# American Chemical Manufacturing Summit 2026完全ガイド:招待制サミットに日本企業が参加する価値はあるか URL:https://www.withexpa.ai/conf/2026/american-chemical-manufacturing-summit 開催:American Chemical Manufacturing Summit(ヒューストン(テキサス州)) 最終更新:2026-08-06 American Chemical Manufacturing Summit 2026は、2026年12月9日〜10日にヒューストンのRoyal Sonesta Houston Galleriaで開かれる、化学メーカーの経営層向けサミットです。最初に押さえるべき点が一つあります。これは展示会ではありません。買えるブースも一般販売のチケットもなく、審査を通った化学メーカーの幹部は無料で招待され、費用を負担するのは彼らに売り込みたい側です。日本の読者が展示会の常識のまま臨むと、そもそも自社がどちらの立場で行くのかという前提から間違えます。本ガイドは、その仕組みと費用、そしてすでに参加している日系7社の顔ぶれを整理します。 - 想定デリゲート数: 約120名 - 2025年実績(提供企業含む): 140名超 - デリゲート参加費: 無料(審査あり) - 羽田〜ヒューストン直行: 約12時間20分 ## American Chemical Manufacturing Summitとは何のイベントか 化学メーカーの意思決定者と、彼らに売り込むソリューション提供企業を、事前に組んだ1対1の商談で引き合わせるための招待制サミットです。業界団体の展示会でも学会でもなく、商談マッチングを商品として設計された催しです。 仕組みは主催者自身がFAQで公開しています。4段階です。 1. **プロフィール作成**。 契約したスポンサーが、自社ソリューションの説明を提出します。 2. **デリゲートによる選択**。 開催の数週間前に、確定したデリゲートがすべてのスポンサープロフィールを読み、いま自社が抱える課題に照らして会いたい企業を選びます。 3. **スケジュール生成**。 主催者側のアルゴリズムが、個別の商談スケジュールを組みます。主催者の表現では「あなたに会いたいと明示的に希望したエグゼクティブとのアポイントで埋まった」日程表です。 4. **配信**。 完成した日程表は開催の約1週間前に届きます。 商談の推奨形式は「簡潔な15〜20分のプレゼンまたはデモ」とされています。加えて、終了後にスポンサーへ**連絡先を含む最終デリゲートリスト**が渡されます。上位のThought Leadership Partner以上には、年間を通じた露出プログラム「Marketing 365®」も付きます。 この設計から、日本企業にとっての判断は珍しい形で二択になります。貴社が化学を作る側なら、審査を通れば無料で参加できます。化学メーカーに売る側なら、安い入り口はありません。ブースもなく、当日飛び込みで入る手段もありません。 デリゲート側がこの2日間をどう受け取っているかは、主催者が掲載する感想からある程度読めます。カナダの配管材メーカーIPEXのCem Ozturk氏の一文が最も率直です。 > よく組織されたサミットでした。Ipexのチームとして、知識を得て、当社の役に立つベンダーとつながることができました。 ベンダーに会いに行き、ベンダーに会った。それがこの催しの正味の内容です。掲載元は主催者であり、中立な取材記録ではない点は差し引いてお読みください。 ## いつ・どこで開催されるのか 2026年12月9日〜10日の2日間、Royal Sonesta Houston Galleria(2222 W Loop S, Houston, TX 77027)で開催されます。会場はダウンタウンではなく、The Galleria周辺のアップタウン地区です。2025年はJW Marriott Houston by The Galleriaで開かれており、同じ地区内で会場だけが変わりました。どちらもコンベンションセンターではなくホテルで、これはこの催しの形式と整合しています。 ![高層階から北を向いて撮影したオフィス街。中央に黒いガラス張りの高層ビルが立ち、その周囲に中層のオフィスビルとホテル、手前に立体駐車場の屋上とヤシの木が並んでいます](https://www.withexpa.ai/conf/2026/american-chemical-manufacturing-summit/uptown-district.jpg) 会場ホテルは客室485室、イベントスペース5万平方フィート超、会議室23室、ボールルーム3室を備えます。デリゲートは会議と同じ建物に宿泊できます。この点は姉妹イベントに初参加した来場者が具体的に評価しています。 > 初参加として素晴らしい経験でした。会場と、同じ場所に宿泊できたことがありがたかったです。アジェンダ、登壇者、テーマ、パネルの構成もよく練られていました。 Wade Vincent氏(Boeing Commercial Airplanes)。主催者掲載で、かつ姉妹イベントであるAmerican Manufacturing Summitについての感想です。ただし東京から到着した翌朝に午前7時開始の初日を迎える日本からの参加者にとって、建物を移動せずに済むことは実務上の利点そのものです。 日本からのアクセスは、米国のこの規模のイベントとしては例外的に良好です。 | 項目 | 内容 | | --- | --- | | 直行便 | ANAが羽田〜ヒューストン・インターコンチネンタル(IAH)を毎日運航。2015年就航、2025年6月12日にIAHで放水アーチによる10周年式典 | | 所要時間 | 羽田発IAH行き約12時間20分、IAH発羽田行きは約13時間50分 | | 今後の動き | ユナイテッド航空も同市場に就航しており、自社のIAH〜羽田直行便を米運輸省に申請済み | | 空港から会場 | IAHからアップタウンまでは通常の空港送迎圏内。所要時間と費用は本調査では未確認 | | 12月の気候 | 平年の最高19°C・最低9°C。氷点下になる日は年間18日程度で、東京の12月より暖かい | 厚手の冬用コートは不要です。湿度が高く雨は降りますが、寒さの備えは東京より軽くて構いません。 **宿泊の予約リンクは更新されていません** 公式サイトのVenueページは特別料金を用意していると書いていますが、案内文は「2024年の宿泊予約はお待ちください」のままです。FAQは予約リンクがVenueタブにあると案内し、部屋のブロックは早く埋まると警告しています。実際の料金は本調査では確認できませんでした。会場ホテルは485室あり同じ建物に泊まれる利点が大きいため、招待が確定した時点で主催者に予約導線を直接確認することをおすすめします。 ## 誰が主催しているのか 主催はトロントのイベント運営会社**Generis Group**です。化学業界の団体ではなく、同じ形式を業種横断で展開するポートフォリオ運営会社である点が、このサミットの性格を決めています。 米国では医療機器、製造、バイオ製造、航空宇宙・防衛、自動車、サプライチェーン、医薬品製造、包装、CIO・サイバーセキュリティ、食品製造、電子部品、そして化学製造の各サミットを運営し、欧州にも同じ構成の姉妹イベント群があります。旗艦はAmerican Manufacturing Summitで、2027年開催分が「13年目」と紹介されています。2025年3月には第11回が開かれました。 この構造から、読者が知っておくべきことが2つあります。**商談マッチングの機構は本物で、再現性があります**。年に十数本のイベントで償却されている仕組みだからです。一方で、**業界知見は自前ではなく諮問委員会から買っています**。その痕跡はサイトにも残っていて、諮問委員会のページは化学ではなく「American Manufacturing Summit」と「製造業界」について説明する定型文のままですし、Venueページの宿泊案内は2024年で止まっています。 諮問委員会の個人名は公開されていません。実質的な顔として押さえるべきは各ストリームの議長です。2025年はSolenisのSVP兼最高執行責任者Dan Key氏と、PPGの環境・健康・安全担当VPであるLyndee Brassieur氏の2名が務めました。Dan Key氏は2026年の登壇者としても確定しています。 登壇枠を得る経路も公開されています。諮問委員会への応募です。サイトのRegisterメニューに応募フォームがあり、締切は設定されていません。日本企業が発言者として関与したい場合、この応募が唯一の公表された入り口です。 ## デリゲートとスポンサー、どちらの立場で参加するのか 貴社が化学メーカーならデリゲート、化学メーカーに売る側ならスポンサーです。この2つは費用も得るものも全く違います。 | 項目 | デリゲート | スポンサー | | --- | --- | --- | | 費用 | 無料 | 非公開(8パッケージすべて) | | 条件 | 主催者による個別審査 | 契約と枠の空き | | 得るもの | 講演、ワークショップ、ラウンドテーブル、自分で選んだベンダーとの商談 | デリゲートが指名した1対1商談、上位枠では講演枠、終了後の連絡先付きデリゲートリスト、Marketing 365® | | 枠 | 約120名 | 約20社 | デリゲートの審査基準はFAQに明記されています。厳格な招待制の資格審査を行い、担当者が全デリゲートを個別に確認したうえで、役職と職位、企業規模と売上、進行中のプロジェクトと購買権限、予算責任の4点を満たすかどうかを見る、という説明です。参加が無料なのはこの審査を経ているからで、無料の対価は、貴社が購買力を持つ買い手だと証明することにほかなりません。 デリゲートには2段階あり、上位の「On-Demand」枠には全セッションの録画が付きます。セッションはすべて録画されています。 スポンサー側は8つのパッケージが用意され、アクセス時点で3つが完売していました。 | パッケージ | 状況 | | --- | --- | | Elite Membership | 販売中 | | Premier Industry Partner | 販売中 | | Lead Tech Partner | 販売中 | | Gold Partner | 販売中 | | Thought Leadership + Partner | 販売中 | | Silver Partner | 完売 | | Thought Leadership Partner | 完売 | | Emerging Tech Partner | 完売 | 完売したのがどれかを見てください。名称から安価と推測される3つです。残っているのは高額帯で、トップページは「スポンサーシップと展示は90%完売」と告知しています。 **価格を知る方法は、営業導線に入ること以外にありません**。スポンサーパッケージ、デリゲート登録、スポンサー登録、プログラム、登壇者、スポンサーの各ページはすべてパスワードで保護されており、「サミットの限定コンテンツは資格を満たした参加者向けです。アクセスを申請するか、パスワードを入力してください」と表示されます。稟議に金額を載せるには、まず問い合わせが必要です。 渡航費と宿泊費を含む出張総額の概算は、下のツールで試算できます。 ## どんな企業が参加しているのか まず人数から片付けます。**主催者が公表する参加者数は4通りあり、互いに一致しません。** | 人数 | 出典 | 読み方 | | --- | --- | --- | | 約120名 | 公式FAQ(2026年) | 最も具体的かつ最新で、当社データベースとも一致 | | 150名超 | 公式トップページ(2026年) | 販売用の見出し数字 | | **140名超** | 2025年の開催後レポート | **唯一の事後実績。ただしデリゲートとソリューション提供企業の合計** | | 年間200名超 | デリゲート感想ページ | 同ページの証言の多くが姉妹イベントAmerican Manufacturing Summitを名指ししており、この化学サミットの数字ではない可能性が高い | 本ガイドは**120名から140名**を前提に置きます。開催後に書かれた数字はこの140名超だけだからです。数を期待して渡航するイベントではありません。 Generisは職種と社名のみを記載した**169件のデリゲートリスト**を公開しています。個人名はありませんが、この催しが生み出す公開情報としては最も価値の高い資料です。 役職は明確にVP以上に偏っています。SVP、EVP、VP、シニアディレクター、COO、CIO、CFO、社長、CEOが並び、職能は製造・オペレーション、サプライチェーン、品質、EHSに集中します。FAQが主張する「上級職に限定した参加者構成」は、少なくとも公開リスト上は事実です。 社名も相応です。Dowが6件、BASFが6件、Solstice Advanced Materialsが6件、3Mが4件、Huntsman、Albemarle、Axalta、Chemtradeがそれぞれ4件、Covestro、Henkel、PPG、Solenis、Indorama Ventures、BYK、INX International Ink、Riteks、Willamette Valley Co.が3件ずつ。ほかにChemours、Honeywell、ExxonMobil、AkzoNobel、Sherwin-Williams、Linde、Air Products、Lubrizol、Olin、Sasol、INEOS Oligomers、Corteva、IFF、Thermo Fisher Scientific、Entegris、Univar Solutionsなどが並びます。 ### 日系7社がすでにリストに載っています 日本の読者にとって、この調査で最も重要な発見です。 | 企業 | リスト上の役職 | | --- | --- | | **帝人**(Teijin Limited) | 帝人ホールディングスUSA社長、米州グループ代表 | | **三菱ケミカル**(Soarnol) | Director of Operations | | **クラレアメリカ**(Kuraray America) | Manager, Engineering | | **積水スペシャルティケミカルズアメリカ** | Director, Supply Chain and Procurement, Quality | | **積水化学工業** | Senior Manager of Strategic Planning | | **カネカ**(Kaneka Americas Holding) | Senior Director, Digital Technology and Innovation | | **サンスターエンジニアリングアメリカズ** | Senior Director, Operations(2件掲載) | 構成に意味があります。繊維・複合材(帝人)、機能性樹脂(三菱ケミカルのSoarnol、EVOH事業)、スペシャルティポリマー(クラレ、積水、カネカ)、接着剤・シーラント(サンスター)と、日本の化学産業が米国で操業している領域がそのまま並んでいます。公開リストの約4%が日系という比率も小さくありません。帝人の1件は、米州事業の責任者本人という点で最も職位が高いエントリーです。 **重要な留保が一つあります**。 Generisはこのページを「過去および現在のデリゲート」と説明しています。つまり複数回分を累積した実績であり、2026年12月の参加者名簿ではありません。読み方は「日本の化学各社はこの形式のイベントに実際に参加している」であって、「今年この7社に会える」ではありません。 もう一点、不在も記録しておきます。**信越化学のShintechはリストにありません**。同社はヒューストンに本社を置き、2026年3月5日にはルイジアナ州プラークミンで34億ドルの投資を発表しました。第2エチレン装置に加えて第4クロールアルカリ装置とVCM装置を建設し、エチレン年62万5,000トン、VCM年50万トン、苛性ソーダ年31万トンを積み増して2030年末頃の完成を目指す計画です。米国湾岸で最大級の日系化学プレゼンスを持つ企業が公開リストに見当たらないという事実は、2026年の参加可否についての結論ではなく、公開情報上の空白として受け取ってください。 ### 2026年に登壇が確定している顔ぶれ | 登壇者 | 役職 | 所属 | | --- | --- | --- | | Rebecca Teeters博士 | SVP, Business Supply Chain 兼 President, Chemical Operations | 3M | | Michael Lefenfeld | President and CEO | Hexion Inc | | Johnathan Weatherly | SVP, Global Manufacturing | Solstice Advanced Materials | | Diane Picho | Chief Enterprise Enablement Officer | The Chemours Company | | Jennifer Fey | EVP, Digital Strategy, Enablement | RPM International Inc. | | Dan Key | SVP and Chief Operations Officer | Solenis | | **Travis Voyles** | Associate Deputy Administrator | **米国環境保護庁**(EPA) | 最後の1名が、この催しの規模に対して不釣り合いなほど重要です。米国で工場を操業する日系化学メーカーにとって、現職のEPA副長官級が120名規模の部屋にいる状況は、実際に希少な接点です。同様に、ヒューストン市のJohn Whitmire市長が2025年に開会挨拶を行い、米国化学工業協会(ACC)の規制・科学担当VPであるKimberly Wise White博士がTSCA改革の解説を担当し、テキサス化学協会の会長兼CEOもリストに名を連ねています。 なお、このサミットに**JETROやジャパンパビリオンはありません**。展示フロアが存在しない以上、構造的に置けません。ヒューストンにはJETROヒューストン事務所と在ヒューストン日本国総領事館があり、両者は2026年1月30日に『テキサス州日系企業ディレクトリ』第3版を発行し、ヒューストン、ダラス、オースティン、サンアントニオ、エルパソ・ラレド・マッカレンの約120社・団体を収録しています。ヒューストン日米協会も現地で活動しています。ただし、いずれもこのサミットとは接点がありません。 ## 会場では実際に何が起きるのか 2026年のプログラムは非公開ですが、2025年のアジェンダPDFは公開されたままで、2日間の形が正確に分かります。 **1日目**(2025年12月9日) | 時刻 | 内容 | | --- | --- | | 7:00〜8:00 | 登録・ネットワーキング朝食 | | 8:00〜8:15 | 議長挨拶、ヒューストン市長挨拶 | | 8:15〜9:45 | 基調講演、プレナリー、ファイヤーサイドチャット | | **9:50〜11:30** | **休憩・ネットワーキング・事前設定の1対1商談**(1時間40分) | | 11:35〜12:40 | 分科会、ワークショップ | | 12:45〜13:45 | ランチ&ラーン・ラウンドテーブル | | 13:50〜14:55 | セッション、ワークショップ | | **15:00〜16:20** | **ハッピーアワー・ネットワーキング・1対1商談**(1時間20分) | | 16:25〜18:10 | プレナリー2本、パネルディスカッション | | 18:10〜19:25 | 議長総括、ネットワーキング・ドリンクレセプション | **2日目**(2025年12月10日) | 時刻 | 内容 | | --- | --- | | 7:00〜8:00 | 登録・ネットワーキング朝食 | | 8:00〜9:45 | 議長挨拶、基調講演、プレナリー2本 | | **9:50〜11:10** | **休憩・ネットワーキング・1対1商談**(1時間20分) | | 11:15〜12:55 | セッション、プレナリー | | 13:00〜14:00 | ランチ&ラーン・ラウンドテーブル | | 14:05〜15:20 | プレナリー、パネルディスカッション | | 15:20〜15:30 | 議長総括、アンケート抽選 | 出張日程を組むうえで押さえるべき事実が2つあります。**1日目は午前7時から午後7時25分までの12時間で、最後にドリンクレセプションが付きます**。そして**2日目は午後3時30分に終了する**ため、10日夕方の便で発つことは可能です。 もう一つ、時間割そのものが商品構造を示しています。**2日間で合計およそ4時間が、ネットワーキングと事前設定の商談に正式に割り当てられています**。これは休憩ではなく、この催しの中身そのものです。 扱われる内容は3つのストリームに分かれます。製造・オペレーション(自動化とデジタルツール、稼働監視とダウンタイム削減、資産健全性のためのデジタルツイン、市況変動下のコスト管理)、品質とHSE(安全文化、品質戦略と経営目標の接続、IoTとリアルタイム分析、予測分析、規制対応)、サプライチェーンと物流(世界的な混乱への耐性、重要資材の事業継続、原材料管理、地政学、調達の柔軟性)です。 2025年に実際に議論された論点は、主催者の開催後レポートに具体的に記されています。エージェント型AI、デジタルツイン、コネクテッドワーカー、TSCA改革の実務的影響、PFASリスク、そしてカリフォルニア州SB 261の気候情報開示要件です。米国で操業する日系化学メーカーにとっては、いずれも直接効いてくる論点です。 ソリューション提供企業の顔ぶれも2025年から推測できます。Innovapptive、Augmentir、WSP Global、Veeva Systems、Argano、Genpact、SAP、Fixefy、Arcwood Environmental。エンタープライズソフトウェア、産業向けAI、エンジニアリングと環境のコンサルティングで構成されており、設備メーカーでも原料サプライヤーでもありません。売り込まれる内容の方向はここで決まります。 登壇者の比率も記しておく価値があります。2025年のアジェンダを見る限り、およそ3分の2がメーカー側、3分の1がベンダー側で、ベンダーはセッションとワークショップに配置され、メインステージの基調講演には入っていません。この形式のイベントとしては健全な比率です。 参加者の評価で最も情報量が多いのは、IPEXのRobert Benton氏の一文です。 > 登壇者の内容、ベンダーの多様さ、そして圧力の少ない環境に、とても満足しています。 商談が最初から組まれている形式のイベントで、デリゲート側が自発的に「圧力が少なかった」と述べているのは、証言集の中で最も有用な情報です。Honeywellのサプライチェーン担当SVPも匿名で「この部屋にいる人々の多様さが特徴で、様々な業界と背景から集まっている点に価値がある。プレゼンの質も非常に高い」と述べています。いずれも主催者が選んで掲載した感想です。 日系企業による証言は、公開範囲に1件だけあります。デンソーのBrian Nolen氏のものです。 > 申し込みからイベントの選択、受付、当日の運営まで、すべてが非常にスムーズでした。Generisのイベントに参加するのはこれで2回目ですが、いずれもプロフェッショナリズム、サービス、サポートに大変満足しています。 こちらは化学サミットではなく姉妹イベントについての感想であり、掲載元も主催者です。それでも、日系企業がこの形式に2回続けて参加しているという事実は、初参加を検討する立場では小さくない材料です。 主催者以外の投稿として唯一見つかったのは、AkzoNobelが自社チャンネルに出した2025年の投稿でした。同社は「先週ヒューストンで開かれたAmerican Chemical Manufacturing Summitに参加できて光栄でした」と述べ、プレナリー登壇者のJeff Jirak氏(Managing Director兼President, Global Powder Coatings)とInge Welles氏(米州法務ディレクター)の名を挙げています。 **証言集が語っていないことも、同じくらい重要です**。 商談の成立に言及した投稿は1件もありません。批判的な感想も1件もありませんが、これは掲載を主催者が選んでいる以上、出典の性質であって催しの評価ではありません。そして最も知りたいはずの部分、すなわちデリゲート側から見た1対1商談の実感を語った証言は、公開範囲には存在しませんでした。 ## 日本企業にとって参加する価値はあるか 判断は、貴社が化学を作る側か、化学メーカーに売る側かで完全に分かれます。 **デリゲートとして行くべき企業**。 米国に生産拠点を持つ、または持とうとしている日系化学メーカーです。参加費は無料、会場は羽田から直行12時間20分、宿泊は同じ建物、日程は実質1.5日。この条件で、EPAの現職幹部、ACCの規制責任者、Dow・BASF・3M・Chemoursの製造責任者と同じ部屋に入れます。米国の規制環境、とりわけTSCA改革とPFAS、そしてカリフォルニア州SB 261への各社の実務対応を、二次情報ではなく当事者から聞く機会としては費用対効果が突出しています。すでに帝人、三菱ケミカル、クラレ、積水、カネカ、サンスターがこの形式に参加してきた実績もあります。 **スポンサーとして検討する企業**。 米国の化学メーカーにソフトウェアやエンジニアリングサービスを売る日本企業です。ただし条件は厳しく設定されています。価格は非公開で、8枠中3枠は完売済み、残っているのは高額帯です。得られるのはデリゲート自身が指名した商談枠と、終了後の連絡先付きリストで、これは通常の展示会でブースを出して名刺を集めるのとは経済性が全く違います。少数の大口案件を狙う企業向けであり、量を求める企業向けではありません。 **行かなくてよい企業**。 設備、装置、原材料を売る企業です。2025年のソリューション提供企業9社はすべてソフトウェア、AI、コンサルティングでした。デリゲートが事前にプロフィールを読んで会いたい相手を選ぶ仕組みである以上、その期待の枠外にある提案は商談枠が埋まりません。日本から製品カタログを持ち込むタイプの営業には向きません。装置と設備を売るなら展示会側に行き先があります。樹脂と成形なら3年に1度の[NPE](/conf/2027/npe-plastics-show)、包装ラインなら[PACK EXPO International](/conf/2026/pack-expo-international)、複合材と樹脂の素材なら[CAMX](/conf/2026/camx)です。同じ主催者が製造業全般を対象に開く[American Manufacturing Summit](/conf/2027/american-manufacturing-summit)も、形式は同じで客層だけが違います。 **期待値の調整**。 部屋にいるのは120名から140名です。数を求めて渡航するイベントではなく、役職の高さと会話の密度に対して費用を払うイベントです。1対1商談に割り当てられた4時間で何を持ち帰るかを事前に決めていない参加は、そのまま12時間の飛行機代を無駄にします。 デリゲート審査の通し方、スポンサー費用の見積もり取得、渡航日程の設計については、下記からご相談ください。 ## よくあるご質問 ### American Chemical Manufacturing Summitの参加費はいくらですか? 審査を通過したデリゲートは無料です。主催のGeneris Groupが、役職と職位、企業規模と売上、進行中のプロジェクトと購買権限、予算責任の4項目で全員を個別に審査します。一方、化学メーカーに売り込む側の企業はスポンサー料を払う必要があり、8つのパッケージはすべて価格非公開です。 ### 展示ブースを買って出展できますか? できません。展示会ではないため、単体で買えるブースも一般販売のチケットもありません。スポンサーが得るのは、デリゲート自身が事前に相手を選んだ1対1の商談枠と、終了後に配布される連絡先付きのデリゲートリストです。2026年は8つのパッケージのうち3つがすでに完売しています。 ### 日本企業は参加していますか? しています。Generisが公開する169件のデリゲートリストに、帝人、三菱ケミカル(Soarnol)、クラレアメリカ、積水化学の2社、カネカ、サンスターの7社が含まれます。最上位は帝人ホールディングスUSA社長兼米州グループ代表です。ただし同リストは過去と現在のデリゲートを合わせたもので、2026年の参加者名簿ではありません。 ### 日本からヒューストンへの直行便はありますか? あります。ANAが羽田〜ヒューストン・インターコンチネンタル空港(IAH)線を毎日運航しており、羽田発は約12時間20分です。2015年就航で、2025年6月12日に10周年を迎えました。会場は同じヒューストン市内にあるため、米国内線の乗り継ぎは不要です。 ### 実際には何人くらいが参加しますか? 120名から140名を見込んでください。主催者は公式FAQで約120名、トップページで150名超と書いていますが、2025年の開催後レポートが記した140名超が唯一の事後実績です。ただしこの140名超はデリゲートとソリューション提供企業の合計で、化学メーカー側だけの人数ではありません。 ### 事前にプログラムを確認できますか? 2026年のプログラム、登壇者、スポンサーの各ページはパスワードで保護されており、確認できません。ただし2025年のアジェンダPDFは公開されたままで、2日間の時間割を把握できます。1日目は午前7時から午後7時25分まで、2日目は午後3時30分に終了しました。