13で出展。2026年もCompositesWorldが同社の製品を取り上げています | | 三菱ケミカル | Mitsubishi Chemical Carbon Fiber and Compositesが2026年の会議プログラムの講演者略歴に登場 | | 積水化成品工業 | 2025年に**小間R86**で出展。ポリエステルフォームのST-Eleveatと硬質アクリルフォームのフォーマックを展示 | | ミキ産業 | 2023年のアトランタ開催で出展。2022年秋にも出展 | **なぜ日本企業がここにいるのか**。 炭素繊維の世界上位3社が東レ、帝人、三菱ケミカルだからです。日経ビジネスは東レを世界シェア首位、帝人を世界トップクラス、三菱ケミカルグループを世界シェア約10%と報じています。3社合計のシェアについては、集計年や売上高基準か数量基準かによって推計が約50%から70%まで開くため、**この記事では単一の数字を出しません**。 **構造として押さえるべきなのはここです**。 クラウドソフトウェアやエンタープライズITでは、日本企業は米国の技術を買う側でした。**炭素繊維では、買い手が米国の航空宇宙産業で、供給側が日本です**。 この展示会はその逆転をそのまま反映しています。日本の成形業者、樹脂メーカー、機械メーカー、フォームメーカーがCAMXに来るということは、自国の最大手がすでに売っている場所に来るということです。 そして、日本のパビリオンはありません。**積水化成品工業もミキ産業も、自社の名前で単独出展しています。大手の陰に隠れる心配がない代わりに、席は空いています**。 ## 会場では実際に何が起きるのか 中身は4つに分かれます。展示フロア、査読付きの技術会議、学生の研究発表、そして表彰です。 **技術会議は100以上のセッションで構成されます**。 2026年の基調講演者はKevin Gaskell氏で、BMW GB、ポルシェGB、ランボルギーニGBのグループCEOを歴任した人物です。2025年はフォード・モーターの元フューチャリストであるSheryl Connelly氏でした。 ![暗く広いボールルーム。ステージの登壇者を映す大型スクリーンが左右に吊られ、手前は後ろ姿の聴衆で埋まっている](https://www.withexpa.ai/conf/2026/camx/gwcc-general-session.jpg) 2025年の実績で規模感を示すと、CAMX Awardsのファイナリスト29社、ACMAのACE Awardsのファイナリスト40社、出展社によるCAMX Theaterのプレゼンテーション14件、そして学生のポスター発表24件でした。 **日本から入る公式の経路が、この展示会には存在します**。 CAMXの中で開かれる**University Research Symposium(URS**) は、北米で選抜された学生が学士・修士・博士の3カテゴリーで研究成果を発表するプログラムで、**博士課程の優勝者はヨーロッパと日本で開かれるSAMPE国際会議に招待されます**。 そしてSAMPE Japanは、このプログラムにゲストスピーカーを派遣しています。 2024年のサンディエゴ開催にSAMPE Japanから派遣された岐阜大学大学院の大石利樹氏が、参加報告を公開しています。**これが日本語で読める唯一のまとまった一次報告です**。 会場の構成について、同氏はこう書いています。 > 「CAMX の会場内は企業による展示と研究発表の2つのエリアに分かれていた.展示エリアでは各メーカーのブースにて材料のサンプルや成型品のサンプル,また複合材料向けの成形機械の展示があった.」 初めて行く日本人が最も気にする点についても、率直な記述があります。 > 「展示にはアメリカ以外にも日本やヨーロッパなど幅広い国から参加している企業が多くあり,国際色の強い展示会だと感じた.また各ブースでは国籍に関係なく各企業が交流している様子もみられた.」 **英語については、両面を書いておきます**。 同氏は自身の発表を振り返って、質疑応答で伝えきれなかった部分が多いと感じたと書き、さらに踏み込んでこう記しています。 > 「研究に関する議論はもちろんのこと,プライベートな場でもより深いコミュニケーションを取るためには現在の英語スキルだけでは不十分と痛感した.」 同時に、迎える側の空気についてはこう書いています。 > 「北米の学生はとてもフレンドリーであり,疎外感無く交流することができた.」 **英語の壁は実在し、そのうえで排除はされない**。 これが、この展示会について日本語で読める最も正直な記述です。 表彰制度も、日本企業にとっては安価な露出手段です。CAMX AwardsとACE Awardsはいずれも公募で、応募自体に費用はかかりません。ファイナリストは展示フロアの表彰パビリオンで紹介され、結果は帰国後に日本語の広報で使えます。実際、SAMPE Japanの展示会の案内には「CAMX装置部門賞受賞」と紹介される大型3Dプリンターが登場します。**日本企業が受賞した実績があるということです**。 もう1つ、費用がかからない露出があります。公式メディアパートナーであるCompositesWorldは、開催前に出展社の製品発表を「CAMX 2026」のタグで記事にしています。2026年は帝人のTeijin Carbonが高速硬化プリプレグと熱可塑性複合材で取り上げられました。**製品に新規性があれば無償で獲得できる業界誌の露出であり、$3,000の有料メール配信より先に検討すべき手段です**。 ## 参加・出展にいくらかかるのか **展示フロアを見るだけなら$95です**。 これがこの記事で最も重要な数字です。 参加登録には3つの価格帯があります。早期(5月29日まで、終了)、通常(5月30日〜9月11日)、当日(9月12日以降)です。 **Full Conference Pass**(全会議セッション、General Session、ウェルカムレセプション、展示フロアの教育プログラム) | 区分 | 早期 | 通常 | 当日 | | --- | --- | --- | --- | | 会員 | $695 | $795 | $895 | | 非会員 | $995 | $1,095 | $1,195 | **Expo Hall + Pass**(展示フロア、General Session、ウェルカムレセプション、展示フロアの教育プログラム) | 区分 | 早期・通常 | 当日 | | --- | --- | --- | | 全員一律 | **$95** | $105 | **学生**は会員$120、非会員$165です(当日はそれぞれ$170、$210)。追加プログラムはチュートリアルが$225(学生$50)、SAMPE表彰式が$25、初参加者向け朝食会が$20です。 **$95という価格の意味を、他の展示会と並べて確認してください**。 Gartner IT Symposiumの参加費は$8,200、KubeConの法人パスは$1,798、SuiteWorldは$2,195でした。**CAMXは、この一連の記事で扱った中で、様子を見に行くための費用が桁違いに低い展示会です**。 日本円で約1万4,000円、社内の稟議に載せる必要すらない水準です。 通常価格の締切は**9月11日**で、開催のわずか10日前です。ここを逃すと非会員の会議参加者で$100増えます。なお会員価格の適用にはACMAまたはSAMPEの会員資格が必要ですが、**その年会費は確認できませんでした。** 会員になるべきかを判断するには、両団体に直接照会してください。 ### 出展費用は公開されています これも他の展示会と大きく違う点です。**CAMXは小間料金の価格表を公開しています**。 | 区分 | 料金 | | --- | --- | | 100〜1,000平方フィート | **1平方フィートあたり$41** | | 1,100平方フィート以上 | 1平方フィートあたり$40 | | 角小間 | 1角につき$410の追加 | 具体的に計算するとこうなります。 | ブース | 面積 | 小間料金 | 角1つ付き | | --- | --- | --- | --- | | 10ft × 10ft | 100平方フィート | **$4,100** | $4,510 | | 10ft × 20ft | 200平方フィート | $8,200 | $8,610 | | 20ft × 20ft(島) | 400平方フィート | $16,400 | $18,040(4角) | **10フィート四方で$4,100です**。 KubeConの最安ブース$12,000の3分の1であり、しかも営業担当と話す前に予算化できる公開価格です。小間料金には8フィートのバックウォール、3フィートのサイドウォール、社名サインが含まれます。ただし**輸送費、搬入費、装飾造作、電気工事、人件費、渡航費はすべて別途で、価格表には載っていません**。 スポンサーは固定パッケージではなく、支出総額でティアが決まります。Contributorが$4,999以下、Supporterが$5,000〜14,999、Premierが$15,000〜29,999、Eliteが$30,000以上です。**$5,000未満でも公式に「CAMX Sponsor」を名乗る権利が得られる**構造で、入口は$400のドアサインや$1,500のウェビナーです。 **そして、この記事で出展検討中の企業に最も注目してほしいのがここです**。 | 項目 | 価格 | 枠数 | | --- | --- | --- | | **CAMX Theater 登壇(25分**) | **$2,000** | 16 | | **CAMX Theater 登壇(50分**) | **$3,000** | 16 | | モバイルアプリのプッシュ通知 | $3,000 | 4 | | 開催前メール配信 | $3,000 | 10 | | 開催前のウェビナーと動画発表 | $4,000 | 3 | | 登録バッグへの同梱(3,000部) | $3,500 | 12 | **展示フロア上の登壇枠が$2,000から買えます**。 日本国内の展示会にブースを1つ出す程度の金額です。これまで扱ってきた展示会は、登壇枠をそもそも販売しないか、6桁ドルのスポンサーシップに束ねているかのどちらかでした。**しかも2025年は16枠のうち14枠しか売れていません**。 交渉の余地がある枠だということです。 ただし人気の高い項目は早く埋まります。2026年7月9日付の出展案内の時点で、基調講演スポンサー($30,000)、展示ホール入口($25,000)、ランヤード($20,000)、CAMX Awards($17,000)など**8項目がすでに完売**していました。独占枠は原則として残っていないと考えるのが安全です。 **確認できなかった費用も明記しておきます**。 羽田〜アトランタの往復航空券の実勢価格、アトランタのホテル料金と公式宿泊ブロックの条件、そしてACMAとSAMPEの年会費は、いずれも一次情報を取れませんでした。**参加費と出展費が安いこの展示会では、総額のほぼすべてが航空券とホテルで決まります**。 そこが未確認である点は、率直にお伝えしておきます。 ## 日本企業にとって行く価値はあるか(率直な評価) **北米市場に複合材料や関連資材を売りたい日本企業にとって、これは一連の記事で扱った中で最も参入障壁が低い展示会です。まず$95で見に行くべきです**。 判断を難しくする要素がほとんどありません。参加費は$95、羽田から乗り継ぎなしで12時間50分、9月のアトランタは9月上旬の東京とほぼ同じ気候、そして会場には自国の最大手がすでにパートナーとして名を連ねています。**費用構造も特殊です。この展示会に行く総額は、ほぼ航空券とホテルだけで決まります**。 参加費が$8,200だったGartner IT Symposiumとは正反対の比率です。 **行くべき企業**。 北米に売りたい素材メーカー、そして**炭素繊維や樹脂以外の企業です**。 副資材、離型剤、接着剤、加工ツール、フォーム、成形機械はいずれもこのフロアの主要カテゴリーであり、積水化成品工業もミキ産業もその側の企業です。新規性のある材料や装置を持つ企業には、応募無料の表彰制度と、CompositesWorldの無償の製品記事という2つの露出経路があります。大学と研究機関にも、URSとSAMPE Japan経由という明確な経路があります。熱可塑樹脂の成形設備が本業であれば、3年に1度の[NPE](/conf/2027/npe-plastics-show)のほうが機械の台数で勝ります。金属材料と冶金の議論を追う立場なら、3月オーランドの[TMS](/conf/2027/tms-meeting-exhibition)です。 **出展を検討すべき企業**。 $4,100の小間と$2,000の登壇枠を組み合わせれば、装飾と渡航を含めても、日本の大型展示会に出るのと大きく変わらない規模で北米デビューができます。来場者の18%が社長・オーナーで、来場目的の第1位が「まだ知らない企業を見つけること」である以上、**初出展であることは不利ではなく、むしろ来場者が求めているものです**。 **行かなくてよい企業**。 世界に向けた企業としての位置づけが目的なら、行き先はパリのJEC Worldです。**日本の複合材料企業にとって既定の海外展示会は、アトランタのCAMXではなくパリのJECです**。 東レ、三菱ケミカル、東レエンジニアリングはいずれもJEC Worldについて日本語のプレスリリースを出しますが、**CAMXについて日本語で発表した大手3社の例は見つかりませんでした**。 大手はCAMXを米国子会社の地域営業活動として扱い、JECを企業としての発信の場として扱っています。使い分けは明確です。**北米に売るならCAMX、世界に見せるならJEC**。 国内の顧客を探しているだけの企業も、東京ビッグサイトのSAMPE Japan 先端材料技術展で足ります。北米で軽量化そのものを売り込みたい場合は、板金と溶接が集まる[FABTECH](/conf/2027/fabtech)のほうが、置き換え先の工程を持つ来場者に会えます。 **期待値の調整も2つしておきます**。 1つは規模です。来場者は2016年の約8,000人から6,000人前後まで、2割ほど減っています。出展社数は保たれているので、**フロアは大きいまま、歩く人が減った展示会**だと理解して行くのが正確です。もう1つは英語です。SAMPE Japanから派遣された参加者が、技術的な質疑にも私的な会話にも今の英語力では不十分だったと率直に書いています。同じ人が、北米の参加者は友好的で疎外感はなかったとも書いています。**壁は実在し、そのうえで排除はされません**。 **最後に、この記事の限界も明かしておきます**。 CAMXについては、**独立した参加者の体験記がどの言語にも存在しません**。 読めるのは出展社の告知、主催者自身の開催報告、そして契約関係にある公式メディアパートナーの記事です。参加者が技術者と中小企業の経営者であり、彼らはブログを書かないためです。**唯一、批判的な視点を含む一次報告が岐阜大学の参加報告ですが、それもSAMPE Japanの派遣によるものです**。 つまりこの記事が描くフロアの姿は、この展示会が成功することに利害を持つ人々の記述から組み立てられています。$95という金額は、その不確かさを自分の目で確かめるための費用としても、十分に安い部類です。 貴社の人数と為替を前提にした出張総額の試算、そして出展か視察かの見極めについては、下記からご相談いただけます。 ## よくあるご質問 ### CAMX 2026はいつ・どこで開催されますか? 会議は2026年9月21日〜24日、展示会は22日〜24日です。会場はアトランタのGeorgia World Congress Center Building Cです。展示フロアは木曜13時に閉まるため、展示だけが目的なら火曜から木曜昼までの日程で足ります。 ### CAMX 2026の参加費はいくらですか? 展示会だけなら$95です。会議も聴く場合は非会員$1,095、ACMAまたはSAMPEの会員なら$795です(いずれも9月11日までの通常価格)。9月12日以降は$100上がります。学生は会員$120、非会員$165です。 ### 日本からアトランタへの直行便はありますか? あります。デルタ航空が羽田〜アトランタを毎日1往復運航しており、往路は約12時間50分、復路は約14時間です。乗り継ぎが不要な点が、この規模の米国展示会としては例外的です。アトランタはデルタの世界最大のハブで、運航は安定しています。 ### 出展費用はいくらですか? 小間料金は1平方フィートあたり$41で、10フィート四方(100平方フィート)なら$4,100です。1,100平方フィート以上は$40、角小間は1角につき$410の追加です。CAMXは価格表を公開しているため、商談前に予算を組めます。輸送費や装飾費は別途必要です。 ### 日本企業も出展していますか? しています。東レと帝人はCAMXの公式パートナーに名を連ねています。積水化成品工業は2025年に小間R86で出展し、ミキ産業は2023年のアトランタ開催で出展しました。炭素繊維の世界上位3社は東レ、帝人、三菱ケミカルであり、この業界で日本企業は買い手ではなく供給側です。 ### JEC World(パリ)とどう違いますか? 狙う市場が違います。JEC Worldは複合材料の世界的な旗艦展示会で、日本の大手3社はいずれも日本語のプレスリリースを出します。CAMXは北米市場に特化した展示会です。世界に向けた位置づけならJEC、北米に売るならCAMXという使い分けになります。